この素晴らしい世界にもんむすを!   作:邪魅魑

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とりあえずキメラメデュラハンの名前と種族名、竜印の試練とかの名前間違えてたので少しずつ直していきます。
終章になってキメラ女デュラハンについては名前が分かったので改名してます。


EP60 イリアスヴィルにサヨナラバイバイ

 さて、カサンドラを討伐し、町を救った俺たちだったのだが……。

 

「……納得できません」

 

 結局、俺たちはイリアスヴィルを追い立てられるように出ていくことになった。どうやら淫毒を除染するために泉源にエルベティエを放り込んだ結果、淫毒の効果と共に温泉の薬効もきれいさっぱりなくなってしまったそうで、温泉事業を潰した下手人ということでやっぱり追い立てられるように町を出ていくことになってしまった。しかも、泉源が駄目になった賠償ということで、(最終討伐者はエデンという天使だが)俺たちパーティが受け取るはずだった分のカサンドラ討伐報酬もパーになってしまったのだ。

 

「うむ、まあ、信徒を救うことができたことに満足するしかあるまいな」

 

 今回は馬車すらも待たずに放り投げられたので、サバサの背に乗って移動中だ。サバサが疲れたら、サバサはポ魔城に戻ってもらって、徒歩移動になる予定である。

 

「まぁ、確かにそうなんでしょうけどね、はぁ……」

 

 因みに、シロムとクロム、ついでにエミリは既にポ魔城の中でいろいろと手を付けている。いろいろあったイリアスヴィルだったが、ちゃっかりと「聖別された水」「霊土」「イリアス鋼」といったよくわからないアイテムの数々を入手していたらしい。あと「天使の羽」なんてアイテムも戦闘中に拾っていたらしく、それを使ってギガントウェポンに手を加えているようだ。

 

「はぁ、全く惜しいことしたよなぁ」

 

 泡と消えた魔王軍幹部の討伐報酬に、俺は深くため息をつく。まあ、町の主要産業一つぶっ潰したのだ。借金を吹っ掛けられなかっただけましなのだろう。

 

「……というか、俺、湯治で何したっけ?」

 

 よく考えれば、初っ端に混浴で多分魔王軍幹部二人とその娘と混浴になり、洗脳された後にエルとイリアス教虐ツアーに付き合わされて……。

 

「碌な目にあってねぇ」

 

 よく考えれば、屋敷ではクロムやたまもと混浴したわけで……うーんこっちもロリで固まってるな。まぁ、混浴で洗脳されるよりはましだ。実は湯治に来ない方がいい思いができるのかもしれない。

 

「あぁ、屋敷が恋しい」

 

 俺は万感を込めて、そう呟くのだった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「お、おい!一体何だってんだこりゃ」

 

 一人の男が、天使に捕縛され、そうわめいていた。

 

「えぇ、クロイツ派ですがこの度解体することになりまして」

 

「は?」

 

 質問に答えているようで答えていない天使の言葉、しかし、その一言は、男には答えを得るよりも多大な衝撃を与えることになった。

 

「ば、馬鹿言うんじゃねえ!俺たちイリアスクロイツは、まだ何も成しちゃいねぇ!イリアス様だって魔物を毛嫌いしているといったのはお前じゃねえか!」

 

「えぇ。そう言ったのは私でしたね。しかし、事情が変わったのです。イリアス様は、この地に降臨されたのです。そして、慈悲深いかの御方は魔物の殲滅を望まれなかった!あぁ偉大にして慈悲深いイリアス様は魔物のような矮小で卑俗なものでさえ、その生を認められたのです!」

 

 歌いだしそうな声に、男は激高して天使に食って掛かる。

 

「なら、俺たちはどうなる!イリアス様が言えばはいそうですかとなると思ってんのか!?俺たちの憎しみは!魔物たちに対する憎悪はどうすりゃいい!?」

 

「は?」

 

 ラザロの言葉を受けて、エデンの目が氷点下まで下がる。

 

「誰があなたの意見など求めましたか?この下郎。あなたは、イリアス様の御心にかなうから、魔物を排斥していたのではないのですか?イリアス様が是と言えば是、否と言えば否。当然の摂理でしょう」

 

 エデンが振り上げた手を見据え、己の死を悟ったラザロは、しかし反抗的な目をエデンに向け……その手は振り下ろされる前に、老人の手に掴まれることになった。

 

「はばかりながら天使様、私の意見を聞き入れてはくれぬだろうか」

 

「確か、ペテロと言いましたね。意外です。あなたはこの男を嫌っていると思っていましたが」

 

 その言葉にペテロと呼ばれた老人は、はっはと笑ってラザロを見る。

 

「それは確かに、人として見れば、私はこの者を好いてはおりませんな。だが、それでも一人のイリアス信徒として、無駄に命が散ることに耐えられぬのです」

 

「む、それは確かに慈悲深きイリアス様の御心に沿う行いと言えるでしょう」

 

 そう言うとペテロは再びエデンに向き直り、諫言した。

 

「そして、エデン様。人間の心とは揺らぎやすいもの。善と悪、節制と欲得の間で揺れ動くのが人間というものなのです。天使様のように、純粋な信仰のみを貫けるものなど、そうはおらぬのですよ。そう、大司教となった私でさえ、ふとした瞬間に、魔物娘のお嬢さんを目線で追ってしまったり、何かの折に精霊に祈りをささげようと頭をよぎったこともあったのです」

 

「なんと、そのようなことが」

 

 驚くエデンに、ペテロはエデンの手を握り、言葉をつづける。

 

「彼には、まだ罪を濯ぐ機会を与えるべきだと、私は考えます。どうか、寛大な処置をお願いいただけまいか」

 

「む、むう。あなたほどの者がそういうのであれば……しかし、どうするというのですか?」

 

「我々は、イリアス様の御心に沿うようにすべきです。そして、イリアス様はどうやら魔王盗伐を掲げる者たちと共にいるようだ。そして、この者は魔物娘に大いに憎しみを燃やしておる。その性根が治らぬというのであれば、むしろ、最前線にて、彼らの助けとなるように派遣してはいかがかと」

 

 そういうペテロに、エデンはふむと頭を揺らす。

 

「つまり……うむ。流刑、あるいは戦地での盾替わり、といったところですか?」

 

「いえ」

 

 ペテロはラザロに問いかける。

 

「お前は、魔物娘を殺したいのだったな。選ぶといい。ここで反逆者として火刑に処されるか、最前線で人類を守る兵士となるか。お前の指揮能力なら、最前線で一部隊程度ならすぐに束ねることができるだろう?」

 

 その言葉にラザロは口を結んだあと、にやりと笑った。

 

「ふんっ。まあいいさ。どうせ抵抗もない魔物娘をいくら血祭りにあげたって、少しの慰みになるだけだったんだ。魔物をぶっ殺していいってお題目をもらえるなら、いいぜ、前線でもなんにでも送りやがれ。だがいいのか?前線なんて目の届かないところに送れば、勝手に力をつけてこっちに返り咲くかもしれないぜ?」

 

「お前が人間を守ることを覚えてくれるなら、私はそれでも構わんよ。そうでなければ、こちらのエデン様に返り討ちにあうだけだ」

 

 そう言われて、ラザロはチッと舌打ちをする。

 

「と、いうわけです。どうですか?エデン様」

 

 それを聞いて、エデンは小さくうなずいた。

 

「良いでしょう。ならば、ラザロとその配下は最前線で、魔王軍からの都市防衛の補助兵力としての派遣を教会として検討しましょう。そして、それをイリアス様達に還元するために、情報の提供、および断続的な監視を付けることとします」

 

 こうして、カズマたちが引き起こした騒動の結果、最前線での戦況が少しだけ盛り返したとか盛り返していないとか。




と、いうわけで4巻範囲終了です。
次はもしもアクアの予定です。
あと、タイミング逃した気がしますが、ちょっとアンケートです。

アニオリ部分の話を見たいかどうかのアンケート

  • 呪いのチョーカーの話だけ見たい
  • 新人冒険者へ話す冒険話の話だけ見たい
  • どっちも見たい
  • どっちも今更じゃない?
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