星アキラは自由に生きたいっ 作:Magical forest
アカデミー賞を受賞した僕は数か月間は超忙しかった。
アメリカでいくつかのインタビュー番組に出た後に日本にトンボ返り。
記者会見と沢山のインタビュー、そしてアカデミー賞に一緒に云った四人と雑誌や写真集の撮影とかをして、夜の便でアメリカへ。 そんでまた向こうの取材とかを受けるような生活が数か月ほど続いた。
そして、最近またやっと自分の時間が持てるようになった。
・・・なんかこのくだり、僕の単独記者会見の後にも見た気がする。
今日はアメリカで久々にオフを楽しむところだよ。
とはいっても、ごろごろして過ごす訳では無く、ゴーグルのテリーの兄者から研究所に遊びに来ないか言われていたので、遊びに行くことにした。
僕がアメリカで滞在してたカリフォルニア州のハリウッド地区から同じカリフォルニア州シリコンバレーへ飛行機で遊びに行ったんだけど、同じ州なのに距離が500km以上あるんですが・・・。 アメリカでは500Kmが近場なんですかね?
いつ来てもスケールがまじでヤバいんですが。
伝説のジャスコ釧路店の直進110kmは正しい看板だったんや。
アメリカに居ると本当に距離感がバグるよ。
さて、2014年現在、2D VTuberに必要な技術やソフトがだいぶ出てきている。 Life2Dもあるし、今年の年末にはフェイスリガというVTuberを始めるのに重要なソフトの初版が出てくるためだ。
Life2Dはそれ以前から開発が進められていて、ゲームのミドルウェアとしてはすでにリリースされているソフトで、平面の絵を表情を付けて動かす事ができるね。
フェイスリガは顔の表情を読み取って、3Dのアバターにその表情を反映させることができるソフトだね。
2018年以降はiPhone Xの登場でこのフェイスリガの機能をTrueDepthカメラのフェイストラッキングで代用できるようになって、みんなに馴染みのある2DのVTuberが爆発的に広まっていくんだよね。
とりあえず、この2つを組み合わせると2DのVTuberができるようになるけれども、まだそれぞれのソフトが初版という段階では環境も整備されていないし、ある程度お金を持っていても、見られるレベルの2D VTuberを作るにはまだ技術的に難しいね。
ちなみに、WEATHEROID Type A Airiさんが2012年から活動しているので、VTuberという言葉がまだ無いだけで、技術的にはできるんだけど、使用する機材やスタジオなどの設備を考えると、個人で気軽にって訳にもいかなかった。
僕もさすがに個人でスタジオを用意する気も無かったし、VTuberの配信にそこまで気合を入れる気にもならなかった。
いや、前世の私をここまで育ててくれたのはVTuberのお陰だよ? でも前世でVTuberがずっと出来ていたのは、iPhoneとパソコンで気軽に配信できるって環境があるお陰であって、配信するために気合が必要な環境は違うと思うんだ。
ハリウッドスタジオレベルの機器を揃えれば、今でもかなり高品質な配信ができるとは思うけれども、そこまでしてVTuberで食べていかなくても、現状はお仕事を一杯もらえているからね。
3Dで始めてもいいんだけど、3D→2Dへのバージョンダウンはいろいろ物議を醸すことが多いからなるべく避けて、最初から2Dで行きたいんだよね。
2Dスタートからなら3Dになってお披露目する時にリスナーさんとも感動を分かち合えるしね。
だから僕にできることは卓上で配信できる環境を整える後押しをして、あとはそれとなくVTuber文化を発信して土壌を整える事が目標だね。
僕がゴーグルの研究所に行くと、テリーの兄者が出迎えてくれて、実際の研究員を交えながら、ゴーグルで研究中のいろいろなテクノロジーを紹介してくれた。
「量子コンピュータはいいよね。 ロマンがあるよ。 現状は暗号解読してインターネットなんかの社会基盤を根本的に破壊して、大混乱をもたらす以外に碌な使い方が無い所もいいよね。」
「アキラは相変わらず辛辣だね。 ロマンは間違いなくあるね。 組み合わせ問題の最適化には特効があるんだけど、スケジューラ以外の用途は微妙なんだよね。」
「将来的には都市の交通や物流なんかの管理とかで根幹を担うことになるかもしれないけど、まだ、こんなに信頼性が無い状態の研究段階だと大仕事を任せるには厳しそうだね。」
「将来的にこれが実用化しても、これ単体ってシステムよりも、GPUやAIプロセッサみたいにコンピュータアーキテクチャの一部として組み込むのが一番便利な使い方かもね。」
「CPUの分岐予測とかに使われて、性能は劇的に上がるのかもしれないけど、量子コンピュータって言う夢のある看板に対して、使い道はあんまりロマンが無いよね。 僕はナイトライダーのキットみたいな素敵なパートナーが欲しいんだよ。」
「キットはどちらかと言うと、人工知能の方だから、そちらのラボに行こうか。 アキラ君の目的のやつもそこにあるよ。」
僕たちはAIの研究棟に向かうことになった。