星アキラは自由に生きたいっ   作:Magical forest

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星アキラはVTuberの準備を始める2

 

人工知能ラボで、囲碁のAIプログラムとか会話をするAIやチャットボットを見学した後に僕はお目当ての研究部署に来た。

 

研究所で見せてもらったのは、Webカメラで表情を読み取って2次元のアクターを動かすシステムでまさしくVTuberのシステムそのものだった。

 

「2D部分の表情変化はアキラ君の言っていた通り、Life2Dのライブラリを使用して、フェイストラッキングのシステムはゴーグルのAI技術で仕上げたシステムだね。どうだい気に入ったかい?」

 

「テリーの兄者、本当にすごいよ。 ちゃんと表情を読み取って2Dのピクチャに反映されているよ! もうこの時点で十分実用的だよ!! どうやっているの!?」

 

「Googleの検索エンジンに保存されている膨大な顔の写真をベースに、ディープラーニングで顔の各パーツの位置や変化を数値化できるニューラルネットワークを構築して、その数値をAPIを介してLife2Dのライブラリにリアルタイムで入力することで人物の表情をそのまま2Dのピクチャに反映できるようになっています。」

 

このシステムを作ってくれた研究員さんが説明してくれた。

 

「研究員さん、天才すぎるよ! まさに人類の救世主だよ!!」

 

「アキラ君がこんなに喜んでくれるのはうれしいのですが、やっぱりまだ表情や動きが固い感じがして不気味な気がするんですよね。」

 

ここに表示されているVTuberシステムの出来は最初にブームが来た2018年初旬ぐらいの出来で、2020年代に何度もVerUPされて洗練されていったシステムに比べると確かに見劣りした。

 

特に横を向いたりとか首から上の自由度とかがすごく低かったけれども、それは2018年ぐらいの初期のシステムでもそうだったので、2014年現在として見ると破格のシステムだった。

 

「僕にやらせて! 是非是非是非!!」

 

「はっはいっ」

 

引き気味な研究員さんを横に避けて、さっそく僕が使ってみる。

 

「ドナルドは嬉しくなると、ついやっちゃうんだ! ☆M  みんなも一緒にやってみようよ。 らんらんるーーー☆」

 

「ドナルドの靴って何㎝? ハンバーガー4個分くらいかな?(40㎝)」

 

「ホモ茶じゃないよ!(空耳)」

 

「てりやきマックバーガーはポーク100ぱーせんとですっ☆M」

 

「らんらんるーーー☆」

 

「流石は俳優のアキラ君だね。 研究員さんよりも表情が生き生きしていて、本当にカートゥーンの人物と話しているみたいだ。」

 

「いや、CEO、他にツッコム部分が一杯あると思うのですが。」

 

研究員さんがうろたえる。

 

「研究員さん、アキラ君が楽しそうにやっているんだからいいじゃないか。」

 

「いや、あそこに映っているキャラクターはM社のキャラクターじゃないのですが・・・。」

 

「流石はアキラ君だね。 すごくいいよ。」

 

「突っ込み不在の恐怖やべぇ。」

 

研究員さんは盛大に爆発しつつも、僕はVTuberシステムに大満足だった。

 

「やっぱり、アキラ君みたいに本職の俳優さんが表情を作ると画面のカートゥーンも生きているように動くんだね。」

 

「僕が一番、ガンダムをうまく使えるんだ。」

 

「流石はアキラ君だね。」

 

「うわっ、こいつら、話が嚙み合っているみたいに見えて、全然嚙み合っていないよ。 どうすればいいんだ。こいつら!? 逆に一周回って意思疎通ができているのか!?」

 

盛大に混乱する研究員さんを横目に、僕はテリーの兄者や研究員さんに生き生きと動くって驚かれた理由を考えた。

 

やはり、これは転生特典のチート能力に違いない。 VTuberの表情が生き生きと見える程度の能力・・・。 これはしょぼい。 非常にしょぼい。

 

そして、画面のアバターの動きもお世辞にも、前世で見た数々のVTuberさんを超えるとは思えなかった。結果、考えられる結論は一つ。

 

初期のアバターの表情は結構硬くて、操り人形を操作するように自然な表情をさせるのにはちょっとしたコツと練習が必要だった。

 

純粋に前世で何万時間も配信をしていた配信者に素人が敵うわけが無いという話だろう。

 

そして、動かし慣れていない人がアバターを動かすと不気味の谷に落ちて、表情が違和感どころか忌避感が出ている感じだね。

 

おそらくこういったシステムが普及した暁には、僕を追い抜く人なんていっぱい出てくるだろう。

 

とはいえ、現時点でこの世界では、間違いなく僕はVTuberのトップ集団に居た。 そしてキーになるテクノロジーも手に入れた。

 

これなら僕の中で密かに計画していた『VTuberで早期にデビューして、Vtuberのみんなに先輩♡って呼んでもらってぐへへとなる作戦』。通称『V作戦』が実現可能になった瞬間だった。

 

もしこれがギレンの野望であれば、この作戦が提案された瞬間にレビル将軍も全力で作戦を許可するに違いない。

 

「ところで、アキラ君、このツールの使い道は考えているのかい?」

 

「もちろんだよ。 テリーの兄者。 ゴーグルとYoutubeのPublic relations(広報部)に話を通さなければいけないけれども、ゴーグルにもYoutubeにもプラスになる良いアイデアがあるんだ!」

 

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