星アキラは自由に生きたいっ 作:Magical forest
僕達四人は、世間的には子役、役者、俳優の職業をしている事になっている。 ・・・最近、僕は世間ではYoutuberと勘違いされている気がするけれども、実は俳優なんだよ。ホントダヨ。
俳優は主にドラマ等の出演料などで生計を立てて、グッズ収入などは付随して作られるポスターとかパンフレットぐらいしかない。 対してアイドルは歌と踊りでライブ収入やCD収入、そしてライブ時やアイドルコーナーでアイドルグッズが売られて彼らの収入となっている。
そう考えた場合、僕達の年齢ではトップ俳優とトップアイドルを比較した場合には、基本的には俳優や子役として出演料をメインとして稼ぐ俳優業よりも、アイドル業の方が稼ぐ金額は多い傾向があった。
ただし、これも傾向というだけであって、例えば千世子ちゃんの場合には女優だけど、圧倒的な人気をバックボーンに、アイドル並みのグッズは作られていたし、下手なアイドルよりも数字を持っているために、出演料の単価が高くて彼女の世代のトップアイドルよりもはるかに稼いでいた。
彼女がCDを出せばさらに売り上げが上がるんだろうけれども、女優としての仕事がおろそかになるから、その辺のアイドルっぽい仕事を彼女はやらなかった。
俳優もグッズを出せばいいじゃないとか言うかもしれないけれども、俳優というのはアイドルと違って、役を演じて初めて評価される存在だ。 演じた役によってキャラクターがセットされることになる。 この辺が単独でキャラクターが存在するアイドルとは大きな違いだね。
そうなると、俳優個人のグッズというよりも、演じた映画なり番組のグッズとなって、番組や映画を離れた俳優個人のグッズというのは扱いが難しい事になる。 それこそファンクラブ内々の受注生産のグッズぐらいの扱いとなって、そこまで本人の収入にはならないのだ。
対して、アイドル化した僕達のVTuberアバターであれば事情が変わってくる。 キャラクターなので、実写のアイドルなんかよりも、ずっと広い範囲の商品やキャラクターグッズを出すことができる。
例えば前世では、名前が似ている事から、納豆業者さんに自分で突撃して、社長と仲良くなって、自分の名前が入った納豆を売り出してもらったVTuberの先輩を皮切りに、沢山種類のVTuberカードが入ったポテトチップス、シャチハタ、ベビースターラーメン、チロルチョコ、ジュエリー、化粧品に至るまでコラボや商品展開の幅がどんどん広がっていった。
僕はそれぞれのアバターを使って、そういった商品展開を考えていたんだけど、絵麻ママの神棚に飾られていた珍獣の着ぐるみを着た僕を観て、さらにアイデアが浮かんだ。
僕はさっそく、絵麻ママに2.5頭身の珍獣の着ぐるみを被った生意気な表情のアキラ君をベースに、天使の恰好をしてどす黒い千世子ちゃん、 見習いドジっ子悪魔の景ちゃん、 カメレオンの着ぐるみを着てマイペースな阿良也、 アホお嬢様のキアラ、 ぶっ飛び自由人のラーヤのキャラクター案を紙に書いてもらった。
絵麻ママはアニメーターらしく、僕の注文に答えて紙にさらさらと、注文したキャラクター達を想像以上のクオリティーであっと言う間に描きだしてくれた。 さすがはアニメーター。 絵を描く速度が段違いだ。
クライアントも絵を注文してこんな速度でイメージ案の絵が出来上がって来るのであれば、安心して依頼できるだろう。 絵麻ママはアニメーターの能力も色々な部分で役に立っているんだね。
出来上がったキャラクター達は、今世の僕が見ても、前世の私の視点でも素晴らしい出来だった。 つまり男性にも女性にも両方にウケるキャラクターという事だ。
僕は本来の依頼内容の打ち合わせを終えると、その日の夕食時にみんなにこのキャラクターを見せた。
「いいわね。 純粋で清らかな天使ってイメージじゃなくて、裏で邪悪な事を考えていそうな表情がいいわ。」
「この見習い悪魔ちゃん、一生懸命なのにドジですごく可愛いですっ。」
「何にも考えてい無さそうなところがいいね。 俺のキャラクターに合っているよ。 ラーヤも目を離すとどっかにぶっ飛んで行きそうでいいね。」
みんなにも大好評で、さっそくこのイラストをスターズの商品企画の部門に持って行って、商品化を依頼した。
その結果、僕達のアバターとは別にキャラクターとして独り立ちして、グッズが大人気に。 海外からも問い合わせが殺到する事態となるほどの人気となった。 さらに、その後アニメ化するなんて、この時の僕でもさすがに想像していなかった。
その後、このキャラクターグッズのイラスト使用料として、絵麻ママにキャラクターグッズの1%がロイヤリティとして支払われるんだけど、振り込まれたその金額に、絵麻ママがキュ~って目を回してぶっ倒れる事態になったのは、絵麻ママ以外の人にとっては予定調和だった。