星アキラは自由に生きたいっ   作:Magical forest

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星アキラはウルトラ仮面のオーディションを受ける1

 

僕がVTuberを始めてから2年が経過して、この世界では千世子ちゃんが名付けたVTuberって活動は日本を席巻していって、世界に羽ばたき始めていた。

 

当然、これを商機と見てVTuber事務所も作られて一気にVTuberという存在が日本でブレイクする事になったよ。 今ではVTuberというのが単独の職業として認知され始めているね。

 

当然、その先駆けである、僕達はその中でも高い評価を保ち続けているよ。 特に景ちゃんの演じるポンコツ悪魔のケイティは設定をちゃんとつくってロールプレイしているせいか、いい悪魔すぎるキャラクターが面白くて、大天使なのにやたらとサイコパスで邪悪なチヨコエルとのコンビで大人から子供まで大人気だよ。

 

僕も良く、珍獣君やアホお嬢様としてゲスト出演させてもらっているよ。 こう言ったロールプレイで彼女たち自身の演技力についても、世間の評価が高まっているね。

 

そんなある日、食事前にルイ君とレイちゃんがやってきて、リビングのテレビで一緒にウルトラ仮面を見ていた。

 

ウルトラ仮面は昭和の時代から続く特撮シリーズで、宇宙から来る怪獣達をウルトラ仮面とウルトラ警備隊の面々が協力して倒す、ヒーローものの番組だね。

 

もちろん、ヒーローが大好きな僕も大ファンだよ。

 

「いっけー! ウルトラ仮面!!」

 

家では僕の他に、特にルイ君がウルトラ仮面の大ファンだ。 そんなルイ君を見て後ろでレイちゃんを抱っこしているアリサママもニコニコだ。

 

「そういえば、そろそろ新しいウルトラ仮面のオーディションがあるらしいわね。 アキラ、受けてきたら? 最近暇なんでしょ?」

 

「そこまで暇って訳じゃないけど・・・。 確かにウルトラ仮面をやるぐらいの時間は取れるかも」

 

最近の僕は、ナショナルクリミナルシリーズや、ハリウッドの連続ドラマの配役がひと段落して、仕事を入れる余裕があった。Youtube放送の方にそのリソースを割こうかと思っていたんだけど、ウルトラ仮面をやってみるのもいいかもしれない。

 

「アキラ兄ちゃん、ウルトラ仮面になるの!?」

 

ルイ君とレイちゃんがキラキラした目で僕を見る。

 

「うっ、まだウルトラ仮面になれるかどうか分からないけど、ウルトラの星のテストを受けてみるよ。」

 

とは言っても、ウルトラ仮面のオーディションなんだけど、そんなに簡単な物じゃない。 なぜならウルトラ仮面は若手俳優の登竜門として、ウルトラ仮面に合っているかどうかで公正に選ばれる事で有名で、知名度や人気は考慮されないからだ。

 

だから、ウルトラ仮面を足掛かりとして芸能界でキャリアを積み上げていく俳優さん達が多くて、彼らにとってもウルトラ仮面を演じたというのは誇りでもあった。 その意味で言えば、逆に知名度や人気がある僕は今回のオーディションではその分、若手にチャンスを与えるためにマイナス評価をもらってしまうかもしれない。

 

そんな事をうだうだと考えていても仕方が無いので、阿良也や千世子ちゃん、景ちゃんとウルトラ仮面のエチュードをして、ウルトラ仮面として仕上げてオーディションに臨んだ。

 

書類選考は問題なく通り、案内された日時に間に合うように、オーディション会場にあるビルの会議室に入る。

 

オーディション会場では、200人ぐらいの椅子が用意されていて、すでに100人ぐらいが着席していた。

 

僕がオーディション会場に入ると、一瞬会場がシーンとなった後に、ざわついた。

 

「えっ、マジで!? 星アキラもこのオーディション受けるのかよ!」 「俺、星アキラに勝てる自信がねぇ。どうしよう!?」 「とりあえずやれるだけの事をするだけだ。」「本当に星アキラも受けるの!? ドッキリじゃないの?」

 

僕はオーディションが始まるまで、ノートパソコンを開いて夜にやる配信の準備をしていた。

 

「アキラ先輩もオーディション受けるんスね。」

 

見るとスターズの後輩の堂上竜吾君が声をかけて来た。

 

「堂上君か。そうだね。僕もウルトラ仮面の役をやってみたいんだ。 ここでは先輩、後輩も関係ない。 お互いに選ばれるようにがんばろう。」

 

「あっ、ああ、そうっスね。 俺も頑張ります。」

 

彼は動揺しながら去って行った。 最初っからあんなので大丈夫なのだろうか?

 

「うわっ、事務所の後輩君かわいそう。」「まじで化け物級の先輩と同じ役を競う事になるのか。」「いや、ライバルに星アキラはキツイだろ。」「完全に俳優モードで来ていやがる。オーラが違う。」「これが星アキラじゃなければ、まだなんとかなったんだが・・・。」「ちょっと絶望感が・・・。」

 

周りから何か聞こえて来たけれども、僕は無視をした。 こんな事で動揺するようなら僕が居ても居なくても、オーディションの雰囲気に飲まれるだろう。実際の所、ここまで来たら集中してやれる事をやるしか無い。 

 

ウルトラ仮面のオーディションが始まろうとしていた。

 

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