星アキラは自由に生きたいっ   作:Magical forest

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絵麻ママはみんなで銀河鉄道を観に行く1

 

-------安原絵麻視点---------

 

みんなが出演する銀河鉄道の夜。絶対に観ると決意して沢山の片っ端からチケット予約サイトに登録して結果を待ったのだけど、全て落選・・・。

友達もみんな抽選に落ちたみたい。 恐るべしプラチナチケット。 もう舞台のチケットとは思えないぐらいの盛況だった。

 

それはそうだと思う。 だって阿良也君だけでもチケットを取るのが難しいのに、さらに景ちゃん、アキラ君、千世子ちゃんが付いてくる訳だ。 そんなメンバーが巌裕次郎の演出に集う訳だから、普段、舞台を観ない人でもチケットの予約をしまくっている。

 

結果、私の予約したチケットの抽選は全滅だった。 公表されていないけれども、年配から若者まで見たい年齢層が広いだけに、倍率が高くて有名なアイドルコンサートなんかよりも、さらに倍率が高いってもっぱらの噂だ。

 

確かに、みんなのファンと、天球の舞台ファン、話題好きの人達、舞台好きな人達、そんな人達とチケットの争奪戦をすれば、とんでもない倍率になる事は予想できた。

 

でも、勝てない勝負でもみんなのママとしては絶対に観に行きたい舞台だった。

 

一緒に山形から出てきた友達にもペアでチケットの登録をお願いしたけれども、いずれも全滅だった。

 

当然、私は凹んだ。 一瞬、やたらと銀行に貯まっているお金で高額転売のチケットを買う事も頭に浮かんだけれども、流石に転売行為に加担するのはダメだと思って、諦めた。

 

諦めたんだけど・・・、舞台を観に行けない悔しさは誰よりも大きい。 今回はVTuberでは無いけれども、私達の可愛い子供達が出演する舞台なのだ。舞台の開催日が近づくにつれて、私のモチベーションはどんどん落ちて行った。

 

そして、舞台が2週間前に迫ったある日、アキラ君から連絡があった。

 

「絵麻ママ、今大丈夫?」

 

「大丈夫よ。 舞台の練習がんばっているの?」

 

「もちろんだよ。 すごい舞台になりそうだから是非観に来てよ。」

 

「無理なの・・・。チケット全部落ちちゃったの・・・。」

 

「やっぱりそうなんだ。ニヤリ」

 

電話の向こうでアキラ君がニヤリと笑ったのが判った。

 

「むっ・・。チケット取ろうと頑張ったのに、笑う事無いじゃない。」

 

「ごめんごめん。 そう言う事じゃ無いんだ。ちょうどいいと思って。」

 

「丁度いい?」

 

「そう。ちょうどいいんだ。 初回の開演日だけなんだけど、突然SS席とS席が合わせて200席ほど余っている事が発覚して、観に行く人を探していたんだ。」

 

「何で!? 何でそんなにいい席が沢山余っているの? 絶対に売れ残った訳じゃないわよね?」

 

「もちろんだよ。 主催者であるアリサママの方で抑えていたらしいんだけど、初日は余っているからアキラ達の好きに使っていいわよって僕達四人にどっさりとチケットをくれたんだ。 完全に意味不明だよ。 何で初日だけなんだろう? スターズや天球の方で関係者や来賓用のチケットは別に抑えていて、それはすでに配り切っているから、何でこんなチケットが余っているのか全く分からないんだよ。」

 

「えええっっ!!!」

 

「それで、こんなチケットが存在することがバレちゃったら大騒ぎだし、下手にチケットをバラまく訳には行かないから、みんなで行きたい知り合いを探しているんだ。」

 

「それ、とんでもない事態じゃないの?」

 

「まさかこの僕が銀河鉄道の舞台で、売れないアマチュアバンドのライブチケットを配るような事態に陥るとは思わなかったよ・・・。それでハリウッドの友達とかにも数枚配ったんだけど、絵麻ママもどうかと思って。」

 

「欲しい! 絶対に欲しい!」

 

「素晴らしい食いつきだね。 何枚ぐらいチケット欲しい?」

 

「何枚って、そんなに余っているの?」

 

「うーん。10枚ぐらいまでならOKかな? 阿良也の知り合いは僕達以外には天球の関係者ばかりだから、元々チケットは不要だし、景ちゃんはデスアイランドの共演者とか、学校の友達にチケットを配っているみたい。 千世子ちゃんも友達や、ドラマや映画でお世話になった人達に配っているみたい。もちろん、みんなの家族分のチケットはすでに別枠で取ってあったから、その辺は心配しなくていいから。」

 

「こんなプラチナチケット10枚もいらないわ! そんなに持っていたら、心臓が持たないわ。 そう。それなら5人分くらい? ちょっと友達に声を掛けてみるから、その返答でいい?」

 

「OKだよ。 返信待っています。 そんじゃーねー!」

 

そう言って、アキラ君からの電話を切ると、私は急いで友達に電話を掛けた。

 

結果私の他には、おいちゃん(宮森あおい)、ずかちゃん(坂木しずか)、みーちゃん(藤堂美沙)、りーちゃん(今井みどり)の5人が行く事になった。

 

久乃木さんは残念ながら人が沢山居る所は無理とのことで、山形から出てきたアニメーション同好会の元メンバー達で舞台を観に行く事にした。

 

アキラ君に5人と伝えると、翌日には私の家にSS席の5枚のチケットが配達されて来た。

 

転売されているチケットでも転売品を買って入場できる保証すらないのに関わらず、A席で何十万ってレベルなのに、SS席のチケットとかどれだけの価値があるのだろうか・・・。 SS席のチケットは有名な版画家さんが印刷ではなくて、1枚1枚手で刷られていて、それが手にインクが付かないように、コーティングされていた。なので、5枚分のチケットを並べると、それぞれ微妙にインクの付き方が違う。

 

銀河鉄道をモチーフにした素敵な版画だ。 これだけで、ものすごいプレミアム感だ。 舞台を観た後に、この半券だけ飾っておく人も出るだろう。 かく言う私も、この半券に合う写真立てをネットで探していたりする。

 

今回は本当に運が良いとしか言いようが無い。 私は前世でどんな徳を積んだのだろうか?

 

モチベーションが落ちていた私は、一転して、今度は興奮してあまり眠れない日々を過ごした。

 

そして迎えた、開演日当日、バッチリとメイクを決めて、一番良い服を着て、私は気合を入れて、決戦の地、帝国国際劇場へと足を運ぶのであった。

 

 

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