星アキラは自由に生きたいっ   作:Magical forest

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絵麻ママはみんなで銀河鉄道を観に行く4

 

劇場に入ると、私たちは正面、最前列からちょっと後ろのものすごく良い席に座った。

 

周りにハリウッドスターが数人居てビビった。 アキラ君、友達にチケットを配ったって言ってたけども、ハリウッドスターは無いでしょ!? っていうか完全にお忍びだよね。 そもそも日本語わかんないんじゃないの?

 

って思っていたら、その人たちには字幕が出る端末みたいなのが配られてた。電子ペーパーで、舞台でも画面が周りの迷惑にならないやつ。 ハリウッドスターたちは字幕を元に洋画感覚で舞台を楽しんでいた。

 

恐るべしアキラ君、サポートも万全だった。 当日は英訳の動画も放映されるから字幕はそれを出しているんだろう。

 

私たちがあのハリウッドスターと同格とはとても思えないけど、超強運でもらったチケットで真剣に鑑賞させていただきます。

 

しばらくして舞台が開演。 みんな銀河鉄道の夜に引き込まれていった。 最初は阿良也君の演技がすごかった。 そもそも私は舞台なんて、お金に余裕ができてから2.5次元のミュージカルを数回観に行ったっきりで、本格的な舞台は初めてだった。 なんていうか、空気が全然違う。 阿良也君の呼吸の音まで聞こえてくるし、気配を間近に感じる。

 

目の前で集中して繰り広げられる役者の生の演技に圧倒される私たち。 映画やアニメとは全く違った、目の前でリアルに繰り広げられる役者さんの生の演技にどんどん魅入られていった。

 

教室の中とか絡まれるシーンとか役者さんは沢山いたんだけど、その中にいても最も光り輝くのは主役である阿良也君。 明神阿良也という役者が天才っていうのもわかる。 普段のぬぼ~としたふわふわした阿良也君しか見てなかったから、この変化に戸惑う。 完全に別人だ。 あの阿良也君がこんな風に変われるなんて、役者さんってやばい。

 

あんなにふわふわして普段は何を考えているかわからないのに、感受性がすごいのだろうか? 天才ってやっぱりあんな感じなのだろうか? そういえば、そんな状態でもアキラ君は阿良也君が何を言いたいのかよく分かっていたっけ。 あの4人は親友同士だけど、みんなそれぞれを良く理解していたように見えた。 役者同士通じるものがあるのかな。

 

そんなこんなで第一部終了。 景ちゃんのセリフが第一部では無かったけど、第二部からはもう一人の主役としてがんばるはずだ。 景ちゃんファイト! 私は景ちゃんを応援した。 もっとも、この後に私の応援なんていらないほどヤバい景ちゃん達を見ることになったのだけど。

 

第二部が始まると、椅子だけが置かれた舞台に阿良也君が座っていてびっくりする。 みんな戸惑っていた。 なにかの手違いかと思ったんだけど、景ちゃんのカムパネルラが普通に入ってきて、劇が続いた。

 

入ってきた景ちゃんはすごかった。 窓を開けるときに本当に客車の窓が開いたような音が幻聴として聞こえてきて、阿良也君の横で存在感を示している。

 

景ちゃんと阿良也君が二人で演技をすると、簡素なはずの舞台が光輝く銀河鉄道の旅路に変わった。 彼らが体を動かして表現する度に、私の目の前に原色のような美しさに彩られた銀河鉄道の景色が浮かんでくる。

 

私は、銀河鉄道の夜って古い物語だし、アンティークな印刷物のイメージがあったから、勝手にモノトーンの白黒かセピア色の情景だと思っていた。 でも二人の演技からそれが完全に覆って、本当に輝く美しい星の海が頭の中に描かれる。 私はこの情景を心にとどめて、帰ったらこの情景をイラストに描き起こすことを決めた。

 

景ちゃんと阿良也君、二人は舞台の上で二連星のように大きく輝いて、そして影響し合って舞台が進んでいった。 景ちゃんファイトとか勝手に応援していたのが恥ずかしいぐらい、景ちゃんの存在感はすごい。 私が応援しなくても景ちゃんの演技は半端なかった。

 

本当にきれい。 本当にすばらしい。 私は息をするのを忘れるぐらい舞台に集中していた。もう一緒に来たみんなの事なんて薄情にも完全に忘れるぐらいだった。 もっとも、後でみんなに聞いたら、みんなそうだったらしいので、お互い様だろう。

 

私は時間が経つのを忘れて、銀河鉄道の世界に吞まれているとアキラ君の出番が来て、一番の衝撃を受けるのだった。

 

 

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