星アキラは自由に生きたいっ   作:Magical forest

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星アキラは新しい職を説明する

「ここが離れで、住み込みの家政婦さん用の家、つまり夜凪さん達の新しい家になります。離れですけれども、一応今まで住んでいた借家よりも大きいので大丈夫だと思いますが、何か不都合な点があれば連絡してください。離れ側にもお風呂や台所はありますが、本邸の方が大きいですし、本邸は僕と母親しか住んでいません。2ヵ所の掃除をするのも面倒だと思いますので、本邸のお風呂と台所を使うことをお勧めします。」

 

「はいっ。」景ちゃんが元気に頷く。元気に「はいっ」ができてエライ! スパチャはどこに振り込めばいいんだろう?

 

「こちらが本邸になります。この本邸の掃除と、みんなの食事作りが夜凪さんと景ちゃんのお二人の仕事になります。本邸にはお客様がいらっしゃる事はほとんどありませんので、ルイ君とレイちゃんの面倒を見ながら、自分のペースで仕事を進めて行ってもらって構わないです。仕事中に子供を寝かせておくベビーベッドなどの必要がありましたらすぐに取り寄せますので、必要なものはこのリストに書いて僕に渡してください。遠慮は特に不要です。」

 

「がんばるっ!」

「ありがとうございます。」

 

「こちらは台所になります。設備は非常に整っていますが、私の母である星アリサは全く料理をしません。私は使用する事もあると思いますので、その時には事前に連絡します。料理の材料費については夜凪さんの勤務日で、私達が居ない時に作って夜凪家だけで食べた料理であっても、私どもの方で材料費を負担します。税理士さんに提出しますので、レシート等を取っておいて必要に応じてまとめておいてください。また、調理器具や掃除用具等で必要なものがあればホームセンターなどでそのまま購入されて大丈夫です。この場合もレシートは取っておいて、提出してもらうことになります。」

 

「星アリサの書斎や、音楽室などの高価な品物や大切な品物がある部屋は鍵がかけてあります。鍵を預けますので、ルイ君やレイちゃんなどがいたずらなどで入って壊さないようにちゃんと管理をお願いします。」

 

「了解しました。」

 

「日給は2人合わせて15000円。夜凪ママさんが1人で全部の業務をこなせるようになれば、景ちゃんは働かなくて良くなり、夜凪ママさんが1人で15000円を受け取るようになります。週2日の休みがあり、月給は税引き前で約35万円程度になります。週2日の休みの日は必要に応じて家事代行サービスを入れます。土日は私と母親が家に居る可能性が高いので、基本は平日に休みを取ってもらいますが、状況に応じて家事代行サービスに連絡を入れて、土日で休みを取ってもらっても大丈夫です。有給休暇は年に20日間が付与されます。違法になりますので必ず年5日以上の有休を取得してください。」

 

「差し当たって、体調を回復させるのと、簡単に新しい生活に慣れるために、5日ほど有休を使用された方が良いと思います。景ちゃんは夜凪ママがルイ君やレイちゃんの面倒を見るために、仕事が完全にできない部分のフォローとして、夜凪ママのお手伝いで働いてもらいますが、もちろん未成年の家業お手伝いという立場なので、強制はしません。景ちゃんには別途手伝ってもらいたい事がありますが、こちらについては働いた分の給料をちゃんと支給しようと考えております。」

 

「はいっ。がんばります!」気合を入れる景ちゃん。

 

「こんなに厚遇していただいてよろしいのでしょうか?」と夜凪ママ。

 

「厚遇ではありません。住み込みの家政婦さんへの相場相応の労働条件と給与になります。ただし、このチャンスを逃せば、夜凪さんは同じような条件の職を得るチャンスはもう巡って来ないでしょう。そういった事を踏まえた上で、ちゃんと働いていただける事をお願いいたします。」

 

「肝に銘じます。」

 

「10日後に前に勤めていた家政婦さんが来て引継ぎをやってくれます。実際の仕事の進め方などは、その家政婦さんから引き継いでください。」

 

そう。夜凪家に提案したのは星家、つまり星アリサ邸宅の住み込みの家政婦さんであった。

前の家政婦さんは、高齢ではあったが、人当たりの良い人であり、自殺した僕を見つけてくれた命の恩人でもあった。

 

とは言え、自殺未遂を起こした僕の第一発見者と言う事もあり、ショックを受けたり、マスコミの取材を受けたので、しばらく静養をしていたのだが、息子さんが一緒に暮らそうと言ってきた事もあり、今回退職することとなった。

 

僕も電話で命を助けてくれたお礼と、退職することに対する謝罪を伝えたら、無事に回復してくれて良かったと涙を流して喜んでくれた。

アリサママはこれまでの実績、息子を助けてくれた恩、マスコミなどからの迷惑料などを含めてかなりの金額を退職金として渡したようだった。

 

こういう経緯で丁度、星家のお手伝いさんを探しており、夜凪さん一家は渡りに船だったのだ。

 

ちなみに僕の住んでいる家について、ちょっと解説しておこう。

 

星アリサの邸宅は、彼女の成功した女優人生で稼いだお金をかけて建築された豪邸であった。

もちろん。海外とかにあるイメージの、貴族とかが住んでいて、お手伝いさんが何人も必要なレベルの豪邸では無い。

専業主婦であれば1人で維持することもできるぐらいの規模の日本では常識的な規模?の豪邸だった。

 

このような豪邸を建てた理由は、女優の成功者および芸能人として生きるアリサママの外聞と見栄、それから特に使い道が無いお金が貯まっていたからだった。

 

さて、アリサママは自分は家事ができない人間である事を認識していた。そしてこんな豪邸を建てたものの、金銭面を除いた運用面を考えると自分一人では維持できない事も判っていた。故にアリサママは、最初から住み込みの家政婦さんを雇う前提の豪邸を設計、建築した。

 

アリサママはいろいろな人間関係を見てきたためか、住み込み家政婦さんとは言え、赤の他人と一緒に住むのにあたって、プライベート空間は分けておいた方が良い事を知っていた。

そのために、豪邸である本邸の裏側に離れの一軒家がぽつんと立つ事になった。これが住み込みのお手伝いさん用の家であり、夜凪家族が新しく住む家でもある。

そのお手伝いさん用の一軒家は本邸と並べても見劣りしないように、かなり質が良い家になっている。

 

こういった事情もあり、僕は夜凪一家を受け入れる事ができた。

 

今日からアリサママと僕、夜凪ママと景ちゃん、ルイ君とレイちゃんとの奇妙な半同居生活が始まろうとしていた。




星アキラ:「夜凪景ちゃんお持ち帰り成功」(計画通り!)
夜凪景ちゃん:「おまわりさんこっちです」
おまわりさん:「やっぱ小学生は最高だぜ」
夜凪景ちゃん:「もうやだこの国」
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