星アキラは自由に生きたいっ   作:Magical forest

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星アキラは文化祭を観に行く1

 

 

文化祭当日。 景ちゃんの高校の前には危惧していた通り、景ちゃんの自主製作映画を観たい野次馬やマスコミが集まっていた。

 

------------ ある教師の視点 ------------

 

校門に押し掛けた野次馬とマスコミの対策で急遽、職員会議が開催されていた。

 

「去年はこんな事は無かったのにどうして?」

 

「今年は夜凪君の自主製作映画を作ったという噂が出回っていて、それを観たさにマスコミや夜凪君のファンなどが押し掛けたようですね。」

 

「このままでは文化祭が混乱してしまいます。 下手をすれば中止もあり得るかも。」

 

「こうなってしまっては仕方がない、夜凪君達の映画上映は中止という形で対応するしかありませんな。」

 

「そんな!? みんな映画を楽しみにしているのですよ!」

 

「しかし、このままでは文化祭自体の開催が危ぶまれる。 夜凪君のために他の生徒に迷惑をかける訳には行かない。 文化祭は夜凪君のためだけにある訳じゃない。」

 

「やむを得ませんな。 生徒達の安全が第一です。 映画上映は中止の方向でマスコミやファンの人達には帰ってもらいましょう。」

 

「その必要はありませんよ。」

 

突然、スーツを着た女性が職員会議に乱入して来た。

 

「どなたですかな?」

 

「私、このような者です。」

 

女性は名刺を校長と教頭に渡す。

 

「東京都知事の秘書官!?」

 

「はい。 このような事態の調整担当をしております。 校長先生はこちらの契約書にサインをお願いします。 これで全部収まります。」

 

そう言って、渡された書類に校長先生は書類に目を通すと。

 

「本当にこれで大丈夫なのでしょうか?」

 

「こう言ったイベント整理などはスターズなどの芸能事務所は手慣れていますから、校長先生にサインしていただければ費用はあちらもちで全部対応いたします。」

 

「これをやる事でスターズにどんなメリットが?」

 

「夜凪景の評判を落としたくないか、もしかしたら案外、景ちゃんに文化祭を楽しんで欲しいのではないでしょうか。」

 

「・・・そこまで・・・判りました。 ただ、これで混乱が収まらない場合には文化祭の中止まで視野に入れて対応させていただきます。」

 

「はい。 もちろん学校の管理は校長先生の役割ですから、校長先生の判断が優先されると言う事で良いと思われます。」

 

そう言って、校長先生は書類にサインを行った。 そうしてその秘書官の人がどこかに電話を掛けると、校門の付近で一斉に動きが出た。

 

「あと、言い忘れていましたが、本日の文化祭は東京都知事が視察に来るので、生徒会の人と夜凪さんに案内をお願いしますね。」

 

「「「「「「「「はぁ!?」」」」」」」」」

 

秘書官のその一言で職員室は大混乱に陥った。

 

 

------------ 星アキラ視点 ------------

 

「連絡が来ました。 それじゃよろしくお願いします。」

 

「はい。 お任せください。」

 

スターズのイベント担当部署の担当者に僕は電話をする。

 

その電話と共に、マスコミや野次馬でにぎわう校門に素早く警備員が配置され、テントが運び込まれて、入口にチケット確認のカウンターと手荷物検査所が設置される。

 

同時に警備員さんやアルバイトの人を通じて、野次馬にチラシが渡される。

 

野次馬の人達には、自主製作映画は、近所の公園に設置された臨時のモニターか、新宿のスタジオアルタ、渋谷の109フォーラムビジョンなどに指定の時間に上映されるので、学校ではなくて、そちらを観に行く事。

 

マスコミについては、東京都知事の視察があるので、そちらに着いて行けば学校の取材は可能である事と、そのタイムスケジュールの表などを渡した。

 

野次馬達も最悪、映画を観られない事も考えていたため、この対応は好意的に受け入れられて、散らばって行った。

 

また、マスコミ達もちゃんとニュースとして撮れるということと、ずっと校門で待たなくても良いと言う事で校門の風景を撮影すると、指定時間まで大人しくしていた。

 

そうして、10時頃からチケットを持った一般の保護者や友達などが入場し始めて、11時頃に都知事が来て、景ちゃんと共に、学校の先生や生徒会の子と一緒に文化祭を回り、知事は生徒との交流を楽しみ、マスコミもその様子を取材していた。

 

このニュースの中で一番好評だったのは、景ちゃん達のお化け屋敷で、都知事と一緒に一通り文化祭を回った景ちゃんが、最後にお化けに扮して出し物に現れた。

 

その時、マスコミと知事たちは、景ちゃんの準備が整うまで、外で待機していたんだけど、景ちゃんのお化けが出るようになったら、とたんに遊園地のお化け屋敷もビックリというような、大量の悲鳴が教室から上がり始める。

 

そして、悲鳴を上げたお客さんは、出口でマスコミの取材を受けて、その恐ろしさを語り、期待を盛り上げる。 (ちなみに、泣いている子も居た。)

 

そして仕上げに、マスコミの各社がレポーターを連れて、一組一組順に入って行き、夜凪景が全力で扮するお化けの餌食になって行くのであった。

 

あまりにビックリして腰を抜かしたレポーターは、その年の報道部門のNG大賞で1位を獲得したぐらいだった。

 

ちなみに、都知事はあまりのヤバイ雰囲気に視察は遠慮したようだ。 君子危うきに近寄らず。 かしこい。

 

この様子はお茶の間で何度も放映されて、景ちゃん達のお化け屋敷は、伝説のお化け屋敷として、高校の歴史に刻まれてしまった。

 

さらに、この高校の七不思議に、志半ばで逝った女優の幽霊が追加されたのは言うまでもない。

 

こうして都知事やマスコミは午前中には帰って、午後は平穏な?文化祭となった。

 

「アキラちゃん、綺麗に対処したわね。」

 

僕の横に立っている千世子ちゃんが言った。

 

「まぁ、僕がすごいって言うよりも、うちのイベント部門がすごいんだけどね。 後でちょっと打ち上げ代とかを出してあげないとね。」

 

「よく、東京都知事とかを引っ張り出して来れたわね。」

 

「別に。 僕はただ単に、アリサママ経由で都知事の秘書さんに、教育委員会あたりの誰かを視察に来るようにお願いしただけだよ。 視察に都知事が来たのは自分の判断だね。」

 

「来るのが分かっていたくせに。」

 

「まあね。 夜凪景のガイドが付いてマスコミが注目している中で、教育問題にも熱心に取り組む知事を印象付けられるんだから、ここまでお膳立てされていれば、そりゃ来るでしょう。 逆にここで来られないような知事なら、次の選挙は厳しいよね。」

 

「アキラ君って、アリサさんに似て、人を動かすのが上手いわよね。」 

 

一緒に来ている雪ねぇちゃんが言う。

 

「人を動かすって言うか、単純にWIN-WINの状況に持ち込んでいるだけだよ。」

 

「アキラ、こっちからいい匂いがする。 あれ食べたい。」

 

阿良也は相変わらずマイペースだ。

 

「ボクも!」「わたしも!」

 

「はいはい。それじゃこの券で買いましょうか。」

 

双子と夜凪ママも一緒に居る。

 

「さてと、マスコミや野次馬も居なくなったし、存分に文化祭を楽しみますか。」

 

「そうね。 文化祭楽しみだわ。」

 

そんな訳で、平穏になった午後に、僕達はそろって文化祭へ繰り出すのであった。

 

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