星アキラは自由に生きたいっ 作:Magical forest
クリスマスシーズンがやってきた。 この季節になると星家はクリスマス一色となる。
アリサさんとアキラ君がアメリカに住んでいたせいか、星家のクリスマスというのはかなり欧米の色が強いクリスマスとなる。
今年もアキラ君が生のもみの木を購入して、リビングに飾ってあるし、クリスマスツリーの下に当日までプレゼントを積んでおくのもアメリカの文化だろう。
先週はみんなでクリスマスツリーの飾りつけを行い、クリスマスツリーの下には続々とプレゼントが置かれている。 当然、ルイとレイのプレゼントも大量に置かれていて、二人はクリスマスツリーの下に続々と置かれるプレゼントの前に、クリスマスの日を今か今かとワクワクしながら待っていた。
この家でルイとレイ以外はみんな働いているためか、ルイとレイのプレゼントの数はとんでもない事になっている。 正直もらいすぎかと思っているのだけれども、みんなもルイとレイにプレゼントをあげる事を楽しみにしているので、止めてとは言えなかった。
あと、ルイとレイはお年玉もみんなからもらえる。 親戚が多い家はプレゼントやお年玉が多いとは言うけれども、ルイとレイはもらいすぎな気もする。ただでさえ、アキラ君や千世子ちゃんの配信などの機材を使って、ゲームなども沢山やっているのに。
みんなが勉強を見てくれるから、まだ学校の成績は悪くないけど、来年あたりからは、ルイとレイあたりも塾とかに行かせた方が良いのかもしれない。
なにかやりたい事があれば、優先してやらせてあげてもいいんだけど・・・。 あの子達、みんなに影響されて、子役をやりたいとか言い出さないわよね?
そんな事を考えながら、今日のクリスマスパーティの準備に入る。
まずはケーキのスポンジだ。 ずいぶん前にケーキを焼くようになって、それがみんなに好評で今では、クリスマスケーキも私の手作りとなっている。
「それじゃ、分量を入れたから、これをハンドミキサーで混ぜてね。」
「「は―――――い。」」
最近、ルイとレイは私の仕事を手伝ってくれるようになっている。 今回のケーキ作りも簡単な作業なら手伝ってくれるのでとても助かっている。
星家にはスタンドミキサーもあるのだけど、今日の料理の下ごしらえが多くて間に合わないのだ。
丁度、ルイとレイのハンドミキサーの生地と、スタンドミキサーの生地が同時に仕上がったら、容器に流し込んでオーブンに入れて生地を焼く。
本日のメインの七面鳥だ。 冷凍されていた七面鳥はすでに冷蔵庫で解凍ずみで、昨日のうちにすでにお腹の詰め物と味付けを終わらせている。 10Kgの巨大な七面鳥なので、オーブンで5時間焼く必要がある。
そして、オーブンで焼きながら、マッシュポテトやクッキーなどのサイドメニューやケーキ作りを行う。
準備を行っていると、徐々にみんなが合流してきて、料理を並べたり準備を手伝ってくれる。 景も来て手伝ってくれた。
そして、最後に酢飯を作って、魚屋さんで切ってもらった手巻き寿司のセットと共に手巻き寿司を準備して、準備が終わる。 そして夜になるとみんなが揃ってクリスマスパーティーが始まる。
「「「「「「「「メリークリスマス!」」」」」」」」
アリサさん、アキラ君、千世子ちゃん、阿良也君、景、ルイ、レイが揃って賑やかなクリスマスパーティーが始まる。
みんな忙しいにもかかわらず、この日は全員が予定を調整してくれて賑やかなクリスマスパーティーだ。
こうやって見ると、本当にスターばっかりだ。 みんなの活躍する映画やドラマは必ず観るけれども、自分がテレビの中の人達にご飯を作るようになるなんて今でも信じられない。 それにその中に景が混じっているのも・・・。
あの人が居なくなって目の前が真っ暗だったあの日から、数奇な運命を辿って、アキラ君に私達家族は助けられて、今こうやって笑っていられる。
「阿良也! 僕の作った大トロ七面鳥ウニ納豆ポテトリュフグァバ寿司を勝手に食べるな!!」
「アキラ、これ互いの長所を殺しまくって、後味も悪くて最悪だぞ、これ。」
「あーあ。 阿良也が口を付けちゃったから、最後まで食べてよね。それ。」
「お前っ!まずいってわかったから俺に押し付けただろっ。 大体どうしてこんな寿司作ったんだよ!」
「いっぱい入れたら相乗効果で美味しくなると思ったんだけど、やっぱダメだったか。 犠牲になったのが阿良也で良かったよ。 僕の力作が阿良也に食べられて悲しいよ。 およよよよよ。」
「かわいそうなアキラちゃん。 そんなアキラちゃんには私の作ったこの手巻きずしをあげるわ。」
「ありがとう。 千世子ちゃん! やっぱり持つべきものはかわいい幼馴染だよ! あんなゲテモノを食べる阿良也にも見習ってほしいよ。」
「あれはアキラさんの作ったお寿司じゃ・・・。」
「じゃあさっそく。 パクっ。 ブーーーッ!」
「「アキラお兄ちゃん、きたない!!」」
「アキラ! 汚いわね。 いつでもカメラが向けられているって気構えで食事も綺麗に食べなさい! ルイとレイの教育にも良くないわ。」
「ゲホッ、ゲホッ。 みっ水・・・・・。」
「アキラさん、どうぞ!」
「景ちゃん、ありがとう! ごくごくっ。」
「なによ! 私がせっかくアキラちゃんのために作ってあげた特製手巻き寿司なのに。」
「千世子ちゃん、これ何入れたの? エビっぽいんだけど、ゲロ苦くて刺激が強いんだけど・・・。涙まで出て来ちゃったよ。」
「えっ? 私の特製の、ユムシカイモッデーンホンオフェサソリ手巻き寿司よ。」
「ちょっと待って! 何一つ夜凪ママの出してくれた料理が使われていないじゃないか! それに、ユムシとホンオフェとサソリは判るけど、カイモッデーンって何さ!」
「タイ料理のアリの卵の炒め物よ。 そんな事も知らないの? アキラちゃんは常識が足りないわ!」
「そんな常識なんてないよ! 千世子ちゃん、クリスマスだからってゲテモノに挑戦しすぎだよ! こんなんだから、バラエティで虫食とか出されて、普通に食べて食レポして、リアクションに乏しいとか言われちゃうんだよ。」
「普通に美味しいじゃない。 同じ甲殻類のエビは大丈夫なのに、昆虫がダメな方が良く分らないわ。 それに、ミカンの食レポの時とかに、まだ時期が早いみたいで、微妙に酸っぱいですとか、正直に言っちゃうアキラちゃんよりましよ!」
「どっちもどっちなんじゃ・・・。」
「食レポが上手い景ちゃんに言われたくないよ。 これだからメソッド演技の女優は。」
「私だっていっぱい食レポを見て、美味しさを伝える研究しているですからっ。 こっそりと立ち飲み居酒屋の影とかに行って、井之頭五郎さんみたいな方を見つけて、ちゃんとリアクションを研究しているですからっ!」
「景、そのストーカーみたいな人間観察は、いい加減捕まるから、止めた方がいいぞ。」
「阿良也さんに言われたくありませんっ。 阿良也さんなんて、共演の子を理解するために付きまとって、その人の家まで行っちゃうじゃないですか!」
「「どっちもヤバイと思うよ(わ)。」」
「ふふふっ。」
「お母さん! どうしたのっ!? 涙が出てる! 泣いているの!?」
「千世子ちゃん、まずいよ! ホンオフェから出るアンモニア臭のせいで、夜凪ママが泣いちゃったよ!」
「えっ!? エイを1週間発酵させただけだから、そんなに刺激が強くは無いと思っていたのに! 夜凪ママごめんなさい。」
「千世子ちゃん、違うわ。 ただ、みんなと過ごせて幸せだなって思っただけよ。」
景と私、そしてレイとルイが取り残されて絶望したあの日から、私達家族にこんなに楽しくて安らげる時間が訪れるなんて思わなかった。 そして、こんなに騒がしい新しい家族が出来るとも思わなかった。
こんな素敵な家族を持って私達はなんて幸せなんだろうか。 アリサさんと、そして沢山のやんちゃな子供達。
また来年もこんな騒がしくて素敵な日々をずっと過ごしたい。来年も良い年でありますように。
~Happy Merry Christmas~