星アキラは自由に生きたいっ   作:Magical forest

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I want to make my movie. その4

 

(昼の東京、マラソンをしたりくつろぐ人が居る公園の風景、通りを行きかう人、静かな住宅街の風景)

 

「シナリオが完成したYukiは主要な出演者にそのシナリオを見せます。」

 

(星家の風景、星家の客間での様子。)

 

「なるほど。こんな感じになるんですねっ。」

 

「絵麻ママの絵が入っているとイメージがしやすくていいね。流石は絵麻ママ。」

 

「雪だけの台本だと描写が分からない部分も多かったけれども、みどりやあおいが入ってくれたおかげで、ちゃんと役者の動作まで考慮されたいい台本になったな。」

 

「これならいい映画になりそうね。」

 

(台本の読み合わせをするメンバー達。)

 

「その頃、キッチンでは彼らの夕食の準備が進んでいました。」

 

(キッチンで小麦粉やきび砂糖、塩、イースト菌などを入れて材料を混ぜる夜凪ママ。)

 

(パンの生地をこねる夜凪ママ。双子はお手伝いで肉の塊などを取り出していく。)

 

(玉ねぎを刻んで、飴色に炒める夜凪ママと、ピーラーで人参やジャガイモの皮をむくのを手伝う双子。)

 

(キッチンでは、星アキラが演奏するクラシックの音楽が流れている。)

 

「彼女達はKei Yonagiの母親と双子の弟と妹で、星家で家事と料理を取り仕切っています。」

 

(星アキラのYoutube放送をしていた初期の子供の頃の夜凪景の写真、若草物語に出演する夜凪景の写真、その後ドラマや銀河鉄道の夜に出演する写真。)

 

「Kei YonagiはHoshiファミリーの元でHousekeeperをする母親の元で育ち、Akira HoshiのYoutubeアシスタントをした後に才能を見出されて女優となりました。彼女の母親は今でも子育てをしながらHoshi FamilyのHousekeeperをしており、Hoshi Familyを支える大切な一員です。」

 

(整ったキッチンにある巨大なテーブルの上で分厚く切り分けられて行く巨大な肉の塊と、筋切りされて、塩コショウで味付けされていく肉。 塩コショウを振られた後は真空パックされて低温調理機で低温調理される。)

 

(二次発酵が終わって、星家の巨大なオーブンで焼かれる食パン)

 

(双子が交互に鍋で炒めた肉や、人参やジャガイモを煮込んで行く。)

 

(空いた時間で、透明なゼリーを作る夜凪ママ)

 

「このマスカットのババロアは千世子ちゃんや阿良也君が好きなんですよ。」

 

(冷蔵庫からすでに冷やされたワイングラスのババロアの土台にシャインマスカットが並べられて、そこにゼリーが流し込まれる。 下半分はババロアの真っ白な土台の上に、シャインマスカットとゼリーの上部分が乗るお洒落なデザートが完成して、冷蔵庫で冷やされて行く。)

 

(並行して、レタスやキャベツが盛られて、彩が良いサラダやあさりの味噌汁も出来上がって行く。)

 

「いつもこんなに沢山の料理を作っているのですか?」

 

「いつもはこの半分ぐらいですけど、今日はドキュメンタリーのスタッフさんの分もあるので、沢山の量を作っているんですよ。」

 

「ありがとうございます。」

 

「料理するのが楽しいですし、みんなが料理が美味しいって食べてくれて、このお仕事にはとても満足しているんですよ。」

 

(そういって微笑む夜凪ママ。ちなみに、夜凪景の母親だけあって超美人。)

 

(ルイが低温調理を終えた肉に小麦粉を付けて、レイがパン粉をまぶしていく。)

 

「そろそろ仕上げね。 ルイ、レイ、あの曲をかけて。」

 

(星アキラが超技巧のピアノで弾く超ノリノリのドヴォルザーグの『新世界より』の第四楽章が流れ始める。テンションが上がる夜凪ママ。)

 

「さあ、行くわよ~!」

 

(そう言って、油の海に大量のとんかつを入れ始める。 一斉に泡を立てて揚がって行くとんかつたち。すでに低温調理されているため、高温の油で短時間でカリっと揚げ終わる。)

 

(とんかつが揚がったそばから切りそろえて行って、大皿に盛りつけられて行く。低温調理されていて、火が通っていつつも美しいピンク色の肉と、カラッとしたきつね色の衣が付いた美味しそうなとんかつが山盛りに盛り付けられる。)

 

(食パンが焼き上がって、パン切り包丁で切って順に並べられて行く。)

 

(ルーを入れて、お肉やじゃがいも、ニンジンがゴロゴロの夜凪ママカレーもお洒落な容器に入れれてスタンバイしている。)

 

(出来上がった料理から順に双子が食堂に並べて行き、手際よく食事の準備が整えられて行く。そしてあっと言う間に食事の準備が完了する。)

 

(その頃、台本を元にエチュードをする星アキラ達。)

 

「「ごはんができたよ~。」」

 

「「「「「は―――――い。」」」」」

 

(食堂には、山盛りのとんかつや、食パン、サラダ、カレー、キャベツの千切り、すり鉢とゴマ、自家製とんかつソース、ごはんなどが所狭しと並べられている。)

 

「「「「「うわー――っ。今日も美味しそう!!」」」」」

 

「さあ、みんな座りなさい。」

 

(星アリサの言葉と共に、いつもの席に着席する。)

 

「「「「「「「「いただきます!」」」」」」」」」

 

(そう言って、各々好きなように夕食を食べ始める一同。 星アキラはすりゴマにとんかつソースを入れて、あさりの味噌汁と一緒にとんかつ定食にして食べる。 百城千世子はサラダととんかつを食パンで挟んでカツサンドに。 明神阿良也は山盛りのカツカレーとして食べる。)

 

(ちまちまと小皿によそって、ちょっとずつ食べる夜凪景、いろんな食材をバランスよくランチプレートに盛る柊雪、それぞれの性格が現れる食事の風景。)

 

「いつもこんな感じで料理を出しているのですか?」

 

「そうですね。みんな役者さんなので食べる量も人によって違いますし、こんな感じで取り分けて好きなように食べれるようにしているんですよ。」

 

夜凪ママが答える。

 

「キッチンべそべそのスパイシーなカレーも美味しいけれども、夜凪ママの作ってくれる究極の母の味カレーも捨てがたいわ。」

 

「雪ちゃん、それで、映画撮影の方は順調なの?」

 

星アリサが料理を食べている柊雪に質問する。

 

「はい。アリサさん、脚本もできて映画も無事にクランクインできそうです。」

 

「それは良かったわ。余計な騒動はいらないから、安定的なのが一番よ。」

 

星アリサは遠い目をしながら言った。

 

「はい。ありがとうございます。」

 

「彼女の名前はArisa Hoshi. 日本のトップ女優で、Akiraの母親にして、ChiyokoとKeiの師匠でもあります。 また、AkiraやChiyokoが所属する芸能事務所、スターズの社長でもあり、日本で最も名前が知られている女優の一人でもあります。」

 

「あっ、阿良也! 僕のとんかつの真ん中の一番いい部分を取るなよ!」

 

「アキラには代わりに端の部分をあげたからいいじゃん。」

 

「端の部分って脂身の部分じゃねぇか! しかもすでに夜凪ママカレーがかかっているし! 美味しいけど、ぶよぶよしていて成人病になっちゃうよ!」

 

「それなら、この福神漬けをやるよ。」

 

「いらんわ!」

 

「アキラちゃん、もっと静かに食べたらどうなの?」

 

「そうよ。ちゃんとお行儀よく食べなさい。」

 

「いや、この場合、悪いのは阿良也だろ! 僕のとんかつが!!」

 

「や―い。怒られてやんの!」

 

「ぐぬぬぬぬっ。」

 

「アキラ君、真ん中の部分なら私のやつをあげるから。」

 

「ありがとう夜凪ママ。」

 

「あっ、ずっけ――っ!」

 

「阿良也さんも反省してくださいっ。」

 

「はんせい~♪」「はんせい~♬」

 

「賑やかな食事の風景です。父親が居ない不思議な家庭ですが、これも一つの家族の形であるかもしれません。」

 

(華やかな食事が続き、読み合わせはお開きとなる。)

 

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(食事の後にタクシーを呼んで星家から帰る柊雪。家の前でタクシーの後部座席に乗る。)

 

「猿君、映画の撮影は順調かね?」

 

「はっ!?」

 

(タクシーの後部座席に、覆面とサングラス、怪しい紫色の背広と帽子を着る怪しげな人物がすでに乗っていて驚く柊雪。)

 

「ミスターX! またあなたなの!? っていうか、どこからタクシーに乗ってきたのよ!?」

 

「フッフッフッ。 そんな事はどうでも良いではないか。 それよりもちょっと映画が軌道に乗ってきたみたいで楽しそうではないか。 猿君。」

 

「だから、私の名前は柊雪です!!」

 

「このまま、環境や文化を知り尽くした日本で、こじんまりとした映画を撮って満足なのかね? 雪君?」

 

「・・・満足ですけど、それが何か? それに明らかにこじんまりとしたスケールの映画じゃないと思いますが。」

 

「フッフッフッ・・・。 ただ単にF4と呼ばれる人気俳優が出演して、俳優の人気におんぶにだっこで、日本ウケするだけのガラパゴス映画を撮って本当に楽しいのかね? 雪君。」

 

「う゛っ。 でも初めて作る映画だし、ある程度安定を求めるのも仕方が無いじゃないですか?」

 

(柊雪はミスターXをジト目で睨む)

 

「雪君。 君はこの映画に、実はまだ不満があるのではないかね? 本来の君が撮りたい映画は、俳優の人気に介護されてようやく売り上げを上げるような映画では無くて、出演させた俳優を逆にビッグにするような、そんな映画を撮りたいのではないかね?」

 

「そんなの、私の手ですぐに出来る訳が無いじゃないですか。 出演してくれる皆の顔に泥を塗らないようにするが精一杯なのに・・・。」

 

「フッフッフッ・・・。 そんな雪君の願いを私の闇のゴルフ組織で支援してあげようと言うのだ。」

 

「間に合っています!!」

 

「フッフッフッ。 またも私の提案を袖にするとは。 しかし、これを見てもそんな事が言えるかね?」

 

ミスターXは柊雪にまたもスマフォを渡してくる。 その中には先に家を出たはずの百城千世子が映っていた。

 

「雪ちゃん! さっきミスターXに捕まってしまったの! このままじゃ、闇のプロゴルフ選手権でゴルフの試合を盛り上げるウグイス嬢にされてしまうわ!」(日本最高の若手女優による迫真の演技)

 

「どうだ?雪君。 このままでは、百城千世子がウグイス嬢となって、ゴルフの試合を実況してしまうぞ?」

 

「なにそれ? すごく見たい。」

 

「フッフッフッ・・・。 闇のゴルフ組織の恐ろしさが分かってきたようだな。 雪君。 さあ、どうするのかね?」

 

「解ったわ。 千世子ちゃんを闇のゴルフ組織に捕らえられたままにする訳には行かないわ。 このままミスターXに着いて行けば千世子ちゃんを開放してくれるのよね?」

 

「そのとおりだよ。 雪君。」

 

(そう言って、ミスターXはどこかへ電話をする。)

 

「百城千世子は今解放されたぞ。 それから良い子のみんなには注意だが、不審な人間には着いて行っていかんぞ。 それでは雪君。 行こうか。 フッフッフッフッ。」

 

「いや、あなた以上の不審者は世の中にはほどんど居ないと思いますけど!」

 

(そのまま、ミスターXによってどこかへ連れ去れていかれる柊雪。)

 

「Chiyokoを盾にYukiを連れ去るミスターX。Chiyokoはすぐに解放されたようですが、Yukiは大丈夫なのでしょうか?」

 

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(飛行機から空港に降り立つ柊雪)

 

「ミスターX。 着いて来たけど、ここはどこなの?」

 

「フッフッフッフッ・・・。 ここはイリノイ州シカゴ。 君の映画の舞台となる街だ。」

 

「ええええええっ―――――――――――――――――――――っ!!!!!!」

 

「ミスターXによって、シカゴに連れ去られたYuki。 見知らぬ街でYukiは無事に映画を撮影する事ができるのでしょうか?」

 




---------------番外編------------------

夜凪ママにスタッフ用として作ってもらった、とんかつやパン、カレーなどを食べるネッコフリックスのドキュメンタリースタッフ達。

「うめぇ~。美味しすぎるんだけど。」

「このパンも焼きたてでフワフワだよ。」

「これを故郷のママンに食べさせてあげたい。」

「ううっ、なぜ同じ島国なのに、俺の故郷のイングランドの食事とこんなに違うんだ!」

「あったけぇ。 夕食がこんなに温かいなんてドイツじゃ考えられないぞ!」

「日本の飯うめぇ~。」

「ディレクター。 なんか、日本の食事を紹介する番組になっていませんか?」

「( ゚д゚)ハッ! いや、そんな事は・・・・・ある。」

なお、食事シーンは非常に好評だった模様。
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