星アキラは自由に生きたいっ   作:Magical forest

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安原絵麻はアメリカへ行く

 

私は今、羽田を離陸しようとする飛行機の中で混乱していた。

 

事の発端は「走れケイティ」の劇場版がアカデミー賞の長編アニメーション部門にエントリーされた事だった。

 

当然、みんなは大喜び。 受賞式はおいちゃん(宮森あおい)と景ちゃんあたりかなとかみんな盛り上がっていたら、アキラ君から連絡が来て、私達5人全員が出席するからとさらっと言われてしまった。

 

「でも、アカデミー賞って、3人までしか連れていけないのでしょう?」

 

とか言ったら、ユーモレスクから、「助演女優賞」に夜凪景、監督の柊雪は「作品賞」「監督賞」「脚本賞」「編集賞」「音響賞」にエントリー。 おまけにアキラ君は「主演女優賞」にエントリーされていて、ユーモレスクの脚本も手伝ってくれたんだから、枠も余っているし全員一緒に連れて行くねとさらりと言われてしまった。

 

柊監督はカンヌ国際映画祭のグランプリや、ヴェネツィア国際映画祭の銀獅子賞(審査員特別賞)、ベルリン国際映画祭のパノラマ部門の観客賞をすでに受賞している。 ちなみに映画評論家の人達の話しでは、各映画祭で最高賞を受賞できていないのは、ユーモレスクがハリウッドの映画と見なされているためで、ユーモレスクはアカデミー賞の管轄と見なされているため、本来は受賞自体が異例で、トレンドと芸術性を重視する各映画祭でこれだけの賞をもらっている事自体が異例中の異例という論評をしていた。 確かにタイタニックなんかはあれだけ評価が高いにもかかわらず、国際映画祭での賞はほとんど取っていなかった。

 

それから、千世子ちゃんはカンヌ国際映画祭の女優賞を獲得。 阿良也君はベルリン国際映画祭の助演俳優賞をすでに受賞している。

 

結果的に、柊さんは師匠である黒山監督に続く3大国際映画祭での受賞で、千世子ちゃんはアリサさんに続くカンヌ国際映画祭での日本人二人目の受賞と話題に事欠かなかった。 そして今回は大本命である、アカデミー賞での大量エントリーである。 今年最大のヒット映画だけにアカデミー賞の方もやる気満々みたいだ。

 

でも、その受賞会場に私が行くのとは別問題なのよ。ただでさえ、人前に出るのは苦手なのに。

 

「だめよ。そんな沢山の人の前になんて緊張して行けない。」

 

「大丈夫。最悪げろ吐いて、ゲロし野アニメーションって広めればいいだけだから。それにドレスから航空機のチケット、現地の宿泊場所に至るまで全部こっちで用意するから安心してよ。」

 

「それのどこが大丈夫なのよ!?」

 

「あっ、次の仕事が・・・。僕はハリウッドの売れっ子だから! 秒単位のスケジュールだから! 絵麻ママそれじゃあね!!」

 

「ちょっと、アキラ君! 後ろからスーパーマリオの音楽が聞こえるんだけど、絶対にファミコンをやっているわよね!?」

 

「あ~忙しい。忙しいな~。 ガチャ。 ツーツーツー」

 

「切れた・・・。」

 

そうして、気が付いたら、私達5人にスターズのマネージャさんが来て、パスポートの確認とESTA(電子渡航認証システム)への登録やその他諸々の事務作業を全部やってもらった。 これはすごく助かった。 アカデミー賞の授賞式に出席する場合の手続きや準備なんて一般人には全くわからないので、手続きをサポートしてもらえるのはすごく助かる。

 

そして、当日に私達は、いつもの5人のメンバーで羽田空港に行ったら、スターズのマネージャさんに見たことも無い搭乗案内口まで案内されて、出国手続きを済ませたら、なにかものすごいプライベートジェットに案内されて、中に乗り込んでみると、中にアキラ君を始めとしたF4のメンバーや、柊さん、夜凪ママさんと景ちゃんの弟さんと妹さんと三坂七生さんが居た。

 

私達が最後だったみたいで、私達が乗ったら、プライベートジェットはすぐに動き出した。

 

「アキラ! オメー、私まで巻き込んで分かっているんだろうな?」

 

「七生姉さん、何を言っているのかな? 僕は一流の舞台俳優を目指す七生姉さんの将来を思って、刺激になるようにアカデミー賞の同席者として呼んであげたんだよ?」

 

「劇団員のTV出演を餌にしての半ば強制じゃねぇか! しかもドレスのセットと阿良也のお守りで呼ばれた事が明白じゃねぇか!」

 

「自由人阿良也は劇団天球で面倒を見るべきだよ。 決して前回はアカデミー賞の会場で、阿良也から目を離したら大変な事になったから、七生姉さんに面倒を見てもらおうなんて、これっぽっちも考えていないよ。ホントダヨ?」

 

「嘘くせえ!」

 

「ぎゃぁあぁっぁぁあっぁぁぁ痛い!痛い! 七生姉さんは舞台の大道具準備とかで何気に体力と腕力があるんだから、加減してよぉぉぉぉぉっ! 躾けるのは僕じゃないよ! 阿良也だよぉぉぉぉぉ!!!」

 

「うるせえ! この諸悪の根源が!!」

 

気が付いたら、三坂さんはアキラ君にアイアンクローを決めていた。

 

「あの、アキラ君、この飛行機大丈夫なの?」

 

「痛たたたたっ。 あっ、絵麻ママ。 大丈夫ってどういう事? 整備もちゃんとやっているし、今回はいつものパイロットの人が来れないけど、代わりに全六空のパイロットが代わりに運航してくれるから、安心らしいよ。 二人組のYoutuberのパイロットらしいけど、目的地にちゃんと到着する事には定評があるらしいよ。 ・・・やっぱりダメかも・・・。」

 

------------- その頃のパイロット席 -------------

 

「ビフォア テイクオフ チェックリスト」

 

「コンプリート!!」

 

「何をコンプリートしたんですか?」

 

「ピンポーン。 乗客の皆様にお知らせいたします。 もう助からないゾ♡」

 

なお、飛行機は、なぜか無事に目的地の空港に到着する模様。

 

--------------------------

 

「そうじゃなくて、プライベートジェットのチャーターなんて高いんじゃないの? 私達、そんなお金払えないのよ。」

 

「そこは大丈夫だよ。 これは僕のプライベートジェット機だからね。 タイタニックに乗ったつもりで安心してよ。」

 

「えっ嘘っ。 アキラ君ってプライベートジェット機持っていたの!? でもタイタニックって、全然安心できないじゃない。」

 

「うん。僕も安心できない。」

 

「えっ?」

 

そんな怖い会話をしながらも、優雅な?プライベートジェットの旅は順調?に進んで、無事?にロサンゼルス国際空港に到着して、そこからホテルに移動して翌日にアカデミー賞が開催される会場であるドルビー・シアターにみんなで向かうのであった。

 

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