星アキラは自由に生きたいっ 作:Magical forest
僕たちはアカデミー賞の会場に入ると、真ん中のほうにまとまった席が用意されていた。
今年は、アカデミー賞の事務局と事前に調整しておいたので、前みたいな席の混乱もなく、カメラ映りの良い場所にまとまって席が用意されていて、前回のような席の混乱も特に無かった。
僕たちが席に近づくと、特別ゲストの千世子ちゃんのアメリカでのお父さんやお母さんと、シカゴ交響楽団のじいちゃんもすでに来ていた。 もちろん、この方々は普通にタキシードとドレスだ。 変なコスプレに巻き込んじゃかわいそうだからね。
えっ? ほかにコスプレした人達はどうなんだって? すでに巻き込まれちゃったんだから仕方がないよね。(事後)
千世子ちゃんは、ユーモレスクに出演したアメリカのお父さん、お母さんと話し込んでいる。 千世子ちゃんは、映画の後もこの家族と連絡を取り合っており、最近はハリウッドの仕事も多くて、たまにアメリカに行ったときに泊まりに行っているのだ。
ちなみに、このご夫婦には、実は家を出てすでに結婚されている娘さんが居て、その娘さんよりも千世子ちゃんを可愛がっていると、娘さんからクレームが上がっているようだが、その言論はご夫婦に封殺されているようだ。
僕もパルファンとシカゴ交響楽団のじっちゃんに挨拶に行く。
横では、雪ねえちゃんが、ハリウッドでユーモレスクの編集を手伝ってくれた音響ディレクターや、映像ディレクターに挨拶をしている。
さらにその近所では、ハリウッドの大スターと絡む阿良也が意気投合して、アカデミー賞をほったらかして夜の街に消えそうになるのを、七生姉さんが必死に止めていた。 やはり七生姉さんを投入した僕の采配に間違いは無かったね。 僕の珍獣計略が見事にはまったようだ。(フラグ)
そんな事をしていると、レッドカーペット・ショーのディレクターが景ちゃんと夜凪ママに出演交渉をしていた。
景ちゃんは快諾して、ホールの廊下でインタビューをするみたいだ。 ディレクターに案内されて廊下に出て行った。
しばらくすると、ドルピースタジオのスクリーンに景ちゃん、夜凪ママ、ルイ君、レイちゃんの夜凪ファミリーが映し出されてインタビューが始まる。
インタビューはもちろん、公式の全世界放送のインタビューであって、日本の放送局じゃないよ。
王道ヒロインの景ちゃんと、景ちゃんを喰わんばかりのノリノリの夜凪ママ、姉にも負けない超絶美幼女で活発なレイちゃん、女装に頬を赤らめて全世界の人々に性癖破壊の大量虐殺を引き起こすルイ君と、夜凪家は逸般の御家亭(一般のご家庭)のはずなのにやたらとキャラが濃い。 どうしてこうなってしまったのか。 真面目な一家に一体何が起こったのか・・・。
「うん。夜凪家がバグっているだけだね。 決して僕は悪くないよ。」
「アキラちゃん、今、ろくでも無い事を考えていたでしょ?」
「そんな事無いよ。 夜凪家の血筋やべぇとか全く思っていないから。」
「思っているじゃないの。 今頃日本でもツッコミの嵐でしょうね。」
インタビューの方もノリノリの夜凪ママを、景ちゃんが目を回しながら通訳する構図が面白すぎる。 会場からも爆笑の嵐だ。 これじゃ誰がアカデミー賞にノミネートされているのか全く分からない。 最近の夜凪ママは元旦那さんとの関係が完全に吹っ切れて、人生をエンジョイしているから、外面だけでなく、内面からも非常に輝いて見える。 それに、シングルマザーで子供3人をちゃんと育てている立派な母親でもある。
「もしかしたら、これを見ている富豪とか、セレブとかが夜凪ママにプロポーズしてくるかも・・・。」
「いいじゃないの。 その場合には再婚同士の可能性が高そうだけど、夜凪ママをお嫁さんに出来る人はすごく幸せよ。 また変なダメ男に捕まるよりはずっといいわ。」
「ウム!」
「何よこの会話。 あと、絶対に一番悪いのはアキラ君だと思うけど。」
後ろで雪ねぇちゃんが何か言っていたけど、聞こえないふりをしているうちに、アカデミー賞開演の時間が迫って来て、みんな席に着いた。
本番の授賞式の番組が始まる。
スクリーン上には、アカデミー賞会場の中央部分の目立つ席の一角が大量のウマ娘に支配されているという超絶面白い絵柄が展開されている。 これは伝説になる事間違い無しだよ!!
僕とアリサママが馬主さん達を回って許可をもらって来た甲斐がある。 きっとアリサママも日本で歓喜の涙を流してくれているね。
その頃のスターズ事務所に臨時で設けられた生中継会場では、アリサママは頬がひくついて、胃薬をがぶ飲みしています。
胃痛からちょっと涙目になっているアリサママ。 周囲の人からは事情を知らなければ、アキラ君がアカデミー賞にノミネートされた歓喜の涙とも見れなくもないと評されていました。
アカデミー賞の授賞式がまだ始まってもいないのに、大丈夫なのかアリサママ!