星アキラは自由に生きたいっ   作:Magical forest

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星アキラは主演女優賞の発表を待つ

 

うーむ。王賀美兄さんは、今年も主演男優賞はダメだったか・・・。

 

まぁ、今年のノミネート者を見ると王賀美兄さんも相当厳しかったから、仕方が無いね。

 

今回は、最初に景ちゃんの助演女優賞をやったので、最後は、主演男優賞→主演女優賞の順番で、最後に作品賞の順番だね。 と言う事で、次はいよいよ主演女優賞の番だ。ついに僕の出番だよ。

 

でも、流石に男が主演女優賞を受賞する訳も無いし、ネタ枠の僕としては、みんな大騒ぎをしてしている中で、いかに面白い映像をお届けするかだね。

 

そんな訳で、ノミネートされた女優?達の作品が紹介される。 もちろん、僕はユーモレスクで途中の面白シーンと、クライマックスのヴァイオリン演奏シーンがピックアップされていた。

 

さあ、主演女優賞の発表だ。 ドラムロールと共にノミネートされた4人の女優達にスポットライトが当てられる。 堂々としている人も居れば、祈っている人も居る。 僕は腕組みをして、選ばれて当然みたいな感じでゆっくりと目を閉じた。

 

とは言っても、いくらアカデミー賞と言えども、男の僕が受賞する訳が無い。 別の人が受賞した時に悔しがる顔芸で盛り上げる予定だよ。 さあ、超悔しがる顔芸スタンバイ! お茶の間のみんなを楽しませるよ! レッツ、発表!!

 

「今年のアカデミー賞、主演女優賞はなんと! イーファ・ムーティオを演じた星アキラ!! 圧倒的な投票数を獲得して、男性で初めての主演女優賞の獲得です!! おめでとうございます!!」

 

・・・はっ? えっ? 僕が主演女優賞!? いや、そんなバカな・・・。 顔芸をスタンバイしていた僕は、シンボリルドルフのまま虚無顔になる。

 

僕に後悔の感情が湧き上がる。

 

「うわーっ。 昨日、シンボリルドルフ会長の顔で超悔しがる顔芸を2時間も練習したのに、僕の努力を返せよ!! あんなに悔しがる顔芸を努力して今日に臨んだのにっ!」

 

僕がショックで絶叫してると、周りの人間達が、シラ~ッとした目で僕を見てくる。

 

僕は、その勢いのまま、試合に負けた高校球児のように、目からハイライトが消えて崩れ落ちた。 僕の崩れ落ちた床にドルピースタジオの絨毯が見える。 ・・・・甲子園の土じゃないけど、記念にドルピースタジオの絨毯でも剥がして持って帰ろうかな? でもやっぱり怒られるかな?

 

「アキラちゃん、だから言ったじゃないの。本気で主演女優賞をアキラちゃんに与える可能性が高いって。じゃないと、私じゃなくてアキラちゃんがノミネートされた理由が無いわ。」

 

「殴られなきゃならないのは僕だ! ・・・僕は卑怯で・・・臆病で・・・ズルくて・・・弱虫で、そして珍獣なんだ!!」

 

「ここで碇シンジ君の演技は想定外でしたっ。すごく見どころがありますっ!」

 

「景ちゃん、あなた全くブレないわね・・・。 最近、実はアキラ君よりも問題児なんじゃないかと思い始めたわ。」

 

雪ねぇちゃんが呆れる。

 

「はい。はい。それじゃ、珍獣アキラちゃん、時間が無いからとっとと行ってきなさい。」

 

「は―――――いっ。」

 

そうして、僕はドレスの裾を掴むとドレスを上に向かって放り投げた。

 

シンボリルドルフのドレスが宙に舞うのと同時に、前髪の付け毛と耳とシッポが外れて、中からトリコロールのドレスを身に着けたイーファ・ムーティオが現れた。 まるでルパン三世や怪盗キッドのような登場の仕方だ。

 

「えっ、イーファ・ムーティオ!! 本物!?」

 

あおい姉さんが驚く。 もっとも、イーファはAoifaで、名前の由来は、宮森あおいであるのだが、本人を目の前に生まれた子供?を見せられてとても嬉しい。

 

僕が、マジックのように一瞬でシンボリルドルフからイーファ・ムーティオに変わった事によって、会場から驚きの声が上がり、一気に会場のボルテージが上がる。

 

僕がステージを目指すと、観客席の左右で立ち上がってくれて、拍手で僕を出迎えてくれる。 僕はイーファの演技をしながらそれに応える。

 

僕は最高に気持ちが良かった。 そうだよ。 僕は褒められて伸びるタイプなんだ! アリサママはもっと僕を褒めて、甘やかす必要があるんだよ!

 

僕は、倒れるのは嫌と言いながら日本に残ったアリサママの事を思い出した。 最近もなぜか僕を見る度に、胃のあたりを押さえたりとか、頭に水枕を乗せて何かのストレスに耐えているけどなんでだろ?

 

でも、僕はこれから、アリサママのストレスを解消する素敵なスピーチをしてアリサママを癒してあげるから、待っていてねアリサママ❤

 

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「う゛っ」

 

「社長、どうされましたか?」

 

「なにか途轍もない寒気が・・・。」

 

「社長、アキラ君が受賞して、もうすぐ中継が始まりますので、感動のシーンの準備をしてください。」

 

「わかったわ。 あの子、ちゃんとやれるのかしら・・・。」

 

「大丈夫です。 アキラ君も賞を取ったら社長が感動するスピーチをするって言っていたじゃないですか。」

 

「それが一番信用できないんじゃないの。」

 

「・・・・・・まぁ、確かに。」

 

「それじゃアキラが受賞したから、会場で出来る人はこの後のスピーチで感動の涙を流して、出来ない人もみんな喜ぶのよ。 えっ、すでにみんな本気で喜んでいる? それは重畳。 それじゃやるわよ。 3,2,1、はいっ。」

 

「アキラ! やったわね。 すごいわアキラ! ついに私を超えたのね!!。゚゚(*´□`*。)°゚。」

 

(注:このシーンも最初からばっちり生放送されていますw)

 




ついにアキラ君が主演女優賞を受賞!! しかし、めでたいはずなのに、なにか不穏な雰囲気がw
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