星アキラは自由に生きたいっ 作:Magical forest
------------- 柊雪視点 -------------
事の発端は、アカデミー賞の授賞式が終わって、ゲロった過去を思い出して、精神的に追い詰められて、ホテルのリビングにあるソファーに倒れて、クッションに顔を埋めているという、満身創痍な私に届いた、一通の手紙だった。
リビングはみんなで利用する感じで、夜凪ママがお菓子を飾り付けていたり、足元ではルイ君とレイちゃんが遊んでいたり、千世子ちゃんが本を執筆していたり、景ちゃんが黒い仮面とヘルメットを付けたダースベイダーを演じて人間の心を無くしていた。
・・・・景ちゃん、いくら暇だからって、暇つぶしに何で人間の心を無くしているのよ。いくらアフターパーティーで悪役の俳優さんの影響を受けたからって、最近の奇行は17歳の女子高生とは思えないレベルに到達しているわよ。
あと、アキラ君とパルファンちゃんは着ぐるみを着て、リコーダーとウクレレでダースベイダーのテーマを演奏しないでくれる? 臨場感がゼロなのよ。 景ちゃんがやたらとシリアスな超絶演技力マシマシなのに、脱力するじゃないの。
阿良也君は、さっきから姿が見えないけど、きっとろくな事をしていないだろう。 このカオス空間で普通に執筆活動ができる千世子ちゃんは、もはや超人と言っても良いかもしれない。
・・・いや、この子が一番おかしいもありえる。
私の周りの人間はどうみてもみんなヤバイ。こんな所で変人王世界選手権を開催しないでほしい。
一人で部屋に籠って布団を被っていようかと思ったのだけど、自己嫌悪で何もしないよりも、このカオス空間の方が精神的に楽かと思ったんだけど、今度はカオスすぎて頭がおかしくなりそうだ。
私は届けられた手紙を開けて読み始めた。 差出人はシカゴ選出のアメリカ上院議員さん。 映画を撮ったボロ家の元の持ち主だった人だ。 手紙の内容は私の映画の賛辞と共に、ホームパーティーへの招待状となっていた。
私がその手紙を読んでいると、アキラ君がすっとその手紙を奪って、目を通し始めた。
「なるほど。 元の持ち主さんもあのボロ家を、雪ねぇちゃんがどうするのか気になっているのだろうね。」
「アキラ君、人の手紙を勝手に読まないでくれる? それでアキラ君は、このホームパーティーに顔を出した方が良いと思う?」
「雪ねぇちゃんがあの家に愛着があるなら、顔を出すべきだろうね。 何~よりも、あっのボロ家の来歴は、気になっているのでは無いのかね? 柊君。」
「アキラ君、突然、若本ボイスの切れ者っぽい口調で話さないでくれる? シャーロック・ホームズみたいな切れ者っぽい演出だけど、そのオレンジの変な巨大猫の着ぐるみを着たままそんな口調をした所で説得力ゼロよ。」
「フッ。 僕の格好に説得力が無い? そんな訳ないでしょ? これだから素人は。」
「急に嘲笑してどうしたのよ?」
「この着ぐるみこそ、あずまんが大王とコラボした、ちよ父の着ぐるみなんだよ。 中身(CV)は若本さんで、これ以上の説得力は無いよ。 しかも、ちよちゃんのお父さんと言う事は、名前繋がりで千世子ちゃんのお父さんと同義。 つまり、千世子ちゃんのお父さんが言うのだから、それだけの説得力があ~ると言うのだよ。 ぐはっ。」
気が付いたら、アキラ君にペンケースが飛んできて、頭にぶつかってピクピクしている。
「私のお父さんは、そんな着ぐるみじゃないわ。」
ペンケースを投げた相手は千世子ちゃんだった。
「それはそう。 千世子ちゃんは、怒って当然ね。」
「アキラちゃん、私のお父さんのを見て。 ほら、手が触手のように自由に伸び縮みするのよ。」
千世子ちゃんが自分の携帯電話で、お父さん?らしき物体の映像をアキラ君に見せ始める。
「なるほど。 僕の着ぐるみの再現度が悪かったね。 千世子ちゃんが怒るのも当然だよ。」
「流石は千世子ちゃんのお父さんね。 私のお父さんも見習わせないと。」
パルファンちゃん、あなたのお父さんに一体何を見習わせると言うのだろうか・・・。
「あ~~~っ。 こいつらと居るとこっちの頭がおかしくなるわ。」
私は頭をガリガリとかきながら、手紙の対応をどうするか考えるのであった。
千世子ちゃんのお父さん、謎すぎ問題。