星アキラは自由に生きたいっ 作:Magical forest
------------ パルファン視点 ------------
レストランの中に入ると、先生がテーブルで待っていた。
「先生! アデライード王妃国際音楽コンクールに優勝したの!!」
「パルファン。優勝したのは凄い。・・・凄いのだが、優勝後のあれは何なんだ?」
「優勝後? アキラ、何かあったっけ?」
「うーん。いつも通りの平常運転で、特に何かあった気もしないのだけど。」
「パルファン、あなた、あれをやっていて優勝後に何も思い当たらないのは、かなりヤバいわよ。アキラ君と一緒に居るうちに常識が狂っているわ。」
一緒に入店したルシールがツッコミを入れてくる。
「優勝後に、ホールで緑の恐竜の着ぐるみを着て、リサイタルをした事を聞いているのだが・・・。」
「あっ。そんな事もあったわね。あれはアキラがいけないのよ。アキラが演奏したらコンサート会場に記者やテレビクルーが押し掛けて出られなくなったけど、ガチャピンの着ぐるみを着て行けばバレないって言うからその通りにしたのに。」
「あれは、パルファンがガチャピンの着ぐるみを着た状態で記者に『優勝おめでとうございます。』って声をかけられて、『ありがとうございます。』とか答えちゃうからいけないんだよ。パルファンは天然すぎるよ。僕のようにハリウッド俳優顔負けの演技とアドリブで乗り切れば大丈夫だったのに!」
「ひどいわ! そもそも最初に声をかけられたアキラが、『ムックもピアノをがんばったのですぞ~!』とか答えたのが原因じゃないの! あの会場で着ぐるみを着てピアノを頑張った変な人なんてアキラ以外に居ないじゃ無い!」
「さすがに、あれは私もビビったわ。」
「あれで気付かれる訳が無いじゃないか!こう見えても僕は普通の人よりも演技には自信があるんだよ。全人類の上位28.95%に入る僕の演技力を見て、バレバレなんて酷いよ! プンプンっ!」
「根拠がありそうで全く無い、その微妙な数値と小数点へのこだわりは何なの!?」
「これが本当に、男でアカデミー賞の主演女優賞まで獲得した天才俳優なのだろうか・・・。」
「天才となんとかは紙一重なんだろうねぇ。これぐらいあれじゃないと、あんな演奏はできないのだろうね。」
「先生!それ正しい見立てです!さすが先生です。」
「こんな事で褒められたく無いよ。」
「それで、そのままインタビューになって、流れであの着ぐるみのままホールでコンサートをしたのかい?」
「そうなの。その緑の恐竜は、宇宙や海中にまで行くエクストリームな恐竜だから、ヴァイオリンの演奏ぐらい普通。とかアキラに言われて演奏する事になったの。」
「パルファン、自分が意味不明な事を言っている事に気が付いているかい?」
「最近、パルファンの天才的な音楽性が高まるほどに、パルファンの思考が常識を外れている気がするのよね。」
「まあまあ、あのリサイタルは大成功だったから良かったじゃない。しかもあそこでインタビューしたから、その後のインタビューの回数も大幅に減ったでしょ? いろいろ面倒ごとを回避できたんだからいいじゃないか。」
「なるほど!流石はアキラね。その辺も計算していたのね!」
「あそこでインタビューをするのなら、別にあの変な着ぐるみを着る必要は無いんじゃ・・・。」
「ルシールの言う通りだと思うよ。私も弟子をあんな着ぐるみを着て、見事にヴァイオリンを弾くような大道芸人として育てた覚えは無いのだけど・・。」
「でも、でもっ、あの格好は大好評で、フランスのTV局にもあの格好でインタビューに出演して欲しいって言われいてるの。」
「そうだよっ。ガチャピンさんは世界に誇るアスリートなんだ。しかも芸歴も50年以上の僕の大先輩なんだから当然の反応だよ。ジャン・レノさんよりもはるかに大先輩なんだ。僕は実写版ドラえもんで、ジャン・レノさん(ドラえもん役)とガチャピンさん(しずかちゃん役)、ムックさん(のび太君役)をコラボさせたい野望があるんだ!」
「何を言っているか良く分からないけど、あの着ぐるみが凄いのは、なんとなく伝わったよ。」
「アキラは本当にやりかねないから怖いのよね。」
「ところで、自己紹介がまだでしたね。」
「Bonjour, Madame de Belmont. Je m’appelle Akira Hoshi.
C’est un immense honneur de vous rencontrer.
J’ai toujours admiré votre jeu et votre interprétation.
Je suis votre grande admirateur depuis longtemps.
Votre musique m’a profondément inspiré et votre sonorité a touché mon cœur.
Merci pour tout ce que vous avez apporté au monde de la musique.」
「こんにちは、ベルモン先生。私は星アキラです。
お会いできて大変光栄です
私はずっとあなたの演奏と解釈に憧れていました。
長い間、私はあなたの大ファンです。
あなたの音楽に深く感動し、その音色に心を動かされました。
音楽の世界に素晴らしいものを与えてくださり、本当にありがとうございます。」
アキラは先生にすばらしい挨拶をして、持ってきた大きな花束を先生に渡した。
「素晴らしいね。中身を知らなければ、すごく胸がときめいていただろうに、この残念な気持ちはなんなのかね?」
「本当なの。」
そんな感じで、パルファン嬢の祝賀会の様子でした。
今回の投稿は、確定申告があるので投稿間隔が開き気味になってしまって申し訳ないです。もうすぐ回復すると思います。