星アキラは自由に生きたいっ   作:Magical forest

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イギリスに拉致られたぼっちちゃんと四つの署名

 

------------- 後藤ひとり視点-------------

 

翌朝、エリオットさんと奥さんであるエリザさんが朝食を用意してくれた。

 

「Good morning, Hitori. Did you sleep well?」(おはよう、ひとり。良く寝れた?)

 

エリザさんの言葉に私は一瞬固まって、ぎこちなくギター(ZO-3)を抱きかかえる。

 

ポロン・・ポロロ・・シャララ・・ポロン・・

 

ZO-3からやわらかい音がキッチンに響く。

 

エルザさんは微笑んで、「I’ll take that as a yes.」と砂糖入りのミルク紅茶(イングリッシュ・ブレックファストティー)を注いでくれた。

 

わっわっわっ。本場のイギリスの紅茶だ。イギリス人は戦車の中でも優雅に紅茶を飲むって聖グロリアーナ女学院の人が言っていたから、きっとすごい紅茶なのだろう。

 

「Good morning, Hitori. Breakfast is ready.」(おはよう。ひとり。朝食はもう準備出来ているよ。)

 

エリオットさんの挨拶と共に、テーブルに並んだのは、見たこともない色合いのプレート。

ベイクドビーンズの赤、マッシュルームの黒、ベーコンの香ばしい匂い。

 

私は、ギターを膝に抱えてポロロ…ンと一音。

 

エリオットさんは笑って、「I’ll take that as a yes. Eat up, dear.」(YESだね。さあ食べなさい。)

 

物置部屋の小さなベッドに感謝しながら、異国の朝が、静かに始まっていく。

 

「Hitori, what are you up to today?」(ひとり、今日は何をするの?)

 

ポロン…♪「あの・・・今日は・・・。」という言い出しのようなフレーズを弾いた後に、エリオットさんのヒット曲の有名なイントロフレーズを弾く。

 

ギターを少し抱きしめて、「これ!」と胸をトントン、右手でスマホを持つジェスチャーをして、スマホをカメラに見立てて、自分を撮影するマネをして、左手で「ポスト!」のように上へ投げるジェスチャーで動画投稿を示した後に、

 

チャララン…ジャーン!(G → C → Em)で、「これを・・・動画にして・・・アップします!」という高揚感を表現した。

 

「You're going to cover my song? That makes me happy. How about we go to the studio together?」(俺の曲をcoverしてくれるんだ。嬉しいね。それじゃ、一緒にスタジオに行こうか?)

 

ポロン・・ポロロ・・シャララ・・ポロン・・

 

英語は全く聞き取れなかったけど、なんか雰囲気でYesのリフを弾いたら、朝食の後になぜか車に乗せられて、どっかに連れていかれた。

 

「えええええ~っ。どこ行くの~(涙)。」

 

「いっ、陰キャですいません。英語話せなくてすんません。」

 

私はツチノコになって、ガタガタと後部座席で震えていると、ロンドンのスタジオに着いて中に通された。

 

スタジオの中には、ドラマーのジーン・ベイカーさんと、ベーシストのジャック・ブルーストさんもスタンバイしている。

 

二人とも日本で面識はあるけど、両名だけでも神様すぎる。

 

私はEmの半音アルペジオで、戸惑いを表現する。

 

ポロ・・ポロン・・・ポロロロ・・(エリオットさん、これは一体・・・。)

 

「You're going to cover our song, right? Then we have got to back you up!」(俺たちの曲をカバーしてくれるんだろ?だったら、俺たちが伴奏してやらないとな。)

 

「かっ、過剰戦力・・・・。」

 

ライブ時間に空きがあって、友達のバンドを誘っちゃったら、おまけでビートルズが演奏しに来ちゃったぐらいのヤバさだ。

 

もしくは、喜多ちゃんの知り合いにライブの司会をお願いしたら、星キアラが来ちゃったぐらいのヤバさ・・・。

 

それ!この前のライブじゃん!!

 

それは置いといて、ギターヒーローの動画に今までゲストなんて呼んだことが無かったのに、初のゲストが、エリオットさん達で、さらにエリオットさんの曲をカバーとかヤバすぎる。

 

というか、ギターがZOー3しか無い・・・。スタジオに来るなんて分からなかったから、ギターなんてZO-3以外持ってきていない。

 

「Hitori, that's quite a cute guitar you're using!」(ひとり、ずいぶんキュートなギターを使っているじゃないか!)

 

ジーン・ベイカーさんが言う。

 

「Alright, Hitori. Ready to rock?」(よし、ひとり、ロックの準備はできたかい?)

 

エリオットさんが言った。

 

私は、ギターを抱えたまま硬直した。ポロン・・・ポロロ・・・不安なアルペジオ)

 

そっとZO-3を指差す。ピロロ・・・ン♪(小さいギターの音)

 

両手を広げてジェスチャー(大きいギター持ってないです・・・。)。

 

溜息と同時にポロン・・・。(小さなため息)

 

エリオットさんは一瞬固まり、次の瞬間笑いながら肩を叩いた。「Don’t worry, kid. That little thing will sing just fine!」(心配するな、お嬢ちゃん。その小さなギターだって、ちゃんと歌うさ!)

 

私は、マスクとサングラスを付けて演奏しようとしたけど、エリオットさん達におだてられて、気が付いたらパーティー帽子と、光る星型眼鏡と付け髭を付けて演奏していた。

 

「イェーイ! ロックンロール!!」

 

この後、何曲もむちゃくちゃロックした。

 

無我夢中ですごく盛り上がって、かなりのカバー曲を収録してしまった。そして、撮影の方はエリオットさんのマネージャさんがしてくれた。

 

動画をもらった後に、エリオットさん達はいいよと言ってくれたけど、本当に自分なんかのYoutubeチャンネルにこの動画を載せてしまっていいのだろうか?

 

・・・でも、この動画を載せたら、みんな驚いてよろこんでくれるのだろうな・・・。再生数も上がって、チャンネル登録数も増えて、もしかしたら、ほかのギター系Youtubeチャンネルの人とかともコラボできて、有名になれるかも!?

 

私の承認欲求モンスターはむくむくと巨大化し、エリオットさんの家を覆いつくすぐらいのモンスターへと進化した。

 

「ぎゃおーっ。ぎゃおーっ。」

 

私はむくむくと膨らむ承認欲求モンスターに負けて、結局動画を投稿するのであった。

 

 




こちらは、時系列的には、まだアリシアの公開前となっております。

アリシアの公開前にすでに膨張を始めているぼっちちゃんの承認欲求モンスターBOCCHILLA。
これで、アリシアが公開されたら、BOCCHILLAはどこまで巨大化してしまうのかw

そして日本から突如輸入された巨大モンスターに、イギリス(UK)はどう立ち向かうのでしょうか!?

次回は、何の脈略も無くギターヒーロから投下される伝説のコラボ動画と、ぼっちちゃんのZOー3から放たれる、えげつない超絶テクニックの数々に全世界のギター・フリーク達が騒然!

海外掲示板の様子と、それを見た日本の反応の予定です。

お楽しみに!
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