星アキラは自由に生きたいっ 作:Magical forest
------------- 伊地知虹夏視点 -------------
話しはちょっと前に遡るのだけど、ぼっちちゃんがイギリスに行って、しばらくしてからキアラさんが私達の元に来た。
「ぼっちちゃんがイギリスで引きニート生活を送っていますの。このままでは社会不適合者の引きこもりになって、そのうちなんGスレで、『ワイ、イギリスで優雅にニート生活。何か質問ある?』みたいなスレを上げるのは時間の問題ですわ。」
「それは、キアラさんじゃないのですか? この前も『音楽天才女子のワイ、コンサート先のホテルで優雅に引きこもり生活』のスレを上げていましたよね? ニューヨークの一流ホテルで納豆ご飯とめざしを食べたり、パルファンさんと宅コス対決をしたり、好き勝手にしていましたよね?」
「なっ、なぜそれを・・・。 一流ホテルでの優雅な生活対決だったので、わたくしは跡部景吾でセレブさを出して女性票を獲得しようとしたのに、パルファンが四宮かぐやのコスプレをするせいで、なんGのニートどもの票がそちらに流れて、決選投票で完敗を期しましたの。 しかも、投票サイトに田代砲が炸裂して、122兆5000億票 VS 1万票の大差で負けたのも許せませんわ。 わたくしは、アカデミー賞の主演女優賞まで獲得した超一流の女優なのですわ。ぽっと出のかわいいだけの着ぐるみヴァイオリニストに負けるなんて、その日は悔しくてふて寝した上で、夜しかぐっすり寝られませんでしたわ。」
「・・・・・・。」
「なぜ、なんGスレで女性票を狙いに行ってしまったのか・・・。コレガワカラナイ。」
後ろでリョウが言った。
「どちらにしろ、あのなんGスレはわざわざIDを手に持った二人のコスプレ写真を掲載したのだから、トイッターにまで話題が流出して大騒ぎでしたよ。」
「わっ、わたくしの事はいいではありませんか。わたくしは選ばれたニート。つまり上級ニートなのですわ。気位が高い、上級ニートのワイの事は置いといて、問題はぼっちちゃんですわ。」
「でも、ひとりちゃんはイギリスでエリオットさん達とコラボしたりして楽しそうじゃないですか。私もLUNAでやり取りをしていますけど、ひとりちゃんは楽しそうですよ。」
喜多ちゃんも会話に参加して来た。
「そこまでは良かったのですわ。でも、その後は物置部屋に籠って、やさしいエリオット・クラフトンご夫妻に甘えて、外にも出ずに引きこもりのギター投稿生活。クラフトンご夫妻が優しくて、外は言葉が通じない分、ぼっちちゃんの引きこもりっぷりは、日本よりも悪化していますわ。」
「なるほど。それで、私達は何をすれば良いのですか?」
「まだ夏休みの中盤。そこで、旅費とホテル代や諸経費を出しますので、イギリスに行って、ぼっちちゃんを観光に連れ出して欲しいのですわ。このままズルズルと行ってしまったら、ぼっちちゃんはただのヒキニート一直線で親御さんにも顔向けできませんわ。」
「でも、そこまでしてもらう必要は・・・。」
そう言って、私達は辞退しようとしたら、キアラさんは私の肩を力強くがしっと掴んで真剣な表情をして言った。
「どう言う縁か知りませんが、なぜかアリサママとぼっちちゃんのお母様である後藤美智代さんは親友同士なのですわ。 どうも、問題児を持つサイコパスママ同士で気が合うみたいで、そんな状態でわたくしがアリサママのお友達のお子様を、ヒキニートに堕としたなんて事が知られてしまったら、わたくしの華麗なニート生活が破滅してしまいますの。 皆様でイギリスに行って、ぼっちちゃんを外に連れ出してくれますわよね?」
「はっ。はいっ。」
キアラさんのあまりの迫力に、私は即答してしまった。こんな自称ニートでも、アカデミー賞主演女優賞を獲得した天才女優。圧力が桁違いだ。一瞬で心臓が縮みあがって即答してしまった。
「お金の方は気にしなくて大丈夫ですわ。泊まるホテルもザ・リッツロンドンやクラリッジズみたいなミーハーな所でも良いですし、ザ・ゴーリングやレーンズボロみたいな落ち着いた所でも良いですわ。飛行機もファーストクラスで行っていいのでよろしくね!」
そう言って、キアラさんは嵐のように去って行った。 ホテルの事なんてなにもしらないので、何気なくホテル名を聞き流していたら、行く前にそのホテルの格式と値段を見てビビる。1泊で1か月分の生活費よりも高い所に泊まれる訳が無い。
そうして、みんなでオロオロしていると、すぐにキアラさんが手配してくれたトラベルコーディネイターの人がやって来て、みんなが好き勝手に言う旅行のプランを組み立ててくれた上に、パスポートの確認やホテルの手配、飛行機や交通の手配などをしてくれた。(費用は全部キアラさん持ち。)
そしてビジネスクラスの飛行機に乗って、そのままロンドンへ。(ファーストクラスは流石に気が引けた)
ヒースロー空港に到着すると、トラベルコーディネイターさんが手配してくれたタクシーに乗って気が付いたら、ぼっちちゃんが居るエリオットさんのお家の前。
「ここがあの女のハウスね。」
「リョウ、エリオットさんのお家でしょ。」
この中にぼっちちゃんが引きこもって居るらしい。
事前に連絡しているとは言っても、ギターの神様の家を訪れるなんて、とんでもなく緊張しながら私は呼び鈴を押した。
最近、色々と忙しくて投稿が遅れてすいません。
次回から、ぼっちちゃんと結束バンドのメンバーによる愉快なロックの聖地巡りの開幕です。