星アキラは自由に生きたいっ   作:Magical forest

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恐怖の秘密結社ママの会

 

結束バンドのメンバーが無事にぼっちちゃんを連れ出したその頃、日本では恐怖の秘密結社が活動しようとしていた。

 

「アリリ~ン、ヨナッチャンこっちこっち!」

 

「遅れちゃってごめんね~。」

 

「こっち、座って、座って。」

 

「みんな揃っているわね。」

 

「それじゃ、ドリンクも注文してあるわよ。来たわね。」

 

「それじゃ、第30回ママ会を開始しま~す。カンパーイ!」

 

「「「「「「「カンパ―――――イ」」」」」」」

 

ここは、STARRYの上の階にあるイタリア料理店。本日はここでママ会が開催されるのだ。

 

ママ会に参加するメンバーを見てみよう。

 

アリリン(星アリサ)

日本を代表する大女優にして、大手芸能事務所の社長。そして1児の息子を持つが、息子を育児放棄したため、息子が自営業(俳優)を自称するニートになってしまうヤバイママである。

なんとか、息子を自分の事務所に所属させて世間体を保ってはいるが、息子が娘になったり、気を失う額を稼いできたり、とにかく胃が痛くなる行動が多数で、未だに子育ての悩みを抱えているママ(サイコパス)。

 

ヨナッチャン(夜凪ママ)

あの夜凪景の母親にして、ルイ、レイという5歳の双子をシングルマザーで育てる頑張り屋のママ。星家でお手伝いさんをしながら、家事や料理に敏腕を振るう。

・・・その実、ダメな男を甘やかしてしまうため、明神阿良也や星アキラなどをニートにしてしまう、生粋のダメ男製造機である。

性格は常識人そのものと思われていたが、娘のハッチャケっぷりは実は親譲りな事が判明して、アカデミー賞で賞をもらう娘を完全に食うようなヤバイママである。

 

つばっち(有島つばさ)

世界的なチェリストであり、娘のあゆみ(6歳)を育てるヤンママ。 茶色に脱色した髪やヤンキーを思わせる独特のファッションセンスなど、とてもチェリストには見えないが、音楽性とチェロのテクニックの評価は非常に高い。

娘の教育は放任主義でありながら、習い事よりも現場での経験と場数を重視していて、仕事場や海外、そして舞台や芸術など娘の年齢を気にせず、大人向けの場所に容赦なく6歳児の娘を放り込むヤバイママ。

そして、そのことが今後の娘の性癖に大変な影響を与える事に・・・・。

 

ミッチー(後藤美智代)

後藤ひとりの母親。 癒し系でおっとりとして、娘思いの素晴らしい母親でまさに理想の聖母である・・・・。のだが、娘のバンドのチケットを売るために娘の制服を着て90年代のギャル語で女子高生に混じって販売活動を行ったり、園児用スモックを着用して、ぼっちちゃんの妹の後藤さんにんを自称したり、中身はTear1相当の最上級の狂人であり、サイコパスの波長が合うためアリリンととても仲が良い。

そもそも、娘の名前に『ひとり』『ふたり』とかの名前を付けちゃうヤバイママ(サイコパス)。

 

クルミン(喜多久留代)

喜多郁代の母親にして、現役公務員というお堅い職業についており、このメンバーの中ではかなりの常識人である・・・のだが、娘のバンド活動にも反対していたが、結束バンドのライブに行って真剣に活動している事を知り、娘の活動を許してあげる優しいツンデレママ。

しかし、思い込みが激しく、娘を害そうとする輩にはトラップで抹殺も試みる武闘派のヤバイママ。

大学生の頃は小説家を目指していたが、出版詐欺に引っかかって以来、その夢が挫折していたが、最近、アリリンにドラマの原作を書いてみないかと誘われていて、心が揺れ動いている。

 

イジリン(伊地知ママ)

星歌と虹夏の母親。二人のバンド活動を応援する天使のような母親で、娘二人がバンド活動を試みると言う状況にも全く動じずに、やさしい母親の愛で包むまさに大天使。

若い頃から星アリサの大ファンで、虹夏が9歳の頃に星アリサのDVDを買って、DVDの中に1万個に1枚の特別特典の星アリサのディナー券が入っており、びっくりしてDVDを落としてしまい拾おうとしたところ、玉突き事故で弾き飛ばされた車が飛んできて重傷を負うが、しゃがんでいたお蔭で急所を外れてなんとか一命を取り留める。

以来、二人の娘はすくすくと育って、ビジネスも成功してSTARRYのある建物のオーナーとなり、このイタリア料理店も伊地知ママのお店である。この縁で星歌は地下にSTARRYを開店し、上階のマンションに住む事になった。

 

キョッピ(山田京香)

夫は病院をやっていてとてもお金持ちの御婦人。だが、娘への溺愛がすごくて、リョウのヒモへの才能を余す事なく引き出す魔性のママ。

息子を放置してグレてしまった星アリサとは逆方向に、娘を甘やかしまくってダメ人間にしているヤバイママである。

なお、リョウは溺愛してくる両親への反抗心からロックに目覚めてたが、本来はクラシックを嗜む才色兼備のママのため、有島つばさとは元々の知り合い同士であり、星キアラとパフファン・クールパレのコスプレ演奏の大ファンであり、最近は隙あらばリョウをコスプレさせようとして、狂人っぷりに磨きがかかっている。

 

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・・・その頃、地下のSTARRYでは。

 

「始まったよ。日本を牛耳る秘密結社ママの会。今度はどんな陰謀をたくらんでいるんだ・・・。日本の平和を乱すママの会の破壊活動は僕が許さないよ!」

 

「アキラ君、流石に盗み聞きは良くないと思うよ。」

 

「何を言っているんだ!星歌さん!自分のライブハウスの上で日本を牛耳る秘密結社が活動している事に恐怖は無いの?」

 

「そうよ。破壊活動はどうでもいいけど、このメンバーの集まりは面白そうだわ。」

 

「そうですっ。このメンバーの会話は興味がありますっ。とても面白そうですっ!」

 

「いや、母親の愚痴合い会なんて聞きたくない・・・。」

 

「アキラ、俺は帰っていいか?」

 

「阿良也はこのまま、日本の平和が大変な事になっていいの!? 僕らは正義の味方としてこの恐怖の秘密結社を監視する義務があるんだよ!」

 

「ちょっと上の階に行って、ワインをもらってくるわ。」

 

「そんな事をしたら、僕達がここに居る事がバレちゃうじゃないか。がんばって監視カメラまで設置したんだから、危険な秘密組織の活動をちゃんと監視しないと大変な事になるよ。」

 

「お酒ならビールがあるけど、それ飲みますか? いつも500円で提供していますが。」

 

「おっ、それちょうだい。」

 

F4達によるいつもの光景が広がっていた・・・。

 

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「ミッチー(後藤美智代)はアリリンと前から仲が良いのよね。どうやって知り合ったの?」

 

イジリン(伊地知ママ)が聞いて来た。

 

「そうよ。子供に悩む女同士でとても仲がいいの。」

 

「うちのひとりがちょっと周りの子と仲良くなれなくて、子育て支援センターに相談に行った時に知り合ったのよ。」

 

「そうよ。うちのアキラがちょっと変で、なんとか育児を改善できないか相談に行ったの。」

 

「えっ、アリリンってアキラ君の子育てを相談に行ってたんだ。」

 

「そうよ。ヨナッチャンが家に来る前は、周りは芸能界の人しか居なくて、子育の相談をしてもあんまり参考にならなかったし、ちょっとアレな人も多かったから、地域の子育て支援センターに相談に行ったのよ。」(注:星アリサ自身がかなりアレな人代表と言う自覚は全くありません。)

 

「それで、子育て支援センターの方はどうだったの?」

 

「それが、息子が反抗期で大変だって訴えたのに門前払いをされたのよ。」

 

「それは酷いわね!」

 

キョッピー(山田京香)が怒る。

 

「アリリンは、どう言う相談をしたの?」

 

なんとなく、状況を察したヨナッチャン(夜凪ママ)が相談の詳細を促す。

 

「そうなのよ! うちの息子がちょっと変で、突然音楽を始めたり、英語をしゃべり始めたり、娘になったりして、大変な事になったって、さらに最近は反抗期で、突然会社の売上に匹敵するお金を稼いできて反抗したりして大変なんです。って訴えたら、他にも、もっと大変なご家族は一杯居るので、もう少し息子さんとちゃんと向き合ってはいかがでしょうか。って流されて、それで終わりなのよ。酷いと思わない?」

 

「まぁ・・・。それはどうすればいいのかしらね・・・。」

 

「・・・コメントに困るわ。」

 

「・・・当人にとっては重要な事なんだろうけど、世間的に見て咎められる行為でもないし、それに息子ってアキラ君よね? 確かに変だろうけど、逆にどう教育したらあんな天才になるのかしら・・・。」

 

余りに常識外の相談内容に子育て支援センターの職員だけでなく、子育てに熟練したママ達も挙動不審になる。

 

「子育て支援センターの職員さんも大変そう・・・。」

 

現役の公務員であるクルミン(喜多久留代)が、ついポロっと本音を言ってしまう。

 

「そんな時に出会ったのがミッチーなの。」

 

「そう。私も相談に行っていて、アリリンが怒って出て来たからどうしたの?って聞いてみたの。」

 

「怒ったアリリンに話しかけられるミッチー凄い。」

 

「勇者ね。」

 

「それで、お互いに喫茶店に行って、愚痴を言い合って意気投合して、いろんな相談をお互いにするようになったの。それで、ヨナッチャンが加わって、あゆみちゃん繋がりでつばっち(有島つばさ)が加わって、その後に娘の結束バンドの縁でイジリン(伊地知ママ)とキョッピー(山田京香)とクルミン(喜多久留代)が加わった感じね。」

 

「文化祭で挨拶されて、何回かあった後にミッチーにママ会に誘われた時に、アリリン、よなっちゃん、つばっちの3人が居てびっくりしたわ。」

 

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「うううっ。僕の子育てにそんなに悩んで、子育て支援センターにまで相談に行くなんて、やっぱりアリサママの僕への愛は本物なんだね。」

 

アキラ君は涙を流しながら感動する。まさにドラマの感動シーンを切り抜いたかのような名演だ。

 

「こんな息子の相談をされる職員さん、かわいそう。」

 

「扱いを一歩間違えると、文部科学省のトップまでの責任問題になりそうだし、アキラが変わっていない所を見ると、子育て支援センターは全くの無力だな。」

 

「息子が母へのプレゼントでポンと数百億円ほど稼いできたとか言われたら、私も卒倒しますっ。」

 

「アリサさんも大変なんだけど、あの人も大概に天然よね。子育て支援センターに行く程度でアキラ君がなんとかなる訳が無いのに。」(しれっと混じっている雪姉)

 

「私も大人になって、母親の苦労が分かってきたが、このアリサさんの相談内容は全くわからん。ただ、この話を聞いていると虹夏が素直な子で良かったとしか言いようがない。うちも思春期の拗らせたバンドやお客が良く来るが、こんな拗らせ方した子なんて見た事が無いからな。あと、星アキラって本当に役者なんだな。目の前で見ると、こんなアホなシーンなのに音声を入れないとドラマのシーンみたいだ。」

 

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「そういえば、今頃虹夏達はロンドンを満喫しているみたい。ありがとうね。旅費やホテルの手配までしてもらっちゃって。」

 

「ありがとう。リョウちゃんも友達とイギリスに行くのが楽しみにしてウキウキしていたわ。」

 

「ありがとうございます。郁代もすごく楽そうにしていました。」

 

「いいのよ。そもそも、あの愚息がひとりちゃんを引っ張り出しておいて、さらに引きこもりにさせたのがいけないのよ。みんなのお子さんに迷惑をかけてしまって申し訳ないわ。」

 

「大丈夫よ、ひとりちゃんはいつも引きこもっているか、空回っているかなんだから、アリリンが謝ることじゃないわ~。」

 

「流石はミッチーの子供よね。将来が楽しみだわ。」

 

「当然よ。イギリスで引きこもって、家の人しか会わないでギター三昧なんだから、きっと将来はすごいギタリストになるわ~。この前も押し入れじゃなくてイギリスのクローゼットに住みたいって言ったのよ。すごい向上心が芽生えて来たわ。」

 

「それはいい事ね。同じ引きこもりでも押し入れとクローゼットでは大きな違いがあるわ。ミッチーの革命的子育ての成果がついに芽を出したのね。」

 

「ひとりちゃんが押し入れより広い部屋に住みたいなんて、本当に成長しましたねひとりちゃん。偉いわ。」

 

「・・・何が凄いのか良く分からない・・・。」

 

「ある意味、ひとりちゃんはうちのリョウちゃんよりも甘やかされていますね。でもリョウちゃんもヒモの才能があるから負けていないかも。最近、リョウちゃんはその辺の草を食べて生きているんですよ。」

 

「虹夏は最近、筋肉が付いて来て、ゲーミングマッチョで七色に輝くようになったのよ。」

 

「うちの景、最近、貞子の役にはまっていて、双子を驚かせて夜にトイレに行けなくさせるのを楽しんでいるんですよ。ナンパで困っていた友達を助けるために貞子で出て行ったら、ナンパな人だけじゃなくて、友達ともども大惨事になったって言うし・・・。」

 

「まだましな方よ。うちのアキラなんて、この前、愛するママのために山吹色のお菓子を買って来たとか言って、ぼたモチの下に2段目になった本物の純金の小判を入れてよこしたんだから。その後の小判の出どころや、譲渡時の法解釈とか税務処理で本当に胃が痛くなったんですから。もっとガソリンとか爆薬とか採石場とか、爽快に爆破出来て私が喜ぶものが欲しいわ。」

 

こんなママ会の会話を聞いていたクルミン(喜多久留代)は思った。うちの子はここまでヤバイ子じゃないし、この人の子供達を見ると郁代は公務員である自分に似て真面目な子のような気がしてきた。

 

この穏やかなようで明らかにヤバイ会話を聞いていたら、結束バンドに入った後に成績が落ちて赤点を取って来た事なんて些細な事に思える。バンド活動でテストの点数が落ちたからなんだと言うのだ。引きこもったり、ヒモになったりするよりもずっとましだ。

 

ヤバイママ会の会話によって自分の子供がまともな事に安堵するクルミン。 しかし、翌日、そんなクルミンに世界的に超バズった娘が歌う映像が届いて白目をむくのであった。

 




ハッチャケる子供達の裏でママ会を楽しんでいるママ達。
しかし、このママ達もヤバイ人が多いようで・・・。

この恐怖のママ会は今後も不定期に開催されるかもしれません・・・。
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