星アキラは自由に生きたいっ   作:Magical forest

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星アキラは演劇の配信をたくらむ1

さて、僕たちの演劇である若草物語の公演が3ヶ月後に近づいて来た。

疑似家族で日々を暮らしているせいか、演劇の練習も申し分なく、完成度も高まってきていた。

 

そんな訳で演劇のチケットの販売なんだけど、これが超プレミアムチケットになる事が発売前から判っていて、非常にまずい事態だった。

 

チケットの売り上げがすごい事になるのは判っていたので、若草物語の公演は3週間と当初の2週間よりも伸ばしたのだけど、みんなの疲労もあるから連日は無理で、土日以外は1日おきの日程が組まれていた。

 

とは言っても、スターズが購入した劇場は大劇場ではなく、比較的中規模程度の劇場。観客の数も限られておりチケットを入手できない観客が転売ヤーから購入したり、チケットを買えなかった人がスターズの悪い噂を流す可能性もあった。

そもそも、こんな美味しいコンテンツを人数限定で公開する方が間違っている。

 

そんな訳で、僕はYoutubeとニフニフ動画に連絡を取り、担当者をアサインしてもらってその担当者と一緒に若草物語を話し合う経営会議に顔を出す事にした。

 

僕のマネージャが僕の番であることを連絡して、Youtubeとニフニフ動画の担当者を連れて会議室に入った。

 

僕が会議室に入った瞬間に議論していた話し声はパタッとやみ、みんな僕に注目していた。

 

「やあやあ、会議中の皆さん。スターズ二代目社長予定でかわいいボンボン息子のアキラ君がみんなに素敵な提案を持ってきたよ!」

 

「アキラ、あなたの場合は、みんなの胃を痛めつける提案じゃないの?」

 

上席に座っているアリサママが言った。

 

会議のメンバーは社長であるアリサママ、専務さんや執行役員の面々、そして謎の収入(笑)によって新しく拡充されたイベント担当部署の部長さんや若草物語の担当者などが居た。

 

スターズはこれまでタレントの派遣業がメインで、イベントや舞台製作などは他社に依頼する事が多かった。

しかし、アリサママは突如もたらされた謎資金(笑)で制作会社系の人員の拡充を行い、中途採用などで部署を拡充していた。

 

そんな拡充した部署の最初の仕事として持ち込まれた超ヘビー級の案件、それが僕達の舞台『若草物語』であった。

 

「それでアキラ君、今回はどんな面白い提案を持ってきてくれたのかな?」

 

話しかけてきたのは専務さん。

実質的にスターズのNo.2で、アリサママがスターズを設立した時には、会社経営なんて右も左も判らないただの役者だったアリサママが、スターズをここまで大きく出来たのはこの人の力でもある。

 

別業種だけど、自らの起業したベンチャー企業がいろいろ不運な目にあって潰れて、一家路頭に迷って人生絶望していた時にアリサママと出会って、スターズをここまで大きな芸能事務所に育て上げてくれた恩人でもある。

 

人生の必要な時に必要な人材に恵まれるとか、アリサママ天運ありすぎでしょう。そんな話をアリサママにしたら、「その天運もあなたを生んだことで尽きたみたいだけど・・・・。」胃を押さえながら、遠い目をしていた。こんなに会社に貢献する僕を見て、そんな事を言うなんて全く解せないゾ。

 

スターズの従業員数は300名ぐらいの会社なのでそこまで役員数も多くない。副社長とかの役職も無かった。そんな訳で、専務さんがNo.2で今回のキーマン。

 

アリサママは大まかな会社の方針と、タレントの採用、キャストの配役などを主に行うけれども、会社の実務的な面はこの専務さんが見てくれている。

 

今回の話に限ってだけど、正直な話アリサママが僕の提案に反対しても、専務さんがOKしてくれれば僕の提案は通ると思う。

 

実際の話、専務さんが会社を相当分フォローしてくれているから、アリサママは現場に行ったり、景ちゃんにレッスンをしたりできる訳で、アリサママが自由に経営できているのは、この人のおかげでもある。

 

今日の僕の恰好はブランド物のチノパンにTシャツ、それにスーツの上着に袖を通した、かなりカジュアルな服装。

IT系のできる営業さんやエンジニアってイメージをしてくれればいいと思う。

子供が会議でスーツをビシッと着込んで行っても滑稽なだけだからね。

 

一緒に来てくれたYoutubeとニフニフ動画の担当の人はちゃんとスーツだね。この辺は別業種の会議に行くというTPOをちゃんと弁えてくれて僕も頼もしいよ。

 

僕やアリサママ、専務さんは砕けた感じで話しているけれども、他のメンバーは固唾をのんで僕を見ている。

僕が入った後の会議室の緊張感はかなり高まっていた。

 

何人かの人間、特に現場担当の人とかは、僕を見ただけで胃のあたりを押さえていた。失礼な! ε=(`・д・´)プンプン!!

 

そんな感じで、アリサママや専務さん以外が緊張しながら僕を一点に見つめている中で、僕は提案した。

 

「この舞台、ネットで無料配信しようと思うんだけど、みんなどう思う?」

 

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