星アキラは自由に生きたいっ 作:Magical forest
夜凪ママの朝は6時頃に始まる。
朝起きて身支度をすると、朝食の準備から始める。
星家の朝食は和食が中心で、ご飯、魚、サラダ、お味噌汁、煮物などが中心となる。
また同時にお弁当と双子の幼児食の作成も行う。
夜凪ママはこれらのメニュー作成をテキパキと行っていく。
6時30分ごろになると景が起きて来て、食事の作成と配膳を手伝ってくれる。
またアリサさんもこの時間に起き出す。
7時になったらお寝坊のアキラ君を景が起こしに行って、アキラ君が起きてみんなで食事が始まる。
「アキラまた夜更かししたの? 若草物語が終わってしばらく経つけど、だいぶ弛んでいるじゃないの? いい加減にしたら?」
「仕方が無いじゃないか。阿良也と夜遅くまで一緒にモンハンをやっていたんだから。 夜までモンハン配信を垂れ流した後にも延長戦で、昨日は大変だったんだよ。」
「阿良也君もあまり夜更かししないようにね。仕事のコンディションを整えるのもプロの仕事よ。」
「はーい。」
「阿良也、うちに泊まって行って、朝食を食べて帰るの普通に馴染んでいるよね・・・。」
「巌さんにも独り暮らしするよりも、はるかにいい物を食べてるから、健康の面でもアキラの家に泊まった方がいいって言われてる。」
「阿良也君と友達なのはいいけど、禁断の関係とかの変な雑誌記事とかを上げられないように注意するのよ。」
「とっくの昔に掲載されているから手遅れじゃないかな。」
「朝から頭が痛くなるような事を言わないでちょうだい。」
「ありさままーーー。まんまーーーー。」「まんまーーー。」
「はいはい。ルイちゃん、レイちゃん。まんまですからねー。ばぶーっ。」
「まんまおいちぃ。もっと」「あぅっ。もっと。ほちい」
「もっとあげまちゅからねー。たくさんまんまたべれてえらいでちゅねー。」
朝食の時は食事の対応で忙しい私に変わって、アリサさんが双子にごはんをあげてくれる。
私達を優しく受け入れてくれて、いろいろ双子や景達の面倒も見てくれている、アリサさんの存在はすごく助かっている。
「夜凪さん、今日は打ち合わせがあるので、夕食は不要です。」
「僕は配信があるから、夕食は家で食べるよ。雪ねぇちゃんも今日は家で食べるから。」
「私も夕食は家ですっ。」
「夜凪さん、私も明日はロケなので今夜も泊っていいですか?」
「もちろんですよ。千世子ちゃん。」
「千世子ちゃんも普通に馴染んだよね。」
「千世子は郊外に住んでいるし、ここの所はドラマのロケが続くからしばらくはこの家に泊まった方が良いわね。もともとご両親も忙しくて、ほとんど家に居ないんだし。」
「アリサさん、夜凪さん、ありがとうございます。」
「これ、みんなの分のお弁当になります。」
「「「「夜凪ママいつもありがとう!!!」」」」
朝食が終わると、みんなはそれぞれ仕事や学校に出る。
「お母さん、行ってきます!」
「気を付けて学校に行くのよ!」
「はーい。」
8時になると景が小学校へ行く。
アキラ君や千世子ちゃんは芸能系の私立学校なので、学校には行ったり行かなかったりする。
ただ、景には子供のうちから芸能活動ばっかりをやらせるのは将来を狭めるようで気が引けた。
なので、景は近所の公立小学校に通わせている。
星家のお手伝いさんを始める前の景は本当にやせ細っていて、目に隈がでてきていて本当に酷い状態だった。
前に景が通っていた学校でもそんな景を見て、いじめは無かったけれども遠巻きにされていて、友達とかも居なかった。
今は学校も変わって、健康状態も改善して見違えるほど明るくなった景は、学校にも沢山友達が居て人気者だって、景自身や近所の同じ世代の子供をかかえる奥様たちに聞いている。
ただ、アキラ君や千世子ちゃんを身近に見ている景には、学校の友達たちは子供すぎるように感じるらしい。
景の男の人の基準がアキラ君にならないかが本当に心配だ。正直に言ってアキラ君は魅力的過ぎる。将来、彼氏ができた場合に、彼氏にアキラ君レベルを求められても、対応できる男の人なんてほとんど居ないだろう。
私は朝食の後のゴミ出しをしながら、景の将来について少し考えていた。
・・・もっとも私が、こう言った景の将来を考えられる事自体が、すごく幸せな事なんだけど。
ごみを出して家に戻ると、双子を近所の保育園に連れて行く。
この保育園は、アキラ君が小さい時にも預けられたらしく、保母さんや園長さんはアキラ君やアリサさんとも顔見知りらしい。
徒歩で行ける距離にあるため、すごく助かっている。
お手伝いさんを始めてしばらくは、ルイとレイは、私と景で面倒を見ていたけれども、収入と生活が安定して、景がスターズの仕事が忙しくなっている今は、お昼は保育園に双子を預けるようにしている。
私は特にシングルマザーだったので、区から保育園の使用を優先的に認められている事も大きかった。
子供達を保育園に預けたら、いよいよ家事に取り掛かる。
まずは朝食の食器洗いと洗濯。 食堂、リビング、トイレなどの掃除。
音楽室とか映像室、放送部屋みたいな使用頻度が少ない部屋は、日を分けて掃除していた。
庭については、いつも仕事をお願いしている庭師さんが居るので、その庭師さんに連絡を入れて定期的に庭を手入れしてもらっている。
家事中はアキラ君が録音してくれたピアノやヴァイオリンの曲を聞きながら作業している。
アキラ君は楽器の演奏が本当に上手い。心が落ち着いて仕事に集中できる。
アキラ君の演奏は世界に通用するレベルらしく、CDを出さないか何度も問い合わせが来ているらしい。
掃除、洗濯を終えて1時頃に適当な残り物を料理して遅めの昼食を取った私は、近所のスーパーや商店街に食材の買いだしに行く。
最近は千世子ちゃんと阿良也君も良く家に来てくれているので、食材の消費量も非常に多い。
私は前後に大きい籠付きの自転車で商店街に行って、帰りは食材を乗せて押しながら帰ってくる。
「夜凪のママさん、今日も綺麗だね。おまけしちゃうよ。」
「ありがとうございます。」
商店街の馴染の肉屋や八百屋で買い物をする。今日の夜は人数も多いし、景の好きなすき焼きにするつもりだ。みんなが食べる牛肉の他に、景の好きな豚肉も買っておく。買い物が終わると、良い時間になるので倉庫の整理などを行いながら夕食の準備をする。
今日のメインはすき焼きなので、野菜を切っておいて、肉を並べるだけなのでそんなに大変ではない。
他に酢の物やおひたし、お味噌汁などを用意する。
16時頃になったら、保育園に子供達を迎えに行って家で遊ばせておく。
この間は食事の用意をしながら、子供達の面倒を見る事になる。
またこのぐらいの時刻に柊雪ちゃんの学校が終わって家に来る。
雪ちゃんは家に居れない事情があり、星家に居る事が多くなっていた。
雪ちゃんはアキラ君の生放送のセッティングが終わると、子供たちの面倒を見てくれる。
私はその間に食堂で夕食をテーブルに並べる。
雪ちゃんが子供達の面倒を見てくれるので、すごく助かっている。
また、雪ちゃんは動画の編集なども行うので、子供を見ていない時にはお茶やお菓子などを出してあげる。
18時過ぎになるとスターズでレッスンを受けていた景や仕事か学校を終えたアキラ君、千世子ちゃん、阿良也君がそろって食事が始まる。
「今日はすき焼きなのねっ。大好物ですっ。」
「相変わらず景ちゃんはすき焼きで豚を食べるのね。普通に牛でいいと思うけれども。」
「もちろん、牛さんも食べますが、豚さんも美味しいですよ。千世子ちゃんもどうですか?」
「私は牛でいいわ。」
「今日の放送なんだけど、今日はキアラの歌配信だからピアノと音源をセッティングして・・・。」
「それだったら、ピアノに座りながら、カメラはピアノと顔、全身ですね。」
「そう。後は、全身で映す部分に別のマイクを用意しておいて、音源再生で立って歌えるようにしておいて。」
「了解です。」
「景ちゃんはマイクの位置のセッティングとかをお願い。 あと、カンペを渡すから、曲の説明なんかを僕に変わってやってくれるとうれしい。」
「了解ですっ。がんばります。」
「千世子ちゃんや景ちゃんも歌わない?」
「キアラちゃんと一緒だと歌はどうしても劣るからまだいいわ。」
「私もまだ、歌はあんまり・・・・。」
「今度みんなでカラオケでも行こうか?」
「いいね。それ。」
「なんで阿良也がそんなに行く気満々なのさ?」
アキラ君の生放送がある夕食の日は、雪ちゃんと景とのミーティングを兼ねた話し合いがある。
雪ちゃんも最初は遠慮していたけれども、今はみんなに馴染んで一緒に夕ご飯を食べるようになっていた。
「まま、まんまー。あーーーー。」「もぐもぐする。まんまーーー。」
私はルイとレイに幼児食を与えながら食事を続ける。
そして、食事が終わるとアキラ君の生放送の準備になり、阿良也君と千世子ちゃんはそれぞれの部屋に行く。
私は携帯でアキラ君の放送を見ながら洗い物や残りの家事、子供たちの面倒を見る。
アキラ君の放送が終わると、日によってはみんなでリビングに集まって映画を見る。
今日はレ・ミゼラブルの映画のBlu-rayが手に入ったらしく、みんなで見ることになった。
リビングには、景、アキラ君、千世子ちゃん、阿良也君、雪ちゃんが集まる。
双子は後ろに置いてあるベビーベッドでスヤスヤ寝ている。
アキラ君の左右には千世子ちゃんと景、ちょっと離れた所に雪ちゃん。
座る位置はいつも決まっている。
ちなみに阿良也君は私の膝枕の上にクッションを置いて、その上に頭を乗せて見ている。
おっきい子供ができたみたいで可愛くて、髪を撫でながらつい甘やかしてしまう。
「阿良也、夜凪ママの膝の上が落ち着くのは判るけれども、相変わらずやばいよね。 可愛がられて餌付けされて、完全に夜凪ママに調教されちゃっているじゃん。」
「いいじゃん。落ち着くし。」
「景ちゃん、このままだと阿良也にママを取られちゃうよ?」
「ママはママですよ? 取られるってどういうことですか?」
「うっ、意味がわからなければいいや。そういう事態にはまずならないとは思うけれども、そう言ったヤバい事態に発展しないように気を付けよう。」
「あっ映画が始まりますよっ。」
映画を見終わると、みんな解散してそれぞれの部屋に戻る。
雪ちゃんにタクシーを呼んで家に帰して、そうして私もお風呂に入って寝ることになる。
ベッドで横になりながら、今日の出来事を思い出していた。
私の星家での生活は、アリサさんや沢山の子供達に囲まれて、すごく楽しい。
景やルイ、レイも幸せに育って、私の生活はすごく充実していた。