星アキラは自由に生きたいっ   作:Magical forest

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星アキラは通訳する2

「アキラ、すごく困ったことになったんだ。夜のインタビューは生放送だったんだけど、僕達の方で用意していた通訳の人が電車の事故で間に合わなそうなんだ。代わりに通訳をしてくれないかな?」

 

「えっ? 通訳なら公共放送の人に頼めば、すぐに手配してくれると思うんだけど。」

 

「それだと、公共放送の人の都合が良いニアンスで伝えられちゃうじゃないか。それに見ず知らずの人に通訳してもらうなんて、内気な僕には無理だよ!」

 

「うーん。確かに。テリーの兄者の通訳にはゴーグルの技術とか戦略に通じていないと難しいかも。」

 

「ゴーグルの日本法人の社員さんとかはどうなの?」

 

「今からだと間に合わないよ。呼べるのであれば、とっくに呼んでいるし打ち合わせ無しでTVの前でいきなり喋るなんて普通の人には無理だよ。僕も無理だけど・・・。」

 

「それじゃ、まともなインタビューにならなさそうだし、コメディーで乗り切っちゃおうか。せっかくだからテリーの兄者も楽しもうよ。」

 

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「こんにちは。ニュースビジョン21の時間です。今日は、巨大IT企業ゴーグルのCEO、テリー・ペイザさんをお迎えして、情報産業における世界戦略についてお話をお伺いしようと思います。」

 

「まずは、今日のニュースです。」

 

夜9時のニュースが始まった。僕はスタジオのゲスト席のセットがあるテリーの兄者の横ですまし顔で座っている。テリーの兄者は緊張しているのか少しそわそわしていた。

ちなみに、僕が通訳としてスタジオに入った時に、公共放送の職員さん達は非常に動揺していた。

 

「別に取って喰われるわけじゃないんだから、リラックスしていればいいよ。自分の部屋だと思えばいいんだよ。ほらリラックスして、ソファーにもたれかかろうよ。」

 

「アキラのその強心臓を見習いたいよ。なにか、君を見てたらこんなに緊張するのが馬鹿らしくなってきた。こうなったら僕もソファーにもたれかかって寝ようかな。」

 

「流石、巨大IT企業のCEO。諦めも肝心だよ。もうどうしょうも無いんだし、一緒にソファーにもたれかかってリラックスしようよ。」

 

本番、生放送中に自分の家のように、リラックスし始める二人。カメラはニュースを読んでいるキャスターを映しているものの、スタジオに動揺が走る。

 

15分ぐらいニュースを読むと、テリーの兄者のインタビューに切り替わる。

 

「こんばんは。Mr.ペイザ、お会いできて光栄です。」

 

「こんばんは。こちらこそこんな素敵なインタビューに招いていただいてありがとうございます。」

 

社交辞令の挨拶から始まり、いよいよ通訳の本番が始まる。

 

「ゴーグルはMr.ペイザが学生の時に起業された会社ですが、どのような目的で起業されたのでしょうか?」

 

ものすごい南部なまりの英語「テリーん兄者!兄が学生ん時になんで起業したんか聞かれたちゃ?」(アキラ)

 

超かしこまった場面で、突然の僕の、ものすごい超南部なまりに吹き出すテリーの兄者や英語がわかる公共放送の職員達。アナウンサーも笑いをこらえてプルプルしている。

 

ものすごい南部なまりの英語「検索自動化ん話ぅしちくりい」(テリー)

 

「インターネットの黎明期には、検索は非常に重要なサービスでありながら、人の手で分類され非常に恣意的に運用されていました。ゴーグルはこれではインターネットユーザーの不利益になると考えて、ユーザーが欲しい情報を客観的に入手できる仕組みとして、私が学生時代に開発したページランクという考え方と、検索の自動化を推進しました。このように真に人間が必要とするテクノロジーを重視する姿勢がゴーグルとして、非常に重要なポリシーとなって、今に生き続けています。」(アキラ通訳)

 

「なっなるほど。人に必要とされるテクノロジーを使ってもらいたくて起業したんですね。(汗)」

 

通訳が来られないごたごたなどで、まともな打ち合わせなどが一切できていないために、事態が全く呑み込めずにあからさまに動揺する公共放送のアナウンサー。

 

「ゴーグルはYoutubeを始め、ダブルクリッコやモトロールなど巨大な買収を足早に進めていますよね。どのような意図で進めているのかを教えていただけないでしょうか。」

 

ものすごい南部なまりの英語「何でこげえいろいろ買収しちょんのか聞かれたちゃ。まじいちゃ。警戒されちょんちゃ。」(アキラ)

 

ものすごい南部なまりの英語「アメリカでは買収は普通じ、お互いにウィンウィンの関係なんちゃ」(テリー)

 

「ゴーグルは企業買収を通じて、進出していない分野での事業展開を迅速に行うのと同時に、ゴーグルが持つテクノロジーと元の企業が持っていたテクノロジーをコラボレーションして、お互いの価値を最大化する事で、収益性を上げてユーザーに便利なシステムを提供するためです。例えばYoutubeの例では、ユーザー毎に見たい動画をカスタマイズしてお勧めに出すなど、ユーザーの価値を最大化するサービスを展開できる事がゴーグルの企業価値を生み出しています。」(アキラ通訳)

 

「うっ、しっしかし一部にはそう言った個人情報をまとめて取り扱う事で、個人情報を占有する事への懸念なども出ていますよね。」

 

ものすごい南部なまりの英語「個人情報ぅ占有するんな企業としち不味いんやねえんか聞かれちょんちゃ」(アキラ)

 

ものすごい南部なまりの英語「企業としち法令順守はしっかりやっちょんちゃ」(テリー)

 

「もちろん、各国政府や各個人の方にもゴーグルが個人情報を収集する事に対する懸念があるのは理解しております。ゴーグルはワールドワイドにビジネスを展開する国際企業であり、個人情報の取り扱いなどは、各国の法令に基づいて厳しく準拠しております。これは国際的な個人情報保護の方針とも合致しており、ユーザーが安心してユーザーエクスペリエンスを実現できる環境をゴーグルは整えています。」(アキラ通訳)

 

「ゴーグルは厳しい基準で個人情報を取り扱っているという訳ですね。(これは一体、どういう状況だよ・・・・。誰か説明して! 誰か俺を助けて! こんなのアナウンサー生活で一度も無いんだけど! 俺、超困惑!)」

 

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「今回は、巨大IT企業ゴーグルのCEOである、テリー・ペイザさんに巨大IT企業の戦略についてお話をお伺いいたしました。(;´ρ`) グッタリ」

 

「Mr.ペイザ、ありがとうございました。」

 

「アリガトウゴザイマシタ。」

 

インタビューをしていたアナウンサーがなぜか満身創痍になっていたけれども、生放送のインタビューは無事に終わった。

 

そして、このインタビューはなぜか大好評で、この日本語訳を英字幕に直したインタビュー動画をテリーの兄者が上げて、Youtubeでバズる事になるのであった。

 

 

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