星アキラは自由に生きたいっ   作:Magical forest

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星アキラは映画撮影の現場に行く

さてさて、今日は映画撮影の現場にキヌスの通訳として来ているよ。

 

今日撮影されている映画は、『ナショナルクリミナル4』という映画だね。

 

この映画はインターポール捜査官であるキヌス・リーガスが世界中の観光地を回りながら、国際犯罪を解決していく推理あり、アクションありのライトなサスペンスだね。

 

アメリカで撮った1作目はトントンと言った感じで、そんなにヒットしなかったんだけど、2作目で舞台をフランスにして観光地めぐりを前面に出すと大ヒット。3作目のバリ島でリゾートをしながら犯罪を追うのはちょいヒット。そして4作目の舞台が東京。

 

まぁ、4作目ともなるとマンネリ感も結構あるね。今回の4作目が振るわないと映画のシリーズとしては打ち切りじゃないかな。

 

この映画はド派手なアクションシーンが売りって訳でもなくて、キヌスがいい旅夢気分をしながら犯罪を追いかけつつ適度なアクションという、ハリウッド映画らしからぬほのぼの感がなぜかウケていて、この特性のため製作費はハリウッド映画としては低めで、規制が厳しい日本みたいな場所でも撮影できるのが強みかな。

 

あとは007みたいに、映画毎に現地のヒロインが出てくるね。

 

今回の映画は、日本の芸能界や映画スタジオ、そして観光でインバウンドを狙いたい日本政府も全面バックアップで、スターズからも何人か脇役を出しているよ。ヒロインも大手芸能事務所の新進気鋭の女優さんで、かなり気合が入っているね。

 

僕? 僕は黒幕議員の子供の役としてちょい役をもらっているよ。

 

そんなわけで、撮影は順調に進んでいた。そして三分の一ぐらい撮影が終わったところでアクシデントが発生した。

 

撮影を終えて、セットから降りていたヒロインの女優さんが足を『ぐきっ』とやったのだ。『ぐきっ』と。全治2ヵ月の重症。おそらく難しいシーンの撮影を終えて、気が緩んでいたんだろう。まだまだ出番があったのに、大変な事になってしまった。

 

彼女のケガの状態が判明し、撮影が続けられない事がわかると、監督や作家さんなどのスタッフ、主要な俳優さんなどを集めて対策会議が開催される事となった。

 

そして、その対策会議のマスコット兼現地情報提供者として僕も呼ばれた。

 

僕の席はキヌスの兄貴の横だった。

 

会議の席で監督さんや脚本家さん、構成作家さん、スケジュール担当のスタッフなどが軒並み頭を抱えていた。

 

実際、三分の一が撮り終えているというのが曲者だった。もっと前なら代役を充てればいいし、もっと後ろなら撮影が終わったシーンを強引に繋ぎ合わせればフォローできる。でも三分の一だと、もう戻れないし、進めない。非常に難しい状態だった。

 

対策会議は良い案が見つからずに、堂々巡りを繰り返していた。

 

「キヌスの兄貴、こりゃあ大惨事だね。対策も決まらなそうだし、近所の遊園地にでも遊びに行こうか?」

 

「アキラの他人事感はすごいな。日本人なんだから、他の日本人と同じように空気を読んで深刻な顔をしたらどうだ?」

 

「ふふん♪。深刻な顔をして解決するなら、いくらでも深刻な顔をするよ。でも僕は子供なんだから深刻な空気も読めないで、こんな辛気臭い会議をしている部屋から抜けて、ぱーーーと遊びに行きたいんだ!」

 

「アキラのそういうところ本当に尊敬するよ。能天気なアキラを見ていると、映画の進捗で悩んでいる僕やスタッフたちが馬鹿らしく見えるね。」

 

「大体、この映画はだんだん人気も無くなってきて、しりすぼみで次があるかも分からないんだから、難しい事なんて考えないで、ぱーーーと予算を使い切って面白おかしく作っちゃえばいいんだよ。あっやばっ。」

 

堂々巡りで激論を交わしていた監督さんや脚本家さん、構成作家さんや他のスタッフたちがいつの間にか論議を止めて、僕とキヌスの兄貴を見ていた。

 

「あっ、やばい会話を聞かれちゃったかも。キヌスの兄貴。なんとかフォローして!」

 

僕はキヌスの兄貴をつんつんと突っついてフォローを促す。

その時、監督が口を開いた。

 

「これだ!!これだよ!! アキラくんをヒロインの代わりにすればいいんだ!」

 

「この子なら演技は間違いないし行ける!」

 

「そうか!このまま映画に出させてアドリブでしゃべらせればいいんだ!」

 

「ヒロインはずっと誘拐されている事にしましょう。最後に救出すれば良いでしょう。誘拐シーンと救出シーンは後で撮ればいいだけですし。棒立ちならケガをしながらでも撮れるでしょう。これならスケジュールも大丈夫です。」

 

何の話?と僕は監督の方を見て首を傾げた。

 

「アキラ君、君がヒロインの代わりにキヌスのパートナーになるんだ。」

 

「はぁ? 意味が分からないんだけど?」

 

僕は首を傾げた。

 

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