星アキラは自由に生きたいっ   作:Magical forest

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星アキラは夜凪親子と出会う

あれからさらに2週間。僕のリハビリは順調に進んでいた。

 

心臓発作で入院していたあの老人も無事に退院し、帰国していった。

 

ある程度補助なしで歩けるようにもなってきて、これぐらいなら退院も近いんじゃないの?と先生に聞いてみるんだけど、僕の精神的なケアもあるし、どうも僕のほとぼりを冷ますために、社会からある程度の期間を隔離する予定なので、あと2か月以上は入院が長引くらしい。

 

僕の家の財力では、今ある個室の病室に僕を長期間入院させていても痛くもかゆくも無さそうだ。

それよりも、心も体も完治しないままで社会復帰して、有形無形の悪意や興味に晒される方が怖いのだろう。

 

でもそれなら、僕の魂の友達インターネット君にはいいかげんアクセスできるようにしてほしい。早く彼にアクセスできないと、オタクと化して堕落した僕の魂が浄化されてしまう。

 

この僕が、自分の自殺未遂で盛り上がるネット掲示板とかを見て、ショックを受けるとでも思っているのだろうか?

・・・・思っているんだろうな。それで前に自殺未遂をぶちかましたし・・・・。

 

そもそも、外との情報を遮断するためか、この部屋にはテレビすら置かれていなかった。

 

結局僕にできることは、ひたすら電子ピアノを弾くことだけだった。

体力も大分回復してきて握力にも自信が出てきたので、アリサママには今度はヴァイオリンをお願いするつもりだよ。

でも本物は流石に病院内に響いて迷惑になるので、エレクトリックバイオリンってハイカラなやつ。

 

今日も演奏の時間にリストのラ・カンパネラを弾いているいると、ドアの外に僕よりも年下の子供と母親がじーっと僕を見ていた。

 

「どうぞ。暇なら是非そこに座って演奏を聴いて行ってください。」

 

「何か弾いて欲しい曲ある?」って、子供に聞いたら「プリキュアリー!」って答えたので、日曜朝の魔法少女アニメ プリキュアリー!のテーマ曲をジャズアレンジバージョンで弾いてあげたら大好評だった。前世でストリートミュージックをやっていた時に覚えた、こういった即興アレンジのテクニックには感謝だな。

 

それから意気投合して、何曲かリクエストをもらって演奏と雑談をしていると、彼女たちの身の上が判ってきた。

 

夜凪ママは、双子を出産後に体調が思わしくなく、双子を施設に預けて、しばらくこの病院に検査と治療のために入院することになったそうで、子供の夜凪景ちゃん(8歳)は、そのお手伝いに来ていた。ママのお手伝いがちゃんとできて偉い!!

 

景ちゃんは、学校以外は夜凪ママのお見舞いにこの病院に居るので、「もし良かったら、手が空いた時に遊びに来てもいい?」と聞いてきたので、快諾した。

 

僕も暇だしWin-Winだった。

 

学校・・・?そういえば僕は今は10歳で小学校5年生だった(誕生日2月14日)。リアリー?

別に長期入院で、勉強が遅れる心配は全くしていないけれども、別の意味で小学生の勉強に戻れる気がしない。

リアルにコナン君の気持ちが判る時が来るとは思わなかった・・・。

 

そして、千世子ちゃんも小学校4年生であの精神年齢と役をこなす器量。子役の子はまじで早熟だと思う。それとも千世子ちゃんが特別なのかな?

でも僕と同い年の子役とかを見ていても、みんな早熟だから、子役としてちゃんとお金を稼いで社会経験を積むと、精神年齢は上がって行くのかもね。

 

対して、景ちゃんはフツーの小学3年生。千世子ちゃんとか見ていていろいろ心配だったけど、景ちゃんを見ていると安心する。

でもちょっと目にクマが出来ていて、頬が痩せこけている気がするんだよね。ちゃんと食べているのかな?お見舞い品のフルーツいっぱい食べなさい。お土産もいっぱいあげるからね!

 

それから、夜凪親子は時間を見つけては僕の部屋に来るようになった。

特に景ちゃんの方は夜凪ママが検査や治療で寝込んでいる事も多いので、その間は僕の部屋に入り浸っていた。

 

夜凪親子を見ていると、親子ってこういうものだよって安心できる。

僕もわりと夜凪ママに甘えるようになった。

 

アリサママとの関係は修復されつつあるけれども、やはり精神のベースは小学5年生の男の子。

無意識に母親の愛を求めてしまうのですよ。決してママ活などではない事はちゃんと釘をさしておきます。

 

アリサママはどっちかというと、パパ役なので、アリサパパと夜凪ママなら丁度良い感じ。2人とも結婚してくれないかな(←かなり失礼)

 

今日も景ちゃんと2人でお話していると、千世子ちゃんが入ってきた。

 

千世子ちゃんは、アリサママが認めた子役として急速にブレークしているらしく、最近は仕事が忙しくてお見舞いもなかなか来れなかったんだけど、仕事の合間を見つけてお見舞いにきてくれたらしい。

 

そこで座っている、景ちゃんを見て「この子誰?」って聞くので景ちゃんを紹介。

 

見つめ合う千世子ちゃんと景ちゃん。2人の間に火花が飛んだ気がするけれども、気のせいだよね?

 




ちなみに、千世子ちゃんと景ちゃんは別にアキラ君に恋をしているわけではありません。
互いに自分の領域に居るはずのアキラ君に、知らない女が近づいて来たので警戒しているだけです。
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