星アキラは自由に生きたいっ 作:Magical forest
「メリークリスマス!」
「「「「「「メリークリスマス!!」」」」」」
メリークリスマスの掛け声とともにパンッ、パンッとクラッカーを鳴らしてクリスマスパーティーが開始された。
みんな思い思いの料理を食べ始める。
僕もチキンの丸焼きを切り取って食べる。
夜凪ママの味付けは塩コショウと香辛料のシンプルなものだったけど、逆にそれが鶏の味を引き立ててジューシーで美味しかった。
景ちゃんと千世子ちゃんはお互いに手巻き寿司を巻いて食べさせあっていた。
そして、阿良也はクリスマスケーキを食べようと・・・。
「いや、阿良也ちょっと待って! いくらなんでも初手いきなりクリスマスケーキは無いよ! クリスマスケーキはみんなで最後に食べるものだよ!」
「えっ?そうなの? みんな好きなもの食べていいって言ってたからいいのかと思った。」
「やべぇ、まぁ、最初に食べちゃいけないって決まりは無いけど、デザートを兼ねているから最後の方にみんなで食べるのが多いね。」
「こういうクリスマスパーティーが初めてだから分からなかったよ。」
「・・・阿良也、不憫な奴・・・・。」
「なに、せっかくのクリスマスパーティーでしんみりしているのよ。 みんなで楽しくやりましょうよ。」
「千世子ちゃんがみんなの雰囲気を大切にするとか、すごく成長したよね。」
「うわっアキラちゃん、いろいろひどいわ。レディーにいう事じゃないわよ。」
「ごめんごめん。 それじゃ楽しくやろうか!」
ちなみに、千世子ちゃんの両親は今日は忙しいため、先週末に千世子ちゃんと一緒にクリスマスパーティーを兼ねた食事会をすでにやっている。このため、千世子ちゃんは心おきなく今日のクリスマスパーティーに参加している。
「ところで、千世子ちゃんは何を食べているの?」
「ナマコとこのわた入り手巻き寿司よ。コリコリしていてすごく美味しいわ。」
「うわぁ、ナマコの硬さと、このわたのねばねばさが手巻き寿司のシャリにマッチしていなさそう。なんか具材とシャリの一体感が皆無って感じがするんだけど・・・。魚屋さんに特別にナマコを注文していたんだよね。」
「もちろんよ。高級な赤ナマコを取り寄せたの。うま味が強くて酢の物の味が格別ね。 お寿司に入れるのはメジャーじゃないけど、好物だから別にいいのよ。」
そう、ナマコとこのわたは千世子ちゃんの非公式な好きな食べ物だ。 ちなみに公式はビスケットやマシュマロというすごく無難なものになっている。だが、好きなナマコの事になると種類や鮮度、調理法などいろいろ饒舌なのに、好きなはずのビスケットのメーカーとかは特にこだわりが無いので、どちらが本当の好物なのかは、言うまでも無いだろう。
千世子ちゃんは、将来は、女優としてはワインを片手におしゃれなフランス料理ってイメージになるのだろうけど、家に帰ったら清酒と塩辛で晩酌をして、「かっーーーー。今日もよく働いたわ。」とか絶対にやっていると思う。ワカコ酒の主役としてドラマに出演していても僕は驚かない。
「アリサママ、おにく~!」「おにきゅ~!」
「はいはい。おにく沢山あるから、たくさんたべるんでちゅよ~♪」
アリサママは、丸鳥を砕いてやわらかいごはんと一緒に双子に食べさせている。
すごく幸せそうだ。 僕も子供の頃はこんなふうに子育てされたんだろうか?全く記憶が無い・・・・。でもこの光景を見ていると僕も子供の頃はこんな風に面倒を見られていた気がする。
なんにせよ、アリサママが幸せそうなのは良い事だ。
来年はもっと胃痛が加速するだろうし・・・。(見えてる伏線)
「こんな豪華な料理を食べられるなんて、素敵すぎる。これが本当のクリスマスパーティーなのね。本当に素敵。」
雪ねぇちゃんはテーブルの上に並べられる豪華な料理と豪華な参加者を前に、料理を食べながらも、一生懸命スマフォやカメラで撮影している。
雪ねぇちゃんもだいぶ映像作家として、逃れられないカルマが蓄積している。
みんなでクリスマスパーティーをするというのは、放送で言ってあるのでこの写真がインセタグラムやトイッターに上がるかもしれない。
雪ねぇちゃんの写真や映像は、プロの写真家やカメラマンなどの仕事を僕たちに付いて来て生で見ているせいか、どんどん上達しており、今では素人目にはプロと遜色が無いレベルになっていた。
彼女は阿佐ヶ谷芸術高校への推薦入学もすでに決まっている。
いちごちゃんも入学するって言ってたから同級生になるみたいだ。
彼女が阿佐ヶ谷芸術高校に進学して、映像作家や監督として働き始めるのは時間の問題だろう。
高校に入学したら黒山墨字さんの所にアルバイトに来ないかって誘われているけれども、彼女の夢をかなえるために、是非行ってみるのがいいと思う。ただ給料面では圧倒的に僕の方が良いらしいけど・・・。大丈夫なのだろうか?大黒天。 腕は確かなんだけども、お金を稼いでいるのかと聞かれれば・・・。うーん。
「こんな素敵なクリスマスパーティー、すごく感激ですっ。ぐすっ」
一時は食べる物にも困っていた景ちゃんには、このクリスマスパーティーは刺激が強すぎるらしい。去年の年末もやったんだけど、まだ家に慣れていなかったからケーキを買って、ちょっと豪華な料理にしただけで、こんなに大きなパーティーはしていなかった。
今年は僕が本気を出したクリスマスパーティーだ。参加者も阿良也と千世子ちゃんと雪ねぇちゃんが加わって盛大なものになっている。
景ちゃんは映画を見て仮想の体験だったクリスマスパーティーを今リアルに体験しているのだ。映画の中で繰り広げられていたクリスマスパーティーを彼女自身が仮想で体験していたとしても心のどこかでは、うらやましく思っていたことだろう。
「ママッ、鳥さんをもっとくださいっ」
景ちゃんは涙をふくと元気よく食事を沢山食べている。たっぷりとお食べ。
料理を食べながら、景ちゃんと千世子ちゃんも仲良くお話ししている。
家族がみんな楽しそうな所を見て、夜凪ママもすごくうれしそうだ。
料理が終わって、みんなでクリスマスケーキを食べたらプレゼントの開封だ。
僕は、アリサママに万年筆、夜凪ママにブランドもののエプロン、千世子ちゃんと景ちゃんにイタリア製の文房具セット(色違い)、阿良也にちょっと高めのジャージ、雪ねぇちゃんには若者用のブランドのトートバックをプレゼントした。
プレゼントのラインナップが普通? いや、奇をてらったプレゼントなんてろくな事にしかならないので、無難に普段使うものでちょっと背伸びした感じの物が一番だよ。
高額な商品とかは、自分の給料で自分が気に入った物を買うべきだよ。
ちなみに、高額すぎる贈り物は送られた側に贈与税がかかるので、気を付けてね。
僕もアリサママから有名な神社の厄除けのお札、夜凪ママからオルゴール、千世子ちゃんから昆虫図鑑、阿良也からブランド物の帽子、景ちゃんから「アサガヤ」と言うデカデカとした謎の文字が書かれているTシャツ、雪ねぇちゃんから手作り星アキラ写真集をもらった。
ちなみに、雪ねぇちゃんのは阿良也、千世子ちゃん、景ちゃんもそれぞれ手作りの写真集でみんなすごく感激していた。
こういう心のこもったプレゼントって嬉しいよね。
アリサママはいったい、どんな心をこめて僕にお札なんて送ったんですかね?
クリスマスプレゼントで神社のお札。 クリスマスのコンセプトをガン無視。 アリサママは僕を浄化しようとしていないかな? 気のせいかな? 僕は邪悪な珍獣じゃないよ。ホントダヨ。
そんな疑問を残しつつも、クリスマスパーティーは楽しくみんな大満足で終了するのであった。