シン星紀エヴァンゲリオンー神も泣くかもしれない   作:サルオ

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センシティブではないですが、生々しい表現があります

保健体育的な表現がチラホラ。苦手な方はご注意を!

良ければご笑覧ください




c.双星の光、別つこと能わず(後編)

──────

 

「おっかしいわね〜・・・」

 

夕食を終えたリビングで、アスカがしきりに首を傾げていた。

 

ネルフJPNの居住スペースの一室でシンジとアスカが同居を始めて、早くも3ヶ月が経過しようとしていた。2人の生活は基本的にシンジが家事全般をこなすという、中学時代に葛城ミサト宅にて同居していた頃とほとんど変わらないルーティンであったが、2人の仲は良好だ。シンジが尻に敷かれてるかと思えば、アスカもシンジからの不意打ちに胸をときめかせる事もあり、そのままベッドになだれ込む事もしばしばといった様子だった。たまに喧嘩もするが、以前の喧嘩とは違い、シンジがアスカを「自分の恋人」として捉え、彼女の言い分を立てた上で2人の意見の落とし所を諭す。そんな関係に落ち着いていた。それは「恋」というよりも、家族としての「愛」に近い感情かもしれない。もっとも、シンジのそんな気遣いをアスカが鬱陶しく感じる時もあるので、万事良好というわけでなないのだが。

 

「さっきからどうしたの?うんうん唸って」

 

台所で洗い物をしながら、シンジがアスカに声を掛ける。手慣れたもので、使われた食器はみるみる内に新品同様の綺麗な状態に洗い上げられていく。シンジ自身はほぼ手元を見ておらず、まだ洗い終わっていないフライパンや鍋の洗う順番を考えたり、冷蔵庫に貼り付けられたカレンダーの特売日の文字を見て次の買い物のプランを頭の中で練り上げたりしていた。

 

「いやさぁ、なんかコレ、全然反応しないのよ」

 

(リモコンの電池でも切れたかな?)

 

シンジは洗い物を終え、乾いた布巾で皿を一枚ずつ丁寧に拭き取っていく。

 

「電池ならこの前買ってきたから、テレビの下の棚に入ってるよ?」

 

「はあ?電池ぃ?アンタ何の話してんの?」

 

「え?違うの?」

 

「違うわよ、バカシンジ。コレよ、コレ!」

 

アスカが何かを机の上にバンッと置く。シンジも興味をそそられ、手の中の皿を拭きながらリビングに向かった。

 

机の上にあったのは棒状の、見慣れないものだった。シンジが首を傾げる。

 

「え、何これ?」

 

「妊娠検査薬」

 

 

 

 

 

落とした皿が、パリンッと割れた。

 

 

 

 

 

「え・・・、ウソでしょ?アスカ、もしかして・・・!」

 

「狼狽えすぎでしょアンタ。ゴムなんか全然付けないんだから当たり前じゃない。毎晩どんだけアタシのお腹がパンパンになってると思ってるのよ?」

 

シンジの狼狽えぶりに呆れながらも、アスカはニヤニヤと笑っている。

 

「え・・・うそ、ホントに?」

 

シンジの確認に対し、アスカのニヤニヤは止まらない。

 

 

 

 

 

「・・・・・・やった。やったぁーーー!!!!」

 

 

 

 

 

「ちょ、うっさい!バカシンジ!近所迷惑でしょ!?」

 

「ありがとう!ありがとうアスカぁっ!」

 

「うわ!?抱きついてくんな、鬱陶しい!」

 

「やばいやばいやばいやばい!どうしよう、買い物してこなくっちゃ!まずはオムツだよね?あ、服もか。いや待って!ベビーベッドって最初からいるのかな?それにベビーカーも!!」

 

「おい・・・」

 

「離乳食ってどんなのが良いんだろ!?僕でも作れるのかな!?」

 

「いや、ちょっと・・・」

 

「あ、そうか!レシピくらい自分で調べれば良いんだよね!?いや、それよりみんなに知らせなくちゃ!最初はミサトさんでしょ?あ、あと加持さんにもだし、ついでに父さんにも連絡しないとだし、それから・・・!」

 

「話を聞け、バカシンジぃぃいッ!」

 

「ぐげえッッ!!!?」

 

アスカの放った渾身の右ストレートが、シンジの鳩尾に吸い込まれるように決まった。

 

「舞い上がりすぎよバカシンジ!なに浮かれてんのよ、みっともない!」

 

「でも子供でしょ!?落ち着けるはずないじゃないか!」

 

それを、最大限に引き出したエヴァの再生能力で耐え切ったシンジが、アスカの両肩を掴んだ。その目には、うっすらと涙まで浮かんでいる。

 

「僕たち2人の子供が、アスカのお腹の中にいるんだよ!?そんなの・・・、嬉しくないはず、ない、じゃないか・・・!」

 

感極まったのか、シンジはぐしぐしと鼻を啜る。それでも、溢れる涙を止める事はできていなかった。

 

「・・・・・・・・・は〜あ。わかったわよ、バカシンジ。ありがとうね、喜んでくれて。私も嬉しいわ」

 

アスカがゆっくりと、優しくシンジを抱きしめる。それを受けたシンジが、渾身の力でアスカを抱きしめ返した。

 

「ぐええ!ちょ、締めすぎよバカ・・・!」

 

「あ!ごめん!」

 

慌ててシンジがアスカから離れた。

 

「背骨折られるかと思ったわ・・・・・・」

 

「ご、ごめん、アスカ!お腹の子は大丈夫・・・?」

 

「アタシより赤ん坊の心配!?」

 

とっさの一言にキレたアスカが、会心の蹴りをシンジの顎に見舞う。流石のシンジもこの不意打ちには対応しきれず、勢いもそのまま台所まで吹き飛ばされてしまった。受け身も取れなかったシンジが床に叩きつけられた轟音に紛れて、皿が何枚か割れる音がした。

 

「ったく!人の話を最後まで聞きなさいよね!」

 

腰に手を当てて、アスカが台所で半ば伸びているシンジを見下ろした。

 

「そこまで喜んでくれてんのに悪いんだけどさ。アタシがさっきから『おかしい』つってんのはね。陰性なのよ、アタシ」

 

「え!!?」

 

アスカの言葉に驚き、シンジはガバッと飛び起きた。その様子に、アスカがビシィッと親指で背後を指す。リビングの机の上にある妊娠検査薬を見ろ!ということらしい。

 

シンジが恐る恐る机に近付く。震える指先で、机の上の検査薬を手に取る。

 

「・・・・・・・・・アスカ」

 

「あによ?」

 

「これ、どうやって見るの?」

 

途端、シンジは思い切り頭を叩かれていた。

 

「あんたバカぁ!!?横に判定方法書いてあるでしょーが!!」

 

「え?あ!これ・・・?」

 

シンジはしばらく検査薬を見つめ、

 

「・・・・・・本当だ」

 

悲しげな声を絞り出した。その声を聞いたアスカは居心地が悪そうに身動いだ。別にアスカが悪いわけではないのだが、自分の恋人をぬか喜びさせてしまった事に、軽い罪悪感を覚えてしまったのだ。

 

「・・・・・・って、アタシは何も悪く無いでしょーが!!」

 

「へぶっ!?」

 

アスカのツッコミが、シンジの頭に唐竹割りのように振り下ろされた。

 

「勝手に喜んだのはアンタ!勘違いしたのもアンタ!はい、アタシは悪くない!」

 

「いや、でもアスカも思わせぶりだったじゃないか!」

 

「このアタシに口答えする気!?」

 

「う・・・。でも、じゃあアスカが『おかしい』って言ってたのは何でなのさ?」

 

「生理が来てないのよ、アタシ」

 

「・・・・・・どのくらい?」

 

「2カ月来てなくて、予定であれば昨日くらいが3カ月目ね」

 

アスカの言葉に、シンジも首を傾げる。

 

「アスカって、生理はかなり重い方だったよね・・・?」

 

「そうね。2日目は正直動きたくないわね」

 

「だよね」

 

アスカもシンジに釣られて首を傾げた。アスカの言葉の通り、彼女の生理は女性の中でも重い方だった。重い下腹部の痛みや腰痛、頭痛に吐き気がほぼフルセットで襲いかかってくる。エヴァンゲリオンのシンクロ率を測定する際も、アスカが生理中であれば成績がガタ落ちするほどに、重い。それが毎月のようにやってくる。アスカは女の身に生まれたことを、生理が訪れるたびに恨みがましく思っていた。

 

それが、来ない。アスカの人生において、生理が来ないということがどれだけ衝撃的だった事か。思わず小躍りしたくなるほどの喜びを感じていたアスカであったが、その理由に心当たりが無いわけではない。というか、心当たりしかないと言っていいだろう。ほぼ毎日(ときどきトロワ達に貸し出しているが)シンジと夜の生活に励んできたのだ。1カ月目の予定日が過ぎたところで、アスカは妊娠検査薬を使った。結果は陰性。2カ月目も、そして今夜も結果は陰性だった。

 

「・・・・・・一度、マヤさんに見てもらったほうがいいんじゃないかな?」

 

「うーん、そうねぇ。妊娠してんだかしてないんだか、こう、モヤモヤするし。明日にでも聞きに行こうかしら」

 

そう2人が結論づけようとした時だった。

 

 

 

「シンちゃーん?アスカー?アンタらの部屋がうるさいって苦情が殺到してんだけど?」

 

 

 

玄関の外から、ミサトの朗らかな声が聞こえてきた。

 

シンジとアスカの性活、もとい、生活が喧しいのは日常茶飯事である。初めの頃は近隣住民(当然ネルフJPN職員たちである)からシンジ達本人に苦情が届けられていたが、一向に改善の兆しが見えない2人に我慢の限界を迎えた職員は、この2人を一つの部屋に押し込める決定を下した最高責任者であるミサトに泣きついた。元保護者であり、最高責任者でもある彼女の言葉はシンジとアスカに対しても一定の効果があったようで、それ以来、彼らについてのクレーム処理はミサトの仕事の一つと化していた。ミサト自身がこの扱いに対して大いに不満を抱いているのは言うまでもないだろう。

 

「チッ。またやかましいのが来たわね・・・」

 

「聞こえてるわよアスカー?いいからさっさとドアを開けなさーい?」

 

穏やかな口調の裏にある確かな怒りを感じ取ったシンジは、急いで玄関のドアを開けた。

 

ドアを開けた先。目の前には、笑顔の仮面を貼り付けたままのミサトが立っていた。目は一切笑っていない上に、額に青筋が立っているのが見える。

 

はっきり言って、怖い。

 

「あら、ミサト。グーテン・アーベント!良い夜ね!」

 

「そうねぇ、アスカ。誰かさん達がもうちょ〜〜〜っと静かにしてくれたら、もっと良い夜だったわね」

 

「あらそうなの?誰かしら。迷惑ね」

 

「人様の安眠妨害しておいて良い根性してるわね、アスカぁ?」

 

「え?安眠妨害って、まだ8時過ぎですよミサトさん?」

 

シンジの疑問は当然のモノだったろう。一部の超健康志向の人達はさておき、8時すぎで寝ている大人など少ないのではないか?純粋、かつ、悪意の無いシンジの質問であった。だが時として、悪意の無い一言が相手の心の火に油を注ぐ事もあるのだ。

 

「私のっ!安眠妨害よ、シンちゃ〜ん!?私、徹夜明けでこの後も仕事があるんですけどぉ?少しだけでも仮眠取っておかないとなぁーってウトウトしてきた矢先にアンタ達へのクレームが殺到してきた私の気持ち、アンタらにわかる!!?」

 

「ひえ」

 

「決めた。決めたわ。どーせ夜遅いだろうし明日でもいいかなぁくらいに考えてたけど、今よ。今やったるわ!」

 

ミサトの目が据わっている。言うや否や、ミサトは電光石火の動きで、シンジとアスカの首根っこを掴んだ。

 

「ちょ!何すんのよミサト!離しなさいよ!」

 

アスカの猛抗議をミサトは無視し、2人をそのまま引き摺っていく。

 

「ちょ、ちょっとミサトさん。流石にこれはやりすぎじゃないですか?」

 

「やりすぎぃ?それは毎晩ベッドの上で朝までギシギシヤリまくってるアンタらのほうでしょーが!いいからキビキビ歩きなさい!」

 

「ちょ、本当になんなのよ!?何処に連れてくつもり!?」

 

「安心しなさい。マヤの所よ。アンタらにとってはと〜〜〜ってもハッピーな話だから安心しなさい」

 

「ハッピーって何なのよ!?余計怖いんだけど!?」

 

「ごちゃごちゃうるさいわね!いい加減、大人しくついてきなさい!」

 

アスカとミサトの醜い言い争いを横目に、シンジは考えていた。

 

ああ、今夜は面倒な事になりそうだ、と。

 

 

 

──────

 

「無様ね、ミサト」

 

「はい、すみません・・・」

 

「事は慎重に進めなければならない、という決定を忘れたのかしら?」

 

「ハイ、仰る通りです・・・」

 

「大の大人が取っていい行動ではないわね。特にこの件に関しては、組織のトップである貴女が一時の感情で動くべきではなかったわ」

 

「返す言葉もございません・・・・・・」

 

ネルフJPNの医務室。

 

その部屋の隅っこで、ネルフJPN最高司令官が同僚からお説教を食らっていた。

 

「・・・ねえ、なんなのよアレ?」

 

「気にしなくていいわ、アスカ。葛城司令の行動には、私も結構腹が立ってるから」

 

診察用の椅子に座り、マヤはメガネの縁を持ち上げながらアスカのカルテに何かを書き込んでいる。アスカは患者用の椅子に座り、シンジはそれに寄り添うように立っていた。

 

マヤは何かを一通りカルテに記入し終えたあと、机の端に置いてあった茶封筒を手に取り、アスカに向き直った。

 

「これは本来なら先輩から説明した方がいいんだけど。私は医療関係はあまりわからないから・・・」

 

マヤの言葉に、シンジとアスカは揃って首を傾げた。マヤの言う通りなのだ。本来、マヤは技術部のマネージャーであって、医者ではない。それがなぜか診察室で医者が座るべき場所に腰を下ろしており、まるで医者のようにアスカと向き合っている。

 

シンジは堪らなく不安になった。

 

「ま、マヤさん。もしかして、アスカに何かの異常が見つかったんですか・・・?」

 

「異常?」

 

マヤがギロリとシンジを睨む。その視線に、シンジは自分の指摘が的外れではない事を確信した。

 

「治るんですか、アスカは!?」

 

「ちょっと、シンジ!?」

 

「どうすればいいんですか!?僕にやれる事ならなんでもやります!だから教えてください。アスカの病気はなんなんですか!?」

 

「病気?」

 

マヤの目には、今のシンジがとても滑稽に映った事だろう。明らかに認識のすれ違いだ。マヤは口に軽く手を当てて小さく咳をした。

 

「大丈夫よ、シンジ君。アスカは病気じゃないから」

 

「え、でも・・・」

 

「ちょっと静かにしなさいシンジ。アタシが恥ずかしいでしょうが」

 

アスカが隣に立つシンジの膝をピシャリと打つ。

 

「さっきミサトが『ハッピーな話』って言ってたでしょうが。それってコレの事でしょ?」

 

アスカが自分のお腹をポンポンとたたく。それを見たマヤは思わず苦笑していた。

 

「流石ね、アスカ」

 

マヤの返答に、アスカは「トーゼンでしょ?」と得意げだ。

 

「おめでとう、アスカ。あなたのお腹には、赤ちゃんがいるわよ」

 

マヤの言葉にシンジは一瞬呆けた後、喜びを噛み締めアスカに抱きついた。

 

「やった!やったねアスカ!」

 

「もー、さっきからいちいち抱きついてきて鬱陶しいわねぇ」

 

そう返すアスカの顔も晴れやかだ。「嬉しいくせに素直じゃないわねーっ」という声が部屋の隅から聞こえてきたが、無視する。

 

「はぁー!やっとスッキリした。アレかしら。この前のシンクロテストの時にでもわかった?」

 

「ええ、その時のデータを見てたら気づいたのよ」

 

マヤの答えに、アスカはやっぱりね、と頷いた。

 

「という事は、アタシは妊婦だから産休取ってもいいのかしらねー。まぁとりあえず、エヴァにはしばらく乗れないわよね」

 

「あ、そうだよ!それに学校どうする?」

 

「アタシは大学まで出てんだから、別に今更行こうが行くまいが関係ないでしょ。それよりウチらの生活費よ。アンタ、高校なんて行かずに2人分しっかり稼ぎなさいよ」

 

「えぇ!?・・・あ、でもそれはそうか。アスカは動けないもんね」

 

シンジもアスカもネルフJPNの正式なパイロットだ。そこに所属している以上、もちろん給料も支払われている。今の2人の生活費は、お互いの貯金口座を一つにした上でシンジ主体で管理する形でやり繰りしているのだ。

 

「いや、アンタ達、そのくらいヨユーで稼いでるでしょ・・・・・・」

 

隅っこのミサトがチャチャを入れる。ミサトの言葉の通り、彼ら2人はアルマロス騒動を終結に導いた英雄であり、新生の月創造の立役者でもある。彼らの口座には、一般人が一生を懸けても見ることの叶わないような金額が預けられていた。

 

「それもそうですね。あんまり慌てなくても良かったのか・・・。あ、でもアスカ。結婚式はどうする?」

 

「結婚式ぃ?あんなめんどくさいモン要らないでしょ。しかもマタニティウェディングじゃない。体型崩れて見えるから嫌よ」

 

「でもアスカのウェディングドレス、僕は見たいなぁ・・・」

 

「ちょっといいかしら?」

 

このままでは話が明後日の方向に行ってしまう。そう感じたリツコが横槍を入れた。医務室であるが、彼女は気にせずにタバコを咥えて火をつけた。

 

「ちょっと?アタシ、妊婦なんですけど?」

 

「悪いけど2人共。事はそんなに単純じゃないのよ」

 

口から煙をふぅーっと吐いて、リツコはマヤに厳しい視線を送った。

 

「マヤ。この2人を見て迷ってるんでしょうけど、コレはアナタが言わないといけない事なのよ?」

 

「先輩・・・」

 

「私はあくまでもアナタの補佐。アナタが発見した事実は、アナタの口から発せられなければならないわ」

 

リツコの視線から逃げるように目を逸らしたマヤであったが、一呼吸置いて、なにかを決心したように、アスカとシンジに改めて向き直った。

 

「な、なんですか?この空気・・・」

 

シンジは場の雰囲気の急激な変化に狼狽えてしまっている。

 

「アスカ。あなた、妊娠検査薬は使った?」

 

「え?」

 

マヤの突拍子もない質問に、アスカはキョトンとした。

 

「そりゃ、使ったわよ?生理が来ないし、もしかしたらなぁって思ってたし・・・」

 

「そう。判定はどうだった?陽性だった?」

 

「いや、陰性に決まってんじゃない。陽性だったらアタシの方からみんなに言いふらしてるわ」

 

「そう・・・。やっぱり、そうなのね・・・」

 

そういって、マヤはまたアスカから目を逸らす。マヤの煮え切らない態度に、アスカは苛立ちを覚えていた。

 

「さっきからなんなのよ?まどろっこしいわね。言わなきゃなんない事があるなら早く言いなさいよ!」

 

「アスカ!!」

 

マヤがアスカの手を握りしめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたの子供は、人間じゃないわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

 

なんの冗談だろうか。

 

冗談にしてもタチが悪過ぎる。

 

だが、今にも泣き出しそうなマヤの表情が、今言ったことが冗談ではない事をハッキリと示している。

 

「ちょっと!マヤさん、何言ってるんですか!冗談にしてもヒドすぎますよ!!」

 

「シンジ君」

 

シンジの頭は一瞬で沸騰した。今にもマヤに掴みかからんとしたシンジを止めたのは、あくまでも冷静なリツコの言葉だった。

 

「妊娠検査薬が、なぜ、妊娠したのかを判別できるか、知っている?」

 

「な、なんの話ですか?」

 

「hCGと呼ばれる、女性特有のホルモンがあるわ。そのホルモンは尿と一緒に体外へ排出される。妊娠検査薬は、そのhCGを検知して、妊娠の陽性、陰性を判定するのよ」

 

「は、はぁ・・・」

 

突然の専門的な話に、シンジは付いていけなかった。ただでさえ女性特有の体のことだ。男子高校生であるシンジは、そんなホルモンの存在など知る由もない。

 

しかし、アスカは違う。1人の女性として、備えている知識がある。知らなかったとしても、自分が妊娠したかもしれないとなれば自ら進んで調べる情報だ。

 

アスカの顔が、徐々に青ざめていく。

 

リツコは構わず続けた。

 

「生理が始まって排卵し、精子と卵子が受精して受精卵になると、受精卵は約1週間かけて子宮にたどり着き、着床するわ。その際、受精卵は子宮内膜から剥離しないように、絨毛(じゅうもう)の根を張る。尿やその他の不要な物質と一緒に体外に出されないようにするために、ね」

 

「あの、その話がなんの関係が・・・」

 

「逆に言えば、この絨毛の根がない限り、受精卵は体外に排出されてしまうのよ」

 

「いや、さっきからそのジューモー、ですか?その話が、アスカとなんの関係があるっていうんですか!?」

 

 

 

「hCGは、その絨毛組織から分泌されるホルモンなのよ」

 

 

 

「・・・え?」

 

「わからない?つまり、アナタ達2人の受精卵は、アスカの子宮に着床していないの。だからhCGは分泌されず、妊娠検査薬では陽性反応が出なかった」

 

リツコの言葉を聞いていたアスカの体が、ガタガタと震え出した。

 

「にも関わらず、アスカの妊娠は確認された。なぜか?一目瞭然。誰が見ても一発で妊娠しているとわかる事実を、マヤが発見したからよ」

 

リツコがマヤを目線で促す。

 

マヤは、悲痛な面持ちで手に持っていた茶封筒から一枚の写真を取り出し、机の上のシャウカステン、レントゲン写真などを見るためのディスプレイ機器に差し込んだ。

 

写真と思われたソレは、映像記録であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「泳ぎ回っていたのよ・・・!受精卵が、アスカの子宮の中で!自分の意思で!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マヤの叫びと合わせて映像を確認した瞬間、アスカは椅子から転げ落ちた。

 

「アスカ!?」

 

「うげえ、ゲェええ!」

 

自身を包み込んだあまりの(おぞ)ましさに耐えきれず、アスカは胃の中のモノをその場で吐き出した。

 

あり得ない。

 

受精卵が、まだ意識どころか臓器すらも出来上がっていない状態で、着床もせず、泳ぎ回るなど。そのための手足すらないハズだ。

 

にも関わらず、受精卵はアスカの子宮内を、まるでオタマジャクシの様に泳ぎ回っている。それが映像で確認できてしまった。泳いでいるのはもちろん、『体外に排出されない為』だ。

 

「アスカ!アスカぁ!」

 

シンジが必死でアスカを助け起こそうとする。しかしアスカはその手を強く振り払い、頭を抱えてその場にうずくまった。

 

当然の反応だ。自分の体内に、自分の常識では計り知れない『なにか』が蠢いているのだから。しかもそれは、人生で一番愛した男との間に生まれたモノなのだ。

 

「そんな・・・、こんな事って・・・・・・!」

 

シンジが再び映像記録に目を戻す。

 

そして、気付いてしまった。

 

「まさか・・・!」

 

「そう、シンジくん。細胞分裂しているの。ヒトのスピードを遥かに上回る速さで。ヒトになるために必要な分裂回数を遥かに超えて・・・・・・!」

 

マヤから告げられた事実に、自分の目で確かめてしまった真実に、シンジは膝から崩れ落ちた。

 

 

 

「こ、コレは・・・・・・」

 

 

 

震えた声でシンジは問う。

 

 

 

「いったい、『なんなんですか』?」

 

 

 

「わからないわ」

 

シンジの問いに、リツコが答える。

 

「これだけの細胞分裂数。常人ならとっくに臓器の形成が始まっているハズよ。にも関わらず、この受精卵は臓器を作るどころかどんどん分裂を繰り返し、未だ着床せずに泳ぎ回っている。これが『何』になるのか?私たちの常識や、今の人類の科学では何もわからないわ」

 

リツコが手元のタバコを思い切り吸い込み、煙を吐き出した。その視線が、部屋の隅で縮こまっているミサトに突き刺さる。

 

「こんな事実を、なんの心構えもできてない状態で当人達に聞かせようとするなんて・・・。今回ばかりはミサトの人間性を本気で疑うわ」

 

「・・・・・・本当に、ごめんなさい」

 

「謝って済む問題じゃないのは、アナタが一番わかってるでしょう?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

何も言えず、黙り込んでしまうミサトをよそに、

 

「なぜ・・・・・・?」

 

シンジが再び問う。

 

「コレは、なぜ、こんな形で、アスカの体に・・・・・・」

 

茫然自失としながらも、問わずにはいられない。

 

マヤは、茶封筒から新たに2枚の映像記録を取り出した。

 

「・・・・・・これは、シンジくんの精子と、アスカの卵子の映像よ」

 

映し出されたのは、悍ましく感じるほどの数で蠢くシンジの精子。そして、何か結晶体のようなもので覆われた、アスカの卵子。その結晶体はシンジやアスカ、いや、ネルフに所属する者にとって、大変見慣れたものであった。

 

「まさか、ATフィールド・・・・・・・・・?」

 

「そう。アスカの卵子を覆っているのは、アスカの張ったと思われるATフィールド。それと、最低でも常人の数百倍の数と、射精された後も死滅せずに生き続けるシンジくんの精子。この2つが受精したことによって、『コレ』は生まれた・・・・・・」

 

「そんな・・・・・・。それじゃあ、僕は、僕らは、人間じゃないって事ですか・・・?」

 

問わずとも理解できてしまう。

 

「人類の長い歴史の中で、エヴァンゲリオンと融合、ないし、心臓などの重要な臓器を共有したのは、アナタ達2人だけというのは確かね」

 

リツコの答えがトドメとなり、シンジもアスカと同じく頭を抱え、床に突っ伏した。

 

 

 

 

 

 

「ふ・・・・・・ふふ、ふふふふふふふ・・・・・・」

 

 

 

地の底から響いてくるような笑い声。

 

 

 

「あは、あはは!あはははは!あははははははははははははッ!!」

 

 

 

それは、アスカの狂ったような笑い声だった。

 

 

 

「アスカ・・・?」

 

 

 

とっさに伸ばしたシンジの手を振り払い、

 

 

 

「舐めんじゃないわよッッッッ!!!!」

 

 

 

アスカが吠えた。

 

 

 

「ホント、元気なベイビーね。ママとしては嬉しい限りだわ!」

 

アスカが口元を拭いながら立ち上がり、受精卵の映像を見て笑った。

 

「ア、アスカ・・・?」

 

「なにボケっとしてんのよシンジ。アンタ父親でしょ!?さっきみたいにもっと喜びなさいよ!」

 

「で、でもコレは・・・」

 

瞬間、シンジはアスカに殴り飛ばされていた。

 

「自分の子供を『コレ』とか言ってんじゃないわよ!!上等じゃない。つまりこの子は、世界で唯一、エヴァンゲリオンと同化できるアタシたちからしか生まれない、アタシたちだからこそ生まれてくる子ってことよね、リツコ?」

 

「ある意味では、そうね。明らかに人類とは違う受精卵をしているから、生まれてきた者は新人類と言ってもいいかもしれないわ」

 

「サイコー。つまりアタシ達の子供が、人類の新しい歴史を作るってことでしょ?さしずめ、シンジとアタシは新時代のアダムとイブってところかしら。流石にビビったけどね」

 

ぺっと、アスカは口の中に残った胃液を床に吐き捨てた。

 

「産んでやろーじゃない。こちとら、シンジをエヴァごと産んだ経産婦よ。アタシ達の子供がなんであろうと、絶対に産んでやるわ」

 

「でも、アスカ・・・」

 

殴られた頬を押さえながら、シンジが立ち上がる。

 

「アスカは、怖くないの・・・?」

 

「怖い?はっ!怖いに決まってんじゃない!」

 

「なら・・・・・・」

 

「堕ろせとか言ったらアンタの口を引き裂いてやる」

 

「違う!そんな事は絶対に言わない!ただ、アスカが心配で・・・」

 

「女を舐めんじゃないわよバカシンジ。出産はね、命張らなきゃできないモンなの。どれだけ医療が発達しようが、そのリスクは絶対に付いてくるの。アンタのママもアタシのママも、それだけの覚悟を持ってアタシ達を産んでくれたの!死ぬのが怖いから産まないなんて選択肢を取らなかった。何故かわかる?アタシ達がこの世に生まれてきてくれた事を、感謝して、祝福したかったからよ!!」

 

その言葉に、シンジはハッとした。かつて言われたかもしれない、遠い記憶が蘇る。

 

 

 

『泣かないで、シンジ。甘えん坊な、私の子。あの人と私のところに来てくれた、私たちの愛しい子』

 

 

 

「アタシも祝福したい!アタシ達のところに来てくれて、ありがとうって言いたいのよ!この子は確かに普通のヒト達とは違うかもしれない。けど、それがなに!?この子が今、アタシの腹ん中で泳ぎ回ってるのはなんでよ!?必死に、生まれたがってるってことでしょ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・うん。そうだね。きっとそうだ」

 

 

 

シンジがアスカの顔に手を伸ばし、まだ汚れていた口元を拭う。

 

「僕も言いたい。この子に会って、直接ありがとうって伝えたい。言おう、2人で」

 

「・・・・・・わかれば良いのよ、バカシンジ」

 

照れ臭くなったのか、アスカはシンジから目を逸らした。

 

「マヤさん」

 

シンジが、今度はマヤに向き直る。

 

「すみませんでした。取り乱したりして。ありがとうございます。僕たちに、最高のニュースを届けてくれて」

 

「シンジくん・・・・・・!」

 

マヤの目から涙が溢れ出した。

 

「ごめんなさい、ごめんなさい・・・!私、怖かったの!アスカの中に居た子の事が、それを伝えなきゃいけない事が、怖くて仕方なかった!本当は、おめでとうって言ってあげなきゃいけないのに、頭ではわかってるのに、どうしても伝えるのが怖くて、それで・・・」

 

「しゃーないわよ。こんな映像、誰だってショックに決まってるわ。だから、ちゃんと教えてくれてアリガトね、マヤ」

 

「アスカぁ・・・・・・!!」

 

マヤは堪えきれずに顔を覆い、堰を切ったように大声で泣いた。今まで胸の中で固く閉ざしていた様々な感情が、涙と共に溢れ出していた。

 

「さて、と・・・・・・」

 

マヤの泣き声を聞きながら、アスカはツカツカとミサトに歩み寄った。

 

「アス・・・」

 

パァン、と。

 

甲高い音が医務室に響いた。

 

「アリガト、ミサト。アンタの言う通り、とってもハッピーなニュースだったわ」

 

「・・・・・・私は、殺されても仕方ない事をしたと思うけど」

 

「そーでしょうね。もしハッピーなニュースじゃなかったら、アタシはアンタを殺してた。アンタのデリカシーの無さは、今の平手一発でチャラにしたげる。その代わり、最高責任者としてアタシ達を全力でサポートすること。いいわね?」

 

「・・・必ず守るわ」

 

「ミサトさん」

 

いつの間にか、アスカの隣にシンジも並び立っている。

 

「女性に対してやっちゃいけないコトだってのはわかってます。でも本当は、僕も一発殴らないと気が済まないって事は覚えておいてください」

 

「・・・いいのよ?気の済むまで殴ってくれて」

 

「結構です。アスカが代わりにやってくれたから」

 

「・・・・・・そう。わかったわ」

 

アスカに張られた頬を押さえ、ミサトは俯いた。

 

(ホント、軽率な女ね、私って・・・。最悪だわ・・・)

 

だがこの少年少女は、いや、既に大人になっていた目の前の2人は、それで許すと言ってくれたのだ。今はそれを、甘んじて受け入れるしかない。

 

「本当に、過去一番で無様ね」

 

煙を吐き出しながら、リツコが呆れ返って親友を見つめる。その視線はミサトにとって痛いものだったが、それは自業自得というものだろう。

 

「・・・ねぇ、シンジ。アタシ、一つ決めたことがあんだけど」

 

重く沈んだ空気を払拭するように、アスカが恋人の肩に頭を乗せた。

 

「ん?なに?」

 

「名前よ名前!この子の名前!」

 

「え!?もう決めちゃったの!?」

 

「なに、文句あんの?」

 

「そりゃ、僕だって考えたいじゃないか」

 

「まぁ、アタシのアイデア以上の名前だったら候補に入れてあげてもいいわ」

 

「なんだよ、それ。じゃあ、アスカの考えた名前、教えてよ」

 

シンジが思わず苦笑しながら尋ねた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『ミライ』。この子はアタシ達の『未来』。そんでついでに、人類の『未来』。どうよ?」

 

 

 

「・・・ズルいよアスカ。そんなの、文句の付けようがないじゃないか」

 

 

 

──────

 

カシュッと、ビールの缶を開ける音が部屋に響く。

 

「本当、いつの間にか、みぃんな大人になっちゃってんのね・・・」

 

アスカに張られた頬に湿布。そこを撫でながら、ミサトは一気にビールを煽った。

 

アレだけの騒動を起こしたとはいえ、アレ自体はミサトの仕事の一部でしかない。自分の広すぎる執務室に戻ってきたミサトは、机の上に広げられた書類を見渡しはしたものの、とてもすぐ仕事に取り掛かる気にはなれなかった。気が付けば、机の下に隠してある小さな冷蔵庫からビールを取り出していたという始末である。

 

「アナタも、そういう事なんでしょ?」

 

ミサトの視線が机の向こう側にいる人物に注がれる。

 

「そうです。色々と迷惑をかけて、すんまへんでした」

 

鈴原トウジが、深く深く頭を下げていた。

 

「鈴原副司令代理。これを取り下げる気はないのね?」

 

「ありまへん」

 

机の書類の一番上にあったもの。

トウジの辞表。

 

「昼間のうちに、関係各位にはジブンが挨拶しときました。碇副司令代理にも、話は通しとります」

 

「アナタが居なくなると、私としてはかなり困るんだけど・・・」

 

「葛城総司令には迷惑かけっぱなしで、ホンマすんません。せやけど、これはワシが男として決めた事なんで」

 

「わかってる。わかってるわよ。私も馬に蹴られて死にたくないしね・・・」

 

ビール缶に口をつける。

 

「・・・なんとなくだけど、こうなる気はしてたわ。洞木さんのユーロ行きを決めた時から・・・」

 

「ミサトさん・・・。なんでや。なんで、ヒカリをユーロに送るなんて決めたんや・・・」

 

「最善の結果を選べなかった。それだけよ」

 

自分で言っていて笑ってしまう。これではまるで、サングラスをかけた前司令の物言いではないか。

 

「ご家族も一緒にユーロに渡るの?それとも、鈴原くん一人で?」

 

「家族も連れてきます。ミサトさんを悪ぅ言う気はないんやけど、なんちゅーか、ネルフって組織はきな臭いんで・・・」

 

「アハハ!確かにね!」

 

トウジの物言いに、思わずミサトは笑ってしまった。ミサト自身にはトウジの家族を人質に取ろうという考えは微塵もないが、ネルフJPN以外の組織の動きを見れば、そういった印象を抱くのは仕方のない事だろうとも思う。それに、ミサト自身がこの先、その選択肢を取る可能性も否定できなかった。

 

「ふぅ・・・。寂しくなるわね」

 

「手紙でも書きまひょか?」

 

「いーのいーの!こっちはこっちで楽しくやるから!」

 

「さいでっか。ほなら、これで失礼します」

 

トウジは再び頭を深く下げ、執務室を後にしようとした。

 

「鈴原くん」

 

「なんでっか?」

 

「洞木さんを、しっかり守んのよ」

 

「言われへんでもそのつもりや。任したってや」

 

ニッと笑って、今度こそトウジは部屋を後にした。

 

 

 

トウジが出ていった後、ようやくミサトは机の上の書類を手に取った。碇ゲンドウから手渡された『ネルフLUNA』の建造計画案。

 

「3年、かしらね・・・」

 

計画完遂までの大まかな時間。そして、その間に世界各地で起こり得る、あらゆる想定。

 

「リョウジのヤツがさっさとプロポーズしてくれればなぁ〜・・・・・・」

 

愚痴をこぼしながら、ミサトは再びビールを煽った。

 

 

 

つづく

 

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