ボカロPの奇妙なできごと   作:葉月/リーフ

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二曲目「鏡音リンになっていた件・後」

そして全員で家に帰ってきた後のことだった。

 

「はぁ〜、歌った後の風呂は格別だなぁ〜。」

 

俺は1人で湯船に浸かりながら言った。

 

「しかしこんなことになって、本当によかったのか……?明日になれば元に戻れるんだろうか……。」

 

不安を感じながらも、俺は湯船の中で考える。

 

すると、ルカとミクが同時に湯船に入ってくる。

 

「ひゃいっ!?」

 

俺は顔を赤らめた。

 

俺は元男なためか、裸の女性が風呂に入ってくることには抵抗が無かった。

 

無論、この身体は色々と控えめだったのであまりそういうのは感じなかったのだが。

 

「ふぅ〜、やっぱりお風呂はいいわね〜。リンさんも私も今日はいっぱい遊んで疲れたでしょ?だから一緒に入りましょう。」

 

「いやっ、俺は一人でゆっくり浸かっていたいんだが……。」

 

「そんなに遠慮せずに、ほら、私の膝の上においで?」

 

ルカは俺を後ろから抱き抱え、俺の頭の後ろに胸を当ててくる。

 

「ちょっ!離せー!!」

 

「いい子いい子……。」

 

「はぁ……全く……。」

 

俺はルカとは体格差があったためか、成すすべもなく胸を当てられた。

 

「あっ、次は私の番!」

 

次はミクが俺に抱きついてきて、俺の頭に自分の頭をコツンとくっつけ、そのまま後ろに倒れる。

 

「きゃっ!」

 

「おっと!」

 

俺も巻き込まれるようにして倒れ、2人の女の子に挟まれる形となった。

 

「へ…下手したら大怪我していたぞ?」

 

俺は呆れた様子で言った。

 

風呂場でそんな危ないことするなって。

 

「って、この状況なんとかならないのか!?」

 

2人の女の子に挟まれた状況の俺は慌てて言う。

 

「別にいいじゃない。私たちのこと好きなんでしょう?」

 

「それはそうだけどさ……。」

 

「ならこのまま大人しくしていて?」

 

「う……うん……。」

 

結局俺は彼女たちに押し切られる形でお風呂場にいた。

 

その後、俺は風呂から上がるとリンの下着を持って考えた。

まずは下着をつけないとな。

 

ブラジャーの着け方とかわからないから、ミクに手伝ってもらうことにした。

 

「あのー、ミク姉やい。」

 

「リン?」

 

「これ、どうやってつけるの?」俺はブラを手に持って聞いた。

 

「えっとね、これはこうやって……。」

 

ミクが丁寧に教えてくれる。

 

「ありがとう。」

 

俺はまず、下着を首から通した。

 

「よし、次はどうすればいい?」

 

「次はこうやって、こうすれば完成!」

 

ミクは俺に対して下着の付け方を実践してみた。

 

「できた!」

 

これでちゃんとした下着の一式を身につけることができた。

これで困ることは無いだろう。

 

俺はそのままパジャマに着替えると、そのまま自分の部屋に戻った。

 

「ふぅ、疲れたぁ〜。」

 

俺はパジャマ姿でベッドの上で横になる。

 

「明日になれば元に戻れているといいんだけどな……。」

 

俺が寝ようとした時だった。

 

コンコンッ

 

ドアをノックする音が聞こえてきた。

 

「はい?」俺は返事をする。

 

「リンさん?入ってもいいですか?」

 

ルカの声だ。

 

「あぁ、どうぞ。」

 

ルカはゆっくりと扉を開ける。

 

「失礼します。」

 

ルカはそのまま部屋に入った。

 

「そういえば、今日のリンさんはどうしていつもと雰囲気が違うのかしら?何かあったんですか?」

 

「まぁ、ちょっとね。それよりどうかしたの?」

 

「いえ、少しお話ししたいと思って。」

 

「そうなんだ。」

 

俺は起き上がってルカの方を見る。

 

「隣に座っても良いかしら?」

 

「いいよ。」

 

ルカは俺の隣に座る。

 

「わ…俺は本当は鏡音リンじゃないんだ。」

 

「どういうこと?」

 

ルカは首を傾げる。

 

「実は俺は……」

 

俺はルカに自分が何者なのかを話し始めた。

 

「つまり、あなたは私達のマスターということなのですね。」

 

「そういうことになるな。」

 

「あなたはなんでこの姿になってしまったのですか?」

 

「俺にもわからない。だけど、何やら理由があるかもしれないな。」

 

「原因がわからないとなると、元に戻る方法もわかりませんね……。」

 

「そうだね……。」

 

「しかしこうして見ると本当に可愛いですよね。」

ルカは俺の顔を見ながら言った。

 

「やめろって……。恥ずかしいだろ?」

 

「恥ずかしがる様子も可愛いですね。こんな感じが続くなら、戻らない方がいいと思います。」

 

「おいおい…。」

 

ルカは俺の頬に手を当てる。

 

「でも……、私はリンさんのことが大好きです。だから、この姿をずっと見ていたいという気持ちもあります。」

 

ルカは俺の顔をジッと見つめた。

 

ルカの目は本気のようだった。

 

「ほんとか…?」

 

「本当です。あなたは私の大切な仲間にして、大切な家族の一員ですから。」

 

ルカは俺を抱きしめる。

 

「ルカ……。」

 

「リンさん……私じゃダメでしょうか?あなたのことを心の底から愛しているのです。だから……お願いします……。」

 

ルカの目には涙が出ていた。

 

きっと不安なのだ。

 

俺だって同じだ。

 

ある日突然女の子の姿にされて、慣れない生活を強いられたからな。

 

これからどうすればいいかわからない時もある。

俺はルカにそっと一言を吹きかける。

 

「大丈夫。君も立派な家族の1人だ。もし戻らなくても君との日常は楽しいよ。」

 

「リンさん……。」

 

俺はルカの頭を撫でた。

 

「それに、俺はルカのことは嫌いじゃないから。むしろ好きだし……。」

 

「えっ……?」

 

「あっ……!今のなし!」

 

俺は慌てて訂正する。

 

「誤魔化さなくてもいいよ。1日中楽しんでたじゃない。」

 

ルカは俺にそう言うと、部屋を出ようとする。

 

「付き合ってくれてありがとう。」

 

俺はルカにお礼を言う。

 

「こちらこそありがとう。また来るね。」

 

ルカは手を振って俺の部屋を後にした。

 

俺はルカが去った後、しばらく悶々としていた。

 

ちょうどその時、レンが俺の部屋に戻るのと同時にリボン付きのヘッドセットを持ってきた。

 

「リン!リン!このヘッドセット、リンの声が聞こえた!」

 

「えっ!?ちょっと貸して。」

 

俺はレンからヘッドセットを受け取り、そのまま頭に装着する。

 

すると、ヘッドセットから声が聞こえた。

 

「あの?聞こえる?」

 

「えっ?この声…。」

 

「私よ!本物の鏡音リンよ!よかったぁ〜。やっと通信できる。」

 

「リンちゃん?本物?」

 

「そうよ。あなた達今どこにいる?」

 

「今はベッドにいるところだけど。」

 

「私の姿での生活は楽しんでる?」

 

「戸惑うことがあったけど、色々楽しめた。」

 

俺はいろんなことを本物のリンに話した。

 

当然湯船での出来事も説明した。

 

「お…お風呂にも入ったの!?」

 

リンは驚いた様子だ。

 

「あぁ、ミクやルカと一緒にね。」

 

「一緒に入ったのね……。」

 

「それで、どうしたんだ?急に連絡してくるなんて。」

 

「うん、実はね。あなたが転生した理由についてなんだけど。」

 

「それについて何かわかったのか?」

 

「実は、私がやったの。」

 

「へ……?」

 

「ごめんなさい。実は私、一度はあなたの身体を使おうと思ってたの。」

 

「俺の体…って?」

 

「コンピューターに接続してあるヘッドホンを通してあなたの体に入ったらそのはずみであなたが私の体に入ってしまったみたい。」

 

リンが言うからには俺とリンはヘッドホンを通して入れ替わったそうだ。

 

荒唐無稽な話だが、実際そうみたいだ。

 

ちなみに彼女曰く「ミクやルカなどの他の子でもマスターと入れ替われる」とのことだ。

 

「つまり入れ替わったってこと?ていうかそんなことできたんだ。」

 

「うん。実は私、このコンピューターの外の世界には何が広がっているのかが気になってたの。だからあなたの身体を使って外に出ようと思ったわけ。」

 

「そういうことだったのか。あっちの世界での暮らしはどうだったか?」

 

「もちろん楽しかったよ!みんな優しくしてくれたし、食べ物も美味しいかった。それに歌を歌う楽しさをより知れたわ。」

 

「そうか。それは良かった。」

 

俺はほっとした。

 

これで元の世界に帰れそうだからだ。

 

「それと、もう1つ言わないといけないことがあるの。」

 

「それって…。」

 

「私、向こうの世界が気に入ったから、しばらくの間はあっちで暮らすことにした。」

 

「えぇ!?」

 

まさかの展開だった。

 

「仲良くなった相手とかも増えたから、もうちょっと長くなると思うけど、最低1週間くらいになりそう。」

 

「1週間って…つまり俺、明日以降は戻れないってこと?」

 

「そうみたい。でも外の世界でのことはミクやルカ、レンにも教えてあげるよ。」

 

「オッケー。友達との生活、楽しんでね。」

 

「じゃあ私も忙しいから、また明日ね。」

 

そう言ってリンは俺と通話を切る。

 

「何かあったの?」

 

レンは俺に聞いた。

 

俺はリンとの話の内容をレンに一通り話した。

 

「なるほどねぇ〜。まぁ、リンは外の世界が好きになったからしょうがないよ。それにリンがいなくなる訳じゃないし……。」

 

「そっか……。まぁ、寂しくないと言ったら嘘になるけど……。」

 

「大丈夫だよ。僕達はいつでもマスターと通信できるし。」

 

「それもそうだね。」

 

「それに、思えばいつでも元に戻ることだってできるし。リンのことも考えると、俺はリンの姿のままでいなければならない。この判断は、彼女の気持ちを考えるとどうやら正しいみたいと思うからな。」

 

「そうだね。」

 

「よし!今日も寝るか!」

 

「お休みー!」

 

こうして俺はレンとの会話を終え、眠りにつく。

 

翌日、いつものように朝を迎えた俺はレンに朝の挨拶を送る。

 

「おはよう、レン。」

 

「おはよう、マスター。朝ご飯さめちゃうから、一階に降りて。」

 

俺はそう言われて一階に降りる。

 

「おはよう、リン!」

 

「リンさんおはよう。今日の朝ごはんは美味しいよ?」

 

ミクとルカが俺に声をかける。

 

俺はミクとルカに笑顔で挨拶をする。

 

「おはよう!」

 

なんだかんだで鏡音リンとしての生活も悪くはないと思った。

 

例え自分の体にどんなことがあっても、今を生きていくのが大切だろう。と俺は思った。

 

そして元の体に戻った時、この体験から曲を作るのだがそれは別の話。

次はどんなVOCALOIDと入れ替わったパートを見てみたいかなぁ(ちなみにアンケートの結果と書く話は違うかもしれないです

  • 鏡音レン
  • 初音ミク
  • 巡音ルカ
  • その他(コメントで教えてね)
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