「おーいライト君!起きてーーー!」
コトナの声で今日も起こされる
コトナとは二年前のチュートリアルの後も一緒に居て
50層近くに行った時にシステム的に結婚して50層のアルゲードで家を買って暮らしている。
「ライト君?どうしたの?」
何も反応が無かったからかコトナが顔を覗いてくる。
「少しボーっとしてただけだよ。おはようコトナ」
「おはようライト君」
「腹減ったし飯食べようぜ」
「ご飯はもう用意出来てるよー」
出来る嫁を持って幸せです。
「あー美味かった」
「そういえばライト君って今日アスナさんに呼ばれてなかったっけ?」
「そういや姉さんに呼ばれてたな…」
待ち合わせ場所は確か…ギルド本部だったか…
「それじゃあちょっと先に本部行ってるぞー」
「はーい!いってらっしゃーい」
「いってきまーす」
~ギルド本部~
「遅いよライト!」
我が姉の《閃光》ことアスナが少し不機嫌ぎみに言ってくる
「まだ時間じゃないから良いだろ姉さん。つか俺はなんで呼び出されたんだ」
「少し一緒に行ってほしい所があるんだ」
後ろの護衛の人達いるんだから俺いらないじゃん!とか言うと怒られるだろうから言わないでおこう。
「まぁ良いけど何処行くんだ?」
「アルゲードのエギルさんのお店だよ」
アルゲードね…
「え?それ俺がこっちまで来る意味あったのか?」
なんでアルゲードから本部まで来たのにまたアルゲードに戻らないといけないんだ…
「細かい事は気にしないの!」
「行ったり来たりで疲れるじゃんか…それに護衛が二人居るんだから二人と行けば良いのに…」
「良いから良いから!」
こうして俺は姉さんに連れられて護衛の二人とアルゲードまで行く事になった。
姉さんの後を歩くこと十分弱エギルの店にやっと着いた。
「キリト君」
やっぱこの為か…
「シェフ捕獲」
「な……なによ」
「珍しいな、アスナこんなゴミ溜めに顔を出すなんて」
「おーいキリト。それはいくらなんでもエギルに失礼だろ」
「なんだライトも来てたのか」
姉さんに連れてこられただけなんだがな。
「つか姉さん!なんでここに行く事になったんだ」
キリトに会いたかったんだろ?そう言ってしまえ!とか思ってみるが言わないでおく。
「もうすぐ次のボスの攻略だから、ちゃんと生きてるか確認しに来たのよ」
「フレンドリストに登録してんだから、それくらい判るだろ。そもそもマップでフレンド追跡したからここに来られたんじゃないのか」
「それに本当の理由は…なんでもないです」
横からものすごい殺気が…
「生きてるならいいのよ。そ……そんなことより、シェフどうこうって?」
「あ、そうだった。お前いま、料理スキルの熟練度どのへん?」
「聞いて驚きなさい、先週に《完全習得》《コンプリート》したわ」
「なぬっ!」
そりゃ驚くよなー、俺もコトナが料理スキルを完全習得した時は驚いたもんだ。
「……その腕を見こんで頼みがある」
「うわっ!!こ……これ、S級食材!?」
「取引だ。こいつを料理してくれたら一口食わせてやる」
「は・ん・ぶ・ん!!」
姉さんが顔を近づけて言うとキリトが思わず了承する。
もうあいつら結構しろよ…後少しでするし我慢か。
「エギル…これもう帰って良いかな」
若干空気になっている店の店主エギルと会話を試みる。
「出来ればあいつらを残して帰らないでくれ…俺が空気になる」
「そうだな…んじゃアイテムの買い取りでも頼む」
「ちょうど良い時間つぶしになるな…」
エギルと取引をしてると姉さんと護衛のクラディールが若干口論になっている。
「ともかく今日はここで帰りなさい。副団長として命令します」
…もう終わったみたいだな。
「んじゃ姉さん達も帰ったし俺も帰るかな」
「おう!また来てくれ!」
時間を潰されたお返しになんかメッセージでおちょくるかな…
「ライト君!起きてよー!!」
今日もコトナの声で起こされる
「コトナおはよう」
「おはよう!ライト君!」
「今日はさっさと飯食べて迷宮の攻略にでも行くとするか」
「昨日は行けなかったもんねー」
「んじゃ飯も食ったことだし行くか!」
相変わらず美味い飯を食べてコトナと一緒に迷宮へ向かう
転移門を通るとキリトが一人で立っていた。
「おーいキリト!何してんだ?」
こっちに気付いたキリトが手を振って来る。
「アスナ待ってるんだけど時間になっても来ないんだよ」
キリトとクラディールのデュエルか…どうせキリトが勝つんだし見ないでも良いか。
「まぁすぐに来ると思うぞー」
恐らく1~2分後位にな。
「んじゃ俺らはもう迷宮行ってるわ。」
「ん、じゃあなライトとコトナ」
「またな~」「またね~」
俺らが歩き出してから数秒後にキリトに姉さんがダイブして行ったように見えたのはきっと幻覚だろう。
「いやー今日は思いっきり動いたなぁ」
昨日は全然動いてないから余計に動いたような気がする。
「ライト君は今日頑張りすぎだよー。私がなんも出来なかったじゃない」
「コトナは昨日も少し迷宮入ってるだろー」
「そうだけどさ…まぁ良いや一旦休憩しようよ」
「げ、もう4時近いじゃないかよ…」
迷宮に入った時間から計算すると休憩なしで6時間近く狩り続けた事になる。
「もうちゃんと時間も見てよねー!」
こんな話をしつつもコトナは迷宮の奥の方に進んでいる。
「つかこれ以上進んでも恐らくこの先にはボス部屋しかないと思うぞ?」
そう、さっきからオブジェクトが重くなってきてるから恐らくこの先にはボス部屋の扉がある。
「もう!ライト君が言ってるからホントにボス部屋着いちゃったじゃない!」
「え?俺のせいか?」
こんな軽口を叩いてると後ろから数人のグループが歩いてくる足音が聞こえる。
「あ、キリト君達だよ!」
キリト達?あー軍追って来たのか。
「よう!また会ったなキリト。クラインは久し振り」
「おお、ライト!しばらくだな」
声が迷宮の中だから響いて五月蠅いがきにしないでうっす!と返していると
少し後ろの方にある大扉の中から
「あぁぁぁぁぁ……………」
かすかに聞こえたこの声は悲鳴で間違いない。
キリトと姉さんがダッシュで扉に向かうのをクライン達と一緒に追いかける。
「クライン!俺も先に行くから後からちゃんと来い!」
「おい!大丈夫か!」
キリトが扉が開いてすぐに叫びつつ半身を乗り入れる。
扉の中はまさに地獄絵図と化していた。
「何をしている!早く転移アイテムを使え!」
「だめだ……!く……クリスタルが使えない!!」
「な……」
クリスタルが使えない…それは即ち《結晶無効化空間》という事だ。
迷宮区で稀にみるトラップではあるがボス部屋がそうであった事は今まで一度もなかった。
「なんてこと……!」
「何を言うか……ッ!!我々解放軍に撤退の二文字は有り得ない!!戦え!!戦うんだ!!」
軍の恐らく司令官のような男が叫ぶ
「馬鹿野郎……!!」
まったくその通りだ。
結晶無効化空間で二人が居なくなってるというのは二人死んだという事になる。
「おい、どうなってるんだ!!」
クライン達がやっと追い付いてきた。
キリトが手早く事態を伝えるとクラインの顔が歪む。
「な……何とかできないのかよ……」
この人数でボスに挑むには危険すぎるからな。
「全員……突撃……!」
現在も二人がHPを限界まで減らしている。
「やめろ……っ!!」
キリトが叫ぶが軍の連中には届かない。
悪魔の巨剣が突き立てられた。
一人がすくい上げられるように斬り飛ばされ、悪魔の頭上を越えて俺達の眼前で落下した。
軍の司令官であった。
「だめ……だめよ……もう……」
姉さんが絞り出すように声を出したかと思うと…
「だめ―――――――――ッ!!」
絶叫と共に疾風の如く駆け出す姉さん。
「アスナッ!」
キリトもやむなく抜剣しながら後を追う。
「行くっきゃないか…コトナ行くぞ!」
俺とコトナも一斉に駆け出す
「どうとでもなりやがれ!!」
クライン達も追随してくる。
キリトがパリィとステップで防御に徹するが、一撃の威力がでかく少しずつHPバーが減っていく。
「しょうがないか…キリト!俺らの全力…アレ使うしか無いっぽいぞ!」
「やるしかないか…アスナ!クライン!十秒持ちこたえてくれ!」
キリトが無理やりブレイクポイントを作り間髪いれずにクラインが飛び込んでくる。
キリトはメニューを操作し設定を変えている。
「いいぞ!!」
姉さんもクラインもHPバーをさっきより減らしている。
「複製(レプリカ)…展開!!」
俺はスキルによって今装備している剣を自分の周りに5本複製しそれらを使い捨てににしソードスキルを繰り出す。
俺の持つエクストラスキル《複製》だ。
その上位剣技である《ヴォーパルショット》ヴォーパルストライクの遠距離版を五回連続で撃ちだすというトンデモ技だ。
まぁ剣の耐久値がごっそり持って行かれるから使った剣は消えてしまうが。
キリトも《二刀流》の上位剣技《スターバースト・ストリーム》連続16回攻撃。
二人のエクストラスキルによってグリームアイズのHPバーはぐんぐんと下がっていきグリームアイズは膨大な青い欠片となり爆散した。
その後キリトが倒れたが数秒すると体を起こし姉さんに抱きつかれていた。
ん?俺?コトナに抱きつかれて身動きが取れていない状況です。
「そりゃあそうと、お前ら何だよさっきのは!?」
「……言わなきゃダメか?」
さすがに言わないとダメだろ…とか内心突っ込みつつキリトの言葉を待った。
「……エクストラスキルだよ。《二刀流》」
「ライトの方は?」
さすがに覚えてるか…
「こっちも同じくエクストラスキルだよ。《複製》」
あんま使いたくなかったのになぁ…
「しゅ、出現条件は」
「解ってりゃもう公開してる」
「キリトと同じだ」
その後も少し会話があったが疲れていたからか全然聞いていなかった。
~アルゲードの自宅にて~
「コトナ…心配かけてすまなかった」
「別に良いけどさーもうあんな事しないでね?」
※↑涙目で上目遣いです。
二人の夜は長い?