あと駄文です。読みずらいところもあるかもしれません。
「.....て」
意識を失っていたのか、それとも自分の意志で眠りについていたのかは分からないが、誰かの声がする
「.....きて」
自分はその声に意識を向け、目を開けたその時
目の前にはありえない光景が広がったいた。
「....きて!.....起きて!!」
目の前には、世界の歴史....いや、日本もだが、日本歴史を新たに作り、俺の楽しく、幸せだった記憶を恐怖によって塗り替えられた『神奈川Noise事件』と同じ光景に似ていた。
どうやら俺に起きてコールをする女性は、『あの時』の巨大Noiseに捕まっており、自らの力では出られないように見えた。
「助けて...!助けて蒼亜!」
見知らぬ、そして暖かな気持ちにさせてくれる彼女は俺の名前を叫び、助けを求めている。
意気地無しだと思っている自分は到底彼女を救えずに、ただそこに突っ立って、彼女が喰われるか、それとも引き裂かれるかを見て尻もちをつく筈なのだが、夢の俺は勇敢な事に、巨大Noiseに対して突撃を仕掛けた。
そこで俺は腰に装備していた刀の様な武器を取り出し、こう叫んだ
「喰らえ!この騒音クソ野郎!譛?諢帙?莠コ(ぼかしエフェクト)を返してもらう!」
そう叫んだ俺はNoiseの顔に斬りかかった
━━━━━━━━━━━━━━━
「....きて!....きて!....起きて!」
同じセリフを聞いた事で、俺はまた同じ夢を最初から再生したのかと思い、もう一度カッコイイ俺を見ようと思って再び眠りにつこうとしたら。
「ちょっと!今起きたでしょ!?せっかく起きたのに二度寝しちゃったら遅刻しちゃうじゃないの!もう、早く起きないと朝ごはん抜きにしちゃうよ?」
その言葉を聞いて俺はやばいと思いすぐさま目を覚ました。
「あ、おはよう。ソーアくん」
俺の事を見つめてにへらと笑い、まるでこの世の幸せを全て受け取っているのでは無いかと思うほどの顔を見せる彼女の名はセラさん。いつもお守りを首にさげており、苗字不明で、日本人特有の髪色の黒色と茶色ではなく、まるで染めたかのような真っ赤な色をしたショートヘア姿であり、10割中9割の方々がなんか訳ありで怪しいのでは無いか?と思う様な感じなんだが、俺はそうは思わない。いや、昔は思った。出会った頃のセラさんに「セラって名前は本名なの?なんで髪は真っ赤なの?」と、散々質問攻めをした。まあ答えは曖昧に返してきたが、(まあしょうがないだろ)と思うようになってしまった。その理由は、神奈川Noise事件に巻き込まれて親を無くした俺を救助してくれたのが1つ、そして2つ目は安直なのだが、本当の家族、つまり母親みたいに俺を接してくれたのだ。もちろん泣いた。泣いて泣いて、泣きわめたら。いつの間にか彼女を信頼していたのだ。我ながら単純だなと呆れていると。
「ねー!今日の朝ごはんはパンだよー!」
俺がセラさんとの出会いを思い出しながら制服に着替えると、いちいち報告しなくてもよくね?的な報告をしてくる。
「はーい!わかったよー!」
と、返した俺は、急いでリビングに向かった。
彼女が鼻歌交じりに朝食を作っているのを確認し、暇つぶし的な感じでテレビを付けると
「神奈川Noise事件からもう10年」
「いやぁ、もう10年ですか。月日が経つのが早いですね。」
テレビに映っているニュースキャスターは、俺たちが被害にあった神奈川Noise事件についての解説をしている。
「被害にあってもう10年間か...」
不意に口に出てしまった言葉を、俺は驚いてしまった。
(やべ...セラさんに聞こえてないかな?)
セラさんはNoise事件の話になると、途端に顔から笑顔が消え、今からでも存在が消えてしまいそうな悲しみの顔をするので、俺はセラさんの前でNoise事件の事はあまり話さないと自分自身に誓ったのである。
そんな誓がちぎれそうになったことに、俺は俺自身に叱り、10年前の『神奈川Noise事件』を振り返ることにした。
━━━━━━━━━━━━━━━
10年前の9月午後17時頃、それは俺が6歳の時だった。
毎日が楽しいの連続だった初めての小学校から5ヶ月経過して、ちょっとずつ興奮が冷めていた時に、事件が起きた。
丁度その日は休みの日であり、俺がテレビや漫画などを見て、休日を過ごしていた時、突如外から爆音が聞こえた。一瞬のことで俺は呆気に取られ、俺は止まっていた。だが、父と母が急いで窓から外を見ようとしている姿を見て、俺も直ぐに意識を元に戻して、父母と同じく窓から外を見た。
そこにいた謎の大型生命体と、ジガンバードで見たロボットの様な見た目をしているやつがいたのだ。その赤い色をしたロボットが、今で言うところのオープン通信をして、「このっ雑音野郎!!ノイズがぁぁぁ!!!」叫んでいたのを今でも覚えている。
叫び終わった謎のロボットが刀らしき物を手に取って構え、謎の生命体に突撃を仕掛けたのである。生命体、仮名ノイズは、突撃したロボットに刀で切りつけられた後、ロボットに突進を仕掛けた。
俺は夢を見ているのかと思った。アニメで見たロボットが現実で戦っている!と思っていた。
2機だか2体だかの戦闘を釘付けになって見ていると、最初にロボットが立っていた所に別の白色のロボット達が集まっていて、その後ろには青い空とは別の青い何とも言えない空間が広がっている。そこから出てきた仲間が集ってノイズと戦うのか!?と思ったがそんなことは無く、白色のロボットは刀と銃を構えて赤色のロボットに襲いかかった。
俺は驚いた。味方だと思ったロボットが実は敵同士だったなんて...と、思った矢先に白色ロボットは次々と刀で切られ落とされていた。
切られたロボットは制御を失い地面に叩き落とされる。
落とされたロボットは地面と激突し、ズドンと耳が破裂してしまいそうな轟音と共に一軒家を覆い尽くす炎が黒い煙と共に上がっていた。
事の重要さを理解した父は
「急いで家から出るぞ!」
と、轟音により驚いて動いていなかった俺の手を取り急いで家から出るように支度をする。
まだ状況を理解していなかった俺は靴を履き、父に手を繋がれながら外に出ると...。
雲ひとつも無かった青空は炎の煙によって黒く塗りつぶされていて、その黒くなった景色の中に、ロボットによって破壊された家の破片、ビルの破片などが浮いていた。
俺はそれが何か分からなかった。いや、理解したくなかったのかもしれない。
俺は恐怖で体が動かず、ただ父によって引っ張られているだけだった。
そして、先ほどまで聞こえていた戦闘の音は段々と近づいてゆき、ついに俺たちの近くにまでロボットがやってきた。
そこには先ほどの白いロボットが3体現れていた。俺は死を覚悟していた。ここで死ぬんだと。
父が俺を守ろうと抱かえる、恐怖で目を瞑ろうとしたその時だった。
目の前にいたロボットが赤色のビーム砲により爆発したのである。
その時である。バラバラになったロボットは残骸を散らし、我が家に直撃したのである。直撃した我が家は窓ガラスは割れ、屋根は崩壊してこちら側に倒れる。倒れた先には...母がいた。
母はよろよろとゆっくり俺たちの方に来たのだが、ゆっくり来たのが原因で、倒れてきた家の瓦礫に押し潰されてしまった。
父は絶望の顔をして、一刻も早く母に近づいた。俺は泣くしかなかった。
そして、父は母を探すために、瓦礫に埋もれている母を掘り起こそうとしているが、自分の体重の倍ある木材達には歯が立たなく一向に動く気配はしない。一瞬気絶をしていた母は、父にこう言っていた。
「蒼亜を...蒼亜をお願い....ね?」
父は母と俺を交互に見続けて、黙り続ける。
数分待ち、父は肩で呼吸しながらこう言った。
「今っすぐ!今すぐ...!山の方面に迎え!アイツらは....だれも山の方を!興味を示していない!だからっ....だからっ.....!俺は後からお前に着いていく!!」
父から急激に放たれた怒号の指示に俺は驚愕したが、いつも優しい父がそんな大声を出すと思っていなかったから、俺は急いで指示通りに行動した。
山の方向に向かった俺はひたすら走った。だが、体力が無く、疲労で視界が狭くなり、今にも崩れそうになっている一軒家に俺は気づいていなく、最終的に気づいたのは、瓦礫が自分の頭の上に浮いている時だった。
そこから数分か数時間かは知らないが意識を失っていた俺に声を掛ける人物がいた
「....ソウア!....ソウア!.....ソウア!!」
俺の耳元で俺の名前を叫ぶ女性の声が聞こえ、驚きで目が覚める。
「.....っ!あっ!大丈夫!?どこか痛いところは?いや、どう見ても痛いよね?そうじゃなくて!ええっと...」
と、目の前であたふたとしている赤いロングヘア、赤い目をした女性が俺を抱かえて座っている。…………誰だこの人?しかも何で俺の名前を知っている?当然の疑問を抱きながら、その事を質問しようとしたら。
「喋っちゃダメ!今すぐここから逃げるから、しっかり捕まってね!」
「ね、ねぇ!お姉さん誰なの!?パパは!?ママは!?」
「......いいから!」
彼女は、俺に有無を言わさず強引に背負うと、走り出した。
俺は彼女に言われるままにしっかりとしがみ付く。すると、先程まで居た場所が爆発する。
「危ない!!もう少し遅かったら.....」
彼女が俺を背負いながら器用に走る。そして、少しして広い場所に出た。そこには、大きな穴があり、そこから地下へ続いているようであった。
「ふう....ここなら安全だから、もうちょっとだけ我慢してね。」
と言って、彼女はまた俺を背負って走り出す。
一体何処に向かっているのか分からないまま、ただ黙って彼女の背中にしがみ付いているしかなかった。
どのくらい走ったかわからないけど、突然足を止める彼女。
「.....着いたよ。君のお父さんが言っていた山は。」
そう言って、俺を降ろしてくれた。そして、彼女は俺の手を握ってくれる。
「……君の名前は?」
「……名前?名前は……ソウア。..... 敦莉 蒼亜。」
「ソウア....うん。よろしくソーア君。それで、私の名前は........」
セラさんは一瞬言葉が詰まったのかと思うほど黙り込んだあと、顔を笑顔にしてこう言った。
「.......セラ!私の名前はセラって言うの!よろしくね!ソーア君!」
そう言って、セラさんは俺の手を取り握手をした。まあこの後もなんやかんやがあり、一緒に住むことになった。
━━━━━━━━━━━━━━━
少々長く喋りすぎたか、気が付けば朝食は完成しており、ニュースはもうそろそろNoise事件の話を終わらそうとしている。
『いやぁ、今後も若き天才博士の葛』
ピッとテレビリモコンを押し、テレビを消す。すると、右からセラさんが朝食のトーストと水を持ってきて
「どうぞ」
と言ってくれた。
俺はそれに礼を言いつつ、「いただきます」と言ってパンにバターを塗って口に運ぶ。うん、美味しい。流石はセラさんだ。俺なんかよりもずっと料理が上手だな。
「ふぅ……ごちそうさまでした」
朝食を食べ終えて食器を片付けると、時刻は既に7時35分になっており、そろそろかと思いバッグを肩に掛けて少し待っていると。ピンポーンという音が鳴った。
「あ、サラちゃん来たんじゃない?」
こちらを見てニヤニヤとするセラさんに恥ずかしくなってそっぽ向くように玄関に逃げた。
ガチャっと玄関の先にいるのは、俺が通ってる高校の学生服を来ている見知った顔の少女がいる。
「あっおはよう」
無表情で俺の事を出迎えてくれた彼女は鬼灯沙羅。幼稚園からの幼馴染であり、サラも神奈川Noise事件で両親を失った1人だ。今は俺の隣の家に住んでおり、爺ちゃんと婆ちゃんの3人で暮らしているらしい。
「それじゃ早く行くよ。」
俺の返事を待たずに先を行くサラ。俺が付いてくると確信しているからかその足取りは迷いが無い。俺はその後ろ姿を追いかけるようにして家を出る。
「行ってきます。」
「........あっ!ソーア君いってらっしゃい!!愛してるよ!!」
家を出ようとしたら、いつもはいってらっしゃいで終わる会話に謎のラブコールを付け足してきて、俺は動揺してしまう。何言ってんだあの人急に。サラの方を見たら、聞こえていなかったのか、先にずんずんと進んでいく。それに追いつけるように家を出ると、隣に住んでいるサラの家とは逆の家に住んでいるおばさんがいつものように笑顔で挨拶してきた。
「あら2人ともおはよう!今日も仲良しね〜!」
そう言いながら俺たちの頭を撫でてくる。もうこの光景にも慣れてしまった。というより俺達が子供扱いされることに慣れてしまっていると言う方が正しいだろう。
「あはは……どうもです……」
苦笑いを浮かべつつ会釈する。すると、サラが突然口を開いた。
「おばさん、私達これから学校だから」
相変わらず素っ気ない態度である。しかしおばさんは全く気にしていなく失笑した様子だった。
「はあ、相変わらず素直じゃないわね。はいはい分かったわ。沙羅ちゃんも蒼亜くんもまた後でね〜」
そう言って手を振りながら去って行った。俺たちも軽く頭を下げてから歩き出す。
「全く……あの人は本当にお節介なんだから……」
おばさんが見えなくなったところで、サラが呆れたように呟いた。
「まぁいいじゃないか。それだけお前たちのことを心配してくれてるんだからさ。」
俺の言葉を聞いて一瞬驚いたような顔をしたサラだったが、すぐに不機嫌そうな顔に戻ってしまった。
そして何も言わずにスタスタと歩いて行ってしまう。俺は慌てて追いかけた。
会話はいつも通り殆どしないが、今回は珍しく彼女の方から話しかけてきた。
「ねぇソーア。今日の放課後って暇?」
いきなり何を聞かれるのかと思ったらそんなことか……。特に予定は無いけど何があるんだろうか?
「えっと……何かあるのか?」
「別に大したことじゃないんだけど……父さんと母さんの墓参りにと思って……」
両親が亡くなってからは毎年墓参りに行っているのは知っていた。だが、今年は俺を誘って行くというのは予想外だった。でも俺は毎年この日に母さん父さんの墓参りに行っているので。
「なるほどな。そういう事なら付き合うよ。」
「ありがと……」
少しだけ微笑んでくれた彼女を見て俺は......
俺は彼女、サラに惚れている。幼稚園の頃からの一目惚れであり、ずっと想い続けているのだが未だに告白出来ずにいるのだ。そうやって自己嫌悪に陥っていると、いつの間にか校門目前にまで着いていた。どのくらい自己嫌悪に陥ってたんだろうな........。
━━━━━━━━━━━━━━━
教室に入ると、いつも通りの喧騒に包まれていた。俺は自分の席に座って一息つく。サラはルックスが良く頭も良いラノベ系ヒロイン的存在で、クラスからの人気を博し、クラスメイトに囲まれている。俺はそれを横目で見つつ、今日も平和だなぁなんて考えていた。
「よっす!おはようソーア!」
「おはようソーア君」
朝の支度をしていると、右から2人の男女の声が聞こえる。
「あぁ、おはようアオイ、ガーベラ。」
俺が目にしたのは中学からの親友の館 葵とガーベラの2人だった。
右に立っているのが館 葵。運動神経抜群でコミュ力が高く勉強も出来る。あとイケメンでこいつは四大モテ要素を持っている、何でこいつと親友と呼べる程の仲になったのは覚えてないが、小説のタグで言うところのオリ主最強ってやつなのかな?こやつは。そして、左側に立っている金髪少女が、ガーベラ。アオイが小3の時に入学して来たと聞いている。母親が日本人で、花言葉を理由につけた名前がガーベラらしい。花言葉はあまり分からないが、今度サラにプレゼントする時は花言葉を調べて花を送ってあげようかなと思う。
「あ、今お前、サラのこと考えてたろ。」
「はっはぁ?何言ってんだお前、そんな訳ないだろ。」
図星を付かれ苦し紛れに否定する俺に追い打ちを掛けるように。
「いやいや、ソーア君は分かりやすいからねぇ。時に、セラちゃんの事になると。ソーア君はヘタレだから、今のうちに彼女に想いをぶつけないと、いつかソーア君よりイケメンで優秀な男に取られちゃうよ?」
グサリと俺の体に突き刺さる言葉の棘に曖昧な言葉でしか言い返せない俺は
「うっ......それは...確かにそうかもしれないが......。」
「まあまあガーベラ。今度また3人で一緒にプレゼント探しに行こうぜ?俺はお前のことを応援しているからよ!」
流石は我が親友だ!俺の気持ちを傷つけないようにフォローするのが上手い!持つべきものは親友だよなぁ.....。
そう思いながら2人と会話をしていると担任の教師が入って来て、皆席に着く。そしてホームルームが始まる。今日もまたつまらないいつもの生活が始まるのであった。
━━━━━━━━━━━━━━━
時刻は午前12時半。神奈川Noise事件が原因で毎年この日は早めに帰る日になっておる。理由は忘れた。周りを見ると既に帰宅している生徒もいれば、まだここに居残って勉強や雑談もしている生徒も多い。俺も今すぐ帰ろうと支度した所にアオイとガーベラが寄ってくる。
「なぁソーア!放課後暇か?今日行ってみたいファミレスがあるんだよ!サラも誘って皆で行こうぜ!」
「あー悪い、今日は用事があるんだ。また別の日にしてくれないか?」
俺はそう言って二人に断りを入れる。二人は残念そうな顔をして肩を落とした。
「そっかー……なら仕方ねぇな……」
「ごめんね、ソウくん。私達だけで行くから気にしないでいいよ。じゃあまた明日ね」
「おう、また明日」
残念そうに肩を落とすアオイに俺は手を振りながら教室を出て下駄箱へと向かう。靴を履き替えて校門を出る時にふと後ろを振り返ると二人がこっちを見ていたので手を振ったら振り返してくれたので嬉しくなった。
時刻は2時。家には珍しいセラさんがいなく、置き手紙には『ちょっと出かけてるよ!すぐに帰ってくるからね!♡』と書いてあり、昼食の事は何も書いていなかったので、1人で昼食を食した後、出かける支度をする。サラと待ち合わせをしていた場所に時間通りに到着すると、先に着いていたのかサラはスマホをいじって待っていた。
「遅い」
こちらを見ると、見るからにサラは不機嫌ですと言わんばかりに不満げな表情を浮かべて文句を言う。
約束の時間ちょうどだから遅くはないと思うが、そう言うと更に不機嫌になりそうな気がしたので何も言わないことにした。
俺は苦笑しながら謝罪する。
すると、サラはため息をつく。
「はぁ......。それじゃ、とっとと行くよ?」
そう言って俺の手を取り歩き出す。
サラの行動に驚いていると、振り返った彼女は不満げな顔で睨んできたので慌ててついていくことにする。多分早く墓参りに行きたいのに俺の足が遅いから早く行く為に手を繋いだのだろう。いや、そうであって欲しい。そうじゃなきゃ惚れてる上に惚れちゃう。それから少し歩くと、墓地へと到着した。
墓地の中に入ると、まだ午前中だということもあってか人はまばらだ。そして、目的の場所に到着したところで俺たちは立ち止まる。
そこは、おばさんおじさん。つまりサラの母親と父親が並んでいる墓石の前だった。サラは無言のまま両親のお墓の前に行き、花瓶の水を変えて花を変える。そして、持ってきた花束を置くと手を合わせて目を閉じた。
そんな彼女の後ろ姿を見て、俺は何とも言えない気持ちになる。
(おばさん.....おじさん.....。俺がサラを守りますので......今は、見守っていてください。)
俺はサラの隣でしゃがみこみ、手を合わせ目を閉じた。しばらくすると、サラが目を開ける。
どうやら祈り終わったようだ。
そして、立ち上がり再び両親の墓を見つめる。その横顔には悲痛なものが含まれていた。
きっと、今にも泣き出してしまいそうな程辛いんだろう。それでも泣かないのは、きっと泣いてしまったら両親が安心して天国へ行けないと思っているからだ。
そんなことを考えていると、隣にいたはずのサラがいなくなっていたことに気づく。周りを見渡すと、彼女はある場所で立ち止まっていた。それは、おばさんとおじさんのお墓がある所ではなく、そこから少し離れたところにある2つの墓の前で立っていたのだ。
それは、俺の両親の墓だった。
サラはその前に佇み、じっと見つめていた。
「......サラ?何で俺の母さん父さんの墓の前で立っているんだ?」
「……」
声を掛けると、無言のままゆっくりと振り向くサラ。しかし、視線は両親の墓に向けられたままだった。
俺は黙ってサラの隣に立つと、同じように見つめた。小さい頃の写真でしか見たことのない母さんの笑顔の写真が置かれていた。小さい頃の写真でしか見たことのない母さんの笑顔の写真が置かれていた。
「さて、そろそろ帰るぞ。」
気まずくなった空気を払拭するように明るく振る舞う。すると、サラもいつも通りの態度に戻っていた。
まあ、無理しているのが見え見えだが。
帰り道ではお互い終始無言だったが、別れ際にサラの方から口を開く。
「ねぇ......今度2人でどっか」
サラが何かを言おうとした瞬間に。
ゥウウウウウゥゥゥゥ……………! 町中のスピーカーから、耳をつんざく暴力的な音量でそれは響く。巨人の悲鳴のようなその不吉な音は、山々に反響してぐるぐると町を取り囲んでいく。これは昔、神奈川Noise事件が発生して数年後、定期的に現れるNoiseに対して危機を市民に知らせる為に政府が設置して、避難活動を指示する為のサイレンである。
つまり、今このサイレンが鳴るって事は.....!サラも同じことを思ったのか、ハッとした表情を浮かべてこちらを見る。
サラの瞳は大きく揺れ動いており、不安げな様子だった。
俺は、彼女に優しく微笑んでみせる。
大丈夫だよ。そう自分にも言い聞かせるように。
.....まて!?セラさんは!?家にいるセラさんは大丈夫なのか?自分の中にある不安感がどんどんと大きくなっていっていても立ってもいられなくなる。すると、サラが心配そうな顔で尋ねてくる。
「いや、大丈夫だ!だから、急いで家に帰ろう!」
俺は大声でサラにそう伝えると、わかったのか首を縦に振る。そして、俺はサラの手を取り走り出した。
走り出し、家に向かう途中にNoiseと軍が作った対Noise兵器によって破壊された家の破片を躱しながら進むと、自分の家の方面から黒い煙が上がっているのが見える。まさか、もうここまで来たのか……! 焦燥に駆られる中、何とか家の近くにたどり着くと隣の家の玄関は破壊されており、玄関付近には倒れている人がいた。
サラは、慌ててその人の元に向かう。
俺もそのあとを追うように駆け寄ると、その人は隣の家に住んでいるおばさんだった。
おばさんは頭から血が流れ、ぐったりしており、呼吸をしている様子がなかった。
恐らく……既に亡くなってしまっているだろう。
おばさんを見てショックを受けているサラに、俺は声をかける。
落ち込んでいる暇はない。今すぐここから動かなければ俺達もNoiseの被害に遭うかもしれない。サラに声をかけると、彼女はコクリと首を振る。そして、おばさんの遺体をその場に残したまま、俺たちはその場から逃げるように隣にある俺の家に向かった。
すぐ隣にある我が家に急ごうとしたその瞬間、我が家方面から、大きな轟音が聞こえた。不安から来る幻聴ではなく、実際に聞こえたと言ってくるサラを横目に、我が家を見てみると、一軒家である我が家は屋根が破壊されており、庭からリビングに繋がる窓ガラスは.....軍が開発した対Noise兵器『マツ』によって破壊されていた。
見るからに、Noiseに突撃され吹き飛ばされた跡だろう。
急いでセラさんの安否を確認するためサラに何も伝えず土足で部屋に入る俺。家に入って左にある、マツが吹き飛ばした部屋に入ると........。
マツによって、下半身が潰されて、頭から大量の血を流したまま目を閉じて横たわっているセラさんの姿を確認した。
「.........っ!!」
俺は思わず絶句してしまう。
しかし、そんな事をしている場合ではないと我に帰ると、すぐに怪我を負っているセラさんの傍に行き声を掛ける。
「ねぇ!セラさん!起きて!!ねぇ!ねえったら!!」
俺の必死の叫びに気づいたのか、セラさんは苦しそうな顔をして目を開ける。
「……ッ。ソーアくん?」
「そうだよ!蒼亜だよ!セラさんの家族の!それよりしっかりして!今からシェルターに連れていくから!だから、もう少しだけ頑張って!そしたらその足だってすぐに治るかもしれないから!!」
そう言いながら一向に血が止まらない下半身に対して、願うはずもない希望をセラさんにぶつける。すると、セラさんは弱々しく微笑む。
「ごめんね......私.....」
そう言ってセラさんは血だらけの手で俺の頬に触れる。
「何言ってんだ!ほら!今すぐ俺の背中に乗って!痛いかもしれないけど、助かるかもしれないんだよ!そうしたら!また一緒に暮らそう!いつもみたいに!」
「ごめん......ごめんね..... ソウア……君……」
「謝んないでよ!!そんな事より早くしないと!お願いだから!死んじゃ嫌だっ!!!」
俺は涙を流しながら叫ぶ。
「これ.......ソウア君が大切だと思っている人に渡して.....それから.....大好きだよ……蒼亜君」
セラさんは最後に、いつも首にさげてるお守りを俺に渡し、優しく微笑みながら言った。
そして、涙を流す俺を見ながら、ゆっくりと目を閉じていく。
「セラ……さん?」
セラさんの目から光が消えていき、完全に力が抜けたのを感じる。
「……ねぇ、冗談はやめてよ……ねぇ……ねぇってば……!」
いくら呼びかけても返事をしてくれない。
俺はただ泣き崩れることしか出来なかった。
「セラさん……!セラさーん!!!」
俺は絶望の淵に立たされていた。
今まで生きてきた中で、これほどまでに辛いことはなかった。愛する人が目の前で死にゆく姿を目にして、平常心でいられるわけがなかった。俺はその場で膝から崩れ落ちると、両手で頭を抱え込み、絶叫した。
その時だった。後ろからサラの大きな声で近づいてくる音が聞こえた。
その音に反応して後ろを振り向くと、そこにはNoiseが立っていた。
全身を真っ黒な体毛で覆われており、そのデカい手には巨大な爪を持っている。
その姿を見た瞬間に、俺は恐怖を感じた。
Noiseはまだこちらを見据えてはいなく、このままだと殺される!そう思った瞬間、視界がスローモーションになり、俺はひとつの提案が思いついた。
「あのマツに乗れれば....!」
動かし方も分からないけど一か八かの運命にかけて、サラの腕を取り庭近くに放置されているマツに走り出す。昔、動画で公開されたマツ試作品1号機には胸から入っている姿を俺は覚えている。だから俺は迷わず胸元にある半開きのハッチを気合いで開けて胸元に飛び込むように入り込んだ。中に入ると、狭い2人乗りが出来るコックピット席の中には青のヘルメット、青のパイロットスーツを着込んでいて、足を数発撃たれている1人の姿が確認された。無事かどうか確認しようとすると、ヘルメットの中は赤い液体が全体的に広がっていて、顔すら見えなかった。だけど俺にとってはそんなことはどうでも良かった。早くここから脱出しなければ……。
中にいる人を2人でリビングに運んで床に寝かせたあと、もう一度2人でコックピットの中に入る。
席に座り、中にある操縦桿らしきものを握ると、突然機械音声が響き渡った。
《コード認証、同一人物確認。》
すると目の前に大きなモニターが出現し、こちらに気づいていたいNoiseを捉える。俺はこのチャンスを逃すまいと色々なボタンを適当に押していく。すると《武器を装備してください。》 モニターが切り替わるとそこには3つの武器が表示されていた。何となく威力の高そうなマシンガンを選択した。選択すると、一丁のマシンガンが現れると、マツは勝手に立ち上がり《照準ロック、照準ロック》という声とともに銃口が自動的に向けられる。発射トリガーを引くと無数の弾丸が発射され、Noiseに向かって一直線に進む。弾丸はそのまま命中し、Noiseの身体からは煙が出ていて、少しよろめいているようだった。《コア発見、コア発見》また画面が変わると、今度はNoiseの心臓部分のような丸いものが映っていた。Noiseは弱点であるコアを壊さない限り死にはしないで復活することを知っている俺は、自動的にロックされたコアに向かって引き金を引き続けた。すると数発当たったところでNoiseは完全に動かなくなり地面に倒れ込んだ。しかし、俺の心は喜びや達成感に浸っている暇はなかった。今すぐ逃げなければ、すぐに新しいNoiseがこちらに向かって来るだろう。俺は不慣れな手つきでマツを動かして避難シェルターに向かおうとしたら《Noise反応多数、Noise反応多数》マップ的なものを見ると、赤く、動くものが360度から来ていることに気づいた。恐らく先ほどの銃声を聞きつけてやってきたんだろう。俺は急いでマシンガンを取り出して、迎撃体制に入った。マツがマシンガンを撃ち始めると同時に、敵の姿がはっきりと見えるようになる。その数は軽く100体を超えており、とてもじゃないが勝てる気がしなかった。それでもここで諦めたら終わりだと思った俺はAIの自動バルカン砲とマシンガンを使い必死になって撃ち続ける。敵も負けじとこちらに突撃してくるため、徐々に押されていく。
まずいな……このままだと全滅するかもしれない。そう思った俺は、不安な顔をして落ち着かないサラに向かってこう言ってやった。
「絶対にお前を守る!だから、絶対に生き残るぞ!」
その言葉を聞いた彼女は俺の顔を見て微笑むと、「うん!」と元気よく返事をし、トリガーを引く俺の手を握りしめた。
.....なぜだか急に視界が広くなったような感覚がして、暖かい気持ちがする。こんな危機的状況なのに、俺の心は何故か余裕を持っていたついでにこんなことも思っていた。
やっぱり.......サラの事が好きだ!《パイロットの感情の上昇を確認、感情の上昇を確認。規定ライン突破、規定ライン突破。エモーショナルシステム起動、エモーショナルシステム起動》
サラに勇気づけられたのか分からないが、何故か、分からなかったはずのボタンの数々は何の役割を果たしているのかという情報と、Noiseは次どこに動き、いつ攻めるのかが分かってきた。弾が尽きたマシンガンを前方にいるのに投げつけた後、腰に装備されているビームソードでNoiseのコアに切りつけ倒しに行く。だが、一向に数が減らない。どんどんと倒しているのだが、全く数が減らなくてマツのエネルギーがどんどんと無くなっていき、このままではマツが止まってしまうかもしれない。そう思った俺は急いで飛び上がり、空中から脱出しようと考える....のだが、少しずつ疲れが出てきたのか、Noiseの攻撃に反応が出来ずに、地面に叩き落とされてしまった。早く起き上がろうとしたが、すぐさま倒れているマツに体当たりをされて起きれなくなる。
「くそっ!早く動けって!!」
と怒りの声を上げていると、Noiseたちがマツに攻撃を始め、次々とダメージを与えていく。
俺は実感した。もう機体は持たないし脱出も出来ない。ここで、サラと一緒に命を終えるしかないということに。
「あぁ……約束....守れなくてごめん......。」
と絶望に満ちた声を出すと、涙が溢れてきた。自分のミスでサラを殺してしまう...と頭で考えていた時だった。
Noiseからの攻撃が止んだのと同時に俺を攻撃していたNoise達は俺から離れたと共にNoiseの金切り声のような高い鳴き声が響く。何事かと思い、起き上がると、50mは行ってそうな程の大きさをしたロボット1機がNoise達を一掃していた。そのロボットは白い装甲を纏い大剣を振り回している。その姿はまるで、
「正義のヒーローみたいだ……」
と、最後の1匹であるNoiseを大剣を真っ二つにするまで、俺は口をぽかんと開けてずっとそう思っていた。
真っ二つにNoiseを切り捨てたあと、白いロボットは俺に向かって通信をしてきた
《そちらのパイロットさん!こちら、新しく追加された部隊、対Noise殲滅部隊オリーブ隊です!今から現代に帰還致しますので、同行願います!あっいえ、こちらから先導致しますね!》
突如コックピット内に、ありえないほどの声量をした男性の声が聞こえ、驚きのあまり声が出せない俺を無視して、男性は腕に着いている何かを操作している。俺はタダ偶然そこにマツがあり偶然乗って偶然生き残ったタダの一般人
なのである。なので、今すぐ誤解を解こうと男性に通信しようとしたら。
《機体シェア操作中》
と写ってあり、いくら俺がマツを動かそうとしても、俺の操作は受け付けてくれない。どうしようかと考えていたら
《それでは帰還ポータルを作ります!》
そう言うと、男性は青色のよく分からない宇宙的な、綺麗な星満天の青空的な存在を作り出して、機体事入って行く。このマツも勝手に動いて入っていくことを感じた俺は、吉か凶か、願わくば吉が出てくれと思い、入っていくのを見守ることしか出来ないのであった。
おばさんの事を無視すれば良かったのにね。哀れだね
ここまで読んでくれた物好きさんありがとうございます。この作品を作ろうと考えて10ヶ月も経っていて、設定を考え初めて6ヶ月経っていて、1話執筆し始めて4ヶ月も経っているので次回の投稿は来年の2023年後半になると思います。はよ続きだせって言う物好き兄貴姉貴達は私のTwitterで「早く続き書け雑魚!」って罵ってください。書きます