――・・・
安斎「結局、戦車道の練習は1カ月経った今も一度もやってない・・・」
安斎「このままではイカン!イカンぞぉ!センパイ方が戦車に乗れないのであれば、私一人でやるしかない!」
安斎「私だけでアンツィオの戦車道を復興させてみせる!」バーン
安斎「だがその前に腹ごしらえだ。今は学園艦が寄港してるし、せっかくだから陸で食材を買おう」ペコグゥ~
\ワイワイ ガヤガヤ ワイワイ ガヤガヤ/
安斎「やっぱり陸地だと色んな物が売ってるな~。今の内にたくさん買い込んでおかなきゃだな!」
安斎「えーっと、キノコにエビ、ブルーチーズ、あさりにベーコン、それから・・・」
安斎「あったあった!セールで値段が下がってるパスタ!」
スッ・・・
安斎「あ」
少女「あ」
安斎(ウッ・・・同じタイミングでパスタに手を伸ばしてしまった・・・とはいえパスタはどーしても欲しーし・・・)
安斎「・・・あ、あはは・・・」ニガワライ
少女「へへへ」
少女<スッ ガサ
安斎「アッ!パスタをカゴに・・・」
少女「んじゃ」シュタ
安斎「まてーーーい!」
少女「ん?」
安斎「いやいやいや!同時に取ろうとしたんだからどっちがそれを買うべきかちゃんと話し合おう!勝手に持ってくな!」
少女「いやー、いいかなーって」
安斎「よくない!私だってほしいんだから!勝手に取るなんてズルいぞ!」バッ ガサ
少女「あっ、人のカゴから抜きとって自分のカゴに入れないでよねー」バッ ガサ
安斎「そっちだって!そんな態度ならもらってくぞ!」バッ ガサ
少女「私のだよ」バッ ガサ
安斎「私のだ!」バッ ガサ
少女「私の」バッ ガサ
安斎「私のものだ!」バッ ガサ
少女「あなたの」バッ モドシ
安斎「お前の!」バッ ガサ
少女「あなたの」バッ ガサ
安斎「アンタのものだ!」バッ ガサ
少女「ん、ありがとね。じゃね~」バイバーイ
安斎「まったく、ずーずーしい子供もいたもんだ!・・・ちょっと大人げなかったけど仕方ない。とにかくパスタは手に――」
安斎「アッ・・・!」
〜〜〜
3年生B「それでまんまと持ってかれたってのか!アンチョビはアホだな~」アッハッハ
安斎「ウウ・・・くやしいっ・・・生活費カツカツなのに・・・」クゥ~
3年生D「相手は小さい女の子なんでしょ?お姉さんなんだから譲ってあげなきゃ」
ジーナ「まだ数日は学園艦が寄港してるから、その間に買い込んでおくことね」
安斎「はい!今日こそはパスタ買い溜めします!必ずや手に入れてみせるぞパスタァ!」グッ
~~~
安斎「売り切れだった・・・」ズーン
安斎「せっかくレシピを教えてもらったのに肝心のパスタが無いんじゃ世話ないぞ」
安斎「フウ・・・しかし他の食材をたくさん買ってしまった・・・ちょっとそこのベンチで休憩でも――」
安斎「アッ!」
少女「あ」
安斎「お前は昨日のパスタドロボー!ここであったが百年目だ!」クワ
少女「やあやあどうもどうも」モグモグ
安斎「呑気に干し芋なんか食べてられるのも今のうちだ!よくも私のパスタを奪っていったな!」コノヤロー!
少女「そっちがくれたんじゃん」モグモグ
安斎「あんな卑怯な手を使うなんてズルいぞ!いくら小学生でもこの私を騙そうなんて――」
少女「小学生じゃないけど」
安斎「えっ・・・」
少女「小学生と思ってた?」
安斎「あ・・・ご、ごめんな・・・小まっこいからてっきり・・・い、いやいや!中学生でもそれくらいの子は普通にいるし!き、気にすることはないぞ!うん!」
少女「高校生だよ」
安斎「」
少女「中学生と思った?」
安斎「あ、あの・・・ご、ごめん・・・」オロオロ
少女「いーよー、別に気にしないし」
安斎「・・・き、昨日の件はこれでオアイコにしよう・・・き、君、どこの生徒なんだ?どここー出身?」
少女「大洗女子だよー。一年の角谷杏」スッ
安斎「!・・・私はアンツィオ高校の一年、安斎千代美だ!よろしくな!」ガシッ
杏「なんだ、同い年じゃん。アンツィオってイタリア風のトコだっけ」
安斎「そうそう!私はスカウトされて入学したんだ。アンツィオの戦車道を再建してくれとな」
杏「ふーん、戦車道ねー。アレってまだやってる人いるんだね」
安斎「なっ!失礼な!やってる人はやってるぞ!まあアンツィオじゃ私一人だけど・・・」
杏「ありゃ。そりゃ大変だね」
安斎「うん・・・センパイもいるけど、戦車乗っていいの私だけなんだ」
杏「干し芋、食べる?」スッ
安斎「あ、うん。もらう。ありがと」モグ
杏「私干し芋好きなんだー」モグモグ
安斎「ウマイな」モグモグ
杏「戦車道って楽しいの?」モグモグ
安斎「たっのしいぞ~!ギャラギャラギャラーって走ってズドーンって撃つんだ!たしか大洗は戦車道なかったよな。杏もウチに来ればいい!きっと楽しいぞ!」
杏「んー、遠慮しとく。あんまり興味ないし」
安斎「え~、せっかく仲間になれると思ったのに」シュン
杏「どうしてもやらなきゃならないような必要に迫られでもしない限りやらないかな。ごめんねー」
安斎「ちぇっ、まあいいや。これから仲間をドっと増やすからな!」フンス
杏「おおー、やる気だねー」
安斎「みんなで練習して、楽しく戦車に乗って・・・そして、きっと立派な統帥になるんだ!がんばるぞー!」グッ
杏「ふーん。まっ、がんばりなよチョビ子」
安斎「ちょ、チョビ子ぉ!?なんだその呼び名は!」
杏「千代美だからチョビ子。ピッタリじゃん」
安斎「やめろやめろ!かっこ悪いからやめてくれ!」
杏「いいじゃんチョビ子~、がんばれよチョビ子~」
安斎「や~め~ろ~!」
――・・・
安斎「ボンジョルノ!」パァー
先輩B「おー、今日はゴキゲンだな未来のドゥーチェ」
安斎「教えてもらったリゾットを作ってみたらすんごくおいしくって!朝から調子イイんスよー!」ルンルンキブン
先輩D「それはそれは。アンツィオは代々先輩達から料理を教えてもらってきたんだよ。アンチョビちゃんも後輩達に伝えていってね」
安斎「はい!センパイ方、もっともっと色んな料理を教えてください!」
先輩C「もちろん。秘伝の絶品レシピをたくさん伝授してあげるね」
安斎「わーいやったー!」ピョンピョン
安斎「ーーってちがぁう!」バァン!
∑先輩達<ビクッ!
安斎「戦車道しなきゃならないんスよ!アンツィオをシャンとさせなきゃならんのですよ!料理ばっかりじゃ私までダメになっちゃうよー!」バタバタ
先輩B「まで?」
安斎「でも私一人じゃ戦車道はできないし、どぉすればいいんだぁ~!」ワーン
ジーナ「嘆かないのアンチョビちゃん。人生は坂道がたくさんあるんだから、あんまり急ぐとすぐ疲れちゃうわよ」
安斎「あっ!ジーナさんがワイン(風)飲みながら大人っぽいこと言い始めた!」
ジーナ「来年の新入生を呼び込むために今から準備をしておけばいいのよ」
安斎「・・・じゅんび?」
ジーナ「戦術の勉強をして、整備方法を覚えて、そして料理をたくさんマスターするの。それがアンツィオの統帥たるものの持つべきスキルよ」
フィオ「なるほど。今は統帥になるための修行期間って訳だね」
安斎「・・・たしかに!よーし!明日から戦術と整備を学んで、さらにおいしい料理の勉強をするぞー!」
フィオ「驚くほど素直」
ジーナ「さ、そうと決まればご飯にしましょ。ミラノ風カツレツを作ったわ。イタリアで言う、コトレッタ・アッラ・ミラネーゼよ」ジュンジュワ~
安斎「わーい!おいしそー!」ジュルリ