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安斎「エート、『兵法三十六計』によると、相手が一筋縄ではいかない場合の作戦のことを『攻戦計』と呼ぶ・・・と。その中で使えそうなのは~・・・」
安斎「敵を本拠地から誘い出し、味方に有利な地形で戦う『調虎離山』!これはイイぞ!」
安斎「他には・・・『混戦計』に『金蝉脱穀』・・・いろんな手があるんだな。これは是非実戦で使わないと!」
安斎「よし!今日も色々学べた!明日はハンニバル・バルカの戦術を勉強するぞー!いっぱい戦術を学んで立派なドゥーチェになるんだもんね!」フンス
ジーナ「♪~・・・♪~♪~・・・」
安斎「わ・・・綺麗な歌声・・・」
先輩C「驚いた?ジーナの歌声はウチでも随一なのよ」
安斎「これ、なんて歌なんです?」
先輩C「『さくらんぼの実る頃』っていうフランスの曲よ」
ジーナ「♪~・・・アンチョビちゃん、勉強がんばるのはいいけど詰め込みすぎるのはよくないわ。適度に空気を抜かないと破裂しちゃうの」
フィオ「そうそう、おじいちゃんの友達がよく言ってた。『徹夜はするな、睡眠不足はいい仕事の敵。美容にも良くない』ってね」
安斎「そりゃ気をつけないと!お肌は乙女の戦装束ですもんね」
先輩D「白身魚のムニエルが出来たよー」ホカホカ
安斎「わーい!」タタタ
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フィオ「――で、そこを締めたらオッケーだよ」
安斎「こう?」キュッ
フィオ「そうそう。これでとりあえずの整備は覚えられたかな」
安斎「やったー!明日からどんどん練習してジャンジャン壊してビシバシ直すぞー!」
フィオ「いやいや、私が教えたのは応急の整備法だからガッツリの故障は直せないわよ」
安斎「なぁんだア・・・まあいっか!壊れた時はフィオセンパイに直してもらえばいいスもんね!」
フィオ「・・・そうもいかないわ。あのねアンチョビちゃん、私・・・もうすぐ学校辞めるの」
安斎「・・・・・・え?えぇ!?はぁ!?学校辞めるって・・・どうしてなして!?」
フィオ「ウチの実家は戦車整備工場でね、おじいちゃんが経営してるんだけど父さんも兄さん達も皆出稼ぎに出てっちゃって人手が足りないの。たから私、おじいちゃんを手伝うことにしたの」
フィオ「どっちにしろ卒業したら実家で働くつもりだったし、ちょっと前倒しになっただけなんだけどね。夏休み明けと同時に学校辞めることになったのよ」
安斎「な、な、なんだってぇー!秋になったら三年のセンパイ方も引退だし・・・そこから私一人っきり~!?」
フィオ「辞めるまでにそれなりのことは教えてあげるから、ゆっくり少しずつ行こっ」
安斎「うぅ・・・そ、そんなぁ・・・」オヨヨ・・・
先輩B「おーい二人ともー!おいしいおいしいグラタンができたぞー!アツイうちに食べなきゃ損だーっ!」
安斎「おおーっ!フィオセンパイ聞きました!?グラタンですよグラタン!早く食べに行かないと!」タタタ
フィオ「アンチョビちゃんもすっかりアンツィオに染まったなぁ」
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杏「おーチョビ子ー」
安斎「チョビ子じゃない!安斎千代美!」
杏「どうよそっちは」イモグモグ
安斎「順調じゅんちょぉー!今日も島津の戦術書を図書館で借りてきて読んだんだ!」
杏「ほー」
安斎「昨日は射撃の訓練もしたし!」
杏「へー」
安斎「もう30品くらいレシピ覚えたもんね!」
杏「ふーん。がんばってるんだ」モグモグ
安斎「着々と統帥ステップを登ってるんだ!きっと来年には全国ベスト8・・・じゃなかったベスト4だって狙えるぞ!」
杏「ま、がんばってねー」
安斎「杏もアンツィオに来ないか?今からでも遅くはない。一緒に戦車道やろ!やろやろ!」
杏「んー・・・遠慮しとく。今の学校スキだし、友達と離れたくないしー」
安斎「チェッ、いい戦友になれると思うのにナア・・・」
杏「それよりさ、おいしい料理をマスターしたんなら御馳走してくれない?アンツィオのイタリアンは有名だもんね」
安斎「おお!もちろんいいですとも!フッフッフー、そんなに私の手料理が食べたいのかー!」フフーン
杏「うん、食べたい」
安斎「うっ・・・そうハッキリと言われるとちょっとテレるじゃないか・・・」
杏「チョビ子のおいしい手料理が食べたい。お腹いっぱい食べたい。楽しみたのしみ」
安斎「な、なんだそれ!からかうんじゃない!それとチョビ子ってのはやめろー!」
杏「友達も呼ぶから3人前作ってね」
安斎「えんりょないな!」
―――・・・・・・
安斎「夏休みも終わった!」
安斎「今年の優勝校、黒森峰の試合をテレビで見たけど・・・すごかった。特に同じ一年の西住まほ・・・アイツは大物になるな!」
安斎「でも・・・3年のセンパイ方は戦車道を引退、フィオセンパイは学校を辞めて・・・私はとうとう一人ぼっち」
安斎「履修者が一人だからって学校からの資金も大幅カット・・・先生もゴメンねって言ってくれたけど、これからは弾薬も燃料も節約しないと・・・」
安斎「でも塞いでたってしょうがない!私はメゲないぞ!練習して、勉強して、整備して、料理の腕を磨いて・・・」
安斎「立派な統帥(ドゥーチェ)なるんだ!」
〜〜〜
セモヴェンテ<ドワ! \ドーン!/
杏「おー、当たった当たったー」
安斎「す、すごいぞ杏!初めてなのに標的ど真ん中に命中なんて!才能あるぞきっと!」
杏「ていうか部外者の私が戦車に乗ったりしても良いの?」
安斎「ヘーキヘーキ!どーせ私一人だし。それよりスジがいいぞ!やっぱりアンツィオに来ないか!?」
杏「んー、転校は無理だけど、戦車道やってみるのもいいかもなー」
安斎「おおっ!やろうやろう!いいライバルがいれば私も成長できるからな!」
杏「やっぱやめとく。『戦車道をやる!』って意気まいてるチョビ子と『戦車道でもやるかー』って気構えの私とじゃモノが違うよ。ライバルなんて無理無理」
安斎「むぅ・・・勧誘って難しいナア。この調子じゃ来年の新入生を勧誘するのは大変そうだ」
杏「戦車道やればモテるとか言えばいいんじゃない?」
安斎「えっ!?そ、そうなのか!?そういうのぜんぜんわかんないから・・・」
杏「チョビ子カレシいないの?かわいいし料理上手だしいいおヨメさんになれると思うのにな~」
安斎「なっ!そ、そんなこと・・・」カァ~ッ
杏「あははー、チョビ子はからかいがいがあるなー」ケタケタケタ
安斎「こ、このからかい上手の角谷さんめ!私を笑いものにするなー!」
〜〜〜
安斎「うぶるるる・・・さ、さむい!冬の学園艦はめっちゃんこ冷え込むな!」ブルル・・・
安斎「はぁ~・・・石油ストーブの暖かみ・・・」ホッコリ
安斎「センパ~イ!身体が冷えちゃってるからあったかいミネストローネ作ってくださ――」
・・・・・・>
安斎「あっ・・・・・・そっか、私一人だ」
安斎「でへへへ、ドジだなぁ。ドゥーチェなのに・・・」ハハハ・・・
安斎「・・・・・・」ハナズビッ
安斎「・・・絶対にたくさん仲間を作るぞ!絶対に!」
―――・・・・・・
安斎「センパイ方!卒業おめでとうございます!」パンパカパーン!
ジーナ「ありがとう。なんとか全員留年せずに済んでよかったわ。わざわざフィオまで駆けつけてくれたのね。実家のお仕事はいいの?」
フィオ「今日は有給取りました!みなさんの卒業式ですから当然です!ご卒業おめでとうございます!」
先輩B「引退してからあんまり来れなくてゴメンな。でもアンチョビちゃんが頑張ってるのは知ってるぞ。エライエライ」ナデナデ
先輩C「二年になってもがんばってねアンチョビちゃん。応援してるから」
先輩D「これを託そう。アンツィオ代々伝わる『P-40貯金』だ!気も遠くなるくらい昔から貯金されてるんだよ」
安斎「わ・・・豚さんの貯金箱だ」ブー
先輩B「重戦車を買うための貯金だけど、どうしても困った時は使ったらいいぞ」
安斎「わかりました。お腹が空いたてもーどーしよーもにゃーよって時はえんりょなく使わせてもらいます!」
先輩C「いい統帥になってね」
先輩D「アンツィオの未来を任せたよ!」
安斎「ハイ!・・・アンツィオ戦車道チームは未来の統帥(ドゥーチェ)が・・・」
アンチョビ「このアンチョビが切り開いてみせる!」パァー
フィオ「おおっ!・・・がんばれドゥーチェアンチョビちゃん!」
アンチョビ「よーし!今日はセンパイ方の晴れの日だ!みなさんにこのアンチョビ特製スペシャルカルボナーラを御馳走するっすよー!」
\オオ~!/ \ワーイ!/ \ウマソー!/