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―戦車道全国高校生大会第一回戦―
―アンツィオ高校 対 マジノ女学院―
エクレール「――よろしいですわね?手筈通りに・・・豆戦車とて油断してはなりませんわ。必ず勝ちますわよ!」
「「「Compris!(了解)」」」
アンチョビ「たのもー!」ザッ
エクレール「ゎひゃあ!?・・・ビックリした・・・あ、あなたはアンツィオの・・・」
アンチョビ「統帥アンチョビだ!試合前の挨拶に来たんだ!よろしくな!」グッ
エクレール「!・・・え、ええ・・・こちらこそ。私はマジノ女学院を率いさせてもらってます、エクレールですわ」グッ
アンチョビ「今日は正々堂々と勝負だ!伝統あるマジノとはいえ負けないぞ!」
エクレール「・・・フフ、こちらこそ」
アンチョビ「じゃあな!」アリーヴェデ~ルチ~
フォンデュ「不思議な方ですね。これから真剣勝負をする相手にあんな笑顔で・・・」
エクレール「・・・本当に」
アンチョビ「いいか皆!作戦を確認しておくぞ!カルパッチョ!説明を!」
カルパッチョ「今回の会場は平地と広い森林地帯です。P-40は間に合わなかったけど、二回戦までには買えるのでたのしみにしててね」
カルパッチョ「マジノは防御主体から機動力重視の戦法に切り替えているそうです。我々も機動力重視なのでスピード対決ですね」
カルパッチョ「ドゥーチェと私が乗るセモヴェンテがフラッグです。もう一輌セモヴェンテとCV33三輌で第一小隊を組みます」
カルパッチョ「ペパロニのCV33と、同じくCV33を四輌とセモヴェンテ一輌を加えた第二小隊との連携で攻めましょう」
【第一小隊 セモヴェンテ×2(アンチョビ&カルパッチョ) CV33×3】
【第二小隊 セモヴェンテ×1 CV33×4(ペパロニ)】
カルパッチョ「まず我々第一小隊が森林地帯入り口に大量のデコイを設置します。そのまま森林奥へとデコイを設置し続けて敵を誘導するルートを構築します」
カルパッチョ「挟撃地点におびき寄せ、第一小隊と第二小隊で集中砲火する作戦です」
ペパロニ「あたしは!?あたしはどーすりゃいいッスか!?」ピョンピョン
アンチョビ「デコイ設置は私達がやるから、第二小隊は敵の動きを常に監視してくれ!」
ペパロニ「よくわかんねーけどわかったッス!」
アンチョビ「よーし!それじゃあ手筈通りにやってくれ!一所懸命やれよ!」
\オオーーー!!!/
エクレール「では作戦の再確認をいたしますわ。フォンデュ」
フォンデュ「相手は機動戦を得意とします。エクレール様の判断により、今回我々は機動力重視のサン・シール流を封印します」
フォンデュ「我々はサン・シール流に移行してまだ日が浅く、経験不足は否めません。相手の土俵で戦うのはかなり不利です」
フォンデュ「故にこの試合は防御主体の戦術で戦います。火力不足のアンツィオ相手には非常に有効です」
フォンデュ「エクレール様のソミュアをフラッグ車とし、各車輌並走して常にフラッグを守り続けてください。敵と遭遇次第、しらみ潰しに撃破していきましょう」
フォンデュ「マジノの鉄壁の防御力ならアンツィオの攻撃など寄せ付けません。手堅くいきましょう」
エクレール「さあっ、本番ですわよ皆さん。マジノ女学院は全国大会で勝つことだってできますの。それを証明いたしましょう!」
\Compris!/
エクレール(私が隊長になってまだ日が浅い・・・まだまだ実戦不足なのは否めませんわ。だけれど勝たなければ!絶対に!)
アンチョビ(とうとう全国大会・・・一年の頃からの努力の成果を見せてやるぞ!センパイ方から託された夢に挑むんだ!必ず勝つ!)
審判《これより、全国大会一回戦、アンツィオ高校対マジノ女学院の試合を開始します!》
エクレール「En avant!(アナ ヴァン ※前進せよ!)」
アンチョビ「Avanti!(アヴァンティ ※前進!)」
――ドドドドドドドドドドド!!!――
アンチョビ「みんなー、デコイの設置は出来たかー?」
アンツィオ一年C【完了ッスドゥーチェ!】
アンツィオ一年B【これであとは敵をおびき寄せるだけッスね!】
アンチョビ「よーし!ペパロニ!敵は見つかったか?」
ペパロニ【まだッス!ヤロー、ぜってー見つけてやっかんな!】メラメラ
アンチョビ「気合い十分だな。この勢いで大会史上最短記録で勝っちゃおう!」
ペパロニ【んなもんチョー余裕ッスよ!残った時間はコンビニでも寄って弁当買って昼飯だぁ!】
\オオー!/
ソミュアS35<ドドドドド・・・ ルノーB1<ドドドドド・・・ ルノーR35<ドドドドド・・・ ルノーFT-17<ドドドドド・・・
エクレール「敵はおそらく待ち伏せしているはず。警戒しつつ炙り出しますわよ」
ガレット【しかしフラッグは隠れている可能性が高い。長期戦を構えるべきですわ】
エクレール「ええ、フラッグ車が顔を出すのは終盤でしょうね」
フォンデュ【こちらハートブル。遠方に敵を発見いたしました】
エクレール「!・・・全車停止!」
<ギャギャギーッ
エクレール「何輌見えます?」
フォンデュ【ひーふーみー・・・五輌。CV33です】
エクレール「待ち伏せか・・・迂回しますわ」
ガレット【随分慎重なことで】
エクレール「火力の乏しいアンツィオですもの、何か企んでるに決まってますわ。全車前進!」
マジノ全車<ギャラギャラギャラギャラギャラ
アンチョビ「そろそろマジノがワナにかかってるかなー」
セモヴェンテ<ギャラギャラギャラ
エクレール「一体どんな策を見せてくれますかしら・・・おドゥーチェさん」
マジノ全車<ギャラギャラギャラ
\ バッ /
アンチョビ「あ」
エクレール「え」
セモヴェンテ<・・・
ソミュア<・・・ B1<・・・ R35<・・・ FT-17<・・・
アンチョビ「・・・」
エクレール「・・・」
アンチョビ「・・・・・・マジノが・・・いきなり目の前に・・・」
エクレール「・・・・・・アンツィオのフラッグが・・・突然目の前に・・・」
アンチョビ「わー!なんかヤバイがとりあえず撃てうてェー!」
セモヴェンテ(フラッグ)<ドワ! セモヴェンテ<ドワ!
FT-17<グワ! シュポ R35<ボガァ! シュポ
エクレール「し、しまった!驚きのあまり反応が・・・撃ち返しなさい!」
ソミュア<ドワ!
B1<ドワ!
アンチョビ「あぶにゃい!退避退避ー!」
\ゴワァ!/ セモヴェンテ<グワァン! シュポ
セモヴェンテ(フラッグ)<ギャギャギャ!ギャラギャラギャラ!
アンチョビ「ああっ!セモヴェンテが!大丈夫か!?」
セモヴェンテ車長【平気です!すみませんドゥーチェ!やられちゃいました!】
エクレール「逃がしませんわよ!追撃しますわ!」
セモヴェンテ(フラッグ)<ギャラギャラギャラ! CV33<ギャラギャラギャラ!
ソミュア<ギャラギャラギャラ! R35<ギャラギャラギャラ! B1<ギャラギャラギャラ! FT-17<ギャラギャラギャラ!
セモヴェンテ操縦手「ケツに着かれた!ケツに着かれた!」
アンチョビ「コラ!女の子がおけつなんて言うんじゃない!」
カルパッチョ「ドゥーチェ!マジノが全車輌で追いかけてきます!」
アンチョビ「うう~!いきなり本隊と出くわすなんて想定外だった!ペパロニ!ペパロニィ!応答しろ!緊急事態だー!」オーイ
ペパロニ「スパゲッティ~のうえ~に~♪こんもりチーズー♪デカイくしゃみ~で~♪ミートボール消えた~♪」クシュン
一年A「ペパロニ姐さん、通信入ってますよー」
ペパロニ「えっ、なになに?」スッ
アンチョビ【ペパロニィ!】
ペパロニ「はぁ、え、どうしてスか?」
アンチョビ【作戦はチャラだ!とにかく早くこっちに来い!このままじゃ――】
<ゴワァン!
アンチョビ【わひゃあ!だじげで~!】
ペパロニ「あっ!ヤベェ!なんかよくわからんがドゥーチェの危機だ!マッハで行くぞ!」
\オオオーーー!/
フォンデュ「急転直下な展開ですね」ドドド
エクレール【うう・・・胃が痛いわ・・・お薬飲まなきゃ】ング
ガレット【しかし結果的に我々が有利。フラッグを後ろから追っているんですから】ドドド
エクレール【油断してはいけませんわ。フラッグ単機で逃げていると見せかけてワナに誘い込んでるのかも・・・】ドドド
フォンデュ「深読みしすぎでは?」ドドド
エクレール【いえ・・・あちらの隊長さんはすごいお方ですわ。皆、警戒を怠らないように】ドドド
「「「Compris(了解)!」」」ドドドドド
フォンデュ「・・・」ドドド
アンチョビ「くう~!我々は逃げることしかできんのか~!」クヤシー!
カルパッチョ「固定砲塔じゃ追いかけっこは不利ですね」ドドド
CV33<ギャワアッ!ギャルギャルギャル!
セモヴェンテ<ドドドドド!
ペパロニ「およびとあらばペパロニ参上ー!お待たせしましたアンチョビ姐さァん!」ギャギャギャー!
アンツィオ一年A「お助けにきましたよドゥーチェ~!」ドドド
アンチョビ「おおっ!駆け付けてくれたか!」ドドド
ガレット「後方からCV33が四輌とセモヴェンテ一輌!」ドドド
エクレール「前方はフラッグのセモヴェンテとCV33三輌・・・!」ドドド
フォンデュ【!・・・これは・・・挟みうちの形・・・!】ドドド
エクレール【これが狙いでしたのね・・・っ!】キリキリ
{《アンツィオ第二小隊》→ 《マジノ》→ 《アンツィオ第一小隊(フラッグ)》→}
カルパッチョ「追いかけられながら追いかけてる形になっちゃいましたね」ドドド
アンチョビ「第二小隊!後ろから敵を撃破するんだ!」ドドド
アンツィオ一年達「「「Si(了解)!」」」ドドドドド
CV33<ドパタタタタタ!
ガレット「くぅっ!豆戦車めっ!・・・これではフラッグの狙いが定まりませんわ!」ドドド
セモヴェンテ<ドワ!
R35<ゴガァン! シュポ
ガレット【CVで牽制してセモヴェンテが狙い撃ち・・・!】ドドド
フォンデュ【エクレール様!このままでは!】ドドド
エクレール(なんてことですの・・・最初から手の平の上で踊らされていたのですわ・・・私は隊長としてあまりにも未熟っ・・・)
エクレール(まさかフラッグを餌にし、走行しながらの挟撃なんて・・・そしてそれにまんまと釣られてしまうなんて・・・私は隊長失格ですわ・・・)
ガレット【隊長!指示を!】ドドドドド
エクレール「・・・・・・思えば・・・試合が始まる前から私は負けていたのかもしれませんわ。ドゥーチェさんの器の大きさに・・・」ドドド
フォンデュ【!?・・・エクレール様・・・?】ドドド
エクレール「人としての大きさというのか・・・隊長としての格とでも言うのでしょうか・・・戦うまでもなく、私はあの方に負けていたのですわ・・・」ドドド
ガレット【何を言っているんですの?・・・こんな時に】ドドド
エクレール「ごめんなさい皆さん・・・ふがいない隊長で・・・私が優秀な指揮官ならこんなことには・・・」
マジノ生徒「「「・・・」」」ドドドドド
ガレット【エクレール・・・】ドドド
フォンデュ「・・・何が『今度は必ず勝つ』ですか・・・何が『持てる力を全て出す』ですか・・・」ドドド
エクレール【!・・・】ドドド
フォンデュ「隊長のあなたがそんなことでは勝てるものも勝てませんよ!半端な気持ちの人間に誰がついていくんですか!」ドドド
エクレール【フォンデュ・・・】ドドド
フォンデュ「マジノは強くなるなんて言っておきながらエクレール様は自分自身に負けているじゃないですか!」ドドド
エクレール【・・・】ドドド
フォンデュ「マドレーヌ様から隊長の座を譲って頂いたのに・・・そんな情けないことを言うようでしたら・・・」ドドド
フォンデュ「夢見させるようなことを言わないでください!」
エクレール「!」
エクレール「・・・・・・ようやく目が覚めましたわ・・・」
フォンデュ【・・・】
エクレール「皆さん、もう一度だけ謝らせてくださいませ。ごめんなさい・・・私が間違っていましたわ」
エクレール「私は・・・何より心が未熟でしたわ。勝ちたい気持ちが無い者が成長などできる訳がありませんのに・・・」
エクレール「ドゥーチェさんの器にあてられて、戦車道を楽しむ心すら忘れてしまっていましたわ・・・」
エクレール「もう弱気にはなりません。皆さんと一緒に勝ちたい・・・強くなりたい・・・戦車道を楽しみたいですわ!着いてきてくださいまし!アンツィオのみなさんにマジノの戦車道をお見せして差し上げましょう!」
フォンデュ【エクレール様・・・!】
ガレット【まったく、世話の焼ける隊長ですこと】フフ・・・