ルフィとウタが出会って数日が経った。二人は回帰前と同じように勝負をしたりして遊んでいた。ある日、港にあるレッド・フォース号の傍で遊んでいた時、ウタがある一つの提案をする。
「そうだ!ルフィ!」
「なんだ?」
「レッド・フォース号の中を案内してあげる!」
「え!いいのか!?」
ルフィは回帰前でもほんの少ししか見れなかったシャンクスの船内を見れると聞いて興味津々な様子ではしゃぐ。回帰前を含めて長く生きているとはいえ、ルフィはルフィだった。
「うん!ちょっと待っててね、シャンクスに許可もらってくる」
「おう!楽しみだな~」
シャンクスに許可をもらいに走り出すウタの後ろ姿を見送るルフィ。ふと回帰前の子供の時、最後に会ったウタのことを思い出してしまう。
また会える。そう思っていたのに、帰ってきた船にはウタは乗っていなかった。その後再開した時にはもうルフィは何もできず終わってしまった。もう少し早くウタと再会できていれば…。航海に出て、早くウタを探しに行っていれば…。そんなことがぐるぐると頭の中を回る。
「あの時、おれに力があったら…。もうシャンクスはゴムゴムの実を持っているのかな?どうにかして貰えるといいんだけど…。せめてウタが…シャンクスたちがエレジアに行く前に…」
そう思案していると、ウタがシャンクスを連れて帰ってくる。
「お!シャンクスも来たのか!船!見てもいいか?」
「ああ。いいとも。ただし、船内には危ないものもたくさんある。俺がついていくのが条件だ」
「ぜんぜんいいぞ!シャンクスの船だもんな!」
それを聞くウタは口を尖らせ、少しいじけた様子でいる。
「むー。私が案内するはずだったのに…」
それを見てシャンクスは笑いながら答える。
「はっはっは!案内自体はもちろんウタの役目さ。俺はただのお目付け役みたいなもんだよ」
「そう?ならよかった。じゃあ行くよ!ルフィ!」
「おう!船ん中どんな感じなんだろうな~」
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その後、船内の船室や食堂、武器庫などを見て回っていた三人は、宝物などを保管してある部屋も見せてもらえることになった。
「ルフィ。今回は特別だぞ。今後は航海に連れて行ってほしいとか言わないこと」
「やだ!」
シャンクスの言葉に間髪入れず否定するルフィ。シャンクスはため息をつきながら、仕方ないか。と考え、宝物庫の扉を開ける。
扉の先にはいくつもの宝箱とその中にある金銀財宝。ウタは一度見たものであるが、それでも息をのんでしまうほどの宝の山だ。ルフィとウタが見とれている様子を見てシャンクスは自慢をするように語り始める。
「すごいだろう。これだけの宝を集めるのは大変だったんだぞ。この宝を持つ敵をバッタバッタと切り倒し…。……―――。」
それを見たウタは辟易するように言葉を発する。
「うへぇ。始まった、シャンクスの自慢話。こうなると長いんだよね。ルフィ!宝物見てみよ!」
「おう!へぇー、いろいろあるなぁ」
見て回る二人だが、ふとルフィが部屋の端っこにある小さな宝箱を見つける。なんだか既視感のあるその箱に手を伸ばし開けてみる。その中には紫色で表面に渦のような模様がある不思議な果実が入っていた。よく覚えているわけではないが、ルフィはこの実が回帰前、マキノの酒場でデザートに食べた
「これは…」
「おーっと。それはダメだぞルフィ。俺の大切なものなんだ」
手に取って見ていると、後ろから覗き込むようにしてシャンクスがルフィの持っていた悪魔の実を奪い取る。
「あっ、シャンクスぅ…」
「そんな声出してもダメなものはダメだ」
そんなことを話してるとウタが近づいて来て話に入ってくる。
「ねぇ、ルフィ。シャンクス。見て見て!…ってその実ってシャンクスがちょっと前に大事そうに抱えてたやつじゃない。何なのそれ?」
「ああ。そう言えばウタは悪魔の実の現物を見るのは初めてだったな」
「悪魔の実…って私が物心つく前に食べたっていうウタウタの実みたいなの?そんな不気味な見た目してるんだ」
そう。その悪魔の実だ。とシャンクスは前置きして、悪魔の実の説明を改めてしてくれた。
曰く、食べると海に嫌われ、カナヅチになること。
曰く、実ごとにその見た目が違う事。
曰く、この実は
その話を聞いて、ウタはふーんといった感じでゴムゴムの実を見る。
「へー悪魔の実って色々あるのね…」
ルフィは悪魔の実について話を聞いてからゴムゴムの実をじっと見つめたまま動かない。それを不思議に思ったウタは声をかける。
「ルフィ…?どうしたの」
そう問いかけるウタの声が耳に入っていない様にゴムゴムの実からシャンクスへと視線を移し頼む。
「シャンクス…頼みがある」
「どうした?ルフィ」
「この実、おれに食べさせてくれないか?頼む」
「…ダメ」
「…何したらもらってもいい?」
「何してもダメだ」
その応酬はしばらく続き、ウタはあきれた様子で「よくやるわね」と言いながら眺めている。
しばらくたった後、ルフィがこう言いだす。
「埒が明かない!勝負だ!シャンクス!勝ったらゴムゴムの実をくれ!」
「ほぉ。勝負かなんで勝負するんだ?」
「それはもちろん実力勝負だ!」
それを聞いたシャンクスはあきれた様子で言葉を返す。
「ルフィがおれに敵うわけないだろう」
「やってみないと分からないだろう!」
そう意固地なルフィにこりゃ、何度言っても変わらないな。と思って仕方なく了承する。
「わかった、わかった。受けてやる。ただし流石にルフィに勝ち目がないのはかわいそうだし、ルフィが俺に一撃でも与えられたら勝ちってことでいいぞ」
「ふーん。言ったなシャンクス。もう取り消しは聞かないぞ!」
そう言うルフィにシャンクスは笑いながら、「わかった、わかった」と繰り返す。
「おれが勝ったらゴムゴムの実ももらうからな!」
「ああ。わかってる。男に二言はないぞ。さて、ここじゃ狭い。外に出るか」
そう言ってシャンクスはルフィとウタを連れて、迷惑にならないよう村の郊外の森に向かった。
…後ろから「面白そうだ」と集まってきた赤髪海賊団のみんなを引き連れて。
次回 VSシャンクス