では、どうぞ。
Side アリア
初日の授業を終え、学園長先生から住居についての説明を受けた後、木乃香さんに伴われて教室に戻りました。
その間に誰かが魔法を使った反応を感知しましたが、あれは兄様の魔力反応・・・?
かなり不安ですが、ここからではどうすることもできません。
「アリア先生連れてきたえ~」
「「「「ようこそ! 2-Aへ!!!」」」」(パンパカパ~ン!)
教室についた途端、クラッカーの音が鳴り響きました。
これは・・・?
『ネギ先生とアリア先生の歓迎会ですよ~』
「歓迎会・・・それは、また」
そんなことを言いながら、幽霊のさよさんがふよふよと近づいてきました。
歓迎会・・・あ、ネギ兄様も、教室の中ほどで生徒のみなさんといますね。
何やら明日菜さんと話し込んでいる様子。
「・・・ありがとうございます」
「いいっていいって! で、ね? ネギ君の妹さんであるアリア先生にも、ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・いいかな?」
朝倉さんが、テープレコーダー片手に話しかけてきました。
この年齢で大したジャーナリズム魂ですね。
「私などよりも、兄様の方が記事になるのでは?」
「ネギ君にはもう聞いたよ」
仕事が早いですね。
「ええっと、まず・・・ネギ君よりもずっと落ち着いて見えるけど、本当に妹?」
「生まれる順番としては、妹ですよ」
初日でこんなことを言われるネギ兄様は大丈夫でしょうか・・・?
・・・・・・・・・まさか。
「・・・私、見た目より・・・年上に、見えますか・・・?」
「え!? いや! そんなことはないよ!?」
朝倉さんが慌ててそう言いましたが、まさか、ふ、老け・・・。
「大丈夫ですよ、先生。年相応に見えますよ」
「そうとも、先生は10歳だよ・・・ちゃんと、10歳に見えるよ」
そう言って肩を叩いてくれたのは2-Aの生徒の・・・龍宮真名さんと那波千鶴さんです。
なぜでしょう、とても親近感というか、共感するものが・・・。
「・・・ちゃんと、年相応な所も、あるんです」
「ええ、少し人より落ち着いて見えるだけです」
「ああ、ちゃんと・・・ちゃんと年齢相応なんだ、中学生なんだ・・・」
朝倉さんには申し訳ないですが、しばし真名さんと千鶴さん(そう呼んでいいとのこと)と親睦を深めます。
・・・ふとネギ兄様の方を見ると、タカミチさんの額に手を置いていました。
・・・・・・あの術式構成は、読心術ですね。
明日菜さんが一緒にいるところを見ると、そういう関係ですかね。
・・・でも明日菜さんは魔法を知らないはずで・・・いや、それ以前の問題として。
これ、私どうすればいいんでしょう。
普段なら慌てる所なんですが、監督すべき立場であるタカミチさんがなぜかニコニコ笑ってるんですけど。
どうすればいいんですかこれ。
判断に困ってそのまま見ていますと、明日菜さんがショックを受けたらしく教室を飛び出して行きました。
兄様と何人かのクラスメイトがそれを追いかけていきます。
・・・・・・なんですかあれ。
「アリア先生、勝負アル!」
「・・・・・・・・・・・・はい?」
私が脳内で今後の対応を協議していると、横から突然声をかけられました。
しかも勝負を挑まれました。
振り向いてみれば、褐色の肌の元気そうな女の子と、長身で細目の女の子。
えーと・・・。
「・・・クーフェイさんと、長瀬さん?」
「勝負アル!」
二回言われました。
そんなに大事なことだったのでしょうか。
そして初日で顔と名前を一致させるという偉業を軽く無視されました。
激しくショックです。
「・・・さきほどの動き、アリア先生はタダモノではないと感じたでござる」
「だから勝負アル!」
だからの意味がわかりません。
そしていまさらながらに後悔します。兄様見捨てれば良かったです。
・・・やめてくださいクーフェイさん。
そんなキラキラした目で私を見て、いったいどうしたいんですか。
大体私年下ですよ、しかも女の子ですよ、ついでに教師です。
殴っても殴られても大問題じゃないですか。
「(キラキラ)」
「・・・」
「(キラキラ)」
「・・・・・・」
「(キラキラ)」
「・・・・・・・・・」
「(キラキラ)」
「・・・・・・・・・・・・き、今日は仕事が残ってますので・・・・・・・・・」
私は逃げました!
「じゃあ今度の休日に勝負アル!(キラキラ~)」
しかし回り込まれました!
「・・・・・・・・・・・・・・・で、ではそれで・・・・・・・・・・・・・・・」
「絶対でござるよ?」
なぜかドサクサで長瀬さんも約束の内に入ってしまいました。
ど、どうしましょう・・・。
『諦めるしかないんじゃないでしょうか~』
さよさんにふわふわとひどいことを言われました。
「・・・ずいぶん、遅くなってしまいました」
歓迎会も終わり、初日の報告書をまとめていると随分な時間になってしまいました。
え? ネギ兄様ですか? 歓迎会終了と同時に帰りましたが何か?
「・・・うん・・・と。まだスーパーとかあいてますかね・・・?」
コンビニ弁当とかは、哀しくなるんでいやですね。
そんなことを思いながら、夜勤の先生にお店の場所を聞いて晩御飯の買い出しに行きます。
急がないと。
まぁ、今日は簡単なものでも・・・。
「おお、すっかり夜ですね~・・・」
空を見上げてみれば、満天の星空。
場所が違えば見える星も違うんですね~とか思いつつ、そんなことを呟いています。
そんなことを呟いた、次の瞬間。
やたらと物凄い衝撃が、私を襲いました。
Side ???
ドゴンッ!!
大きな鈍い音を立てて、私の召喚した大鬼が、ターゲットの少女を殴り飛ばした。
いや、殴り飛ばしたという表現は正しくはないな・・・叩き潰したと言った方が良いだろう。
「年端もいかぬ子供が相手、というのはあまり気が進まなかったがな・・・」
栓もないことを呟いていると、契約を果たしたのだろう、大鬼が消えた。
あれは強いが、こちらのコントロールが効かないのが難点だな。
その代わり、一つの事はきっちりやってくれるのだがな。
・・・後味は良くないが、しがない雇われの身だ、こういう仕事もあるだろう。
「・・・さて、他の者たちに気付かれる前に、消えるとするか・・・」
「どこへ?」
Side アリア
・・・やっちまいましたね。
不意打ちを喰らったのは久しぶりだったもので、思わず過剰防衛してしまいましたよ。
いきなりだったもので、怒ってもいましたし。
「・・・一応、生きてはいるみたいですけど・・・」
私が何をしたかというと、『殲滅眼(イーノ・ドゥーエ)』で私を殴った鬼を喰って身体強化及び自動回復、ならびに『複写眼(アルファ・スティグマ)』を使用し、魔法か何かで隠れているいかにも妖しい人物を補足、思いっきり殴り飛ばしてしまいました。
「かなり嫌な音がしたんですけど・・・まぁいいですかね。他人ですし」
話を聞けないのは困りますが、どうせ大した情報も持ってない下っ端でしょう。
残りの魔力を根こそぎ奪って、縛って放置しときましょう。
そのうち誰かが見つけてくれるでしょう。
それより・・・。
「・・・どうも、にわかに活気づいてきたようですね」
遠くから感じる音と、声。
そして戦いの雰囲気。
「今度から、夜は出歩かないようにしましょう・・・出来る限り」
その中には、軽く知っている反応もあります。
まぁ放っておいてもいいんでしょうけど。
そこまで人でなしなつもりもありません。
何より私が静かに食事することができません。これは大問題です。
・・・・・・私も存外いい人ですよね。シンシア姉様。
それでは。
アリアは、行ってまいります。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
登場させたいキャラクターが多くて、なんとなく混乱気味です。
次回はあるキャラクターとちょっぴりお近づきになる予定です。