魔法先生ネギま~とある妹の転生物語~   作:竜華零

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第64話「麻帆良祭二日目・稽古」

Side 夕映

 

私は、最低だ。

目の前で眠るのどかを見ながら、私はそう思ったです。

昨日からあまり寝ていなかったからか、のどかは、しばらく目を覚ましそうに無いです。

 

 

ネギ先生のことが、心配だと言って・・・。

 

 

「・・・う・・・」

 

 

もう一つのベッドには、もうネギ先生はいないです。

それどころか、ここには私とのどか以外、いないです。

ハルナは、途中まではいたですが・・・のどかのことを図書館探検部に伝えに行ってくれているです。

他には、誰もいないです。

明日菜さんも、くーふぇさんも。

・・・超さんも。

 

 

超さんは、ネギ先生を連れて行きました。

ネギ先生のお師匠様の試合だとか、言って。

いつものように妙な道具を使って、ネギ先生を起こして・・・。

 

 

「・・・く・・・」

 

 

のどかも起こそうかと、そう言う話も出ました。

当然のことです。

でも、私が止めた。

 

 

どうしてか?

 

 

「・・・ひっ・・・」

 

 

離れたかったからです。

いえ・・・違うです、離したかった、のどかを。

守りたかった。

超さんから・・・・・・ネギ先生から。

 

 

のどかが、ネギ先生のことを好きなのを知っているのに。

なのに私は、のどかが眠っているのを良いことに、明日菜さん達を放って。

全部押し付けて、逃げた。

 

 

「・・・うぇ・・・」

 

 

魔法を知りたいと言う気持ちは、変わらない。

でも、ネギ先生に教わるのはダメだと、頭の中の冷静な部分が告げるです。

あの人と共に行くな・・・行かせるなと、囁くです。

 

 

のどかが、ネギ先生を好きなのに。

のどかの気持ちも聞かず、勝手に。

 

 

「・・・よぅ・・・」

 

 

のどかを起こさないよう、声を殺して。

 

 

「・・・のどかに、嫌われたら、どうしよぅ・・・」

 

 

どうか、まだ起きないでほしい。

そう願いながら、私は眠るのどかを見ているです。

 

 

震えながら、私はただ、時が過ぎるのを待っているです。

 

 

 

 

 

Side アーニャ

 

「・・・だいたい、そんな所です」

「そう・・・」

 

 

今までのことを掻い摘んで話すと、ドネットさんは疲れたように息を吐いた。

そのまま、部屋のソファに身体を鎮めて、こめかみを指で押さえる。

 

 

話したことは、麻帆良のこととか。

あとは、ネギとアリアのことか。

白い髪の男の子のことは・・・話してないけど。

 

 

「アーニャさん?」

「な、なんでも無いわ、エミリー」

 

 

肩のエミリーに、曖昧な笑みを返す。

 

 

「そこまで、悪化していたのね・・・」

 

 

軽く頭を振って、ドネットさんは側の書類を手に取った。

それは、ネギとアリアの麻帆良での行動の総合報告書だった。

例によって、明石教授って人から貰ったらしいんだけど。

 

 

「・・・これだと、アリアまで卒業取り消しにするのは・・・」

 

 

どうも、ドネットさんや校長のおじーちゃんは、別の方法でアリアを元老院から隠そうとしたみたい。

前は、元老院から隠すために魔法学校に入れた。

でも今は逆に、アリアが優秀すぎるから・・・学歴を無くして、元老院の興味を無くそうとしたみたい。

その上で、アリアドネーに民間就職みたいな形で送り込むつもりだったみたい。

 

 

・・・前から思っていたけど、アリアって可哀想な子。

普通に、本人の生きたいように生きれない。

とても、優しい子なのに・・・。

 

 

「あの、それで・・・アルベールのことは」

「・・・ああ、あの軽犯罪者の」

「軽犯罪者じゃありませんっ!」

 

 

エミリーが大声を出した。

耳元で叫ばれたから、キーンってなっちゃった。

でもお兄さんのことって、この子にとってタブーって言うか、何と言うか。

 

 

「下着二千枚盗むのに、妹の名前を使うような奴ですよ!?」

「お、落ち着いて・・・」

「落ち着いていられますかぁ――――っ!」

 

 

ま、まぁ、そうなるわよね。

そうやって騒いでいる時、扉がノックされた。

ドネットさんは私達に静かにするように手を振ると、素早く扉へ。

エミリーも、私の服の下に潜り込んで丸くなった。

 

 

「・・・どちら様でしょうか?」

「クルト・ゲーデル元老院議員の使いの者です」

 

 

その返答に、ドネットさんは緊張した表情で私を見た。

私も、頷きを返す。

 

 

元老院の人が、何の用かしら。

 

 

 

 

 

Side 晴明

 

久方ぶりに現に出されたと思えば、目の前にいたのは小娘ばかり。

あの時は、驚いた物じゃの。

藤原の姫がおった時は、さらに驚いた物じゃが。

 

 

「魔法、のぅ・・・」

 

 

カチリ、と動く自分の身体。

よもや、西洋の人形を拠代にされるとは思わなんだ。

『ろーざみすてぃか』とか言う石に、意識を固定化しておるようじゃが。

世にはまだ、我の知らぬ物も多いと言うことじゃろうの。

 

 

まぁ、暇を持て余しておった所じゃし、藤原の姫に術を教えるのも一興と思うたからの。

・・・我としても、新たな術法を学ぶにこれ程の場所は無い。

せいぜい、楽しませてもらうとするかの。

 

 

「にしても、西洋の鬼は何をするつもりなのかの」

「チョイトイジメルツモリナンダロ」

「童女趣味かの。我の時代にもいたのぅ・・・」

「チガウトオモウ・・・イヤ、アッテルノカ・・・?」

 

 

チャチャゼロと申すこの人形は、我の身体の不便さを理解してくれる数少ない友じゃ。

やれ手が短いじゃの、やれ人前だと動けんだの。

今度、西洋の鬼に「人形にも人権を」と訴えてみようかと思っておる。

 

 

この時代は、「人権」を訴えれば大概通ると聞いた。

「人権」が何かは、我は良く知らぬが。

 

 

「ま・・・久方ぶりの現世じゃ、堪能させてもらうさ」

「ソウカヨ」

「うむ・・・で、あの西洋の鬼。あの白髪の娘に勝てるのかの。奇妙な道具を良く使うが」

「モンダイネーヨ」

 

 

チャチャゼロは、妙にはっきりとした口調で申した。

 

 

「ゴシュジンノケイケンハ、ダテジャネーッテワカルゼ」

 

 

 

 

 

Side アリア

 

『さぁ遂に・・・伝説の麻帆良武道会、決勝戦です! 学園最強の称号を手に入れるのは・・・どちらの美少女だ!? と言うか、なんでこの2人!?』

 

 

私が聞きたいですよ、なんで私とエヴァさんでやるんですか。

でも、エヴァさんも妙にやる気ですし・・・。

どうしてでしょうか?

 

 

「まぁ・・・何、一つ稽古をつけてやろうかと思ってな」

「稽古、ですか・・・」

 

 

稽古と言われて思い出すのは、別荘での基礎修行。

一瞬、遠くを見ようとしてしまいましたが・・・。

・・・大丈夫、大規模魔法でなければ大丈夫。

 

 

『では、決勝戦・・・』

「構えろ、アリア」

「いえ、まだ心の準備が」

「いいから、構えろ」

 

 

ですから、心の準備がまだできていません。

苦手意識って言うのは、克服が難しいんですよ?

 

 

『Fight!!』

 

 

しかし、そうは言っても。

開始と同時に、『闘(ファイト)』『気(オーラ)』『力(パワー)』『速(スピード)』を使用。

あとは、『幻想空間(ファンタズマゴリア)』に注意でしょうか。

引き込まれて広域殲滅魔法使われた日には、楽に死ねます。

 

 

「さぁ、来るが良い・・・などと言いつつ、私の方から行ったりして、な!」

 

 

ボッ・・・と、いつの間にか跳んでいたエヴァさんの蹴りが、左に。

 

 

「・・・っ」

 

 

即座に反応。

左腕を掲げ、ガードします。

次の瞬間、ぎしっ・・・と、骨を軋ませる程の重い一撃が。

 

 

・・・支え、切れない!

 

 

魔力強化ではないからか、『殲滅眼(イーノ・ドゥーエ)』で威力を殺せません。

身体が浮き、吹き飛ばされます。

しかし、逆にそれを利用して、エヴァさんから離れて距離を取ります。

体勢を整えて・・・。

 

 

「・・・っ!」

 

 

地面に足をつけた瞬間、足首に何かが巻き付きました。

魔力で編まれた、糸。

カクンッ・・・と、バランスが崩されそうになります、が。

 

 

「『全てを喰らい』・・・」

 

 

糸を消滅させ、今度こそエヴァさんを視界に捉え・・・。

すでに、目の前に。

速い!

・・・魔法具!

 

 

「『ヴォイドスナ・・・」

「遅いな」

 

 

右手に黒い手袋が装着される前に、攻撃が。

対処のために、魔法具の創造を一旦、中断。

エヴァさんの攻撃は、『魔法の射手(サギタ・マギカ)』を乗せた右ストレート。

でも、これなら魔眼で・・・。

 

 

防御しようとした瞬間、両腕が糸で縛られました。

え、ちょ・・・!

 

 

瞬間、エヴァさんの拳がお腹に突き刺さりました。

魔法の矢は、自動的に吸収できますが。

吸血鬼の筋力による一撃は、カードの身体強化付きでも、重い・・・!

 

 

「あ、か・・・!」

「魔眼に頼り過ぎだ、バカ者」

 

 

その場に膝をついて、エヴァさんを仰ぎ見ます。

でも、なぜ?

魔力で編んだ糸なら、魔眼で・・・って。

 

 

「・・・普通の、糸?」

「ああ、人形遣い用のごく普通の糸だ」

 

 

両腕に残ったそれは、確かに普通の糸です。

・・・そうか、このために、最初はあえて魔力で糸を作ったのですね。

・・・!

 

 

ガギィ・・・ン!

 

 

「く・・・!」

「ほう、今度は間に合ったか」

 

 

エヴァさんの鉄扇を、とっさに創った『神通扇』で受け止めます。

扇の面を構成する板の一枚一枚に霊的文字による呪文が記されている、本来なら攻防一体の武具なのですが・・・。

攻撃に回す余裕が、無い!

 

 

「ふむ・・・アリア」

 

 

ギリギリと鉄扇を押し込んできながら、エヴァさんが囁いてきました。

とても、良い笑顔で。

 

 

「今日は、お前の弱点でも教えてやるとしよう」

 

 

 

 

 

Side エヴァ

 

「私の・・・弱点?」

「ああ、たとえば・・・」

 

 

くんっ・・・と、魔力で編んだ糸で、アリアの扇を引き上げる。

当然、アリアは抵抗するが・・・・。

力の入れ具合が変化した一瞬の隙を突いて、扇を蹴り上げた。

扇は場外に飛び、水の中に落ちた。

 

 

次いで、連撃。

アリアに考えるゆとりを与えない。

 

 

「お前の魔法具は、本当に見事な物だが・・・戦闘で使うには、いくつか難点があるな」

「な、難点?」

「まず一つ、お前の想像力・・・創造力に依存すること」

 

 

複雑な効果、あるいは大型になるほどに、思考力が重要になる。

だからこうして思考する間を削いでやれば、かなりの確率、新たな魔法具の創造を止められる。

仮に創造できたとしても、次の行動に出るまでにおよそ3秒かかる。

 

 

3秒。

それは、吸血鬼の真祖である私にとっては、永遠と同じ意味を持つ。

 

 

「さらにその『闘(ファイト)』・・・あらゆる流派の格闘を瞬時にマスターする効果は素晴らしい」

 

 

最初に聞いた時は、どんなバグかと思ったが。

他の身体強化のアイテムも、素晴らしい効果を秘めている。

だが・・・。

 

 

「あまりにも完璧すぎて、私のようなレベルの相手には、即座に弱点を見抜かれる」

「・・・!」

「まず、動きが機械的で教科書的すぎる。次いで・・・どんな流派にも、必ず弱点が存在する」

 

 

私が操る合気柔術にしても、合気柔術と呼ばれるために必要な要素がいくつかある。

当然、弱点も存在する。

弱点の無い流派など存在しない。

『闘(ファイト)』がいかに素早く流派入れ替えを行おうとも・・・弱点は消せない。

 

 

・・・たまに漫画か何かの拳法を真似しているようだが、同じことだ。

 

 

「くっ!」

 

 

普通の糸、と言ってもピアノ線よりも固い糸だが、それでアリアの両腕を縛る。

一度上に振り・・・下に。

アリアはそれに反応し、糸で縛られたまま地面に手を置き、逆立ちの体勢。

 

 

「『南斗白鷺拳・烈脚空舞』!」

「ほう、脚技か」

 

 

とん・・・と、距離をとって避ける。

かすかに掠ったのか、衣服の胸元が少し切られた。

アリアは私が離れたのを見ると、糸の縛りを脱し、体勢を整えた。

その足に、黒いブーツが装着される。確か、『黒い靴(ダークブーツ)』とか言ったか。

 

 

そして真っ直ぐ、こちらに突撃してくる。瞬動!

しかし、瞬動は直線的にしか動けない・・・。

 

 

「ぬ」

 

 

ところが、アリアは私の目前で踏み止まった。

床板を砕く勢いで止まり、右へ、さらに後方、左へ・・・。

アリアの機動力が、格段に上がっている。

どうやら、あの靴は高機動戦を得意とするらしい。

 

 

だが・・・。

 

 

「『雷光電撃(ライトニングボルト)』!!」

 

 

私には、通じない。

左後方から放たれたそれを、私は後ろ手に受け止める。

バチィッ・・・と、電撃の気配がするが、掌とアリアの拳の間に高密度の凍気の壁を築き、相殺する。

アリアよりも素早い反応速度で、的確に。

 

 

見えるんだよ、アリア。

お前の動きが。

 

 

「な・・・」

 

 

アリアの声。

そこを目がけて、『魔法の射手(サギタ・マギカ)』を乗せた拳を放ち・・・。

 

 

アリアの身体を、舞台の床に叩きつけた。

 

 

・・・アリア。

アリア、お前は、今のままでは。

・・・最高位に届かない。

 

 

 

 

 

Side 茶々丸

 

『は、速い速い速いはやーいっ! 超ハイスピードバトルに会場熱狂―――――っ!』

「えげつな・・・」

 

 

千草さんが、露骨に顔をしかめながらそう呟きました。

えげつない、と言うその言葉の真意はわかりませんが。

マスターが終始、アリア先生を圧倒しています。

 

 

「なーなー、千草はん。うちも混ざってきてもええ? なぁ、ええやろ~?」

「やめとき・・・死ぬ死ぬ、あんなもん」

「死んでもええから~」

「あかん」

 

 

月詠さんは、何やらソワソワ、ウズウズとしているようですが。

・・・マスターはもちろん、適度に手加減しています。

本気で撃ち込めば、それこそ最初の一撃で落とせると豪語しておりました。

 

 

「ふむ・・・どうやらマクダウェル選手は、アリア選手の弱点を突いているようですね」

「と言うと、どういうことでしょうか、クルト議員?」

「アリア選手は、実に多彩な攻防を行う選手です。一つ一つが相手の意表を突く・・・言ってしまえば、奇襲型の戦いを好んでいるようです・・・が、マクダウェル選手は、それを純粋な力で、かつ理詰めで潰して行っています」

 

 

確かに、マスターはアリア先生が魔法具を出すタイミングで攻撃を強化し、先生の行動を制限しています。

しかし、なぜマスターはアリア先生が魔法具を出すタイミングを掴めるのでしょうか。

 

 

「それはずばり、攻撃の兆候を読んでいる、と言うことでしょうね」

「心を読んだ回答、ありがとうございます」

 

 

と言うか、なぜまた解説者席に戻ってきているのでしょうか。

 

 

「いかなる行動にも、予兆はあります。マクダウェル選手にはそれが見えている。しかし、アリア選手にはそれが見えていない・・・純粋な戦闘経験の差が、2人を分けたとも言えるでしょう」

「見た目、同い年やけどな」

「なるほど、ではアリア選手が盛り返すには、どのような方法があるでしょうか?」

「うちの言うこと、そない間違ってへんと思うんやけどなぁ・・・」

 

 

千草さんの独白はともかく。

クルト議員は、眼鏡を押し上げながら、目を細めて。

 

 

「経験で勝てない以上・・・」

「勝てない以上?」

「何か別の物で、それを埋めるしかないでしょうね」

 

 

何か別の物。

マスターの600年の経験に代替できる何かとは、何でしょうか?

 

 

 

 

 

Side アリア

 

・・・性能(スペック)で上回るしかない!

 

 

でも真祖の吸血鬼であるエヴァさんに対し、肉体的性能で上回ることは不可能。

魔力総量も、良くて互角。もしかしたら負けている可能性だってあります。

速度(スピード)も火力(パワー)も、カードでブーストしてようやく追い付いているレベルです。

かと言って・・・。

 

 

「お前が『幻想空間(ファンタズマゴリア)』とこの舞台、どちらを選んでも私は良かった」

 

 

悠然とした口調。

しかし攻撃の手は緩めずに、エヴァさんは言います。

拳と鉄扇の連撃、私は防御するしかない。

 

 

「こちらの舞台では確かに、私の広域殲滅魔法は封じられる。だがそれはお前も同じだ・・・刀剣類の魔法具を使用した大規模制圧攻撃を繰り出せないのだから。観客もいるしな」

「もし仮に・・・『幻想空間《ファンタズマゴリア》』を選んでも・・・」

「同じことだな。私は魔法具の出がかりを潰し・・・接近戦に持ち込、む」

 

 

ぐるんっ・・・と、掴まれた腕。

そこから、身体を返される・・・合気柔術!

く・・・魔法具。

 

 

「あ・・・」

 

 

魔法具を出そうと拳を開いた瞬間、その手をエヴァさんに握られました。

パキッと言う音を立てて、固まりかけた魔力がひび割れます。

 

 

「なんで・・・!」

「見えるんだよ、私には。魔法具が固定化する、コンマ数秒の隙が」

「・・・『ラッツェルの糸』!」

 

 

切れない糸を無限に紡ぎ出す針を創造、口に咥えて使用します。

そこから糸を出し、エヴァさんを拘束・・・。

 

 

ひゅがっ!

 

 

しかしその糸はエヴァさんの編んだ魔力の糸で絡め取られ、防がれます。

 

 

「お前の身体に触れていない限り、魔力で構成されていても左眼の効果は及ばない・・・」

「・・・!」

「そして右眼は、私が魔法を使用しない限り何もできない」

 

 

ぎり・・・と握られた手に力が込められ、引き寄せられます。

もう少しで触れてしまいそうな距離に、エヴァさんの顔が。

 

 

「さて、魔法具と魔眼が通じない相手を前にした時、お前はどうする?」

「どうするって・・・」

 

 

コンマ数秒の溜めを潰せる相手を前に、どうしろと言うのでしょうか。

改めて、エヴァさんの出鱈目ぶりを目にしましたよ。

でも、まだ・・・!

 

 

「アデアット!」

 

 

エヴァさんから離れ、『千の魔法』を手に持ち、ページを・・・。

その瞬間、エヴァさんが『千の魔法』を蹴り飛ばしました。

私の手から離れ・・・宙を舞う『千の魔法』。

 

 

「そのアーティファクトは、確かに脅威だが・・・」

 

 

空中に滞空しながら、エヴァさんが笑みを浮かべます。

 

 

「手に持っていなければ、意味を為さないのが難点だ」

 

 

着地し、私の首を掴むと、そのまま。

床に、叩き付けられました。

軽く呻いて、身を起こそうとしましたが・・・。

 

 

エヴァさんは首を掴んだまま、私の上に乗ってきました。

いわゆる・・・マウントポジション?

 

 

「・・・それが、お前の弱点・・・と言うより、限界だよ、アリア」

「げ、限界?」

「こと戦闘に限り、お前が最強クラスと呼ばれる位階に今一歩届かないのは、そのためだ」

 

 

確かに、私は「最強でも無敵でも無い」ことを標榜しておりますが。

 

 

「本来、お前は戦闘技能者では無い・・・魔法薬の分野では私を超える才を発揮してもいる。だが、お前は最強クラスに届く必要がある。その環境ゆえに」

「・・・それは」

「いつだったか、お前は刹那や木乃香に言ったな。誰よりも高みに行けと。同じことがお前にも言える。別にお前のせいじゃない・・・だが、届かねばならない。お前が、お前自身であるために」

「けど、そんなの・・・どうすれば」

 

 

残念ながら、私は今でも、命の危険を意識しなければならない環境にいます。

私が、他の誰かに良いようにされないためには、力が必要です。

刹那さんや、木乃香さんと同じ。

自分が、自分らしく生きるために。

 

 

・・・後悔をせずに、生きていくために。

 

 

「・・・ひよっこが、一人で何かできると思うなよ」

 

 

 

 

 

Side エヴァンジェリン

 

「お前は結局、自分の問題を一人で解決したいのだろう? 誰にも迷惑をかけないように・・・」

「そ、そんなの・・・」

 

 

アリアは、一言で言えば「愛されたがり」だ。

愛情に対して、飢餓感とすら言える程の感情を見せる。執着を見せる。

環境を考えれば、無理からぬ話だが。

問題は、手に入れた「愛情」を失うことを極度に恐れることだ。

 

 

家族や友人に必要以上に優しく、甘く接するのも。

多大な仕事を抱えるのも、穿った見方をすれば、「こんなに役に立つから私を見て」とアピールしているような物だ。

それは、純粋ではあるが褒められた物じゃない。

 

 

周囲に良い顔をしていれば、確かにいろいろと楽になるだろう。

が、それだけのことだ。

それには限りと言う物がない。何か一つを与えると次の一つを望むだろう。

何よりも問題なのは、周囲がそれを当然だと感じるようになることだ。

 

 

「そんなの、当たり前じゃないですか」

「いいや、違うね」

 

 

そう言い繕っている内は、お前は結局、私達が見えていないのさ。

だから、母親に会ったぐらいで「自分は一人だ」と泣きつくんだよ。

お前は一人じゃない・・・などと、青臭いことを言うつもりは無いが。

 

 

「受け取った愛情や信頼と同等の物を、相手に返すくらいの度量は見せたらどうだ?」

「でも、エヴァさ」

「貴様」

 

 

そ・・・と、アリアの頬に手を添える。

 

 

「何かを手に入れた者が、無傷で進めると思うなよ?」

 

 

元より、アリアは無傷でここまで来たわけではない。

何も持たない状態で、来てしまっただけだ。

だからこそ、手に入れた現状に満足してしまう。甘んじようと、してしまう。

それは、私としても嬉しいが・・・。

 

 

「美しく、上手く進もうとしなくて良い。自分を、時には他人を傷つけて。それでもなお、前へと進む者であれ、それでこそ・・・」

 

 

それでは、アリアの成長が止まってしまう。

それは、あまりにつまらないだろう。

守りに入った人間、リスクを恐れて先へ進めない人間など、哀しいだけだ。

アリアが「普通の人間」なら、それも良かったが。

 

 

「それでこそ、私達の・・・私の家族だ」

 

 

哀しいくらいに、アリアの周囲の環境はそれを許さない。

前へ進めと、アリアの背中を押し続ける。

これからも。

 

 

「・・・以上、講義終了だ」

 

 

そう言って、アリアの上からどく。

そのまま背を向けて、選手席の方へと歩いて行く。

あー・・・年喰うと説教臭くなっていかんな。

 

 

・・・ああ、そうだ。

 

 

「それはそれとして、魔眼と魔法具以外に何か、考えておいた方が良いと思うぞ?」

「・・・わかりました」

「ん、では・・・朝倉!」

『へ? ・・・え、あ、終わり!?』

 

 

当然だろうよ。

ここでは、私はまだ負けてやるつもりは無い。

私は、「扉」だからな。

 

 

アリアが、さらに上に行くための・・・「扉」だ。

いつか、あいつが自分の道を選んだ時、自分だけの何かを持っていられるように。

 

 

私はまだ、アリアにとって越えられない・・・開くことのできない「扉」で在り続けなければならない。

まぁ・・・。

 

 

「そう簡単に、抜かせるつもりはないがな」

 

 

もうしばらくは、面倒を見させてもらっても、良いだろう?

 

 

『し、勝者、マクダウェル選手―――――――っ!!』

 

 

 

 

 

Side 超

 

『それでは、授賞式の方へ・・・』

 

 

選手控室のある拝殿の屋根の上、そこに、私やネギ坊主達はいるネ。

遠くには、リングと、朝倉の姿がみえるヨ。

ふふ、それなりに仕事はしてくれたようネ・・・。

 

 

「エヴァちゃんって、本当に強いのね・・・」

「・・・・・・」

 

 

明日菜サンの言葉に、ネギ坊主は言葉を返さない。

それも、仕方が無いことなのかもネ。

ネギ坊主は、トーナメント表を食い入るように見ているネ。

 

 

自分のお師匠が、アリア先生に負けている。

そしてそのアリア先生は、エヴァンジェリンにあっさり敗北。

心中、お察し申し上げるヨ。

 

 

・・・まぁ、アリア先生の魔法には肝を冷やしたがネ。

おかげで、準決勝の決定的瞬間をネギ坊主に見せられなかった。

ついでにと思っただけだから、別に構わないガ。

 

 

「超」

「古か・・・腕は大丈夫カ?」

 

 

古も、ここについて来ているネ。

自分が負けたアリア先生のことを、見に来たのヨ。

 

 

「私は大丈夫アル・・・それより超こそ、大丈夫アルか?」

「何がネ?」

「すごく・・・嫌な顔をしているアル」

 

 

眉を寄せて、古がそう言った。

嫌な顔・・・カ。

 

 

私は、両手で自分の頬に触れながら、目を細めた。

・・・計画の始動まで、あと少し。

下準備も、ほぼ終わった。

 

 

少しの間、地下に潜って・・・時を待つネ。

 

 

「・・・何でも無いヨ」

「本当アルか・・・?」

「本当ネ」

 

 

だから古には、ニコリと笑顔を浮かべて、そう言う。

古は、アリア先生との戦いで何かを得たはずネ。

私などに、関わる必要は無いネ。

 

 

「私は、古にだけは嘘を吐かないヨ」

「超・・・」

「古にだけは・・・ネ」

 

 

ネギ坊主に視線を移せば、明日菜サンに慰められているネ。

明日菜サンの無根拠な明るさと前向きさは、ネギ坊主のような子供には、毒にも薬にもなるネ。

それを知っているのか、どうなのカ。

 

 

「・・・ま、良いけどネ」

 

 

私には、関係の無い話ヨ。

けれど、ネギ坊主・・・キミには、払ってもらわなければならない。

力を持った者が受けるべき、洗礼を。

 

 

・・・報いを、受けてもらうヨ。

 

 

その時、ズズン・・・と、建物が揺れた気がしたネ。

ネギ坊主達も、驚いているが・・・地震とかでは、無い。

 

 

「思ったよりも・・・」

 

 

思ったよりも早く、逃げられたようネ。

 

 

 

 

 

Side 美空

 

「ココネ! こっちで合ってるの!?」

「間違いない・・・高畑先生の微弱な念話を感じタ・・・」

 

 

ココネに言われるままに、武道会会場を進む。

ただし、屋根の上を爆走中。

迷路から抜けたのは良いけど、人が多いったら!

 

 

「あそこ、あの東の高灯篭・・・」

「わかっ・・・高灯篭って!?」

「・・・・・・あの、高い塔みたいな所」

 

 

途中、ウルスラの金髪お姉さん・・・魔法生徒の、高音さんだっけ?

その人を見かけたけど、声はかけなかった。

会場に入ると、田中さん集団もどっか行っちゃったし、一人の方が動きやすいし。

何より、従者っぽい女の子相手に何か喚いてたから。

 

 

お付き合いしたくない人種には、近付かないのが吉だよ。

あの人がどうってわけじゃなくて、相性の問題。

ああ言う、妙に頭の固い人って、あんまり・・・ねぇ?

 

 

「このまま、飛び移るよ!」

「わかっタ・・・」

 

 

だんっ!

・・・と、思い切り踏みこんで、跳躍!

 

 

「いっ・・・けぇ――――――――っ!」

 

 

屋根に・・・着地!

成功!

そのまま、ズルズルと身体の位置をズラして、窓から中へ。

 

 

「・・・ふぅ、ちょっと死ぬかと思った・・・」

「凄かった、ミソラ・・・」

「ありがとー♪ まぁ、こんな若き身空で死ぬわけにも・・・あれ? 今上手いこと言った?」

 

 

中は、何と言うか、しっちゃかめっちゃかになってた。

元々は、パソコンがズラりと並んだ部屋みたいだけど、こう・・・。

争った形跡・・・って言うの?

 

 

「うひゃあ・・・何と言うかアレだね。すぐに消えた方が良いかなこれは?」

「もう、遅いカモ・・・」

「え・・・」

 

 

ココネの言葉に振り向いてみれば、部屋の入口の所に、見覚えのあるお姿。

革ジャンに苺のアップリケを付けた、個性あふれるターミ○ーター。

それが、サムズアップしながら。

 

 

「I will be back」

 

 

何か言ってる―――――っ!?

くっ・・・来るか、こんにゃろ!

私がいつも逃げてばっかだと思ったら、大間違いだぞ、このやろー!

 

 

そう思って、ココネと一緒に、十字架を構えた所で。

 

 

ゴォンッ・・・とか言う凄い音がして、田中さんが吹っ飛ばされた。

こう、上半身と下半身が別れた感じで。

 

 

「た、田中さぁ―――――んっ!?」

 

 

思わず、叫んだ。

別に悲しくは無いけど、なんだか叫ばなくちゃいけない気がした。

と言うか、今、何が・・・。

 

 

「・・・大丈夫かい、美空君?」

「高畑先生!?」

 

 

身体を引き摺るようにして現れたのは、私達の探し人、高畑先生。

何と言うか・・・ボロボロだった。

と言うか、左腕から血がダクダク出てるんですけど・・・。

 

 

「いや、拘束から逃げるのに手間取ってね・・・それよりも、ここから離れよう」

「へ?」

「地下から、さっきのロボットが大勢出てきていてね。僕一人じゃ手に負えなくなってきたんだ」

 

 

あはは・・・と笑う高畑先生。

いや、あんた何してんの・・・。

ひょいっ・・・と、部屋の外を見てみれば。

 

 

ガション、ガション・・・って言う音が、遠くから聞こえてきてる。

・・・よし、逃げよう。

 

 

ココネを、もう一度肩車しないと。

 

 

 

 

 

Side 真名

 

わぁ・・・!

会場の方から、歓声が聞こえてきた。

ポンッ、ポンッ、と、花火の音が聞こえる。

 

 

ふむ、楓や古、アリア先生も負けたのか・・・。

 

 

「随分と、派手な大会のようですね」

「・・・決勝が、終わったようだ」

 

 

途中、迷宮に迷い込んで大変だったが、出れないと言うことは中に居続けると言うこと。

狙い撃つのに、不自由は無い。

出れないだけだ。

 

 

私の周りには、十字架の残骸が散乱している。

全て、シスターシャークティーとの戦いで撃ち落とした物だ。

 

 

「・・・なぜ、銃を下ろすのです?」

「何、もう戦う必要は無いのでね」

 

 

私が超から受けていた依頼は、「チケットの無い者を会場に通すな」だ。

それ以上のことは、知らないね。

 

 

ギターケースを肩に担いで、シスターシャークティーに笑いかける。

 

 

「では、もう通って良いですよ」

「あ、待ちなさ・・・」

「失礼」

 

 

たんっ・・・と跳躍し、その場から離れる。

これ以上は無駄弾だし、時間と労力の無駄だ。

仕事はまだ、たくさんあるんでね。

 

 

シスターシャークティーは、追ってこない。

春日のことが心配なのか、そっちを優先したようだった。

念話妨害も解けているだろうから、何か連絡を受けたのかもしれない。

 

 

まぁ、それに今私を追う必要はありませんよ、シスターシャークティー。

いずれまた、お会いするでしょうから。

その時は・・・。

 

 

「その時は、遠慮なく狙い撃たせてもらうさ」

 

 

 

 

 

Side 弐集院

 

「うー・・・む、これは不味いね、ガンドルフィーニ君」

「な、何がですか・・・」

「いや、そんな疲れ切った声で言われても・・・」

 

 

だが、ガンドルフィーニ君は実質一人で告白を阻止しているような物だ。

ネット上の監視を一人でやっている私よりも、疲れているだろう。

・・・だが、目の疲れだけは負けない自信がある。

 

 

とにかく、ネット上では現在、非常に不味い事態が起こっている。

具体的には、誰かが「魔法」を広めようとしているみたいなんだ。

 

 

「どうも、超鈴音の格闘大会を利用して、魔法の存在を流布しようとしているようだね」

「これは・・・確かに、不味いですね」

 

 

目的は不明だが、超鈴音と見て問題無いだろう。

これ程のことができる生徒は、彼女しかいない。

やはりと言うか、何か企んでいたようだ。

 

 

ネギ君やアリア君の情報を流したのも、何かの一端だと考えた方が良いだろう。

場合によっては、保護した方が良いのかもしれないけど・・・。

難しいな。

 

 

「とにかく、私は今から対策を打つ! ガンドルフィーニ君は他の先生方に伝えてくれ!」

「わかりました!」

「告白生徒も、忘れないように!」

「・・・わかりました」

 

 

なんで間が開くのか・・・なんて、聞くまでもないよね。

ああ、もう、人手が足りないよ。

 

 

愚痴を言ってもどうにもならない、行くぞ!

 

 

「『ニクマン・ピザマン・フカヒレマン』!」

「その始動キー、変えた方が良いですよ・・・」

 

 

え、なんでだい?

娘も大喜びしてたのに・・・。

 

 

 

 

 

Side 千雨

 

「なんじゃ、こりゃあ・・・」

 

 

ネットでは、白熱した論争が行われていた。

大部分は、まほら武道会の流出画像に関する物だった。

 

 

曰く、普通の人間にはあんな動きはできない。

曰く、あれは「魔法」なんだ・・・とかな。

はっきり言って、バカなんじゃねーのこいつら、と思ったんだが・・・。

 

 

どうも、マジになってる連中がいるらしい。

さっきから、「魔法肯定派」と「魔法否定派」のネット論争が止まらねぇ。

と言うか、これはもう・・・。

 

 

『インターネットを介した、超々高度世論操作・・・電子戦争ですねー』

 

 

画面の隅で、「ミク」がいじけながら言った。

無視ばっかしてたら、「ますたーのいけず・・・」とか言いながら、隅に行きやがった。

 

 

『どーしますー、介入しますかー?』

「介入・・・?」

『はいー、このまま行くと、いわゆる「魔法否定派」が負ける感じですねー。勢いが無いですもん』

「・・・つまり、なんだ。このまま行くと、魔法ってあるんだーみたいなバカが、勝つってことか?」

『いぐざくとりぃー』

 

 

なんだ、そりゃ・・・。

そんなバカみたいなことが通るようになるたー、世も末だな。

確かに、この武道会の画像を見れば、そう思わなくもないが・・・。

 

 

でも、だからって「魔法」を信じる・・・バカだな。

 

 

『もし介入するにしても、ますたー如きのハッキング技術や個人開発プログラムでは、どうにもならないですけどねー』

「ムカツくな、お前・・・」

『規模が違いますから。最新鋭同士の電子戦に、ノートパソコンでできることなんて、たかが知れてますよー?』

 

 

む・・・それは、確かに、

このパソコンは私の自慢だが、だからと言って世界一ってわけじゃねぇ。

 

 

『で~も~・・・私達「ぼかろ」なら、対抗できるかもですよぉ?』

「あ?」

『私達は元々、創造主Ariaの複雑な情報制御の代替演算用に組まれた電子精霊統率プログラムですから。むしろ、電脳空間は私達「ぼかろ」の独壇場ですよぉ』

 

 

ずずいっ、と画面の真ん中に躍り出ながら、「ミク」は不敵に笑った。

こいつ、アップダウン激しいなぁ。

 

 

『どうします、ますたー? 今ならこのパソコン内の永住権で手を打ちますよぅ?』

「不法侵入者のくせに・・・」

 

 

だが、確かにこいつらならどうにかしちまいそうな気はする。

一応、こいつらのスペックは聞いた。

とてもじぇねぇが、人間技じゃねぇ。

 

 

だが・・・。

 

 

「・・・くだらねぇ」

 

 

パタン、とノートパソコンを閉じる。

私は、そんなことには関わらねーよ。

 

 

魔法なんて、本当にあるわけねーだろ。

 




アリア:
アリアです。
どうにも、エヴァさんには敵わないみたいです。
私も、まだまだですね・・・。
武道会は終わりますが、まだ麻帆良祭は半分を過ぎたばかり。
やることは、たくさんありそうです。


今回新規で使用した魔法具は、以下の通りですね。
二重螺旋様より、神通扇です。元ネタはGS美神です。

なお、作中の田中さんの台詞「I will be back」は、黒鷹様の発案です。
今後も登場予定。

ありがとうございます。


アリア:
さて、次回は学園祭のイベントを楽しむ回でしょうか。
もちろん、様々な勢力の動きも描写されていきますが・・・。
さて、一時休息と行きますか。
では、またお会いしましょう。

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