天を照らす銀河   作:浮雲のソル

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第13話 気づいた想い

リョウがケガをし、宿屋の一室に運ばれた。エステルはベッドに寝かされているリョウに治癒術を使っているとリタが部屋に入ってきた。

 

 

「エステル、あんたはもう休みなさい」

 

 

「え、でも…」

 

 

「リョウはもう落ち着いてるし、あんたが倒れたら元も子もないでしょ」

 

 

「わかりました…」

 

 

「大丈夫よ、リョウはそんなケガで死ぬような奴じゃないわ。あたしが言うんだから間違いないわ、あとはあたしが看とくから」

 

 

「そう…ですね…じゃあ、おやすみなさい」

 

 

エステルは隣のベッドに入り、リタはリョウのベッドの隣に座る。

 

 

「リョウ…」

 

 

小さくリョウの名前をつぶやくリタはリョウのある言葉を思い出していた。

 

 

バカ言うな!俺はおまえの助手であることを忘れたのか!おまえを置いて避難なんてできるか!

 

 

「あの言葉、とてもうれしかったわ、ありがとうリョウ…」

 

 

しかし、リョウからの返事はない。リタは不安になってきた。

 

 

(もし、このままリョウが目覚めなかったら…あたし…あたし…)

 

 

リタの目から涙がこぼれてきた。それと同時にリタはあることに気づく

 

 

(あたし…リョウのこと…好きなんだ…だからこんなに涙が…)

 

 

それはリタがはじめて異性を好きになった瞬間であった。

 

 

(胸もドキドキするし…これが…人を好きになることなの?)

 

 

はじめての感覚に戸惑うリタ。すると

 

 

『う、う~ん…あれ?リタ…』

 

 

リョウが目を覚まし、上半身を起こす。

 

 

「リョウ…」

 

 

リョウの目の前には涙を流しているリタの姿があった。

 

 

『リタ!どうした…「リョウ!!」

 

 

いきなりリタはリョウに抱き付いた。

 

 

「よかった!目が覚めたのね!このまま目が覚めないのかと思ったらあたし…あたし…」

 

 

リタがリョウの胸の中で泣きはじめる。

 

 

『リタ…ごめん…心配かけて…』

 

 

リョウもリタを抱きしめる。しばらくしてリタの泣く声が小さくなった。

 

 

『落ち着いたか?』

 

 

「うん……ハッ!?」

 

 

リタは我に返りリョウから離れる。

 

 

「ご、ごめん…いきなり抱き付いて…」

 

 

『い、いや、べつに気にしてないから…むしろ…いや!何でもない!』

 

 

ふたりの顔がリンゴのように真っ赤になっていると、扉をノックする音が聞こえてきた。

 

 

『は、はいっていいぞ~』

 

 

扉の奥からユーリが部屋に入って来た。

 

 

「目が覚めたか、よかったな…どうした?ふたりとも顔が真っ赤だぞ」

 

 

「な、なんでもないわよ」

 

 

「ふむぅ…あれ?リョウ!目が覚めたんですね!あ、でも油断したらだめですよ!治ったと思った頃が危ないんです」

 

 

エステルも目が覚めて、リョウにもう一度、治癒術を使う。

 

 

『エステル、もう大丈夫だ。それと、もう魔導器を使うフリ、もうやめていいぞ』

 

 

「な、何のことです?」

 

 

「魔導器がなくても、治癒術使えるなんてすげえよな」

 

 

「ユーリ…どうしてそれを…」

 

 

『聞きそびれてたんだけど、どうして使えるんだ…「グオオオオオ」

 

 

突然、咆哮とともに竜使いが部屋の外に現れ、炎を吐き出すがユーリが剣で受け止めた。

 

 

「すごい音がしたけどどうしたの…って、うわあっ!?」

 

 

カロルが部屋に入ってきたところで、竜使いは去って行った。

 

 

「なに、なんだったの、あれ?」

 

 

カロルが呆然としているとリタが

 

 

「あのバカドラ…大事な話の途中だったのに」

 

 

「エステルの治癒術に関しては、とりあえず、ここまでな」

 

 

『そうだなユーリ。今日はもう疲れた…おやすみ~……グーグー』

 

 

「「「寝るのはやっ!?」」」

 

 

「わたし達も、もう寝ましょう」

 

 

 

 

 

翌日、宿屋の外でリョウ達はエステルに別れを告げる。

 

 

「帝都までの道中は気をつけてな」

 

 

「はい。ユーリ達はこのあとどうするんです?」

 

 

「そうだな紅の絆傭兵団の足取りも途絶えちまったし…」

 

 

すると、カロルが

 

 

「だったら、この先にあるダングレ…スト…はだめだ。今、戻ったら、みんなにバカに…」

 

 

「ダングレストっていうと、確かギルドの街だったよな?」

 

 

「う、うん。だから、紅の絆傭兵団の情報もみつかるかもな~って」

 

 

「なら、行くか。ギルド作るにしても、色々と参考になるだろうし」

 

 

「え?ギルドのために?なら、行こう!」

 

 

『カロル、ユーリ、ギルド作るのか?』

 

 

「うん!そうなんだ。リョウもどう?」

 

 

『俺はリタの助手兼護衛のほうが合ってるからな』

 

 

「それもそうだね」

 

 

エステルを送るため、街の中央までやってきたリョウ達はフレンがいないことに気づくとアレクセイがやってきた。

 

 

「フレンは別の用件があり、すでに旅立った。さて、リタ・モルディオ、君には昨日の魔導器の暴走の調査を依頼したい」

 

 

「あれ調べるのはもう無理。あの子、今朝少しみたけど結局何も分からなかったわ」

 

 

「いや、ケーブ・モック大森林に行ってもらいたい。最近、森の木々に異常や魔物の大量発生、凶暴化が報告されている」

 

 

「あたしの専門は魔導器。植物は管轄外なんだけど?」

 

 

「エアル関連と考えれば、管轄外でもないはずだ」

 

 

リタが少し考えていると、エステルが自分も一緒に森へ行くと言い出した。アレクセイは最初反対したが、ユーリ達と一緒に行くという条件で承諾した。ユーリ達が去った後、アレクセイはとある男に声をかける。

 

 

「君にやってもらう仕事ができた」

 

 

To be continued

 




スキット いつのまに


リョウ『なあ、リタ』


リタ「なに?」


リョウ「おまえ、いつのまにエステリーゼからエステルってよぶようになったんだ?」


リタ「ま、前からよんでたわよ…」


リョウ『ふ~ん。そういうことにしとくか…』


リタ「うっさい!」


バキッ


リョウ『いてっ!?』



スキット2 見られた?


リョウ『な、なあ、リタ…』


リタ「なに?」


リョウ『み、見られてないよな?エステルに、あれ』


リタ「あれって?」


リョウ『俺とおまえが抱き合って、おまえが泣いていたところ』


リタ「…!み、見られてないわよ…エステルは寝てたはずなんだから…」


リョウ『そ、そうだよな』


リタ「あ、あれはふたりだけの秘密よ!誰にも言っちゃだめよ!」


リョウ『わ、分かってるって…誰にも言わない…っていうか言えない…』
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