ギルドの巣窟 ダングレスト
ギルドの街、ダングレストに着いたリョウ達
「ここがダングレスト、ボクのふるさとだよ」
『にぎやかだな~』
「そりゃ、帝都に次ぐ第二の都市で、ギルドが統治する街だからね」
カロルが誇らしげに話しているとユーリが
「さてと、バルボスの情報を集めなきゃな」
「ユニオンに顔を出すのが早くて確実だと思うよ」
『ユニオンってなんだ?カロル』
「ユニオンとはギルドを束ねる集合組織で、5大ギルドによって運営されている、ですよね?カロル」
カロルの代わりにエステルが答えた。
「うん、それと、この街の自治も、ユニオンが取り仕切ってるんだ」
「でも、いいわけ?バルボスの紅の絆傭兵団って5大ギルドのひとつでしょ?」
『ってことはバルボスに手出したら、ユニオンも敵に?』
リタとリョウの質問にカロルは少し考えて
「…それは、ドンに聞いてみないとなんとも」
『「「「ドン?」」」』
「5大ギルドの元首『天を射る矢(アルトクス)』を束ねるドン・ホワイトホースだよ」
「んじゃ、そのドンに会うか。カロル、案内頼む」
「ちょっとそんな簡単に会うって…。ボクはあんまり…」
『ダングレストはふるさとなんだろ?場所ぐらいはわかるんじゃ…』
「……ユニオンの本部は街の北側にあるよ」
しぶしぶと歩きはじめるカロル。
〖どうしたんだ?カロルのやつ〗
ユニオン本部を目指して歩いていると、なにかしらのギルドの男二人組が現れ、カロルを見て
「ん?そこにいるのはカロルじゃねえか」
「どの面下げてこの街に戻ってきてんだ?」
「な、なんだよ、いきなり」
「おや、ナンの姿が見えないな?ついに見放されちゃったか、あはははっ!」
「ち、違う!いつもしつこいから、ボクがあいつから逃げてるの!」
「これがあるから、ダングレスト行きを最初嫌がったんだな」
ユーリが納得をしていると、ギルドの男二人組が
「あんたらがこいつ拾った新しいギルドの人?相手は選んだ方がいいぜ」
「自慢できるのは、所属したギルドの数だけだし。あ、それ自慢にならねえか」
「カロルの友達か?相手は選んだ方がいいぜ?」
「な、なんだと!」
「あなた方の品位を疑います」
「ふざけやがって!」
「あんた、言うわね。ま、でも同感」
「言わせておけば…」
『やるってんなら相手になるぜ、ダチを悪く言うやつには容赦しないからな』
ユーリ、エステル、リタ、リョウが言い返していると
カンカンカン…ゴゴゴゴゴ…
街に鐘が鳴り響き、地鳴りのようなものが聞こえてきた。
『ん?何の音だ?』
「やべ…また、来やがった…」
「行くぞ!」
ギルドの男二人組は去って行き、カロルが
「警鐘…魔物が来たんだ」
『魔物か…かなりの数かもな』
「ま、でも心配いらないよ。最近やけに多いけど。ここの結界は丈夫で、破られたこともないしね。外の魔物だって、ギルドが撃退…」
そう言い、カロルが街の結界を見ていると、結界がまたたき、消えてしまった。
「…って、ええっ!!」
「結界が、消えた…?」
「一体どうなってんの!魔物が来てるのに!」
『みんな、とりあえず魔物を止めに行くぞ』
来た道を戻って行くと、すでに大量の魔物が街に入り込んでいる。
「ちょっと異常だよ…!」
「魔物の様子も普段と違いませんか?」
『みんな構えろ、来るぞ!』
獣型の魔物…サイノッサスがリョウに向かって突進してきた。
『幻龍斬!!獅子戦孔!!』
サイノッサスを斬りながら前進し、後ろで回ったところでさらに二回斬りつけ、そこから獅子戦孔を放ちサイノッサスは倒れた。
その後、リョウ達は魔物を倒していくが、減る気配はない。
『くそっキリがねえ…ん?』
リョウの目に次々と魔物を蹴散らす老人が目にはいる。
「さあ、クソ野郎ども、いくらでも来い。この老いぼれが胸を貸してやる!」
『すげえじいさんだな…』
リョウが感心していると、カロルが
「ドンだ!ドン・ホワイトホースだよ!」
「ドンだ!ドンがきたぞ!」
「一気に蹴散らせ!俺たちの街を守るんだ!」
街のギルド員の士気が一気に高まった。
『すげえな…』
「ちょっとリョウ!結界魔導器直しに行くわよ」
『ああ、分かった』
カロルの案内により結界魔導器の近くまでやって来たリョウ達、リタとリョウが魔導器を操作しようとすると、黒装束の男達が現れる。
「結界は直させんぞ」
『ジャマだ!獅子戦孔!!』
「ぐわああああ」
黒装束の男ひとり吹き飛ばすが、まだ数人いる。
「爪龍連牙斬!!」
「撃槌フロウアッパー!!」
「ホーリィランス!!」
黒装束の男達を蹴散らし、リタとリョウが魔導器を操作していると、フレンが騎士を連れてユーリ達に駆け寄って来たことにエステルが気づき
「フレン!来てたんです?」
「はい。魔物の討伐を協力しようとしたのですが…」
「断られたってところか?」
「ああ。だから、結界魔導器の様子を見に来たんだが…」
「天才魔導士とその助手しだいってやつだ。フレン、おまえが来たってことは、これも帝国のごたごたと関係ありってわけか」
「わからない、だから確かめに来た」
フレンとユーリが話しているうちに結界が復活した。
「さすが、リタとリョウ」
「よし、外の魔物を一掃する!外ならギルドも文句を言うまい」
フレンは去って行った。
魔物の方はフレンに任して、ギルドユニオン本部へ行くリョウ達だったが、ドンは魔物の巣を一網打尽にすると言って不在だったので、先にケーブ・モック大森林に行くことになった。その話を男が屋根の上で盗み聞きをしていた。
「ケーブ・モック大森林とは。偶然ってあるもんだねえ」
To be continued