ケーブ・モック大森林
『ここがケーブ・モック大森林か…にしてもでけえ木だな~』
リタが木々を見て
「ヘリオードで魔導器が暴走したときのかんじになんとなく似てるわね」
『じゃあ、さっそく調査を…誰だ!?』
リョウがなにかの気配に気づき、振り返るとレイヴンがいた。
「よっ、偶然!」
『レ、レイヴン?なにしてんだこんなとこで?』
「自然観察と森林浴って感じだな」
「うさん臭い…」
カロルがつぶやく。
「あれ?歓迎されてない?」
「本気で歓迎されるなんて思ってたんじゃないでしょうね」
リタはいろいろと根に持っているようだ。
「そんなこと言うなよ。俺、役に立つぜ。んで、一人じゃ寂しいから一緒に行きたいんだけど?」
『俺はいいけど…みんな、どうする?』
「背後には気をつけてね。変なことしたら殺すから」
「余計な真似したら、オレもなにするかわかんないんで、そこんとこはよろしくな」
リタとユーリに釘をさされながらも一応同行の許可はもらえた。先へ進んでいるとレイヴンが
「リョウ君、俺ってそんなにうさん臭い?」
『俺も最初はうさん臭そうなおっさんだな~と思ったけど、今はそんなことないぜ』
「そう言ってくれるのはリョウ君だけだよ~」
『おい!レイヴン離れろ、暑苦しいし、気持ちわりい』
レイヴンがリョウに抱きついてきて、すぐに振り払おうとするがその前に
「ちょっと!おっさん!リョウから離れなさいよ!」
リタの手がレイヴンを掴み、リョウから引き離す。
『ふう、助かったよリタ』
「べ、べつにいいわよ」
「あれ~もしかして」
レイヴンはニヤニヤしながらリタを見る。
「な、なによ…」
「リョウ君とおっさんが仲良くしてるのを見て、妬いちゃったの?」
「なっ!?そ、そんなんじゃないわよ!」
「顔真っ赤にしちゃって、説得力ないわよ~」
『え!?リ、リタ…』
リョウの顔も真っ赤になっていた。
「もしかして、おふたりさんはもう、そういう関係…『獅子戦孔!!』「ファイアボール!!」
ドォォォォォン
「ぎゃぁぁぁぁぁ……」
レイヴンの断末魔の叫びが森中に響いた。一連のやり取りを見ていたカロル、ユーリ、エステルは
「いつのまにリョウとリタってそういう関係に?」
「さあな、気になるんだったら聞けばいい」
「やだよ!ボクまだ死にたくない」
「そういう関係ってどんな関係です?」
「恋人…『魔神剣!!』「ストーンブラスト!!」
「うわぁぁぁぁ……」
新たな犠牲者カロルの断末魔の叫びも響いた。
「触らぬ神に祟りなし、だな。行こうぜエステル」
「そ、そうですね…」
「見捨てないでちょうだい……ぎゃぁぁぁぁぁ……」
「ボクもいるのに……うわぁぁぁぁぁ……」
後日、ケーブ・モック大森林には魔物に殺された男ふたりの断末魔の叫びが夜な夜な響き、心霊スポットになったとかならなかったとか。
リョウ達が森を進んでいると
「うちをどこへ連れてってくれるのかのー」
『ん?誰の声だ?』
声がする方を見ると、昆虫につかまれた海賊の格好をしている少女が宙を舞っていた。
『あいつはたしか…「パティだよ!早くたすけなきゃ…」
カロルが武器を構えるが、レイヴンが昆虫めがけて矢を放ち命中し、落下するパティをユーリが受け止めた。
「ナイスキャッチなのじゃ」
すぐユーリはパティを捨てる。
『おいおいユーリ、なにしてんだよ、立てるか?』
パティに手を差し伸べるリョウ。
「ありがとなのじゃ…えっと…」
『ラゴウの屋敷の時はドタバタしてたからな、リョウだ。リョウ・ゲキショウ』
「パティなのじゃ。リョウもなかなか…」
リョウの顔を見るパティ
『俺の顔になんかついてるのか?』
「なんでもないのじゃ」
ユーリはパティに
「あいかわらず、アイフリードのお宝って奴を探しているのか?」
「のじゃ」
今度はリタが
「嘘くさ。本当にこんなところに宝が?誰に聞いてきたのよ」
「測量ギルド、天地のあなぐらが色々と教えてくれたのじゃ。連中は世界を回っとるからの」
『それでラゴウの屋敷にいたのか?』
「のじゃ。とりあえず、うちは宝探しを続行するのじゃ」
「一人でウロウロしたら、さっきみたいに魔物に…パティ!後ろ!」
エステルが叫んだ理由はパティの背後に昆虫が現れたからである。しかし、パティはすぐさま銃弾をたたき込み、撃退した。
「つまり、ひとりでも大丈夫ってことか」
「一緒に行くかの?」
「せっかくだけど、お宝探しはまたの機会にしとくわ」
パティの誘いを断るユーリ
「それは残念至極なのじゃ。でもうちはそれでもいくのじゃ。サラバなのじゃ」
パティはリョウ達から去って行った。
『んじゃ、俺達も行きますか』
To be continued