天を照らす銀河   作:浮雲のソル

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第16話 謎の男と太刀の名

パティと別れ、森の奥まで来たリョウ達は大量のエアルが立ち上る場を所発見した。

 

 

「これ、ヘリオードの街で見たのと同じ現象ね。あの時よりエアルが弱いけど間違いないわ…」

 

 

リタがエアルを見ていると、背後から巨大な昆虫型の魔物が次々と姿を現し、リョウ達を取り囲む。

 

 

『なんて数だ…それに様子もおかしい』

 

 

「ダングレストを襲ったのと様子が似てます!」

 

 

「ああ、ここで死んじまうのか。さよなら。世界中の俺のファン」

 

 

「世界一の軽薄男、ここに眠るって墓に彫っといてやるからな」

 

 

『レイヴン、ユーリ、俺はまだ死ぬつもりはないからな』

 

 

リョウが戦闘体勢をとろうとしたその時、周囲に光が立ち上がり、魔物の大群が消え去り、銀髪の男が現れた。

 

 

『誰だ…?』

 

 

「デューク…」

 

 

『レイヴン、知り合いか?』

 

 

「まあ、ちょっとね…」

 

 

エアルの暴走が収まり、デュークは何も言わず去ろうとしたが、リタが

 

 

「ちょっと、待って!」

 

 

「……」

 

 

「その剣は何っ!?見せて!今、いったい何をしたの?エアルを斬るっていうか…」

 

 

「知ってどうする?」

 

 

「そりゃもちろん…いや…それがあれば、魔導器の暴走を止められるかと思って…。前にも魔導器が暴走を見たの。エアルが暴れて、どうすることもできなくて…」

 

 

「それはひずみ、当然の現象だ」

 

 

「ひず…み…?」

 

 

「あ、あの、危ないところをありがとうございました」

 

 

エステルが礼を言うと、デュークは

 

 

「エアルクレーネには近付くな」

 

 

「エアルクレーネって何?ここのこと?」

 

 

リタが質問する。

 

 

「世界に点在するエアルの源泉、それがエアルクレーネ」

 

 

『エアルの源泉ねえ…ま、とりあえずありがとう』

 

 

「礼にはおよば……!?」

 

 

デュークがリョウの顔を見た瞬間、一瞬デュークは凍りついたようにかたまった。

 

 

「おま…え…は…」

 

 

『俺?俺はリョウだ。リョウ・ゲキショウ』

 

 

「リョウだと……」

 

 

「あんた!もしかしてリョウのこと知ってんの!?」

 

 

「い、いや、そうではない…」

 

 

リタがデュークに問い詰めるが、デュークは何も答えず去っていった。

 

 

「あいつ…明らかに動揺してたわ」

 

 

『そうだな…でも、何も思い出せないな…今は調査しようぜ』

 

 

「わかったわ…でもここだけ調べてもわからないわ。他のも見てみないと」

 

 

『ってことはここで調べることはもうないのか?』

 

 

「そういうことね」

 

 

『じゃあ、調査終了だな』

 

 

「んじゃ、ダングレストに戻ってドンに会おうぜ」

 

 

ユーリがそう言い、リョウ達は来た道を引き返す。

 

 

 

ケーブ・モック大森林の入口付近まで戻って来たリョウ達。

 

 

「エアルの異常で魔導器が暴走、そのせいで魔物が凶暴化…。それがあいつの言うひずみと関係あるなら、この場所だけじゃすまないのかも」

 

 

『どうしたリタ?さっきからぶつぶつと…』

 

 

突然、地鳴りが響く。

 

 

「うわ、何!?また魔物の襲撃?」

 

 

『カロル、とりあえず、隠れるぞ』

 

 

リョウ達が隠れていると、魔物の大群が、森の奥へ向かって行った。大群が過ぎ去ると、エステルとカロルは人の姿に気づく

 

 

「あ…あの人たち…」

 

 

「ドンだ…!」

 

 

「…てめえらが何かしたのか?」

 

 

「何かって何だ?」

 

 

「暴れまくってた魔物が突然、おとなしくなって逃げやがった。何ぃやった?」

 

 

「ボクたちが、エアルの暴走を止めたから、魔物もおとなしくなったんです」

 

 

「エアルの暴走?ほぉ…」

 

 

『じいさん、なんか知ってんのか?』

 

 

「いやな、ベリウスって俺の古い友達がそんな話をしてたことがあってな」

 

 

「…ドンが南のベリウスと友達って本当だったんだ…」

 

 

『カロル、誰なんだ?ベリウスって?』

 

 

「ノードポリカで闘技場の首領をしている人だよ」

 

 

『ふ~ん』

 

 

「で?エアルの暴走がどうしたって?」

 

 

「本当大変だったんです!すごくたくさん、魔物が次から次へと、でも…!」

 

 

「坊主、そういうことはな、ひっそり胸に秘めておくもんだ」

 

 

「へ…?」

 

 

「誰かに認めてもらうためにやってんじゃねえ、街や部下を守るためにやってるんだからな」

 

 

「ご、ごめんなさい…」

 

 

「ちょっと、すみません。見せてくださいますか?」

 

 

エステルが負傷しているドンの部下に治癒術を使う。

 

 

「すまねえな…ん?そこにいるのはレイヴンじゃねえか。何隠れてんだ!」

 

 

「ちっ」

 

 

「うちのもんが、他人様のとこで迷惑かけてんじゃあるめえな」

 

 

「え!?レイヴンって、天を射る矢の一員なの!?」

 

 

カロルが驚き、ドンは刀の柄でレイヴンを突く

 

 

「いてっじいさん、それ反則…!反則だから…!」

 

 

「うるせぃっ!」

 

 

「ドン・ホワイトホース」

 

 

ユーリが突然口を開く

 

 

「何だ?」

 

 

「会ったばっかで失礼だけど、あんたに折り入って話がある」

 

 

「若えの、名前は?」

 

 

「ユーリだ。ユーリ・ローウェル」

 

 

「ユーリか、分かった話を聞こう…「ドン、お話中、すみません」

 

 

ドンの部下がやってきて、ドンに耳打ちをしている。

 

 

「ん、わかった。野郎ども、引き上げだ。すまねえなユーリ、急用でダングレストに戻らにゃならねえ。ユニオンを訪ねてくれりゃあ優先して話を聞くから、それで勘弁してくれ」

 

 

「いや、約束してもらえるならそれで構わねえよ」

 

 

「ふん、俺相手に物怖じなしか。てめぇら、いいギルドになれるぜ」

 

 

ドンが去ろうとしたその時、空から魔物が飛んできてドンの背後から襲いかかろうとしてきた。

 

 

「ちぃっ」

 

 

『あぶねえじいさん、魔神剣!!』

 

 

リョウの魔神剣が魔物に当たり、撃退した。

 

 

「助かったぜ、若えの……ん?その太刀……」

 

 

ドンはリョウの白い太刀を見て驚いている。

 

 

『太刀(こいつ)を知ってんのか?じいさん?』

 

 

「ああ、でも、まさかな……ちょっと持たしてくれねえかその太刀」

 

 

『あ、ああ』

 

 

リョウはドンに白い太刀を渡すが…

 

 

「!?…こいつは…」

 

 

ドンが白い太刀を持った瞬間、突然重力がかかったように持った手が地面に叩きつけられて、持ち上げられない。

 

 

「あのドンでも持ち上げられないの!?」

 

 

「ちょっとなによ、あの太刀…」

 

 

「リョウはあんな重いものをいつも背中に?」

 

 

カロルとレイヴンとエステルが驚いているとドンが

 

 

「白い刀身……刃こぼれが一切ない……間違いねえ……こいつは……銀河刀・銀雪花(ぎんせつか)だ」

 

 

『ぎん……せつ……か……?』

 

 

ドンは白い太刀…銀雪花を持っていた手を離し、続ける。

 

 

「銀河刀・銀雪花は存在自体してたのかも怪しい幻の名刀だ。その特徴は、刀身が雪のように白い、刃こぼれがしない、そして……」

 

 

『そして……?』

 

 

「特別な力を持った者にしか持つことができない」

 

 

『特別な力……ってなんなんだ?』

 

 

「すまねぇな。そこまでは分からねえんだ。どこで手に入れた?」

 

 

『俺は記憶喪失で、気付いたら持ってたんだ銀雪花(こいつ)を』

 

 

「そうか…でもそいつは銀雪花に間違いねえ!まさか生きてるうちに出会えるとはな!長生きもしてみるもんだ!」

 

 

ドンは去って行った。

 

 

『特別な力…俺が武醒魔導器を使ってないのと関係あるのか…?』

 

 

「一番可能性が高いのはそれでしょうね…で、なんか思い出した?」

 

 

リタがリョウに尋ねるが

 

 

『いや、それがなにも…』

 

 

「そう…」

 

 

「ふたりとも、置いてくよー」

 

 

リョウとリタが話していると、遠くからカロルの声が聞こえる

 

 

『わかった。すぐ行く』

 

 

To be continued

 




スキット ぶつぶつ…


リョウ『銀雪花…銀雪花…銀雪花…ダメか…』


ユーリ「さっきからぶつぶつと…なに言ってんだ?」


リョウ『いや…太刀(こいつ)の名前言ってたら、なんか思い出すかなって思ったんだけど、ダメだな…』


ユーリ「その辺にしとけよ、いつ魔物が襲って来るか分かんねえから」


リョウ『そうだな。太刀(こいつ)の名前が分かっただけでも十分だ』
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