魔核ドロボウを追いかけるリョウ達。すると、遺跡内部の入口に魔物が取り囲む人影――魔核ドロボウを見つけた。
「蒼破!!」
『魔神剣!!』
ユーリとリョウが魔物を追い払い、一行は魔核ドロボウを取り囲む。
「魔核を盗んで歩くなんてどうしてやろうかしら…」
「ひぃぃ!やめてくれ!俺は頼まれただけだ…。魔核を持ってくれば、それなりの報酬をやるって」
「おまえ、帝都でも魔核盗んだよな?」
「帝都?お、俺じゃねえ!」
「おまえじゃねぇってことは、他に帝都に行った仲間がいるんだな?」
「あ、ああ!デ、デデッキの野郎だ!」
「そいつはどこ行った?」
「今頃、依頼人に金をもらいにいってるはずだ」
「依頼人だと…。どこのどいつだ?」
「ト、トリム港にいるってだけで、詳しいことは知らねぇよ。顔の右に傷のある、隻眼でバカに体格のいい男だ」
「そいつが魔核を集めてるってことかよ…」
『なんか、その男、ただ者じゃなさそうだな』
「ただのコソ泥集団でもなさそうだ」
「騎士も魔物もやり過ごして行ったのに!ついけねぇ、ついてねぇよ!」
「騎士?やはりフレンが来てたんですね」
「ああ、そんな名前のやつだ!くそー!あの騎士の若造め!」
『「うっ(さい)〖せぇ〗」』
バギッ ドゴッ
「ぐふっ」
バタッ
リタのパンチとリョウの蹴りをくらい魔核ドロボウは気絶した。
「ちょ、リタ、リョウ、気絶しちゃったよ…どうすんの?」
「後で街の警備に頼んで、拾わせるわよ」
『俺達はコイツのせいでドロボウ扱いされたんだ。このぐらいしてもバチは当たんねぇだろ』
「それじゃあ、アスピオに戻るか」
シャイコス遺跡からアスピオへ帰る途中リョウはあることを思い出した。
『そういえばカロル、さっき俺に質問しかけなかったか?』
「あ!そうそう。なんでリョウは武醒魔導器使ってないのに技が使えるの?」
「俺も少し気になってた。なんでだ?」
「え?そうなんです?リョウ?」
『そのことか…まあ、気になるよな…でも、自分でも分からないんだ』
リョウは半年前のことを話した。自分が魔導器から出てきたこと、自分のことを憶えていないことを。
「そうだったんだ…」
「記憶喪失ってわけか…」
「わたし、人が入れる魔導器なんて初めて聞きました」
「記憶は戻ってきてるの?」
『いや、さっぱりだ…』
「あたしもその魔導器やリョウの力を調べてみたけど、分からないの。」
『まあ、そのうち思い出すだろ、なんかのキッカケで。』
そんな話をしている間に一行はアスピオへ着いた。
アスピオ入口
「…肝心のフレンはいませんでしたね」
『思ったんだけど…そのフレンって騎士は何者?』
「ユーリの友達です」
「ふ~ん、あんたの友達ね。それは苦労するわ。」
「なんだよ?」
また、ユーリとリタの間にピリピリした空気が流れる。
『そ、そういえば、そのフレンって人はなんでアスピオにいるんだ?』
リョウはこの空気をなんとかしようと話題を変え、エステルに聞いた。
「ハルルの結界魔導器を直せる魔導士を探して…」
「ああ…あの青臭いのね…あたしのとこにも来たわ。」
『へ?いつ?俺、憶えてないけど?』
「あんたが買い出しに行ってる間に来たのよ。まあ、断ったけど。」
『じゃあ、他の魔導士が動いただろうから、ハルルに戻ったんじゃないのか?』
「…そんな…」
「で?疑いは晴れた?」
「リタは、ドロボウをするような人じゃないと思います」
『そうだ、リタは魔導器バカだけど、ドロボウはしないやつだ』
「言っとくけど、あんたも疑われてんのよ。」
『あ…そうだった』
「ま、おまえらはドロボウよりも研究の方がお似合いだもんな」
「ユーリは素直じゃないんです」
「…変なやつ」
『疑いが晴れたならそれでいいや』
「あたし達、警備に連絡してくるから、先にあたしの研究所へ戻ってて」
「って言われても、あのこわいおじさんたちが通してくれるかどうか」
ユーリは門番のいる方を見る。
「そうね、リョウ、これ渡して」
『あいよ、ホイッ通行証、これを見せれば通れるようになるよ』
ユーリに通行証を渡す。
「サンキュ」
「いい?あたしの許可なく街出たらひどい目にあわすわよ。リョウ行くわよ」
『了解~』
リョウとリタは警備を呼びにアスピオへ入って行った。その途中
「ねぇ、リョウ、あのエステリーゼって子…」
『ああ…魔導器を使わずに治癒術が使えるとはな…俺と似ている』
「あんたの力と関係あるんじゃないの?」
『そうかもな…』
リタの研究所
リョウとリタは研究所へ戻った。リタは部屋の中でくつろいでるユーリ達を見て
「待ってろとは言ったけど…どんだけくつろいでんのよ」
「あ、おかえりなさい。ドロボウの方はどうなりました?」
「さあ、今頃、牢屋のなかでひーひー泣いてんじゃない?」
するとユーリがリタに
「疑って悪かった」
と謝罪してきた。
「軽い謝罪ね。ま、いいけどね、こっちも収穫あったから」
「んじゃ、世話かけたな」
『なんだ?もう行くのか?もうちょっとゆっくりしていけばいいのに』
「急ぎの用があるんだよ」
「リタ、リョウ、会えてよかったです。急ぎますのでこれで失礼します。お礼はまた後日」
「…分かったわ」
『リタ、俺、見送りに行ってくるわ』
リョウはそう言い、ユーリ達についていった。
そして街の広場で
「見送りならここでいいぜ」
『そうか?じゃあ、気をつけてな…あ、そうそう』
「なんだ?」
『事件が一段落したら、いつでも遊びに来てくれ歓迎するよ』
「はい!ぜひ!」
「まあ、暇だったらな」
「僕も行くよ」
「ワンッ」
『ありがとな。リタもきっと喜ぶ…「あたしがどうかした?」
後ろからリタが急に現れ驚くリョウ
『うおっ!びっくりさせるなよ』
「おまえも見送りか?」
「そうじゃないわ、あたし達も一緒に行く」
「え、な、なに言ってんの?」
『ちょっとこっち来いリタ』
リョウはリタをユーリ達から少し離れた所へ連れていく。
『おまえ、何考えてんだ?』
「別に…ただハルルに用があるだけよ。それに、あんただってエステリーゼに聞きたいことがあるんじゃないの?」
『そりゃ、そうだけど…』
「じゃあ、決まりね。」
リョウとリタはユーリ達の所に戻り
「あたし達はハルルの結界魔導器を見ておきたいのよ。壊れたままじゃまずいでしょ」
「それなら、僕たちで直したよ」
「はぁ?直したってあんたらが?素人がどうやって?」
カロルの言葉にリタは驚いた。
「よみがえらせたんだよバ~ンっと、エステ…「素人も侮れないもんだぜ」
ユーリがカロルの言葉を遮った。
「ふ~ん、ますます心配。本当に直ってるか確かめにいかないと」
「じゃ、勝手にしてくれ」
すると、エステルがリタに近づき
「な、なに!?」
「わたし、同年代の友達、はじめてなんです!」
「あ、あんた、友達って…」
「よろしくお願いします」
『よかったなリタ…「うっさい!!」
バシッ
『いてっ』
リョウはリタの持っていた本で叩かれた。
そして一行はハルルへ向かうことに
花の街 ハルル
ハルルに着いたリョウ達。街には花びらが舞っている。するとリタが
「げっなにこれ、もう満開の季節だっけ?」
『キレイだな~』
リタは街の奥へ走って行った。
『あっおいっ…まあいっか…ハルル来たの初めてだし、ちょっとぶらぶらしようかな?』
リョウは一人でハルルを見て回ることに。
『にしても、キレイなところだな~アスピオとは大違いだ』
しばらくして、リョウがハルルの入口の方に目をやると、エステルが騎士数人に取り囲まれていた。
『エステル!!どうした?』
「あっリョウ、実は…「なんだ貴様は?ユーリ・ローウェルの仲間か?」
隊長格と思われる騎士に質問される。
『仲間?仲間っちゃあ、仲間のようなそうでもないような…』
「ならば、貴様も捕まえるまでだ!!」
『え?なんで?そうなるの?』
状況が分からないまま部下であろう細い騎士と丸っこい騎士が襲いかかってきた。
「瞬迅剣であ~る!」
『おっと』
細い騎士の突きを避ける。
「避けるなであ~る!」
『無理言うな!〖こいつら、あんまり強くなさそうだけど…2対1はきついかな…〗』
「蒼破!!」
「ぐぇっ」
後ろから衝撃波が飛んできて、丸っこい騎士に当たる。
「ボコは俺に任せろ。デコはおまえに任せる」
「ボコじゃなのだ」
「デコじゃないのであ~る」
『助かるぜユーリ!さあ、かかってこいデコ!』
「だから、デコじゃないのであ~る。瞬迅剣であ~る」
『当たるかっつーの。獅子戦孔!!』
デコの瞬迅剣を避けて、獅子の形をした闘気をぶつけた。
「やられたのであ~る」
バタッ
デコは倒れた。ほぼ同時にユーリの方も終わったようだ。
『弱っ!!太刀(こいつ)を使うまでもなかったな』
「ええいっ!情けない!」
今度は隊長格の騎士が近付いてくる。すると、ユーリと一緒に来たリタが詠唱を始める。
「ちょっリタ…」
カロルが止めようとするが遅かった。
「あんたらしつこい!」
リタが放ったファイアボールが隊長格の騎士とデコとボコに当たり吹き飛ばした。
エステルが高台にいる黒装束の男達に気付く
「ユーリ!あの人達!」
『今度はなんだっ!』
「やっぱり、俺らも狙われてんだな」
「ど、どういうこと?」
また状況が分からなくなるリョウとカロル
「話はあとだ!カロル、ノール港ってのはどっちだっけ?」
「え、あ、西だよ!エフミドの丘を越えた先にカプワ・ノールはあるんだ」
「ほら、さっさと行く」
『エステル。おまえはどうしたいんだ?旅を続けるのか、帰るのか』
「…今は旅を続けます」
『よしっ決まったんなら行くぞ!』
「はいっ!」
「待て、おまえ達…「騎士団心得ひと~つ!!その剣で市民を護る。そうだったよな?」
隊長格の騎士がユーリ達を止めようとしたが、向かってくる黒装束の男達に気付く。
「その通り!!いくぞ騎士の意地をみせよ!!」
騎士団が追ってくる黒装束の男達にに立ち向かう。
そして、一行は今度はエフミドの丘を目指す。
To be continued