リョウ達はミョルゾに降り立つと、何人かのクリティア族が、やって来た。
男性「こりゃ驚いた。外からひとがやって来たぞ!」
クリティア族の女性がバウルを見て
女性「この魔物ひょっとして、始祖の隷長かい?」
ジュディス「バウルよ。忘れてしまったの?」
女性「あなたジュディス?」
ジュディス「そうよ。長老さまに会いたいのだけれど」
女性「長老さまなら散歩しているかもしれないわ」
ジュディス「そう、分かったわ。とりあえず、街の広場まで行きましょう」
街の広場までやって来たリョウ達はあるものを見つける。
リタ「あたしの知らない魔導器がたくさんある……」
リョウ『魔導器を作った民ってことは本当みたいだな』
カロルは地面に置いてある魔導器を見て
カロル「動いてないね……」
リョウ『魔核がないからな』
ジュディス「この街は魔導器を捨てたの。ここにあるのはみんな大昔のガラクタよ」
カロル「どういうこと?」
???「それがワシらの選んだ生き方だからじゃよ」
年老いたクリティア族の男性が、近づいてきて言う。
ジュディス「お久しぶりね。長老さま」
長老「外が騒がしいと思えば、おぬしだったのか。戻ったんじゃの」
ジュディス「この子達は、私と一緒に旅をしている人達」
長老「ふむ。これは……魔導器ですな。もしや使ってなさる?」
ユーリ「ああ。武醒魔導器を使ってる」
長老「ふむ。ワシらと同様、地上の者ももう魔導器は使うのをやめたのかと思うていたが……」
エステル「ここの魔導器も、特別な術式だから使ってないんです?」
長老「魔導器に特別も何もないじゃろ。そもそも魔導器とは聖核を砕き、その欠片に術式を施して魔核とし、エアルを取り込むことにより……」
リタ「ちょ!魔核が聖核を砕いたものって!?」
長老「左様、そう言われておる。聖核の力はそのままでは強すぎたそうな。それでなくても、いかなる宝石よりも貴重な石じゃ。だから砕き術式を刻むことで力を抑え、
同時に数を増やしたんじゃな。魔核とはそうして作られたものと伝われておる」
ユーリ「……皮肉な話だな」
カロル「魔導器を嫌う始祖の隷長の生み出す聖核が、魔導器を作り出すのに必要だなんて」
レイヴン「フェローが聖核の話をしなかったのは、触れたくなかったから…かもねぇ」
ジュディス「長老さま。もっと色々聞かせてもらいたいの」
ユーリ「オレ達は魔導器が大昔にどんな役割を演じたか調べているんだ。もしそれが災いを呼んだのなら、どうやってそれを収めたのかも。ミョルゾには伝承が残ってるんだろ?それを教えてくれないか?」
長老「ふむ。いいじゃろ。ここよりワシの家にうってつけのものがある。ついてきなされ」
リョウ『聖核、魔導器、エアルの乱れ、始祖の隷長……いろいろ繋がってきたな』
リタ「伝承ってのを聞いたら、もっといろいろ繋がってくるかも」
長老の案内で屋敷に入るリョウ達は奥の壁の前に集められた。
長老「これこそがミョルゾに伝わる伝承を表すものなのじゃよ」
パティ「ただの壁なのじゃ」
長老「ジュディスよ、ナギーグで壁に触れながら、こう唱えるのじゃ。
……霧のまにまに浮かぶ夢の都、それが現実の続き」
ジュディス「霧のまにまに浮かぶ夢の都、それが現実の続き……?」
ジュディスがそう唱えると、壁一面に絵が現れた。
リタ「これは……」
カロル「なんか不気味な絵だね……」
ジュディス「クリティアこそ知恵の民なり。大いなるゲライオスの礎、古の世の賢人なり。されど賢明ならざる知恵は禍なるかな。我らが手になる魔導器、天地に恵みをもたらすも星の血なりしエアル穢したり」
エステル「エアルの乱れは過去にも起きていたんですね」
ジュディス「エアルの穢れ、嵩じて大いなる災いと災いを操る者を生み出す。我ら怖れもて災いを星喰(ほしは)み、それを操る者を魔王ディエドと名付けたり……」
エステル「星喰み……」
リョウ『魔王ディエド……』
ジュディス「ここに世のことごとく一丸となりて星喰み、魔王ディエドに挑み、忌まわしき力を消さんとす」
長老「結果、古代ゲライオス文明は滅んでしまったが、星喰みと魔王ディエドは鎮められたようじゃの。その点はワシらがこうして生きているからも明らかじゃな」
リタ「ようするにこの絵は、星喰みと魔王ディエドを鎮めてる図ってこと?」
カロル「ジュディス、続きは?」
ジュディスはしばらく黙り込む。
ユーリ「ジュディ?」
ジュディス「……世の祈りを受け満月の子らは命燃え果つ。星喰み虚空へと消え去れり」
ユーリ「なんだと?」
エステル「世の祈り受け……満月の子らは命燃え果つ……」
エステルは、走って部屋を出て行ってしまった。
カロル「エステル!」
ユーリ「ほっといてやれ」
ジュディス「まだ続きがあるわ。……銀河刀・銀雪花を用い魔王ディエドを鎮めた者を銀河の皇(おう)と名付けたり。かくて世は永らえたり。されど我ら罪を忘れず、ここに世々語り継がん。……アスール、240」
リタ「え?銀雪花?」
カロル「それって……リョウの持ってる太刀?」
リョウ『魔王ディエド……銀雪花……銀河の皇……』
ズキッ
リョウ『ぐっ!』
リョウは突然の頭痛に頭を押さえる。
リタ「リョウ!?どうしたの?」
リョウ『頭が……頭が割れそうだ……ぐぁ!!』
レイヴン「リョウ君!?しっかり!」
パティ「しっかりするのじゃ!」
リョウ『俺は……俺は……ぐ、ぐわぁぁぁぁぁぁ!!』
リョウはそのまま倒れ、意識を失った。
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