天を照らす銀河   作:浮雲のソル

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第45話 罪を受け継ぐ者

リョウ達はミョルゾに降り立つと、何人かのクリティア族が、やって来た。

 

 

男性「こりゃ驚いた。外からひとがやって来たぞ!」

 

 

クリティア族の女性がバウルを見て

 

 

女性「この魔物ひょっとして、始祖の隷長かい?」

 

 

ジュディス「バウルよ。忘れてしまったの?」

 

 

女性「あなたジュディス?」

 

 

ジュディス「そうよ。長老さまに会いたいのだけれど」

 

 

女性「長老さまなら散歩しているかもしれないわ」

 

 

ジュディス「そう、分かったわ。とりあえず、街の広場まで行きましょう」

 

 

街の広場までやって来たリョウ達はあるものを見つける。

 

 

リタ「あたしの知らない魔導器がたくさんある……」

 

 

リョウ『魔導器を作った民ってことは本当みたいだな』

 

 

カロルは地面に置いてある魔導器を見て

 

 

カロル「動いてないね……」

 

 

リョウ『魔核がないからな』

 

 

ジュディス「この街は魔導器を捨てたの。ここにあるのはみんな大昔のガラクタよ」

 

 

カロル「どういうこと?」

 

 

???「それがワシらの選んだ生き方だからじゃよ」

 

 

年老いたクリティア族の男性が、近づいてきて言う。

 

 

ジュディス「お久しぶりね。長老さま」

 

 

長老「外が騒がしいと思えば、おぬしだったのか。戻ったんじゃの」

 

 

ジュディス「この子達は、私と一緒に旅をしている人達」

 

 

長老「ふむ。これは……魔導器ですな。もしや使ってなさる?」

 

 

ユーリ「ああ。武醒魔導器を使ってる」

 

 

長老「ふむ。ワシらと同様、地上の者ももう魔導器は使うのをやめたのかと思うていたが……」

 

 

エステル「ここの魔導器も、特別な術式だから使ってないんです?」

 

 

長老「魔導器に特別も何もないじゃろ。そもそも魔導器とは聖核を砕き、その欠片に術式を施して魔核とし、エアルを取り込むことにより……」

 

 

リタ「ちょ!魔核が聖核を砕いたものって!?」

 

 

長老「左様、そう言われておる。聖核の力はそのままでは強すぎたそうな。それでなくても、いかなる宝石よりも貴重な石じゃ。だから砕き術式を刻むことで力を抑え、

同時に数を増やしたんじゃな。魔核とはそうして作られたものと伝われておる」

 

 

ユーリ「……皮肉な話だな」

 

 

カロル「魔導器を嫌う始祖の隷長の生み出す聖核が、魔導器を作り出すのに必要だなんて」

 

 

レイヴン「フェローが聖核の話をしなかったのは、触れたくなかったから…かもねぇ」

 

 

ジュディス「長老さま。もっと色々聞かせてもらいたいの」

 

 

ユーリ「オレ達は魔導器が大昔にどんな役割を演じたか調べているんだ。もしそれが災いを呼んだのなら、どうやってそれを収めたのかも。ミョルゾには伝承が残ってるんだろ?それを教えてくれないか?」

 

 

長老「ふむ。いいじゃろ。ここよりワシの家にうってつけのものがある。ついてきなされ」

 

 

リョウ『聖核、魔導器、エアルの乱れ、始祖の隷長……いろいろ繋がってきたな』

 

 

リタ「伝承ってのを聞いたら、もっといろいろ繋がってくるかも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長老の案内で屋敷に入るリョウ達は奥の壁の前に集められた。

 

 

長老「これこそがミョルゾに伝わる伝承を表すものなのじゃよ」

 

 

パティ「ただの壁なのじゃ」

 

 

長老「ジュディスよ、ナギーグで壁に触れながら、こう唱えるのじゃ。

……霧のまにまに浮かぶ夢の都、それが現実の続き」

 

 

ジュディス「霧のまにまに浮かぶ夢の都、それが現実の続き……?」

 

 

ジュディスがそう唱えると、壁一面に絵が現れた。

 

 

リタ「これは……」

 

 

カロル「なんか不気味な絵だね……」

 

 

ジュディス「クリティアこそ知恵の民なり。大いなるゲライオスの礎、古の世の賢人なり。されど賢明ならざる知恵は禍なるかな。我らが手になる魔導器、天地に恵みをもたらすも星の血なりしエアル穢したり」

 

 

エステル「エアルの乱れは過去にも起きていたんですね」

 

 

ジュディス「エアルの穢れ、嵩じて大いなる災いと災いを操る者を生み出す。我ら怖れもて災いを星喰(ほしは)み、それを操る者を魔王ディエドと名付けたり……」

 

 

エステル「星喰み……」

 

 

リョウ『魔王ディエド……』

 

 

ジュディス「ここに世のことごとく一丸となりて星喰み、魔王ディエドに挑み、忌まわしき力を消さんとす」

 

 

長老「結果、古代ゲライオス文明は滅んでしまったが、星喰みと魔王ディエドは鎮められたようじゃの。その点はワシらがこうして生きているからも明らかじゃな」

 

 

リタ「ようするにこの絵は、星喰みと魔王ディエドを鎮めてる図ってこと?」

 

 

カロル「ジュディス、続きは?」

 

 

ジュディスはしばらく黙り込む。

 

 

ユーリ「ジュディ?」

 

 

ジュディス「……世の祈りを受け満月の子らは命燃え果つ。星喰み虚空へと消え去れり」

 

 

ユーリ「なんだと?」

 

 

エステル「世の祈り受け……満月の子らは命燃え果つ……」

 

 

エステルは、走って部屋を出て行ってしまった。

 

 

カロル「エステル!」

 

 

ユーリ「ほっといてやれ」

 

 

ジュディス「まだ続きがあるわ。……銀河刀・銀雪花を用い魔王ディエドを鎮めた者を銀河の皇(おう)と名付けたり。かくて世は永らえたり。されど我ら罪を忘れず、ここに世々語り継がん。……アスール、240」

 

 

リタ「え?銀雪花?」

 

 

カロル「それって……リョウの持ってる太刀?」

 

 

リョウ『魔王ディエド……銀雪花……銀河の皇……』

 

 

ズキッ

 

 

リョウ『ぐっ!』

 

 

リョウは突然の頭痛に頭を押さえる。

 

 

リタ「リョウ!?どうしたの?」

 

 

リョウ『頭が……頭が割れそうだ……ぐぁ!!』

 

 

レイヴン「リョウ君!?しっかり!」

 

 

パティ「しっかりするのじゃ!」

 

 

リョウ『俺は……俺は……ぐ、ぐわぁぁぁぁぁぁ!!』

 

 

リョウはそのまま倒れ、意識を失った。

 

 

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