天を照らす銀河   作:浮雲のソル

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第5話 丘を越えて

一行はエフミドの丘へ着いた。

 

 

「ここがエフミドの丘?」

 

 

「そう…だけど…結界がなくなってる」

 

 

『こんなとこに結界があったのか?』

 

 

「うん、来る時はあったよ。最近設置されたってナンが言ってたし」

 

 

「ナンって誰ですか?」

 

 

「えっとギ、ギルドの仲間だよ。ちょっと情報集めてくる!」

 

 

そう言い、カロルは先へ進んで行った。

 

 

「どうしたの?あのガキんちょ」

 

 

『さぁ?分かんねぇ』

 

 

少し先に進むと、壊れた魔導器が道をふさいでいた。それを見たリタはすぐにその魔導器に走って行った。

 

 

『あっ!ちょっと待てって、リタ』

 

 

すぐにリョウがリタを追いかける。

 

 

「あいつも大変だな…」

 

 

「でも、リョウ、楽しそうですよ」

 

 

「そうは見えねぇんだが…」

 

 

ユーリとエステルが話していると、カロルが帰ってきた。

 

 

「ふたりとも聞いて!それが一瞬だったらしいよ!ガツン!ドカン!って」

 

 

「何がどうだって?」

 

 

詳しく説明すると、竜に乗った者が槍で魔導器を壊したらしい。カロルがそう説明していると、リタとリョウが騒ぎを起こしているのに気付く。

 

 

「こんな変な術式の使い方して、魔導器が可哀想でしょ!」

 

 

『リタ、とりあえず落ち着けって』

 

 

リョウがリタに落ち着くように言うが。リタは聞く耳を持たない。すると、ぞろぞろと騎士がこっちに向かってくる。

 

 

『〖こうなったら…〗逃げるぞ!リタ!』

 

 

リタの腕をつかみ、ユーリ達の方へ走る。

 

 

「ちょっと、放しなさいよ!リョウ!」

 

 

『捕まったら、元も子もねぇだろ!』

 

 

「ふたりとも、こっちだ。」

 

 

ユーリ達と合流し、草むらに逃げ込む。

 

 

『あれ?そういえばカロルは?』

 

 

リョウはカロルがいないことに気付く。

 

 

「カロルなら囮になったぜ」

 

 

『そうか…カロル…おまえの死は無駄にしないよ…』

 

 

「勝手に殺さないでよ!」

 

 

そんなツッコミと共にカロルが草むらから出てきた。

 

 

『ははっ冗談冗談』

 

 

「バカっぽい…」

 

 

リタが呆れていると、入口の方から

 

 

「ユーリ・ローウェル!どこに逃げよったあ!」

 

 

「エステリーゼ様~!出てきてくださいのであ~る!」

 

 

「ユーリ、出てこ~い!」

 

 

ハルルで戦った騎士達の声がしてきた。

 

 

『有名人だな、ユーリは、というより何者なんだあんたら』

 

 

「えと、わたしは…」

 

 

「そんな話はあとあと」

 

 

なにか事情がありそうなので、リョウはこれ以上聞かないことにした。

 

 

『で?これからどこいくんだ?俺達』

 

 

「ノール港だ」

 

 

「えと、どちらに向かえばいいんでしょうか?」

 

 

「方角的には…」

 

 

いちおう道らしきものの先を指さすカロル。

 

 

「これって獣道よね?進めるの?」

 

 

「行けるところまで行くぞ。捕まるのはたくさんだ」

 

 

「魔物にも注意が必要ですね。」

 

 

そして一行は魔物を倒しながら進んで行った。

 

 

 

 

 

『散沙雨!!』

 

 

魔物を倒したリョウにユーリが近づいてきた。

 

 

「なあ、リョウ?」

 

 

『ん?なんだユーリ?』

 

 

「おまえって、結構力あるのか?」

 

 

『う~ん…まあ、普通かな。なんでそんなこと聞くんだ?』

 

 

「おまえの持ってる白い太刀、重そうな割には軽々と使ってんなと思って」

 

 

『実際、軽いからなこの太刀。自分の腕だと思うくらいな』

 

 

「そんなに軽いのか!?」

 

 

『ああ、持ってみるか?』

 

 

リョウはユーリに白い太刀を渡す…が

 

 

「ちょ、おまっ…これ重っ」

 

 

ユーリはあまりの重さに驚き、太刀を地面に降ろす。もう一度、持とうとしたがまったく持ち上がらない。

 

 

『…なにやってんだ?ユーリ?』

 

 

「おまえ!!無茶苦茶重いじゃねぇか!!おまえ馬鹿力にも程があるぞ!!」

 

 

『ユーリが力ないんじゃねぇの?』

 

 

リョウは地面に置かれた太刀をヒョイッと持ち上げる。

 

 

「ウソだろ!!」

 

 

『こんなに軽いのに…情けない…』

 

 

「おまえの力がすげぇんだって…」

 

 

『だったら、カロルに持たせてみるか?あいつも重い武器使ってるし』

 

 

「そうだな…おーいカロルー」

 

 

「なに~ユーリ、リョウ?」

 

 

カロルがやってきた。

 

 

『ちょっとこの太刀持ってみて』

 

 

「なにかと思えば、そんなこと?僕はギルドのエースだよ。太刀ぐらい…って重っ!!」

 

 

結果はユーリと同じくまったく持ち上げられなかった。

 

 

「いったい、どんな素材でできてるんだその太刀?」

 

 

『さあ?』

 

 

「さあ?って…」

 

 

『気付いたら、持ってたからなこの太刀。』

 

 

「その太刀のことも覚えてないのか?」

 

 

『ああ…まったくな…太刀(こいつ)の名前も分かんねぇんだ。まあ、その内思い出すだろ。さきへ行こうぜ』

 

 

「ああ、そうだな」

 

 

 

 

しばらく進んで行くと、大きな赤い花を見つける。リタが近づいてみるが…

 

 

「リタ!触っちゃだめ!ビリバリハの花粉を吸いこむと目眩と激しい脱力感に襲われる、です」

 

 

と、エステルが注意する。

 

 

「ふーん…」

 

 

リタはカロルの背後に回り、花の方にドンッと背中を押す。

 

 

「ちょ、なにを…」

 

 

「あ、ゴメン!」

 

 

〖絶対、わざとだな…〗

 

 

「カロル、大丈夫です!?」

 

 

ピヨピヨ状態のカロルにエステルは治癒術を使う。その様子を見ていたリタにユーリが

 

 

「治癒術に興味あんのか?」

 

 

「別に…」

 

 

「…だめですね。治癒術では治りません。自然に回復するのを待つしかなさそうです」

 

 

しばらくして、カロルが回復し、さらに先へ進む。すると少し開けた場所に出る。

 

 

『狭い道通ってきたからやけに広く感じるな』

 

 

その時、獣の咆哮が響き渡る。声のする方へ目をやると、巨大な魔物が崖の上からこちらを見下ろしている。

 

 

「わあああっ!あ、あれ、ハルルを襲ったガットゥーゾっていう魔物だよ!」

 

 

「へぇ、こいつがね。生き残りってわけか」

 

 

「ほっといたらまたハルルを荒らしに行くわね。たぶん」

 

 

『今は結界があるけど近所にこんなのがいたらな…来るぞ!』

 

 

ガットゥーゾは崖から降り、こっちに向かって突進してくるが、誰にも当たらなかった。

 

 

『散沙雨!!』

 

 

リョウは太刀の連続突きを放つが、ガットゥーゾの爪でガードされてしまう。技の隙を狙ってガットゥーゾが爪で攻撃してきた。リョウは避けることができず、少しくらってしまう。

 

 

『ぐっ!』

 

 

「リョウ!大丈夫です!?」

 

 

『傷は浅いけど、毒くらっちまった』

 

 

「今、治します。卑しき病みよ、退け。リカバー」

 

 

リョウの毒が消えた。

 

 

『ありがとう、エステル』

 

 

「ゆらめく焔、猛追!ファイアボール!」

 

 

リタのファイアボールがガットゥーゾに当たる。ダメージが大きいようだ。

 

 

「もしかして火に弱いのかな?」

 

 

「そうかもな…おっと。」

 

 

ユーリとカロルとラピードに小型の魔物…ガットゥーゾ・ピコが襲いかかる。

 

 

「俺らはこいつの相手か…」

 

 

〖火に弱いならあの技を使えば…〗

 

 

ガットゥーゾはリョウに向かって突進してくる。リョウは自分の後ろにビリバリハの花があることに気付いた。そして、リョウは高くジャンプすると、ガットゥーゾはビリバリハの花に当たり花粉が拡散し、吸い込んだ。ガットゥーゾはその場から動けなくなった。

 

 

『もらったぁぁぁ!火炎裂空!!』

 

 

リョウは、炎をまとって急降下し、さらに回転をしながらガットゥーゾを何度も切った。ガットゥーゾは炎に包まれ、そのまま絶命した。

 

 

「こっちも、おわったぜ」

 

 

「ふう…小さいけど強かったなぁ…」

 

 

「ワンッ」

 

 

ユーリとカロルとラピードもガットゥーゾ・ピコを倒したようだ。

 

 

「すごいですリョウ!ビリバリハの花を利用して倒すなんて!」

 

 

『とっさに思いついた割にはうまくいったよ』

 

 

「それでも、すごいです。カッコよかったです!」

 

 

『よせよ、照れるだろ』

 

 

リョウは少し顔を赤くする。

 

 

「…」

 

 

リョウとエステルのやりとりをリタは不機嫌そうに見ている。

 

 

「どうしたの?リタ?」

 

 

カロルが尋ねるがリタは「別に…」と答えるだけ。するとユーリが

 

 

「ふーん、なるほどねぇ…」

 

 

「な、なによ…」

 

 

「なんでもねぇよ。さ、行くぞみんな」

 

 

 

さらに獣道を進んで行くと、視界が急に開ける。そこには一面に広がる青い海。

 

 

「うわあ…」

 

 

「これ…って…」

 

 

『きれいだな…』

 

 

海に感激する一行。ふと、リョウは2つの不自然な形の石が目にはいる。

 

 

〖なんだ?これ?墓…のようなそうじゃないないような…1つはなんか懐かしいような…もう1つは…〗

 

 

「おーいリョウ、先に行くぞー」

 

 

『分かった。今、行く』

 

 

ユーリに呼ばれ、再び獣道へ戻る一行。

 

 

 

 

 

一行が海の見える丘から去ったあと、刀を持った黒髪の男が現れる。

 

 

「なぜ…奴が生きている?奴は私が…まあいい、奴はあの方にとっては邪魔にしかならない…また斬滅するのみ…」

 

 

男はリョウ達を追う。ただならぬ殺気を持ったまま…

 

 

To be continued




スキット 違和感


カロル「海、きれいだったね」


エステル「はい!とても!」


リョウ『……』


カロル「リョウ?難しい顔してどうしたの?海、きれいじゃなかった?」


リョウ『いや、そんなことはないぞ。海はきれいだったけど…』


カロル「けど?」


リョウ『いや、なんでもねえ。早く先へ行こうぜ』


カロル「分かった」


リョウ〖あの石…いや…墓なのか?なんか…とても懐かしいような…でもなんでそう思うんだ?〗
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