天を照らす銀河   作:浮雲のソル

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第55話 階梯の果てに

リョウたちは御剣の階梯を駆けのぼり、アレクセイのもとへたどり着いた。

 

 

リョウ『アレクセイ!!』

 

 

アレクセイ「……呆れたものだ。あの衝撃でも死なないとは」

 

 

リョウ『あいにく、俺たちはしぶといんでね』

 

 

アレクセイ「しぶといか……リョウ・ゲキショウ。君は特に」

 

 

リタ「どういうこと?」

 

 

アレクセイ「10年前、ダフィエルは君を殺したと言っていたが、ヘリオードで君を見た時は流石に驚いたよ。生きていたことと姿が全く変わっていないことに」

 

 

リョウ『なぜ俺の命を狙っていた?』

 

 

アレクセイ「10年前、君は私のある計画を知り阻止しようとして邪魔だったからだ。だからダフィエルを使い、君を殺すように命令した。

だが、君が記憶喪失で生きていると知ってから記憶を取り戻す前にダフィエルにまた殺すように命令した」

 

 

リョウ『計画?エステルの力を使って帝都を支配することか?』

 

 

アレクセイ「その様子だとまだその当時の記憶は取り戻していないようだな。

まあいい、もう君のことなどどうでもいい。私の目的は達成した」

 

 

ユーリ「だったら、エステルを返してもらおうか」

 

 

アレクセイ「いいとも」

 

 

エステルは解放されたが、剣を構えてユーリに斬りかかってきた。

 

 

ユーリ「うおっ!!」

 

 

カロル「エステル!どうしたんだよ!!」

 

 

ジュディス「待って。操られているようよ」

 

 

パティ「卑怯なのじゃ、アレクセイ!」

 

 

アレクセイ「取り戻してどうする?姫の力はもう本人の意思ではどうにもならん。我がシステムによってようやく制御している状態なのだ。

暴走した魔導器を止めるには破壊するしかない。諸君ならよく知ってるはずだな」

 

 

リタ「エステルを物呼ばわりしないで!!」

 

 

アレクセイ「ああ、まさしくかけがえのない道具だったよ、姫は」

 

 

アレクセイが剣を抜く、するとその柄に収まった魔核が光を放つ。

 

 

ユーリ「やめろ!!よせ、エステル!くっそおぉ!!」

 

 

ユーリはエステルの剣を弾き返した。

 

 

アレクセイ「ふむ、パワーが足りなかったか?」

 

 

エステル「きゃあぁぁぁぁ!!」

 

 

エステルから衝撃波が放たれ、宙の戒典を持つユーリ以外の仲間が動けなくなる。

 

 

アレクセイ「諸君のおかげでこうして宙の戒典にかわる新しい『鍵』も完成した。

礼といってはなんだが、我が計画の仕上げを見届けていただこう。……真の満月の子の目覚めをな」

 

 

ザーフィアス上空に、紋章が浮かび上がった。そこから放たれた光は海上で炸裂し、海底から巨大な指輪のような建造物がせり上がった。

 

 

レイヴン「く……なんだ、ありゃ……」

 

 

リョウ『あれは……ミョルゾで見た……』

 

 

パティ「あの壁画の輪っかなのか……!?」

 

 

アレクセイ「くくく……ははは……成功だ!やったぞ、ついにやった!!あれこそ、古代文明が生み出した究極の遺産!ザウデ不落宮!かつて世界を覆った災厄をも打ち砕いたという究極の魔導器!」

 

 

リョウ『あれが……魔導器だと……』

 

 

アレクセイ「ショーは終わりだ。幕引きをするとしよう。姫、ひとりずつお仲間の首を落として差し上げるがいい」

 

 

ユーリ「てめえ……!」

 

 

アレクセイ「姫も君たちがわざわざここに来たりしなければ、こんなことをせずにすんだものを、我に返った時の姫のことを思うと心が痛むよ。では、ごきげんよう」

 

 

アレクセイは風とともに姿を消した。

 

 

ユーリ「アレクセイ!!」

 

 

リョウ『ユーリ!後ろだ!』

 

 

背後からエステルがユーリに斬りかかってきた。ユーリはかわし、次の剣撃を受け止める。

 

 

エステル「これ以上……誰かを傷つける前に……お願い………殺して」

 

 

ユーリ「今……楽にしてやる」

 

 

リョウ『ユーリ……』

 

 

エステルと剣を交わすユーリ。

 

 

ユーリ「帰ってこい。エステル!おまえはそのまま、道具として死ぬつもりか!?」

 

 

エステルの手から剣が滑り落ちた。

 

 

エステル「わた……わたしは……」

 

 

エステルの目から涙があふれる。

 

 

エステル「わたしはまだ人として生きていたい!!」

 

 

エステルの身体から光が放たれ、帝都の空が晴れた。

 

 

カロル「やった、エステル、目が覚めたんだね!」

 

 

リタ「待って、システムが!?」

 

 

エステルは赤い球体に取り込まれる。

 

 

ジュディス「アレクセイの剣が要だったんだわ。このままでは……!」

 

 

リタ「あいつのシステムが使えるかも……リョウ!手伝って!」

 

 

リョウ『まかせろ!!』

 

 

リタとリョウはアレクセイの作り出したシステムをチェックする。

 

 

リタ「すごい……。ほとんどそろってる……これなら」

 

 

リョウ『でも、聖核がない……どうすりゃいいんだ』

 

 

ユーリ「この剣を使ったらどうだ!?アレクセイが使ってたやつの本物だろ!?」

 

 

リョウ『宙の戒典……やってみよう!』

 

 

ジュディス「手伝うわ。流れを読み取るから」

 

 

カロル「ボクも!」

 

 

パティ「手伝うのじゃ」

 

 

レイヴン「くう。融通の利かない体だぜ……」

 

 

エステル「みんな、もう……」

 

 

ユーリ「信じろって。凛々の明星はやるときゃやる。そんな顔するなって」

 

 

エステル「……はい!」

 

 

リョウたちは球体の周りに集まる。

 

 

リタ「ユーリ!剣を!」

 

 

ユーリ「っしゃあ!」

 

 

あたりを強烈な光が包み、球体が破壊され、エステルはユーリの胸に飛び込んでいた。

 

 

ユーリ「……おかえり」

 

 

エステル「……ただいま」

 

 

To be continued

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