天を照らす銀河   作:浮雲のソル

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第62話 過去を語る皇

アスピオの近くの森

 

 

 

リョウ『えっと……たしかこの辺だったよな』

 

 

リョウとリタが初めて出会った森を歩くリョウたち。

 

 

リョウ『お!あったあった』

 

 

リョウが見つけたのはカプセル型の魔導器の様なもの。

 

 

レイヴン「なにこれ?」

 

 

ジュディス「魔導器……なの?」

 

 

リタ「この魔導器の中にリョウが入っていたの」

 

 

パティ「人間を入れる魔導器なのか!?」

 

 

リョウ『そうだ。この魔導器のことは後々話すとして。まずは出生から話すか。俺が生まれたのは今から28年前のとある小さな村で生まれたんだ』

 

 

ユーリ「おまえ28歳なのか!?」

 

 

リョウ『いや、年齢は18歳だ』

 

 

カロル「で、でもそれじゃおかしくない?」

 

 

リョウ『確かに言っていることがおかしいと思うが、それも後々分かる。俺は小さい頃から村の住人たちから気味悪がられていたんだ』

 

 

エステル「どうしてです?」

 

 

リョウ『武醒魔導器を使わずに技などを使っていたからだろうな。銀河の皇のことは両親だけ知っていて、他の住人には全く教えていなかった』

 

 

エステル「辛そうです……」

 

 

リョウ『いや、そうでもなかったんだ。唯一の理解者である両親がいてくれただけで俺はよかった。それで幸せだった。でも、俺が15歳の頃、大きな災害が起きたんだ……両親も住人もみんな死んじまった。俺だけが生き残った』

 

 

リタ「……」

 

 

リョウ『居場所を無くした俺は当てもなく旅に出た。今思えば死に場所を探してたのかもな……でも、そんなある日、俺はある始祖の隷長とある人と出会ったんだ』

 

 

カロル「だ、誰なの?」

 

 

リョウ『始祖の隷長の長エルシフル、みんなも知っているデュークだ』

 

 

!?

 

 

リョウ『俺はそのふたりに出会って、すぐに友だちになったんだ。そして三人で世界中を旅して回った。俺は生きる力を取り戻した。

その3年後、つまり今から10年前、人魔戦争が起きた。結果は人間の勝利で終わった。でもそれには理由があったんだ』

 

 

レイヴン「理由?」

 

 

リョウ『人間との共存を求めていたエルシフルは人間と協力したんだ。そして、俺とデュークも一緒に戦って勝利した』

 

 

レイヴン「マジかよ……そんな話知らなかったぜ、デュークが人魔戦争の英雄ってことは知ってたけど」

 

 

リョウ『俺は戦争が終わった直後、ある情報を耳にしたんだ。帝国……いや、正確にはアレクセイがエルシフルの命を狙っていると』

 

 

ユーリ「アレクセイが?」

 

 

リョウ『その頃からもうすでにアレクセイの計画は始まっていたんだろう。いずれ邪魔になる始祖の隷長を排除したかったんだろな。

俺はそれを阻止するために急いでエルシフルの元へ向かおうとした……でもその前にアレクセイの部下ダフィエルに足止めされて俺は戦った……でも俺は致命傷を負わされた。それでも俺は何としてもエルシフルの元へ行くため傷だらけになりながらも必死に向かった。この森に着いた頃には俺の命は尽きかけていた。でもやっとこの森でエルシフルに会えたんだ。

エルシフルは傷だらけの俺を見て偶然ここにあったカプセル型の魔導器……封印魔導器(シアルブラスティア)に俺を入れて治療しようとした』

 

 

リタ「封印魔導器……?」

 

 

リョウ『封印魔導器は入れた人間の傷を治療し、老化を止めることができるんだ。でも長時間入っていると脳に悪影響を及ぼす。エルシフルはそれで俺を匿い、脳に悪影響が起きる前に俺を封印魔導器から出すことを約束したんだ。

でも気がついた時にはリタに出してもらって、10年の月日が経っていて、記憶を失っていた……』

 

 

エステル「じゃあ、エルシフルは……」

 

 

リョウ『殺されたんだろう……』

 

 

カロル「そんな……」

 

 

リョウ『とまあこれで俺の話は終わり。氷刃海へ行こうぜ』

 

 

リタ「それは明日にして今日はもうアスピオで休みましょ」

 

 

リョウ『え?でも』

 

 

リタ「リョウも話して疲れただろうし、これはもう決定だから!」

 

 

リョウ『わ、分かった』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスピオ リタの小屋

 

 

 

氷刃海へ行くのを明日にしたリョウたちはアスピオで休むことにした。

ユーリたちは宿で、リョウとリタはリタの小屋で休んでいる。

 

 

リョウ『そろそろなんか作って食べるか』

 

 

リョウが立ち上がり台所へ向かおうとした時

 

 

リタ「ちょっとあたしの隣に来て座って」

 

 

リョウ『?……ああ』

 

 

リタにそう呼び止められたので、リタの隣に座る。

 

 

リョウ『どうしたんだ?』

 

 

リタ「無理、しなくていいのよ」

 

 

リョウ『なんのことだ?』

 

 

リタ「泣きたいんでしょ?」

 

 

リョウ『そ、そんなこと』

 

 

そう言うがリョウの目からは涙が流れていた。

 

 

リョウ『あれ?な、なんで……』

 

 

リタ「友だちが自分を匿って死んだら、泣きたくなるわよ」

 

 

リョウ『エルシフル……うう……ぐす』

 

 

ギュッ

 

 

リタはリョウを抱きしめる。

 

 

リタ「泣きたい時は思いっきり泣けばいいのよ。あんたの悲しみをあたしにぶつけて」

 

 

リョウ『リタ……う、う、うわぁぁぁぁぁぁぁ』

 

 

しばらくの間リョウはリタの胸の中で泣き続けた。

 

 

リョウ『ありがとうリタ、スッキリした』

 

 

リタ「それならよかった」

 

 

リョウ『よし!明日に備えて、飯食って寝るか!』

 

 

リタ「そうしましょ」

 

 

リョウ『寝る時、今度は俺がリタを抱きしめて寝るからな。お礼の意味も込めて/////』

 

 

リタ「ば、バカ……別にいいけど/////」

 

 

その夜、予告通りリョウはリタを抱きしめながら一緒に寝た。

 

 

To be continued




オリジナル用語集


銀河の皇(おう) 銀河刀・銀雪花を使うことができる人間。また武醒魔導器を使わずとも技を使うことができる。


光子化(フォトンか) 銀河の皇が使うことができる能力。術以外の攻撃を受けなくなる。また光を吸収して傷を癒すこともできる。


魔王ディエド 星喰みを操ることができる唯一の存在であり邪悪の化身。約1000年前に銀河の皇によって封印された。


銀河刀・銀雪花(ぎんせつか) 銀河の皇の血を引く者にのみ使うことができる白い太刀。魔王ディエドを斬ることができる唯一の武器。


封印魔導器(シアルブラスティア) 人間を入れることができる特殊な魔導器。入れた人間の傷を治癒し、老化を止めることができるが、長時間入っていると、脳に悪影響を及ぼす。いかなることをしても壊すことはできず、魔核がなければ人間を入れることも出すことも不可能。
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