リョウたちが氷刃海を抜けるあたりで
ゾクッ
リョウは突然悪寒を感じ、立ち止まった。
リタ「どうしたの?」
リョウ『なんか今寒気が……』
レイヴン「そりゃあここは氷刃海、寒いのなんて当たり前。ああ寒い」
リョウ『そういう寒さじゃなくて、なんか嫌な寒さなんだ……』
ジュディス「風邪でもひいたのかしら?」
ドォォォォォン
突然轟音が鳴り響いた。
カロル「な、なに、今の!?」
パティ「あの方角は……」
ユーリ「ザウデの方だな」
空は瞬く間に黒い禍々しい物体が覆い、無数の星喰みの分体が現れた。
リタ「星喰みから守る結界……ザウデになにがあったの!?」
リョウ『ディエドだ……』
リタ「え?」
リョウ『ディエドがザウデを破壊したんだ……』
エステル「分かるんです?」
リョウ『俺が銀河の皇だからか分かるんだ。さっきの寒気はディエドのものだったんだ』
ジュディス「星喰みを操る魔王……」
カロル「星喰みを操ってなにをするつもりなの?」
リョウ『俺が小さい頃両親から聞いた話じゃ、奴はこの世界を支配しようとしたらしい』
パティ「その最初の一歩が始まったのか?」
リョウ『そうかもな。まずは星喰みをなんとかしないと』
ユーリ「なあリタ、星喰みはエアルから生まれたってデュークが言ってたんだが」
リタ「え?」
ユーリ「精霊はエアルを物質に変えるってんなら。もし十分な精霊がいたら星喰みをなんとかできないか?」
リタ「分からない。でもやってみる価値はあると思う」
エステル「やりましょう、ユーリ!」
ユーリ「決まりだな」
突然、ジュディスがバウルの声を聞きつける。
ジュディス「星喰みの眷属が街を襲っているらしいわ。場所はノードポリカ」
リョウ『みんな急ごう!』
ノードポリカに近づくと星喰みの分体を発見した。
カロル「見て!街に取り付いてる!」
リョウ『前にコゴール砂漠で見たやつだな』
ジュディス「前のはフェローの幻だったけど今度のは本物よ。気をつけて」
エステル「結界のエアルを食べようとしてるみたいです!」
リタ「星喰みはエアルに引き寄せられる……?」
闘技場の前でナッツが戦士の殿堂を率いて、分体の進功を食い止めている。
ナッツ「退くな!ここで食い止めるんだ!」
リョウたちが駆けつけ、星喰みの分体を撃退した。
街を守り、ナッツと話し込む。
ナッツ「またあんたたちに助けられたな」
カロル「さっそくディエドが操ってノードポリカを襲わせたのかな?」
リョウ『いや、それは違うな』
別行動していたリタとリョウが戻ってきた。
エステル「リタ、リョウ、どこに行ってたんです?」
リタ「ここの結界魔導器を見てきたの。出力が上げられてたわ。だからあの化け物が引き寄せられたみたいね。通常の出力に戻させてもらったわよ」
リョウ『つまり、あれは操られて来たわけじゃないってことだ』
カロル「そうなんだ」
ノードポリカを去ろうとすると
レイヴン「にしても、あの化け物……。戦士の殿堂の手練れ太刀打ちできてなかったな。どうにも解せないねぇ」
カロル「ボクらは倒せたのにね」
リョウ『精霊の力なのか?』
リタ「星喰みがエアルに近いってんなら精霊の力が影響した可能性はあるわね」
ユーリ「あと三体そろえばもっと対抗できるってことか?」
リタ「エアルを抑えるだけなら、属性そろえば十分だろうけど、星喰みにはなんとも言えないわ」
レイヴン「聖核もそこら辺に転がってるもんじゃないしなあ」
エステル「始祖の隷長も、もう数少ないみたいですし……」
ユーリ「……なあ、世界に存在する魔導器って相当な数だよな」
エステル「そうですね。魔導器はわたしたちの生活に欠かせないものですから」
ユーリ「魔核って聖核のカケラでできてるってことだよな。だったら、もし精霊四体で足りないんなら、世界中の魔核を精霊に変えたらいいんじゃないか?」
リョウ『それはいい方法……と言いたいところだけど』
カロル「……もしユーリの言った方法が実現したとして……そしたら魔導器は全部使えなくなっちゃわない?」
レイヴン「魔核がなくなるわけだからそうなるわな」
エステル「どんな世の中になってしまうんでしょう?」
リョウ『結界による安全はなくなり、生活も不便になる。嫌がる奴は大勢いるだろうな』
ユーリ「それでもやらなきゃ……たとえ仲間以外の誰にも理解されなかったとしても」
リョウ『まずは四属性の精霊を生み出すことからしようぜ』
パティ「じゃの。先のことはそれからでも考えられるのじゃ」
カロル「バウルが始祖の隷長のいる場所を知ってるんだよね」
ユーリ「ああ、船に戻って聞いてみよう」
To be continued