天を照らす銀河   作:浮雲のソル

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第66話 救うべき魂

結晶の森、エレアルーミンの内部に入り込んだリョウたち。

 

 

リョウ『綺麗だな……ハルルとは違った美しさだ』

 

 

カロル「ここに始祖の隷長が?」

 

 

ラピード「ワン!」

 

 

ユーリ「どうしたラピード?」

 

 

ラピードが踏み荒らされた結晶の跡を見つける。

 

 

パティ「こんなところに来るなんてどこの物好きなのじゃ」

 

 

リョウ『先客がいるみたいだな。みんな、気をつけろよ』

 

 

 

森を進んでいると、突如ブーメランが飛んできた。

 

 

リョウ『おっと!』

 

 

リョウはそれを弾く

 

 

ジュディス「この武器……!」

 

 

カロル「ナン!」

 

 

リョウたちの目の前に、傷を負ったナンが現れた。

 

 

ナン「……警告する。ここは魔狩りの剣が活動中だ。すぐに立ち去り……」

 

 

言葉の途中でナンは倒れた。

 

 

カロル「ナン!」

 

 

カロルはナンに駆け寄った。

 

 

エステル「ひどいケガ……」

 

 

エステルはナンに治癒術をかける。

 

 

カロル「しっかり!ナン!」

 

 

ナン「カロル……」

 

 

カロル「一人でどうしたんだよ!首領やティソンたちは?」

 

 

ナン「……師匠たちは奥に」

 

 

カロル「え!?ナンをおいて!?なにがあったのさ!」

 

 

ナン「不意に標的とここで戦いになって。あたし、いつもみたいに出来なくて……師匠が、迷いがあるからだって」

 

 

カロル「迷い?」

 

 

ナン「魔物は憎い。許せない。その気持ちは変わらない。でも今はしなきゃいけないことがあるんじゃないかって……それを話したら……」

 

 

レイヴン「置いて行かれたってか」

 

 

ジュディス「愚かね。この期に及んで生き方を見つめ直せないなんて」

 

 

カロル「ひどいよ!ナンは間違ってないのに!」

 

 

リョウ『落ち着けカロル。魔狩りの剣の狙いは始祖の隷長だな。急ごう』

 

 

カロル「一緒に行こう、ナン」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リョウたちが最深部に到着するとクリントとティソンが始祖の隷長と相対していた。

 

 

ジュディス「グシオス!」

 

 

リョウ『あいつは確かカルボクラムにいた……』

 

 

ユーリ「なるほど。魔狩りの剣にとっちゃ因縁の相手ってとこか」

 

 

エステル「何か様子がおかしいです」

 

 

クリント「なぜ攻撃が効かない……!?」

 

 

グシオスは咆哮をあげ。口からたくさんのエアルを吸収している。

 

 

リタ「エアルを食べてる。でもこれって……?」

 

 

ナンが魔狩りの剣のメンバーに駆け寄る。

 

 

クリント「ナン……なぜ来た!」

 

 

ティソン「迷いをもったままじゃ足手まといだと言ったろうが!」

 

 

クリント「逃げろ!おまえではどうにもならん」

 

 

ナン「いやです、あたしにとってギルドは家族。見捨てるなんてできない!」

 

 

グシオスがふたたび咆哮をあげる。

 

 

ジュディス「落ち着いて、グシオス!どうしたというの!」

 

 

ウンディーネが姿を現した。

 

 

エステル「ウンディーネ!」

 

 

クリント「な、なんだ……こいつは……」

 

 

リョウ『精霊だ』

 

 

ナン「精霊……」

 

 

ウンディーネ「……グシオス。そなた……」

 

 

リョウ『ウンディーネ、どうしたんだあいつは?』

 

 

レイヴン「なんか話できる状態じゃないみたいよ!?」

 

 

ウンディーネ「始祖の隷長といえども、無制限にエアルを取り込める訳ではない。その能力を超えたエアルを体内に取り込んだものは耐え切れず変異を起こす。そして……」

 

 

リタ「まさか!」

 

 

ウンディーネ「……星喰みとなる」

 

 

ユーリ「なんだと!?それじゃ、こいつは世界を守ろうとして、あんなんなっちまってたのか」

 

 

ジュディス「グシオス……」

 

 

イフリート「……救ってやってくれ。まだ、グシオスという存在でいる間に……」

 

 

リョウ『分かった……』

 

 

 

 

 

 

 

 

リョウたちはグシオスを倒し、グシオスは聖核になった。

 

 

ジュディス「グシオス……ごめんなさい……」

 

 

クリントは憎しみを込めた目で聖核を見つめている。

 

 

リョウ『よくまだそんな目ができるな』

 

 

クリント「……そいつはあの化け物の魂だ。砕かずにはすまさん」

 

 

エステル「化け物じゃないです!彼らは世界を守ってくれたんですよ?」

 

 

クリント「始祖の隷長の役目など知ったことではない!!」

 

 

ユーリ「……てめえ知ってるな?始祖の隷長がどんな存在か」

 

 

カロル「知っててまだ狙ってたの?世界がこんなになっているのに!」

 

 

クリント「俺の家族は十年前に始祖の隷長どもに殺された。奴らを憎む気持ちは世界がどうなろうと変わるものではない!」

 

 

カロル「……それでも間違っているよ」

 

 

クリント「なに?」

 

 

カロル「そんなこと続けたって、なにも帰ってこないのに」

 

 

レイヴン「あの戦争で身内失ったのは、あんたらだけじゃないでしょ」

 

 

リョウ『それでも前を向いて一生懸命生きようとする人もいるんだ』

 

 

ユーリ「世界がどうにかなりそうなって時だ。意地になってんじゃねえよ」

 

 

クリント「今更……生き方を変えられん」

 

 

リョウ『生き方を変えろとまでは言わねえよ。ただ、俺たちの邪魔だけはしないでくれ』

 

 

ナン「首領……」

 

 

クリント「……撤収するぞ」

 

 

クリントとティソンは森を去っていった。

 

 

ナン「……ありがとう」

 

 

カロルに礼を言うとナンも去った。

 

 

ジュディス「精霊化を済ませましょ」

 

 

聖核から新たな精霊が誕生した。だが、瞳は閉じられており、動く気配がない。

 

 

リタ「成功……?」

 

 

パティ「ピクリとも動かんのじゃ」

 

 

イフリート「意識すら飲まれかけていたのだ。しばらくは目覚めまい。さあ、名付けてやるがよい」

 

 

エステル「属性はなんです?」

 

 

ウンディーネ「大地深く根ざした力……すなわち地」

 

 

エステル「……大地なら……根を張る者ノーム」

 

 

カロル「地の精霊ノーム……」

 

 

ウンディーネ「目覚めたら、伝えておこう」

 

 

精霊たちは姿を消した。

 

 

リタ「……星喰みがエアルを調整しようとした始祖の隷長の成れの果てなんて」

 

 

ユーリ「まったく人間ってやつは本当に自分の目で見えることしか分からないもんだな」

 

 

リョウ『結局一番悪いのは人間か……なおさら頑張らないとな』

 

 

To be continued

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