天を照らす銀河   作:浮雲のソル

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第7話 ノール港に到着

謎の男、ダフィエルの襲撃から一夜明け、ノール港へ着いたリョウ達。ノール港へ近づいた頃から雨が降り始め、ノール港へ着いても止む気配はない。

 

 

『ノール港に着いたみたいだけど、いつまでふるんだこの雨…』

 

 

「びしょびしょになる前に宿を探そうよ」

 

 

カロルがそう提案してきたので宿を探そうとするが、エステルが立ち止ったままいるので、ユーリが

 

 

「どうした?エステル」

 

 

「あ、その、港町というのはもっと活気のある場所だと思っていました」

 

 

『それもそうだな…なんというか生気がないというか…』

 

 

「ノール港は厄介な場所なんだ」

 

 

「どういうことよ?ガキんちょ」

 

 

「ノール港はさあ、帝国の圧力が…「金の用意ができないときは、おまえらのガキがどうなるかよくわかってるいるよな?」

 

 

リタの問いにカロルが答えようとするが、男の声によって遮られる。声がする方へ見ると、傷だらけの男性が役人らしき男に土下座している。

 

 

「お役人様!!どうか、それだけは!息子だけは返してください。税金を払える状況でないことはお役人様もご存じでしょう?」

 

 

「ならば、早くリブガロって魔物を捕まえてこい」

 

 

「そうそう、あいつのツノを売れば一生分の税金納められるぜ。前もそう言ったろう?」

 

 

そう言うと、男達は去って行った。

 

 

「なに、あの野蛮人」

 

 

「カロル、今のがノール港の厄介の種か?」

 

 

「うん、このカプワ・ノールは帝国の威光がものすごく強いんだ。特に最近来た執政官は帝国でも結構な地位らしくて、やりたい放題だって聞いたよ」

 

 

『部下の役人もやりたい放題ってことか』

 

 

「そんな…」

 

 

エステルがそう言っていると、傷だらけの男性が立ち上がり、街の出口へ走り出すが、ユーリが突き出した足に引っかかって転んだ。

 

 

「痛っ…あんた何すんだ!!」

 

 

「あ、悪いひっかかっちまった」

 

 

「もう!ユーリ!…ごめんなさい。今、治しますから」

 

 

エステルは男性に治癒術をかけるが、傍にいた女性が申し訳なさそうに

 

 

「あ、あの…私たち、払える治療費が…」

 

 

「その前に言うことあんだろ」

 

 

「え…?」

 

 

「まったく、金と一緒に常識までしぼりとられてんのか」

 

 

「ご、ごめんなさい、ありがとうございます」

 

 

〖ユーリらしいっちゃユーリらしいのかな〗

 

 

リョウがそう思っているとユーリがいつもまにかいなくなっていたことにカロルが気付いて

 

 

「あれ…?ユーリは?」

 

 

『どこいったんだ?しゃーない捜してくるか…』

 

 

リョウはユーリを捜すことになった。

 

 

〖ユーリのやつどこいったんだ?〗

 

 

リョウがユーリを捜していると、路地に見覚えのある長い黒髪が目にはいった。

 

 

『おっいたいた。おーいユーリ…!?』

 

 

声をかけながら路地へ入って行くリョウ。しかし、リョウが見た光景は三人の黒装束の男に襲われているユーリだった。

 

 

『今、助ける…ぐっ!?』

 

 

太刀を鞘から抜こうとしたが、右肩に激痛が走り、その場で膝をついてしまう。ダフィエルに斬られた右肩はまだ完治してなかった。

 

 

〖くそ!!こんな時に…〗

 

 

「ユーリ!!」

 

 

突如現れた金髪で騎士の鎧をまとった男がユーリに助太刀にはいり、三人の黒装束の男を蹴散らす。そして、騎士の男とユーリがリョウに駆け寄る。

 

 

「君、大丈夫かい?」

 

 

騎士の男はリョウに手を差し出す。

 

 

『ああ、ありがとう。ちょっと傷が開きかけたみたいだ。ところであんたは?』

 

 

「フレン、フレン・シーフォだ」

 

 

『フレン…ってユーリの友達の!?』

 

 

リョウは驚き、ユーリの方を見る。

 

 

「なんだよ?」

 

 

『いや、思ってた人とだいぶ違うなって』

 

 

「どういう意味だ!」

 

 

「まあまあ、二人とも…さて、ユーリ」

 

 

フレンはいきなりユーリに向けて剣を振り下ろす。ユーリはすんでのところで受け止める。

 

 

「ちょ、おまえ、なにしやがる!」

 

 

「ユーリが結界の外へ旅立ってくれたのは嬉しく思っている」

 

 

「なら、もっと喜べよ。剣なんか振り回さないで」

 

 

「これを見て、素直に喜ぶ気がうせた」

 

 

フレンは剣である紙を指した。

 

 

『ユーリの手配書!?ユーリ、おまえ犯罪者だったのか?』

 

 

「色々事情があったんだよ」

 

 

「事情があったとしても罪は罪だ」

 

 

「ったく、相変わらず、頭の固いやつだな…あっ」

 

 

ユーリが文句を言っていると、エステルがやってきたことに気付いたユーリ

 

 

「ユーリ、さっきそこで何か事件があったようですけど…フレン!」

 

 

エステルがフレンに抱きつく。

 

 

「よかった、フレン。無事だったんですね?」

 

 

「は、はい大丈夫ですから…その、エステリーゼ様…こちらに」

 

 

やや強引にエステルを宿屋に連れていく。取り残されたリョウとユーリ。すると、リョウが

 

 

『ユーリ、さっきは悪かったな助けに行けなくて』

 

 

「きにすんな。それより、後でエステルに治癒術かけてもらえよ」

 

 

『ああ、そうする。これからどうする?』

 

 

「カロルとリタに合流するか」

 

 

二人も宿屋に向かうことになった。

 

 

宿屋の軒下でカロルとリタに合流したリョウとユーリ。エステルとフレンは宿屋の中で話をしていて立て込んでるらしく。ユーリは街を見て回ることに、リョウはカロルとリタと一緒に待つことになった。

 

 

『いててて…また痛くなってきた』

 

 

リョウは右肩を押さえる。するとリタが心配そうに

 

 

「…ケガ、まだ治ってないの?」

 

 

『ああ、後でエステルに治癒術をかけてもらうけど…少しの間は安静にしとかないといけないかもな』

 

 

「そう…」

 

 

『心配してくれんのか?』

 

 

「な!?誰が!?し、心配なんて!?」

 

 

リタが大声を出しリョウの右肩を叩く

 

 

『痛っ!?やめろ!?傷が開くから!!』

 

 

(ボクってもしかしてジャマ?)

 

 

二人のやりとりを見て、そう思うカロルであった。

しばらく待っていると、フレンとエステルの話が終わったらしく、宿屋の一室に入る三人。その部屋でユーリを待っていると、ユーリが部屋に入ってきた。

 

 

「用事は済んだのか?」

 

 

ユーリの問いにうなずくエステル。フレンはエステルから事情は聴いたようだが、どんな事情があれど、下町の魔核を取り戻した後、処罰をうけることになったユーリ。そのとき、騎士の格好をした女性と魔導士風の少年が入って来た。

 

 

「フレン様、情報が…なぜ、リタとリョウがいるんですか!!あなた達、帝国の協力要請を断ったそうじゃないですか?」

 

 

「誰?」

 

 

「『…だれだっけ?』」

 

 

ユーリの問いにリョウとリタが同時に答える。

 

 

「…ふん、いいですけどね。僕もあなた達に興味ありませんし」

 

 

「紹介する。アスピオで同行を頼んだウィチルと私の部下のソディアだ」

 

 

フレンは女性の騎士のソディアとアスピオの魔導士のウィチルを紹介した。

 

 

「こいつ…!賞金首のっ!!」

 

 

ソディアはユーリの顔を見ると、すかさず抜刀する。

 

 

「ソディア!待て彼は私の友人だ」

 

 

「なっ!賞金首ですよ!」

 

 

「事情は今、確認した。確かに軽い罪は犯したが、ほとんど濡れ衣だ。後日、受けるべき罰は受けてもらう」

 

 

「し…失礼しました。ウィチル、報告を」

 

 

ウィチルによると、雨や暴風の原因は、魔導器のせいだと思われ、ラゴウという執政官の屋敷内にそれらしき魔導器が運び込まれたとの証言があることを話した。

 

 

「執政官様が魔導器使って、天候を自由にしてるってわけか」

 

 

「ええ、あくまで可能性ですが。その悪天候を理由に港を封鎖し出航する船があれば、法令違反で攻撃を受けたとか」

 

 

「それじゃ、トリム港に渡れねえな…」

 

 

「執政官の悪いうわさはそれだけではない。リブガロという魔物を野に放って、税金を払えない住人たちと戦わせて遊んでいるんだ。リブガロを捕まえてくれば、税金を免除すると言ってね」

 

 

「そんな、ひどい…」

 

 

『入り口で会った夫婦のケガはそういうことか…』

 

 

「そういえば、子どもが…」

 

 

「子どもがどうかしたのかい?」

 

 

「なんでもねえよ。色々ありすぎて疲れたし、オレらこのまま宿屋で休ませてもらうわ」

 

 

そう言って部屋を出て行った。

 

 

宿屋を出て、これからのことを話し合い、とりあえずラゴウの屋敷に向かうことになったが、傭兵に引き止められ門前払いをくらってしまった。

次に献上品を持って行くことになり、リブガロを捕まえに行こうとしたが、カロル曰く「雨が降るとリブガロは出てくるけど、どこにいるかは分からない」らしいので、手分けして街の人に居場所を聞くことになった。

 

 

〖さて、誰に聞こうかな…〗

 

 

リョウが街を歩いていると、うさんくさそうな男を見つけた。

 

 

〖あのおっさんに聞いてみるか…『あのーすいません』

 

 

「ん?おっさんになにか用…!!」

 

 

うさんくさそうな男が振り向きリョウを見た瞬間驚き、少しの間固まっていた。

 

 

『あのーどうかしましたか?』

 

 

リョウの言葉で男は我に返り

 

 

「あっゴメンゴメンちょっとボーッとしててね…えっとおっさんになんの用?」

 

 

『リブガロっていう魔物を探しているんですけど、どこにいるか知りませんか?』

 

 

「うーん、ちょっと分かんないね。ゴメンね」

 

 

『そうですか…分かりました。すいません時間をとってしまって』

 

 

「いいのいいの気にしないで」

 

 

「おーい、リョウ、リブガロの居場所分かったよ」

 

 

少し離れたところでカロルの声がした。

 

 

『分かった。すぐ行く…「ちょ、ちょっと少年」

 

 

リョウは仲間のところへ行こうとしたが男に呼び止められた。

 

 

『どうしました?』

 

 

「少年の名前は?」

 

 

『リョウ・ゲキショウですけど…』

 

 

「リョウ・ゲキショウ…」

 

 

男は深く考え込んでいた。

 

 

『あのー…「え!?いい名前だと思ってね」

 

 

『そうですか…じゃあ、俺は急ぐんで』

 

 

リョウは仲間のところまで走って行った。

 

 

「偶然よね…」

 

 

男はリョウの背中を見てそうつぶやいた。

 

 

To be continued

 

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