天を照らす銀河   作:浮雲のソル

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第70話 団結する心

フレンがいるという、ヒピオニア大陸までやって来たリョウたち。

大きな土煙が発生している場所を見つける。

 

 

ユーリ「あれか!?」

 

 

カロル「すごい土煙だよ。あれ全部魔物!?」

 

 

ジュディス「アスタルが死んでから統制を失った反動らしいわ。大陸中の魔物が殺到しているみたい」

 

 

エステル「本当にあのどこかにフレンがいるんです?」

 

 

ユーリ「多分な」

 

 

レイヴン「どうすんのよ?まさか全部倒してくつもり?」

 

 

リョウ『倒せないこともないが、時間がかかりすぎるだろうな』

 

 

ユーリ「リタ、例のリタ製宙の戒典、使えないか?」

 

 

レイヴン「星喰みぶっ飛ばすみたいに魔物蹴散らすってか?」

 

 

リタ「そうね……。精霊の力に指向性を持たせて結界状のフィールドを展開し、魔物だけを排除、か……。出来るはずよ」

 

 

ジュディス「でも、それは星喰みに対するためのものでしょう?」

 

 

ユーリ「使わせてくれないか。頼む」

 

 

エステル「わたしからもお願いします。宙の戒典は……人を救えるものって信じたいから……」

 

 

リタは自作の宙の戒典を持ってきた。

 

 

リタ「そうね。これぐらいバーンと出来ちゃわないと星喰みになんて通用しないわ」

 

 

ジュディス「そう。ならそうしましょうか」

 

 

リョウ『ユーリがわがまま言うのも珍しいしな』

 

 

カロル「たまには聞いてあげないとね!」

 

 

ユーリ「ったく。茶化すんじゃねぇっての」

 

 

ジュディス「具体的にはどうするの?」

 

 

リタ「魔物が一番集まってるところで起動、これだけ。簡単でしょ?」

 

 

ユーリ「簡単だな」

 

 

カロル「せっかくだからその装置、名前付けようよ。リタ製宙の戒典じゃあんまりだし」

 

 

リタ「好きにすれば」

 

 

カロル「うん!明星壱号!どう!?」

 

 

リタ「……やめればよかった」

 

 

ユーリ「まあいいんじゃないか?シンプルで」

 

 

リョウ『カロルにしてはいい名前だな』

 

 

カロル「しては、は余計だよ」

 

 

ユーリ「よし。いっちょいくか」

 

 

 

 

 

 

 

 

地上に降りたリョウたち。あたりは魔物と騎士、逃げ惑う人々が入り乱れている。

 

 

リタ「すごい状況……」

 

 

カロル「あの中に突っ込むんだ……」

 

 

エステル「見て、あそこ!」

 

 

魔物と戦うフレンの姿が見えた。

 

 

ユーリ「フレン!」

 

 

リョウ『相当追い込まれてるぞ。急いだ方がいいな』

 

 

ユーリ「行くぞ!はぐれるなよ!」

 

 

リョウたちは走り始めた。

魔物を倒しながら進んで行くと、フレンの姿が見えた。

 

 

リョウ『フレン!大丈夫か!?』

 

 

ユーリ「間に合ったみてぇだな」

 

 

フレン「ユーリ!リョウ!どうしてここに!?」

 

 

ユーリ「上官想いの副官に感謝しろよ」

 

 

フレン「ソディアが!?だが、こんな状況だ。このままではいつかやられてしまう」

 

 

レイヴン「切り札は我にありってね」

 

 

フレン「なんだって?」

 

 

明星壱号を取り出し

 

 

ユーリ「こいつを、敵の中心でスイッチポン。するとボン!ってわけだ」

 

 

フレン「敵の中心で、か。この数だ、簡単じゃないよ」

 

 

ユーリ「簡単さ、オレとおまえとリョウがやるんだぜ?」

 

 

ラピード「ワォン!」

 

 

フレン「フッ。分かった、やってみよう」

 

 

リョウ『そうこなっくちゃな!』

 

 

ユーリ「みんな、こいつの起動はオレたちがやる。ここは頼んだぜ!」

 

 

リタ「あんたらだけで行く気!?無茶でしょ!」

 

 

フレン「ここの守りを手薄にするわけにはいかない。ここを守り抜かねば僕たちが魔物を退ける意味すらなくなるんだ」

 

 

エステル「わかりました。ここは任せてください!」

 

 

パティ「うちらは適当にがんばるのじゃ」

 

 

フレン「ありがたい」

 

 

ジュディス「がんばってね。三人とも」

 

 

ユーリ「いくぜ!」

 

 

リョウ『おう!』

 

 

フレン「ああ!」

 

 

ラピード「ワン!」

 

 

リョウたちは群れの中心部へ向かって走り出す。

 

 

フレン「そろそろ群れの中心だ!」

 

 

ユーリ「まだ戦いたりねぇけどな!」

 

 

フレン「こんな時だというのに君は楽しそうだな」

 

 

ユーリ「ヘッ、おまえこそ」

 

 

フレン「でも、一番楽しそうなのは……」

 

 

リョウ『オラオラオラオラオラオラッ道を開けろー!!』

 

 

フレンはどんどん魔物を切り捨てていくリョウを見る。

 

 

ユーリ「ハハッ、ちがいねぇ」

 

 

リョウたちは群れの中心にたどり着く。

 

 

リョウ『いけぇ!ユーリ!』

 

 

ユーリ「おう!くらいな!」

 

 

ユーリが明星壱号を地面に突き立てると、魔法陣が展開し、次々と魔物を消し去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔物たちが消え、夜が明けた。

 

 

ユーリ「明星壱号、壊れちまったか。悪いことしたな」

 

 

リョウ『筐体に使ってた素材が脆すぎたみたいだな』

 

 

フレン「すまない、僕らのために」

 

 

リタ「大丈夫、魔核も無事だし、修理はできるわ。ただ……」

 

 

ジュディスとパティがやってきて

 

 

パティ「思った以上にけが人が多いのじゃ」

 

 

ジュディス「エステルのおかげで、みんな命は取り留めたけど、すぐには動かさない方がいいわね」

 

 

フレン「しばらくここで守り抜くしかないか」

 

 

「それならここを砦にしてしまえばいいんじゃない?」

 

 

カロル、レイヴンと一緒にカウフマンが現れた。

 

 

カウフマン「お久しぶりねユーリ君。凛々の明星の噂、聞いているわよ。手配してた傭兵では十分じゃなかったようね。こちらの不手際で迷惑かけたわ」

 

 

フレン「いえ、ギルドも今混乱しているでしょう。ご助力感謝します」

 

 

カウフマン「お詫びと言ってはなんだけど、ここの防衛に協力するわ」

 

 

リョウ『あんたが戦うのか?』

 

 

カウフマン「まさか。私は商人よ。まあ見てらっしゃいな」

 

 

カウフマンは去って行き。入れ替わるように、ウィチルとソディアがやってきた。

 

 

ウィチル「フレン隊長、無事でよかった!」

 

 

フレン「ウィチル!……なにかあったのか」

 

 

ウィチル「はい、例のアスピオの側に出現した塔ですが、妙な術式を周囲に展開し始めました。紋章から推測するに、何か力を吸収しているようです。それにあわせてイリキア全土で住民が体調に異変を感じています」

 

 

リタ「吸引……体調……それって人間の生命力を吸収してるってことじゃあ……」

 

 

リョウ『……デューク』

 

 

リタ「生命は純度の高いマナ。……それを攻撃に使うつもり?」

 

 

レイヴン「人間すべての命と引き換えに星喰みを倒すってのはこういうことだったのね」

 

 

ウィチル「術式は段階的に拡大しています。このままいくといずれ全世界に効力が及ぶ可能性が……」

 

 

エステル「そんな……!」

 

 

リョウ『もう時間がないってことか』

 

 

リタ「でも、思った通りこのままだと精霊の力が足りないわ。明星壱号を修理してもそれだけじゃ駄目ね」

 

 

カロル「ええ?あんなすごい威力なのに!?」

 

 

リョウ『あれの何百倍もの力が必要だな』

 

 

ユーリ「……やっぱ魔核を精霊に変えるしかないか」

 

 

フレン「待ってくれ、僕らにも分かるように説明してくれないか」

 

 

ユーリ「そうだな。フレン、ヨーデル殿下やギルドの人間にも聞いてもらいたいんだ。ここに呼べねぇか?」

 

 

フレン「フフ、ハハハハ」

 

 

カロル「も~、ユーリ。皇帝をこんなところに呼びつけようって言うの?」

 

 

リョウ『ユーリらしいな』

 

 

フレン「フフ。わかった。なんとかしてみるよ。その代わり、ユニオンや戦士の殿堂の人たちには君が話をつけてくれ」

 

 

ユーリ「わかった」

 

 

リョウ『じゃあ、ダングレストとノードポリカへ急ごうぜ』

 

 

To be continued

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