天を照らす銀河   作:浮雲のソル

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最終話 輝く未来へ

タルカロン

 

 

 

リョウがディエドと戦っている間、ユーリたちはタルカロンでリョウの帰りを待っていた。

 

 

ユーリ「リョウのやつ、おせえな……」

 

 

カロル「リョウ……大丈夫かな」

 

 

リタ「さっさと倒して帰って来なさいよ……」

 

 

レイヴン「ホントよね。リタっちも心配してるのに」

 

 

デューク「リョウ……」

 

 

ラピード「クウーン……」

 

 

フレン「僕たちはリョウの帰りを待つことしかできないのか……」

 

 

エステル「いいえ、わたしたちにもできることがあります!」

 

 

パティ「なんなのじゃエステル?」

 

 

エステル「祈ることです!」

 

 

ジュディス「そうね。それなら私たちにもできるわ」

 

 

エステル「みんなでリョウを想って祈りましょう!」

 

 

エステルがそう言うとユーリたちは目を閉じて祈りはじめる。

すると、リタの身体が光りはじめた。

 

 

リタ「え?なに?」

 

 

カロル「リタ!光ってるよ!あれ?ボクもだ」

 

 

デューク「これはいったい……?」

 

 

その場にいた全員の身体が光りはじめた。

やがて光は上空のディエド城へ向かって一直線に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

リョウ『ここは……?』

 

 

リョウが目を覚ますと真っ暗な空間にいた。

 

 

リョウ『なにも感じない……俺は死んだのか?』

 

 

とりあえずリョウは歩いてみるが、景色は変わらない。

 

 

リョウ『約束守れなかったな……最低だな俺は……』

 

 

リョウの身体はだんだんと暗闇に消えていく。

 

 

リョウ『このまま消えるのか……』

 

 

リョウが諦めかけたその時、背後から大きな光が照らしてきた。

 

 

リョウ『あの光は?』

 

 

リョウは一目散に光の方向へと走り出した。

 

 

 

 

 

 

ディエド城

 

 

 

ディエド「終わったか……」

 

 

リョウが先程までいた場所を見て、玉座へ戻ろうと足を進めるディエド。

 

 

ピシッ

 

 

ディエド「なんだ?」

 

 

何かにひびが入る音が聞こえて振り返るとそこには空間に亀裂が入っており、間からは光が漏れていた。そして

 

 

パリィン

 

 

空間が割れてそこからリョウが現れた。

 

 

ディエド「バカな!?永劫奈落を脱出しただと!?」

 

 

リョウ『それだけじゃない。俺の傷もこの通り』

 

 

リョウの傷は完全に塞がっていた。

 

 

ディエド「永劫奈落に光はないはずだ!?」

 

 

リョウ『光なら届けてくれた。仲間、友だち、そして愛する人からの想いと一緒にな!!』

 

 

リョウは銀雪花を構える。

 

 

リョウ『そして俺はその人たちの生きる世界を守る!!』

 

 

銀雪花が大きく光はじめる。

 

 

ディエド「ならばその世界を我がものにしてくれるわ!!」

 

 

リョウとディエドは互いに向かって走り出す。

 

 

ディエド「これで終わりだ銀河の皇!!」

 

 

リョウ『うおおおおおおお!!銀河刃・零!!!!』

 

 

リョウの一刀はディエドの大剣、身体を切り裂いた。

 

 

ディエド「バカな……我が消える……だが……暖かい……これが光」

 

 

ディエドは光に包まれ消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タルカロン

 

 

 

カロル「見て!ディエド城が!」

 

 

ディエド城が突然光に包まれて消えた。

 

 

デューク「勝ったのか……魔王に」

 

 

リタ「リョウは?リョウはどこなの?」

 

 

エステル「あれを見てください!」

 

 

エステルの指さす先に光の球体が見える。その球体はこちらに向かって来ている。

 

 

パティ「リョウなのじゃ!」

 

 

光の球体が着地すると球体は消え、リョウが現れた。

ユーリたちはリョウに駆け寄る。

 

 

ユーリ「遅かったじゃねぇか」

 

 

リョウ『わりぃ。思ったより手こずった』

 

 

カロル「心配したんだからね」

 

 

レイヴン「まあ結果が良ければすべてよしってとこかね」

 

 

デューク「よく戻ってきてくれた」

 

 

パティ「今日はお祝いのおでんなのじゃ」

 

 

フレン「リョウ。君はすごいよ!」

 

 

ジュディス「すごいわ。リョウ」

 

 

ラピード「ワン!」

 

 

エステル「わたしたちの祈りと想いはちゃんと届きました?」

 

 

リョウ『ああ。それは光となって俺にちゃんと届いたぜ。あれがなかったら俺は負けていた。みんなありがとう!』

 

 

リタ「リョウ……」

 

 

リョウ『リタ……ただいま!!』

 

 

リタ「おかえり!!」

 

 

リョウとリタはそのまま抱き合った。

あらたな世界が、今始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、3年の月日が経った。リョウとリタは結婚し一軒家で暮らしている。

 

リタとリョウの家

 

 

 

今、ふたりは夕食をとっている。正確には……3人でもある。

 

 

リョウ『なあリタ。研究もほどほどにしとけよ』

 

 

リタ「でも、いまいいところなの」

 

 

リョウ『もうリタだけの身体じゃないんだからな』

 

 

リタ「うっ……分かってるわよ//////」

 

 

そう言いリタは大きく膨らんだお腹をさする。

太っている訳ではなく新しい命が宿っているのである。

 

 

リタ「じゃあ、この子の為にもご飯おかわり/////」

 

 

リョウ『おう!いっぱい食べろよ!』

 

 

リタにご飯を渡す。

 

 

リタ「ねえ、リョウ」

 

 

リョウ『ん?』

 

 

リタ「愛してるわ/////」

 

 

リョウ『俺も愛してる//////』

 

 

これから先、輝く未来が待っている。そう、あの天を照らす銀河のように!

 

 

End


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