ヘリオード
リョウたちが夜中にヘリオードの結界魔導器前を通りかかると、何かの声がした。
ジュディス「……何の声かしら?」
レイヴン「赤ん坊の声ね」
リョウが結界魔導器の裏側で泣いている赤ん坊を見つけた。
リョウ『こんなところに……お~よしよし』
リョウは赤ん坊を抱きかかえるが、赤ん坊は泣き止まない。
リタ「ちょっと、貸しなさいよ」
リタに赤ん坊を渡す。
リタ「泣き止みなさいって」
カロル「そんなんで泣き止むわけ……」
カロルのツッコミに反して、赤ん坊は泣き止んだ。
エステル「スゴイです……リタ、お母さんの才能あります」
リタ「何よ、それ……」
カロル「ねぇ、これって捨て子かな?」
ユーリ「だとしたら、騎士に預けんのが妥当だな」
エステル「でも、こんな夜中に訪ねていくのはちょっと……」
リタ「……どうせ朝まででしょ。あたしたちで面倒見るわよ」
エステル「そうですね……「リタとリョウ以外集合」
ユーリがリタとリョウ以外の仲間を集めてひそひそ話を始めた。
ユーリ「赤ん坊の世話はリョウとリタに任せようぜ」
エステル「どうしてです?」
ユーリ「あいつら付き合ってるだろ?将来、結婚して子どもが産まれた時のために今のうちに練習させた方がいいんじゃねえかなって」
エステル「それはいい考えですね!」
レイヴン「気が利くじゃない」
ジュディス「おもしろそうね」
カロル「だ、大丈夫かな?」
パティ「大丈夫なのじゃ!……たぶん」
リョウ『急にどうしたんだ?みんなでひそひそと……』
ユーリ「ちょっと急用を思い出してな、子どもの世話はふたりに任せた」
リタ「え、ちょ、ちょっと」
レイヴン「あとはよろしく~」
エステル「頑張ってくださいね」
ジュディス「じゃあね」
カロル「が、頑張ってね」
パティ「リタ姐とリョウの将来の為なのじゃ」
取り残された三人
リタ「丸投げにされた……」
リョウ『しゃあねぇ。俺たちで世話するか……』
宿屋の一室で赤ん坊の世話するリョウとリタ。
リタの腕の中でも赤ん坊が泣き始めてしまい
リタ「どうしよう……泣き止まないわ」
リョウ『腹が減ったのかもな。ミルク作るから待っててくれ』
リョウはミルクを作りリタに渡す。赤ん坊はミルクを飲み始めた。
リョウ『やっぱり腹が減ってたんだな』
ミルクを飲んでいる赤ん坊を見てリタが
リタ「かわいい……」
リョウ『そうだな……』
満腹になったからか赤ん坊はベッドで寝ている。
その赤ん坊の寝顔のぞき込むリョウとリタ
リョウ『よく寝てるな』
リタ「そうね」
リョウ『なあリタ』
リタ「なに?」
リョウ『子ども何人欲しい?』
リタ「ぶっ!?な、なによいきなり/////」
リョウ『い、いや。将来、結婚したら何人欲しいのかなって////』
リタ「ふ、ふたりは最低欲しいわ//////」
リョウ『じゃ、じゃあ結構頑張らないとな/////』
リタ「も、もう。あたしたちも寝ましょう/////」
リョウ『そ、そうだな。……一緒に寝るか?/////』
リタ「う、うん/////」
赤ん坊の隣ベッドの中に入るふたり
リョウ『リタ……/////』
リタ「な、なに……ん!?/////」
リョウがキスをしてきた。
リョウ『少し早い誓いだ//////』
リタ「ば、バカ//////」
そう言いながらリョウに抱きつくリタ。そのままふたりも眠りについた。
次の日、赤ん坊は無事に母親の元に戻った。
End